2016年04月06日

北海道の原生林の中に佇む神秘の湖「オンネトー」

北海道の原生林の中に佇む神秘の湖「オンネトー」

その湖の名は「オンネトー」。アイヌ語で「大きな沼」「年老いた沼」を表します。遠い昔に雌阿寒岳の噴火によってせき止められてできたという、その湖は、観るたびに色の変わる不思議な湖、それでいて変わらぬ佇まいで訪れる人々を迎え入れてくれます。松山千春の故郷、足寄町(あしょろちょう)にある北海道阿寒国立公園内の「オンネトー」について、ご案内します。

移ろう時の流れをのみこむ静かな佇まい

移ろう時の流れをのみこむ静かな佇まい58361

出典:kaz218さんの投稿

北海道三大秘湖のひとつ「オンネトー」は、人を拒むかのような果てしない原生林の中、雌阿寒岳と阿寒富士に見下ろされながら、静かにたたずんでいます。酸性の湖水は、生き物が住むには不向きで、魚はいません。わずかにザリガニとサンショウウオが棲息するのみ。それが幸いなのでしょう。波立つことの少ない湖は、刻一刻と姿を変え、ときに鏡面となり山々を映し、晴れわたる空を映し、燃え上がるような木々の紅葉を映し、冬の凍てついた高貴さを閉じ込めます。これが五色沼と呼ばれる由縁でもあります。

移ろう時の流れをのみこむ静かな佇まい58363

出典:Jimmy.Sさんの投稿

木々の緑を映したこの青を、「オンネトーブルー」と呼びます。

夏になると多くの登山客でにぎわいます。

夏になると多くの登山客でにぎわいます。58365

出典:maisanさんの投稿

右にそびえるのが阿寒富士(1476m)そして左が今なお活動を続ける活火山、雌阿寒岳(日本百名山、1499m)です。多くの登山客に愛されてきた山ですが、活動状況によっては入山規制が敷かれることもあります。登山目当ての方は、気象条件も合わせた情報収集が必要です。湖の奥には、国設の野営キャンプ場があり、多くの登山者、自然愛好家、オンネトーファンの方々が散策の起点として利用しています。

秋こそ、オンネトーがもっとも華やぐ季節です

秋こそ、オンネトーがもっとも華やぐ季節です58369

出典:Air Bear さんの投稿

秋こそ、オンネトーがもっとも華やぐ季節です58370

出典:papadaさんの投稿

燃え上がるような紅葉を映すオンネト―の美しさは、もはやこの世のものとは思えないほどです。四季のうつろいの中で、もっとも秀でた季節が秋です。そしてもっとも訪れる観光客の多い季節でもあります。撮影スポットも多く、湖の奥の駐車場から、周遊できる遊歩道もあります。

ちょっと一服!オンネトー茶屋

「オンネトー茶屋」外観 58372 シンプル

出典:かつろさんの投稿

多くの方に愛されているオンネトー茶屋は、湖の奥にある駐車場わき、5月から10月までの営業です。ここで一服してから湖散策もよし、歩いてから食べるのも良し。寝泊りは国設野営キャンプ場で、お昼だけここで食べるのも良し。目的に応じてご利用ください。

「オンネトー茶屋」料理 58373 コロッケふきづくし定食

出典:かつろさんの投稿

コロッケふきづくし定食900円。てんこ盛りです。ほかにもオンネト―ラーメン850円や山菜ウドン800円、珍しいところでは熊笹餃子定食900円などなど、山奥ならではのメニューですが、種類は豊富です。

オンネトー茶屋

閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。

冬の密かな結氷も見逃せません

冬の密かな結氷も見逃せません58376

出典:ken_aquaさんの投稿

北海道の冬の景色というのは、すべてを閉ざすかのような吹雪のイメージが大きいのですが、実は晴れた日が多いのです。そしてその空は、乾いた空気により、はるか遠くまでクリアに見渡せます。十勝地方におけるこの晴れ渡った空を「十勝晴れ」と言います。そしてその空の青さを「十勝ブルー」と呼びます。みずうみが結氷のはじまる頃、オンネトーは「十勝ブルー」をやさしく映し出し、氷の下の「オンネトーブル―」とのコントラストを演出します。

