
【徳島・鳴門】歴史を感じながらのんびり観光。 「ドイツゆかりの場所」を巡る旅
徳島県の鳴門に、ドイツにゆかりのある場所があるのをご存知ですか?日本で初めてベートーベンの「第九」が全曲演奏されたのもこの場所なんです!ドイツ兵士が造った橋、お城みたいな資料館、ドイツのグルメを味わえる「道の駅」など見所がたくさん。自然豊かで散策コースもあるので、歴史を学びながらのんびりお散歩できますよ。
2018年06月11日

大迫力の“渦潮”で知られる徳島県の鳴門には、ドイツにゆかりのある場所があるんです。第一次世界大戦時にドイツ兵の捕虜たちが収容された「板東俘虜(ふりょ)収容所」の跡地や、その歴史を今に伝える資料館(写真)、兵士が当時造った橋などなど。歴史好きな女子は、鳴門観光の際にぜひ足を運んでくださいね。

“収容所”と聞くと兵士たちに酷い扱いをしていたのではないかと想像してしまいますが…「板東俘虜収容所」は違います。所長・松江豊寿(まつえとよひさ)氏はドイツ兵士たちを手厚くもてなしました。この施設は後に捕虜たちから「模範収容所」と呼ばれたほど。当時、所内には兵士たちが運営する店舗が立ち並び、大変賑わっていました。兵士たちは地元住民と交流し、ソーセージやビールを楽しむ自由もあったそうです。2005年に公開された映画「バルトの楽園」はそんな実話を基にした感動作です。気になる方はぜひ見てみてくださいね。
どうやって行くの?
都内からドイツ関連施設に行くには、まずは飛行機で「徳島阿波おどり空港」に向かうのがおすすめ。そこからバスや電車を乗り継ぎ「JR板東駅」で下車後、20分ほど歩けば到着できますよ。
まずは、美しい「ドイツ館」で歴史を学ぼう

兵士の方々が残してくれた音楽文化や食文化に触れることができる「ドイツ館」。まずはここで歴史を学び、その後に収容所の跡地である「ドイツ村公園」や兵士たちが残した「ドイツ橋」などの建造物を巡るのがおすすめです。ドイツ館の外観はお城のよう。自然の中にたたずむ美しい建物です。
当時を思いながら巡ろう。
「板東俘虜収容所」に収容されたドイツ兵士たちは、地元の人たちと交流し、音楽や西洋栽培、パンの焼き方などの指導もおこなっていました。中でも盛んだったのが音楽活動!捕虜たちが結成した交響楽団は頻繁にコンサートを開催し、1918年には収容所内の音楽堂でベートーベンの「交響曲第9番 歓喜の歌」が日本で初めて全曲演奏されました。
史料展示室内は撮影禁止(取材など特別な場合を除く)なため写真はないのですが、“第九”初演のエピソードについて楽しみながら学べるスポットもあります。収容所で寛大な待遇を受けていたドイツ兵士たちでしたが、祖国から遠く離れ不安を抱えていました。そんな彼らを支えたのが音楽だったのです。館内を歩いていると、兵士たちにとって“音楽”は切っても切れないものであることがひしひしと伝わってきます。
当時のドイツの“カラー印刷技術”を活用した「音楽演奏のプログラム」も必見です。ちなみに、板東俘虜収容所ではすでに健康保険組合までありました。収容所内にあったボーリング場の売上げを、この健康保険に充てていたのだそうです。これは驚きですね!(※写真はイメージです)。

館内には販売コーナーもあります。
1階にある販売コーナーでは、ドイツの商品がたくさん売られています。ビールにソーセージにお菓子などなど、どれも魅力的です。お土産を買った後は、記念スタンプを押すのも忘れないでくださいね。
花やイルミも…とっても美しい資料館です♪

ツツジ、コスモスなど季節によっては花が咲き乱れています。散策ついでに写真に収めてくださいね。
冬の時期には、光のじゅうたんのようなイルミネーションも楽しめます!ライトに照らされたベートーベン像は荘厳な雰囲気。
ユニークなフォトスポットも見逃せない!

ベートベーンになりきってみましょう♪
入口付近には、ベートーベンになりきれるパネルもあります。記念に写真を撮ってみては?
近くの「道の駅 第九の里」で一休み
「ドイツ館」から1分ほど歩いた場所にある「道の駅 第九の里」にも立ち寄っておきたいところ。ドイツにちなんだグルメを味わえるほか、大谷焼や鳴門のワカメなど徳島県の特産品も購入できます。近くには観光情報を入手できる「情報コーナー」もありますよ。
おいしいソーセージを使った、いかにもドイツらしいメニューが味わえます。
道の駅第九の里の詳細情報
“第九”日本初演の地。当時に思いをはせながら「ドイツ村公園」を歩こう。
「ドイツ館」で歴史を学んだ後は、そこから10分ほど歩いた「ドイツ村公園」に向かいましょう。ここは「板東俘虜収容所」の跡地。第一次世界大戦の当時、中国・青島で日本軍の捕虜となったドイツ兵約1000人が3年ほどこの地で過ごしました。
園内には、収納所の煉瓦の土台や給水塔跡のほか、スペイン風邪などで命を落とした兵士11名の慰霊碑もあります。当時に思いをはせながら、園内を散策してくださいね。
ドイツ村公園の詳細情報
ドイツ兵が祖国を思いながら造った「ドイツ橋」と「めがね橋」
ドイツ村公園でゆっくり散策した後は、そこから徒歩20分ほどの場所にある「大麻比古(おおあさひこ)神社」に向かいましょう。この神社の境内では、収容所で生活していたドイツ兵たちが手がけた「ドイツ橋」と「めがね橋」を見られます。石のみを組み合わせ、母国の土木技術を生かして仕上げられています。捕虜兵たちが遠い祖国を思いながら造った橋を、じっくり鑑賞してくださいね。

