今訪れたい！隈研吾デザインのおすすめスポットを巡ろう【10選】

木材などを使用した、「和」をイメージした建築が特徴的です。現在は新国立競技場のデザインを担当することで話題ですが、これまでにも国内外の有名な建築を多数手掛けてきました。小さなお菓子屋さんから、大規模な商業施設まで、バリエーション豊富です、その中でも特におすすめのスポットを、詳しくご紹介していきます。

隈研吾氏が2006年にリノベーションした、山形県・銀山温泉の「旅館藤屋」。100年もの歴史を持つ、8室のみの小さな老舗旅館です。老朽化した建物の木材を再利用してリノベーションを行い、繊細で美しい和モダンな建物へと生まれ変わりました。

館内は、木材をふんだんに使用した温かみのある雰囲気です。さらに、簀虫籠（すむしこ）と呼ばれる細い竹のスクリーンと、透明に近いステンドグラスを新たに取り入れることで、繊細な表情を与えています。

隈研吾氏が2000年に手掛けた、那須の「石の美術館STONEPLAZA」。那須町芦野で産出される「芦野石」の石蔵を、美術館として再利用したものです。石をテーマにしたものを展示するだけでなく、建物自体も石という素材にこだわっています。石倉同士はブリッジと池で結ばれており、石と水、光が融合したデザインになっているのが特徴です。

こちらは、石の隙間から外の光が透けて見える「石と光のギャラリー」。石と光が作り出す、美しい風景を鑑賞することができます。また、室内に水を引き入れた「石と水のギャラリー」や、日本で初めて造られた「石造りの茶室」など、見どころが満載です。そのほか、時期に応じてさまざまな展示会やイベントが行われています。

2013年に隈研吾氏が内装環境設計を手がけた、丸の内の商業施設「KITTE（キッテ）」。旧東京中央郵便局の保存部分と、新たに建築した新築部分を組み合わせた建物であるのが特徴です。「Feel Japan」をコンセプトにしており、日本全国各地のご当地銘品や雑貨、ファッション、飲食店などが集まっています。

Feel Japanを表現するために、内装には木材や瓦、織物、和紙といった日本の伝統的な素材を使用しているのだそう。そのため、新しいのにどこか懐かしい、居心地の良い空間に仕上がっています。また、保存部分と新築部分に囲まれた、三角形のアトリウムは必見です。ガラス天井なので明るい光が降り注ぎ、天井から吊り下げられた繊細なボールチェーンが、美しい風景を作り出しています。

南青山の「根津美術館」は、実業家の根津嘉一郎が収集した、日本・東洋の古美術品コレクションを展示しています。開館は1941年ですが、2006年より改築工事を行い、2009年に隈研吾設計の美術館としてリニューアルオープンしました。

根津美術館は、庭と一体化したミュージアムとして設計されたのだそう。壁一面が竹で覆われたアプローチや、大きなガラス窓から見える中庭などが印象的です。庭と建築、アート作品が融合した空間となっています。

東京大学本郷キャンパスのダイワユビキタス学術研究館1階に位置する、「廚菓子くろぎ」。日本料理店の「くろぎ」が手掛ける和菓子店です。また、「猿田彦珈琲」とコラボレーションし、最高峰のスペシャリティコーヒーも提供しています。東京大学のキャンパス内にありますが、学生に限らず誰でも利用可能です。

隈研吾氏は、コンクリートなどで造られてきた従来のキャンパスイメージを壊し、木と土でできた柔らかな建築を目指して、この建物を設計しました。ゆるやかにうねる、木と土でできたウロコ状のパネルが印象的です。温もりのある木材と緑に囲まれた空間で、ゆったりとくつろぐことができます。

台湾生まれのパイナップルケーキ専門店「サニーヒルズ（SunnyHills 微熱山丘）」。木材で覆われた独創的な建物が印象的です。隈研吾氏が2013年に手掛けたもので、「地獄組み」と呼ばれる伝統的なジョイントシステムを用いて造られています。森や雲のような、柔らかく温かな空間をイメージしているのだそうです。

サニーヒルズはカフェではなく、パイナップルケーキの販売と試食のみを行っているお店です。木材に囲まれた階段を上ると、2階と3階でパイナップルケーキ1個＆お茶のサービスを受けられます。

こだわりの素材で作られたパイナップルケーキは、シンプルながらも上質で贅沢な味わい。パッケージもかわいいので、手土産として購入するのもおすすめです。

隈研吾氏が1995年に手掛けた「ATAMI海峯楼」は、わずか4室のみ、全室オーシャンビューの高級旅館です。見どころは、3階にあるウォーターバルコニー「水 / ガラス」。壁もテーブルもイスもガラスで作られており、まるで水面に浮かんでいるかのような、不思議な感覚を楽しめます。ラグジュアリースイートルームに宿泊すれば、ここで食事をすることもできますよ。

ATAMI海峯楼は、ウォーターバルコニーだけでなく客室も隈研吾氏のデザインです。ラグジュアリースイートの「誠波」と「風科」、洋室の「尚山」、和室の「爽和」の4室があり、それぞれデザインが異なります。どの部屋にも大きな窓があり、美しい海を一望できるのが魅力的です。

隈研吾氏が1994年に手掛けた、高知県高岡郡檮原町の「雲の上のホテル」。"雲の上のまち"をテーマとし、梼原町産の杉を用いて造られた木造建築です。そのほか、「梼原町総合庁舎」や「まちの駅 ゆすはら」など、梼原町のさまざまな施設を隈研吾が設計しています。

「雲の上のホテル」は、同じく隈研吾が手掛けた「雲の上のギャラリー」と隣接しています。梼原の森の中に溶け込ませたいという思いから生まれた建物であり、梼原産の杉をふんだんに使用した、温もり溢れる空間が魅力的です。また、このギャラリーをさらに進むと、「雲の上の温泉」に行くことができます。

全国のスターバックスの中でも特に有名な、「スターバックス太宰府天満宮店」。隈研吾氏が2011にデザインした店舗です。長細い敷地を考慮して、木を斜めに組んでいるのが特徴。約2,000本もの杉材を使用して、光と風が流れるような空間を生み出しています。

入口から店の奥へと木組みが続く、独創的な内装。壁自体はコンクリートですが、木組みで覆われているため、ナチュラルで温かみのある空間になっています。木に囲まれた店内で、ゆったりとコーヒーを楽しむことができますよ。さらに店の奥の庭には、太宰府天満宮のシンボルである梅の木が植えられているのも特徴です。

「ガーデンテラス長崎ホテル＆リゾート」は、隈研吾氏が2009年に手掛けた高級ホテルです。さまざまな大きさの箱が、いくつも重なったようなデザインが印象的。パネル状にした木を組み合わせてデザインしています。こちらの本館のほか、平屋タイプの離れと3階建ての離れもあり、客室は全室オーシャンビューです。

外観は非常にシンプルですが、内部は大人にぴったりのラグジュアリーな空間。夜になると、窓の外には長崎港の夜景が広がり、ロマンチックな雰囲気に。眺めの良い上質なレストランやワインバーなどもあるため、特別な日の旅行にぴったりです。

隈研吾がデザインした施設を全国から10ヶ所ご紹介してきましたが、いかがでしたか？これ以外にも、浅草文化観光センターやGINZA KABUKIZA、サントリー美術館など、まだまだ数え切れないほどの作品があります。この機会に、隈研吾の建築巡りをしてみてるのも楽しいかもしれませんね。