オンネトーへのアクセスは、足寄方面からと、阿寒湖方面からの二通りがあります。足寄市街地から東方向、国道241号線から砂利道の道道941号オンネトー線へと右折。足寄市街から約50km、1時間ほどで到着します。阿寒湖畔からはハイヤーで20分(夏期はオンネトー行きのバスが運行しています)。

湖散策後の体を温める「野中温泉別館」

湖散策後の体を温める「野中温泉別館」58380

出典:

飾り気のないシンプルな佇まいはオンネトー同様、ずっと変わりません。変わらない安心感が多くのリピーターに愛されています。

オンネトー散策を堪能したら、ぜひ立ち寄って戴きたいのが「野中温泉別館」です。昭和44年の創業以来、変わらぬ佇まいはオンネトー同様、多くの観光客、ハイカーに愛されてきました。濃厚な硫黄泉と、飾らないおもてなしが心も身体も癒してくれます。道道941号オンネトー線からオンネト―の手前左手に見える湯けむりが「野中温泉別館」です。

「オンネトー茶屋」その他 58382 オンネトー茶屋の帰りに温泉も。野中温泉。

出典:sakura-sobaさんの投稿

風情ある内風呂は、釘を一本も使わない総トドマツの板張りです。山の温泉宿のこと、シャワーなんて無粋なものはありません。あるのは手つかずの自然と、豊饒な湯けむり、そして心あるおもてなし。 山奥にいるということを実感できます。

道東道足寄I.Cより50km 釧路駅より阿寒湖畔行バス終点下車よりハイヤーにて20km オンネト―より車で1分。道道941号オンネトー線から入ると、オンネトーの手前左手に見えます。

オンネトーから車で20分「阿寒湖温泉街」

「丸木舟」その他 58386 阿寒湖温泉街

出典:☆流れ星さんの投稿

阿寒湖畔の温泉街にはユーカラ織や熊の彫り物など、アイヌ民芸品のお店がたくさん並んでいます。

アイヌの里として知られる阿寒湖周辺には、多くの温泉ホテルや食堂、レストランが軒を連ねています。設備の整った大きなホテルとひっきりなしに出入りする観光バスが、オンネトーとは違った賑わいを見せてくれます。広大な湖では、冬はワカサギ釣りやスノーモービル、夏は遊覧船や屋形船周遊が楽しめます。北海道を代表する観光地ですので、お土産品や食事処には事欠きません。なかでもイチオシなのが、アイヌ料理で有名な「丸木舟」。スープカレーと鹿肉料理、ぜひご堪能ください。

「丸木舟」料理 58388 1日限定3食 スープカレー 山の幸

出典:urya-momenさんの投稿

一日限定3食のみの「山の幸スープカレー」は、鹿肉たっぷり、アイヌネギ(本州ではギョウジャニンニクと言います)たっぷり、栄養満点です。ほかにも「鹿肉カルビ」やアイヌネギと豚肉がたっぷり入った「コタン丼」など、ワイルドなメニューを豊富に取り揃えています。

丸木舟の詳細情報

丸木舟

釧路市その他 / 郷土料理、スープカレー、肉料理

住所
北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-9
営業時間
[月]  11:00 - 20:00 [火]  11:00 - 20:00 [水]  11:00 - 20:00 [木]  11:00 - 20:00 [金]  11:00 - 20:00 [土]  11:00 - 20:00 [日]  11:00 - 20:00
平均予算
  • ¥1,000~¥1,999

いかがでしたか?

いかがでしたか?58391

出典:ごすけさんの投稿

北海道の自然は、奥が深いのです。とくに阿寒国立公園内のここ、オンネトー周辺には、まったくの手つかずの原生林が広がっています。噴煙を上げつづける雌阿寒岳のふもとに、かろうじて切り開かれたオンネト―湖畔。その貴重な自然を、散策や入浴、ワイルドな食事もあわせて、お楽しみいただければ幸いです。

オンネトーの詳細情報

オンネトー

住所
北海道足寄郡足寄町茂足寄
アクセス
道の駅あしょろ銀河ホール21 車 50分 45km

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