2016年11月08日
京都の世界遺産「宇治上神社&宇治神社」で日本最古の神社建築を見に行こう!
平等院から宇治川に添って歩いていくと対岸に見えるのが『宇治上神社(うじがみじんじゃ・うじかみじんじゃ)』です。平安末期の建築で、神社としては最古のもの。緑と宇治川にの美しい流れ、平等院と同時にこちらもじっくりと楽しんで帰りましょう。隣接する学問の神様として有名な「宇治神社」も合わせて紹介します。
世界遺産に登録もされていますが、あまり知られていない『宇治上神社』。平等院の鎮守社として長く崇拝をされてきた神社です。醍醐天皇が平等院を訪れた折りに「離宮明神」の神位を与えたそう。
正式名称は「宇治離宮明神」です。明治維新後、『宇治上神社』と『宇治神社』に分かれました。宇治神社は参道を右に、宇治上神社は左に朱塗りの鳥居が見えてきます。
鳥居をぬけると正面に『拝殿』が見えてきます。まず目を引くのは円錐の盛り砂。「清めの砂」と呼ばれています。神様の依り代となるもので、八朔祭に奉納され、1年間神社を清めています。山手にある神社の拝殿としては立派なものです。正月などの祭りごとの時には、この砂を撒いてお祓いするそう。
※この清め砂は授与所で購入することもできます。土地の神様を沈める効果があるそうです。
この拝殿の建築様は住宅建築にも似ていて、平安時代の遺構として非常に興味深いもの。
特に屋根はまるで海を吹く風のように美しい「縋破風(すがるはふ)」は、さざ波のような素晴らしさ。
『本殿』は拝殿よりもコンパクトな印象ですが、中には左殿・中殿・右殿があり、重要文化財でもある絵が扉に描かれています。内部は拝観はできませんが、国宝の美しい本殿を見るだけでも価値は十分にあります。一間社流造り(いっけんしゃながれつくり)で、左右の社殿が大きく、中央が小さいと珍しい形であるのも注目してください。中は入ることは出来ませんが、囲いから見ることができるようになっています。
中には応神天皇、仁徳天皇、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の三人の神様が祀られています。菟道稚郎子は応神天皇の末っ子で学問に優れていたため、跡継ぎとして皇太子となった人物です。長子の大山守王子はこれを不服とし兵を差し向けますが、次兄の大鷦鷯尊に皇位を譲り、自らは命を絶ってしまいました。悲劇の皇太子は宇治に静かに眠っているのです。そして、学問の神として信仰されている菟道稚郎子が祀られていることもあり、学業成就、受験合格祈願のため、お参りされる人も多いとか。
拝殿の右に手水舎があり『桐原水』が湧き出ているのですが、飲料水としては利用できません。宇治では唯一の名水はこちらだけですが、手洗いだけで我慢してください。ほかの宇治の水は枯れてしまったとか。こちらは今もこんこんと湧き出ています。何か不思議なパワーを感じますね。
京都検定の影響ですごく見たかった宇治上神社の桐原水に、さわらびの道。桐原水は宇治七名水で現存する最後の一つ。さわらびの道は神社や源氏物語ミュージアム、古跡の並ぶ美しい道でした。宇治はまたゆっくり歩いて色々勉強したいな。 pic.twitter.com/g8ppqLLrxh
— ばんどらー (@doradorabanban) 2016年4月5日
『宇治十帖』は、光源氏の子供の世代の話になり、この宇治が舞台となっています。 人気を二分する匂宮(におうのみや)と薫(かおる)は、大君・中君姉妹の姉妹を見初め、中でもしとやかで慎ましい大君に心を惹かれていきます。この姉妹の父は、光源氏の異母弟・八の宮。この八宮は菟道稚郎子がモデルとされ、邸宅はこの周辺にあったと伝わっています。
御朱印は通常の奉書だけでなく、宇治茶にちなんだ緑色の台紙に本物の印泥を使ったものや季節限定の台紙など、さまざまなタイプがあります。御朱印を集めている人は、四季に応じた御朱印をいただきに訪れてみてください。
紫式部にちなんだ紫紺(しこん)の台紙に金字朱印で書かれた「離宮」と宇治茶にちなんだ緑色の台紙「茶加美」は1日10枚限定です。
春は華やかな色あいの「花」、夏は爽やかな青や水色の「紺碧」、秋はもみじが緑から黄色や山吹色に染まっていく「紅葉」、そして冬はお守りの紋にもなっている“うさぎ”になぞらえた「雪うさぎ」を和紙で表現した季節限定の御朱印。季節によって用意されている和紙の種類が違います。全て宮司の手書きなので、1日10枚限定になります。
