
【長野】絵本好きの聖地!「安曇野ちひろ美術館」へ行こう♪
長野県・安曇野市を訪れたことはありますか? 西に山岳地帯、東に平たい扇状地を持つこの土地では、湧き水を利用するわさび栽培が有名です。NHK連続テレビ小説「おひさま」のロケ地でもあるんです。そんな安曇野エリアでイチオシなのが、絵本作家である「いわさきちひろ」さんの世界を楽しむことができる「安曇野ちひろ美術館」。フォトジェニックなスポットが多く、絵本好きな方はもちろん、そうでない方も楽しめるスポットとなっています!今回は、安曇野ちひろ美術館の魅力、また周辺のおすすめスポットまで紹介します。
2017年08月09日
淡い水彩画とかわいらしい子どもたちのイラストは、どこかで見かけたことがあるという方も多いはず。このイラストを手がけたのが絵本作家・画家の「いわさきちひろ」さんです。1918年(大正7年)に福井でうまれ、青春時代に戦争を体験したことから「子どもの幸せと平和」をテーマに創作活動を続けました。ちひろ美術館は東京の自宅跡にまずつくられ(ちひろ美術館・東京)、その開館20周年を記念し、安曇野ちひろ美術館が誕生しました。東京館、安曇野館ともに館長は黒柳徹子さんが務められているんですよ。
「安曇野ちひろ美術館」ってどんなところ?
安曇野市松川村にあり、安曇野の雄大な自然に溶け込むようにつくられた「安曇野ちひろ美術館」。美術館では、その生涯を知り作品を楽しむことはもちろん、さまざまな企画展も開催されていますので、著名な絵本作家の作品にもふれることができます。
美術館の周囲に広がる「安曇野ちひろ公園」はなんと東京ドームよりも広く、53500㎡。美しい池や川、色とりどりの花が楽しめますよ。信州はちひろさんの両親の出身地であり、幼少期から親しんだもうひとつのふるさとだったのだそう。折に触れて里帰りし、たくさんのスケッチを残しています。安曇野の景色はまるでそれ自体が絵本の世界のようで、ちひろさんが愛したというのも頷けます。
アクセス
最寄り駅はJR大糸線の信濃松川駅。主要都市圏からは、まずJR松本駅を目指すのが便利でしょう。新宿駅からは特急あずさで約2時間半、名古屋駅からは特急しなので約2時間です。松本駅からは大糸線に乗り換え、40分ほどで信濃松川駅に到着です!そのほか、バス等を利用できるルートなどもあります。
レトロでかわいい信濃松川駅はちひろ館に似たデザインの駅舎となっています。最寄り駅といえど美術館まではやや距離があり、徒歩なら30分程度。景色を楽しみながらのお散歩もオススメです。また、駅からすぐの松川村観光協会で電動自転車を借りることができ、自転車なら15分ほど。タクシーであれば5分程度で到着します。松川村観光協会にはロッカーも設置されているので、荷物を預けることもできますよ。
安曇野ちひろ美術館をとことん楽しもう!
自然いっぱいの公園を通り抜けて、まずは受付を目指しましょう。入館料を払うと、終日自由に出入りできるチケットをいただけます。館内を楽しんだり公園を楽しんだり、好きなペースで散策できるのが嬉しいですね。館内はコンパクトながらいくつかの展示室があり、ちひろ作品や世界の絵本作家の作品をたっぷり楽しむことができます。また、3000冊ほどの蔵書がある「絵本の部屋」などのスペースもあり、作品をみるだけではないたくさんの楽しみ方が用意されています。
ちひろ作品との記念撮影ができるスポットもありますので、ぜひ探してみてくださいね。
「トットちゃんの部屋」「電車の教室」って?
特にオススメなのが館内の「子どもの展示室(トットちゃんの部屋)」、館外の「電車の教室」というスペース。こちらは館長の黒柳徹子さんが書かれた『窓ぎわのトットちゃん』という本に由来しているんです。
『窓ぎわのトットちゃん』は黒柳さんの子ども時代について書かれた本で、挿絵にちひろ作品が使用されています。幼少期、好奇心旺盛な子どもだった黒柳さん(トットちゃん)は一年目で小学校を退学となってしまいます。その後、「トモエ学園」というフリースクールに通うことになるのですが、学園ではなんと電車の車両が教室として使われていました。運転席に黒板が取り付けられ、生徒たちの机が進行方向を向いて並べられていて、旅行気分で勉強できるこの教室がトットちゃんは大好きだったのだとか。そんな教室を再現したのが、「子どもの展示室(トットちゃんの部屋)」と「電車の教室」なのです。
こちらが館内にある「子どもの展示室(トットちゃんの部屋)」。窓が電車風になっていますね。とってもかわいらしいスポットとなっているので、机に座っての記念撮影などもオススメ。トットちゃんが実際に通っていた学園の様子の写真を楽しめるアルバムもあり、ゆっくり過ごせますよ。
トットちゃんの部屋では、子どもが楽しめるワークショップも行われています。図画工作などの時間割ごとに内容が違っており、好きな科目を選び、いつでも好きなときに始めることができるというもの。トットちゃんが通っていたトモエ学園の授業の方式になぞらえているんですよ。こんな自由な学校にもし通えたら……なんて妄想がふくらみそう!