まずは「めがね橋」が見えてきます。

さらに歩くと、徳島県の文化財指定史跡となっている「ドイツ橋」も見えてきます。
ドイツ橋の詳細情報
ドイツ兵士の教えを受け継ぐパン屋さん「ドイツ軒」

お店は鳴門駅から10分ほど歩いた場所にあります。ドイツ軒の地図は「ドイツ館」でもらえますよ。
さて、これまで紹介したドイツ関連スポットから少し距離があるのですが、鳴門駅の周辺を観光される方は、こちらのパン屋さんにも立ち寄りませんか?地元の人たちはドイツ兵と交流を深め、音楽や西洋野菜の栽培、パンの焼き方などを教えてもらいました。「ドイツ軒」はその教えを受け継いでいるお店なんです。
おすすめは好きなクリームを塗ってもらえる食パン。注文する際には、お店の方に「クリームを塗ってくれる食パンってありますか?」と尋ねてみてください。選べる種類はクリーム、チョコクリーム、メロンクリームなどなど。パン好きにはたまらないですね。
ドイツ軒の詳細情報
【おまけ】「ドイツ関連スポット」の周辺にあるおすすめの場所
ドイツ関連スポットの周辺には、ついでにじっくり観光したい場所がたくさん♪ここでは、先ほど登場した「ドイツ橋」や「めがね橋」のすぐ近くにある神社と、絶品イチゴ(期間限定)を楽しめるスポットを紹介します。
格式高い名社「大麻比古(おおあさひこ)神社」

格式高い「大麻比古神社」では農業・産業の守り神や交通安全・厄除けの神が祀られています。「お麻はん」の名で親しまれ、例年30万人を超える初詣客でにぎわう名社です。

樹齢1000年を超える“大楠”も必見!天然記念物に指定されているご神木です。

なんと、自己祓いができます!
境内には、自己祓い用の御幣(ごへい:神祭用具の一つ)もあります。試してみたいですね。
大麻比古神社の詳細情報
イチゴ狩りを楽しめる「フルーツガーデンゆう」

時間に余裕があるなら、「道の駅 第九の里」向かいにある「ゆうファーム」にも立ち寄りませんか?こちらでは例年1月上旬から6月上旬まで“イチゴ狩り”を楽しめますよ。

ここのイチゴはとにかくおいしいと地元で評判!「紅ほっぺ」と「とちおとめ」の2種類があり、どちらも甘くて絶品なんです。

練乳やかき氷のサービスも行っています。これはうれしい♪
鳴門観光でおすすめの宿泊先
観光を思いっきり楽しんだ後は、すてきな宿で疲れを癒やしましょう。今回紹介する2軒はいずれも鳴門観光の拠点にぴったり。ぜひ気軽に宿泊してくださいね。
瀬戸内海が目の前!「エクシブ鳴門」
「エクシブ鳴門」は瀬戸内海に面した眺望抜群なホテル!宿泊プランがたくさんあり、朝食付きでリーズナブルな価格のものから、マダム気分を満喫できるエステ付きプランなど、好みに合わせて選べます。ドイツ館からは車で25分ほどで行けますよ。
公式詳細情報グランドエクシブ鳴門
鳴門 / スタンダードホテル
- 住所
- 徳島県鳴門市北灘町折野字上三津167-3
- 地図を見る
- アクセス
- 鳴門I.Cから約20分、または引田I.Cから約10分。シャト...
- 宿泊料金
- 4,500円〜 / 人
- 宿泊時間
- 15:00(IN)〜 11:00(OUT)など
グルメな女子におすすめ「ホテル アドイン鳴門」
鳴門駅から4分ほど歩いた場所にある「ホテル アドイン鳴門」。近くには“渦の道”や大塚国際美術館などもあり、観光の拠点に最適。美しく盛りつけられた料理につい笑顔がこぼれるホテルです。
公式詳細情報ホテル アド・イン鳴門
鳴門 / スタンダードホテル
- 住所
- 徳島県鳴門市撫養町斎田大堤208
- 地図を見る
- アクセス
- JR鳴門駅より徒歩5分。徳島空港よりタクシー15分。
- 宿泊料金
- 5,500円〜 / 人
- 宿泊時間
- 15:00(IN)〜 10:00(OUT)など
鳴門で歴史に触れる旅
鳴門にはドイツにゆかりがある場所がたくさん。自然に囲まれて、歴史を感じながらのーんびり散策できます。関連書籍や映画を見てから旅すると、さらに楽しめるはず。ぜひ次の旅行先の候補に加えてくださいね。