神社周辺の道を「うさぎのみち(莵道)」と書いて“うじ”と呼んでいたとか。そのため、かわいいうさぎのおみくじやお守りが用意されています。
宇治上神社には絵馬がありません。変わりに「願い人形」が2種類用意されています。どちらにも神社に縁がある“うさぎ”が描かれています。
京阪宇治線「宇治駅」から徒歩10分ほどの距離にあります。宇治駅から駅前広場を通り、さわらびの道へ向かいます。道なりに進むと宇治神社の横に出るので、右手に見ながら奥に進むと『宇治上神社』にたどり着けます。
宇治上神社本殿 拝殿の詳細情報
宇治上神社の参拝後には、徒歩5分ほどの「宇治神社」へお参りにいきましょう。
平等院の地主神として祀られていた神社で、宇治上神社と摂社になっています。平等院に参詣する前にこちらに立ち寄り、宇治川を渡って参詣に訪れたようです。開運や学問の神様としてのご利益がありますので智恵の輪をくぐって合格祈願してみましょう。
境内には兎の像があちこちにあり、「みかえり兎」と呼ばれています。うさぎ道が宇治に入る途中で道に迷った時に兎がふりかえり、道案内をしたとか。正しい道に導いてくれることから良縁のご利益もありますよ。
まず絵馬にお願い事を書き、お賽銭箱前の「みかえり兔」にお願い事をします。それから本殿を“時計まわり”に3周する間に、残り3体ある“うさぎの置物”に巡りあえたらお願い事が叶うとか。ぜひ挑戦してみてください。
可愛い兎のおみくじはおしりにテープが貼られていて、中からおみくじが出てきます。なんとも愛らしい姿は、見ているだけでほんわかします。
オリジナルの御朱印帳にもしっかりと「みかえり兔」が描かれています。
京阪宇治線「宇治駅」から徒歩10分。またはJR奈良線「宇治駅」から徒歩20分ほど、宇治川に浮かぶ「宇治公園」を経由して向かうのおすすめ。
【公式】宇治神社 宇治の氏神、産土神 UJI-Shrine
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京阪宇治線宇治駅から「宇治上神社」と「宇治神社」に参拝後、宇治川を通り「平等院」まで散策するのがおすすめのコースです。
しゅばくの詳細情報
しゅばく
宇治(京阪)、三室戸、宇治(JR) / そば
- 住所
- 京都府宇治市宇治東内13-1
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 11:30 - 15:00 [水] 11:30 - 15:00 [木] 11:30 - 15:00 [金] 11:30 - 15:00 [土] 11:30 - 15:00 [日] 11:30 - 15:00 ■ 定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥1,000~¥1,999
福寿園 宇治茶亭の詳細情報
福寿園 宇治茶亭
宇治(京阪)、宇治(JR) / カフェ
- 住所
- 京都府宇治市宇治塔川1-1
- 営業時間
- [月] 11:00 - 17:00 [火] 11:00 - 17:00 [水] 11:00 - 17:00 [木] 定休日 [金] 11:00 - 17:00 [土] 11:00 - 17:00 [日] 11:00 - 17:00
- 定休日
- 木曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
モグモグベーカリーの詳細情報
モグモグベーカリー
宇治(JR)、宇治(京阪)、三室戸 / パン、サンドイッチ
- 住所
- 京都府宇治市宇治妙楽26-1
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 定休日 [水] 06:00 - 18:00 [木] 06:00 - 18:00 [金] 06:00 - 18:00 [土] 06:00 - 18:00 [日] 06:00 - 18:00
- 定休日
- 月曜日、火曜日
- 平均予算
- ~¥999
京都には、歴史的な建造物や国宝がたくさんあり近くの平等院は特に国宝が多いので「宇治上神社」は地味なスポットに感じるかもしれません。宇治川沿いを時間をかけて散策するだけでも、価値が非常にあります。静かな境内は不思議なパワーがみなぎっています。晴れ渡る空を眺めながら、平安のひと時をこの宇治上神社で感じその大いなる力をお持ち帰りください。
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