こちらが公園内にある「電車の教室」。長野電鉄から譲り受けた本物の車両を二台使用しています。どちらも90年ほど前につくられたとっても貴重な車両なんだそう!かわいらしいカラーに注目です♪
「電車の教室」になっているのが1926年(大正15年)製の"デハニ201"という車両。トモエ学園の教室内が再現されているのですが、レトロな車両の雰囲気もあいまってなんだか物語の世界のよう。机の上には、理科の実験道具やそろばんなどそれぞれ違うものが置かれており、ひとりひとりが好きな勉強を楽しんでいた様子がうかがえます。
1927年(昭和2年)製の"モハ604"は「電車の図書室」として利用されています。トモエ学園にも実際にこのような図書室があったのだとか。『窓ぎわのトットちゃん』はもちろん、約500冊の本が用意されています。電車のシートに腰を下ろし、窓から見える安曇野の風景を楽しみながらの読書タイムを過ごしてみませんか?
おやつは併設のカフェで
館内・館外をたっぷり楽しんだらおやつタイム!館内にとってもかわいらしい絵本カフェがあります。地元産の野菜を使ったフードメニューも充実していますので、朝から来館した場合はこちらでのランチもオススメです。
子ども用の小さな椅子が用意されている席もあり、まるで絵本から抜け出したよう。作品や美術館の世界観にゆっくり浸ることができますよ。
ぜひ食べておきたいのが「ちひろが愛した いちごのババロア」。いわさきちひろさんの大好物だった新宿すずやのババロアを、当時のレシピどおり再現したものです。ふわふわとした口どけのババロアと甘酸っぱいベリーソースが相性ぴったりです。
ひとやすみしたあとはまた展示室をのんびり巡るのもよし、ちひろ公園でのんびり散歩を楽しむもよし……自分だけの過ごし方を発見してみてくださいね♪
美術館周辺のおすすめスポットをご紹介!
「そば処 こうや」
せっかくの長野旅、名物のお蕎麦が食べたいですよね。信濃松川駅近辺でのオススメは「こうや」さん。信濃松川駅からは徒歩15分ほど、美術館と同じ方面なので立ち寄りやすいです。旬の時期に訪れるとブルーベリーの摘み取り体験もできちゃいます。

低農薬にこだわり、長野の高原で育てられた蕎麦を使った香りゆたかな手打ち蕎麦が絶品。お醤油と鰹節などの十種類の素材を使った特製つゆはコクがあり、お蕎麦との相性抜群です。兼業農家ということもあり、自家製野菜や山菜を使った季節の天ぷらもいただけますよ。
こうやの詳細情報
かぼちゃやま農場
ちひろ美術館からほど近い場所にあるのが「かぼちゃやま農場」。地元野菜の直売所となっており、ジャムなども売られているのでおみやげ探しにも。季節によっては果物狩りなどの体験もできますよ(要予約なので事前にお問い合わせを)。お食事処も併設されていますので、お昼どきはこちらでごはんをいただくこともできます。
こちらで人気なのがイチゴの果肉入りソフトクリーム。てっぺんのイチゴがとっても可愛らしいですね。お食事処が閉まったあともテイクアウトでいただけます。外にはベンチもありますので、北アルプスを眺めながらのおやつタイムがオススメです♪
有明山社
こちらも美術館のすぐそばにあるスポット。安曇野のそばにそびえる「有明山」を信仰の対象と捉え、御神体としています。有名な観光地というわけではありませんが、大自然の中にたたずむ神社は独特の気配を持っており、神様の気配を感じさせます。周辺を散歩する際、ぜひ立ち寄り参拝してみてくださいね。
大王わさび農場
美術館からは距離がありますが、一泊して翌日時間に余裕がある方・車で来ている方にぜひオススメしたいのが日本一のわさび農園である「大王わさび農場」。JR信濃松川駅から数駅隣の穂高駅から車で10分ほどの距離にあります(穂高駅前にレンタサイクル店があり、自転車での移動も可能)。水車小屋や茶屋など風情あるスポットが多く、わさびが苦手だという方でもきっと楽しめるはず。園内を流れる水はとっても澄んでいて、マイナスイオンたっぷりで癒やされます◎
園内のわさび畑の上にかかる橋は「幸いのかけ橋」と呼ばれ、カップルで渡ると幸せがやってくると人気スポットに。わさびの花言葉には「幸せを運ぶ花」や「うれし涙」といったものがあるそうで、ぜひあやかりたいですね♪
名物はこちらの「わさびソフト」。意外と辛くはなく、美味しくいただけますよ。来園の際は挑戦してみてくださいね!
すずむし荘
美術館周辺で一泊するなら「すずむし荘」へ。客室は少なめでゆったりとしたつくりになっており、のんびりした時間を楽しむことができます。併設の温泉では薬効高い「天然のラドン」を含むお湯を楽しめますよ。デトックス効果や美肌効果があるとされているので、女子にオススメ。安曇野の景色を楽しめる露天風呂も♪ また、レストランでは旬の野菜や安曇野のお米を使ったスローフードがいただけます。入浴だけ、レストランだけの利用も可能ですのでぜひ立ち寄ってみてくださいね。
公式詳細情報天然ラドン馬羅尾天狗岩温泉 すずむし荘
大町 / 旅館
- 住所
- 長野県北安曇郡松川村3363-1082
- 地図を見る
- アクセス
- 中央自動車道 安曇野IC(旧豊科IC)から約30分。
- 宿泊料金
- 10,000円〜 / 人
- 宿泊時間
- 15:00(IN)〜 10:00(OUT)など
いかがでしたか?
週末、ほっと一息つきたくなったらぜひ安曇野ちひろ美術館を訪れてみてください。ここ安曇野では、きっといつもとは違った時間の流れを楽しむことができるはず。雄大な自然をのんびり観察し、スケッチをしてみるのも素敵ですね!