
徳島が誇る伝統芸能。阿波人形浄瑠璃を「阿波十郎兵衛屋敷」で
日本の伝統芸能の一つ、人形浄瑠璃は淡路島で盛んになり、大阪にわたって文楽と呼ばれるようになりました。歌舞伎に共通する演目が今でも多く上演されています。そんな人形浄瑠璃ですが、徳島県に伝わる阿波人形浄瑠璃は少し違う特徴があるのを知っていますか?農民たちのために上演された阿波人形浄瑠璃は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。徳島にある阿波十郎兵衛屋敷は、そんな阿波の人形浄瑠璃を守り伝える発信基地。伝統芸能がお好きならあなたも一度訪ねてみませんか?
2016年11月18日
日本の伝統芸能である人形浄瑠璃は"人形遣い"、物語を語る"太夫"、"三味線"の音楽があわさった人形芝居です。そのなかでも阿波人形浄瑠璃の起源は古く、室町時代、14世紀から15世紀にまでさかのぼれるそう。室町時代に、現在の兵庫県西宮市にあらわれた人形遣いが淡路島に移り住み、これが現在の徳島県にあたる四国の阿波国(あわのくに)へ伝わったと言われています。
徳島に伝わる人形浄瑠璃とは?
『傾城阿波の鳴門』の主人公、徳島藩臣下の阿波十郎兵衛(あわのじゅうろうべえ)は、主人を助けるために盗賊に身をやつします。そこへ生き別れていた娘のおつるがあらわれます。母のお弓は、娘のためを思い、自分が母親であることを隠しておつるを追い返しますが、十郎兵衛は娘と知らずおつるを殺してしまいます。この物語は実際に徳島藩の家臣であった坂東十郎兵衛が不本意な嫌疑で処刑されたことから、その悲劇を元に創作されたそうです。
阿波十郎兵衛屋敷にて pic.twitter.com/K0U7ukQFYV
— カズオ (@rikisaku0946) 2016年10月15日
阿波人形浄瑠璃は、淡路人形浄瑠璃に影響を受けて野外の農村舞台で盛んに上演されました。野外の公演で見栄えがするように、人形の頭が大きく作られているのが特徴です。後に文楽の名で知られるようになった大阪の人形浄瑠璃とはまた違う、素朴な力強い人形たちです。
人形浄瑠璃は17世紀の終わりころから18世紀にかけて、竹本義太夫が大阪の道頓堀で旗揚げし、近松門左衛門の作品で大人気となりました。その後、19世紀に入り文楽の名で広がってゆきます。
こちらは「文楽の世界展」より、狐忠信です。狐忠信は人形浄瑠璃や歌舞伎で演じられる『義経千本桜』に登場するキャラクター。狐が人間に化けて、鼓にされてしまった親狐を訪ねてくる物語です。頭が小さく阿波の人形との違いがわかります。
阿波人形浄瑠璃を観るなら阿波十郎兵衛屋敷へ
徳島の力強さの源・徳島グルメ!
一鴻(いっこう)
徳島の特産品としてすだちとともに全国レベルで名高いのが、阿波尾鶏。恵まれた自然の中で大切に飼育された高級鶏肉です。一鴻は徳島の地鶏三昧の楽しめる居酒屋です。
来来(ライライ)
地元の人が「ここに行けば間違いない!」と太鼓判を押す老舗中華料理店「来来」。昔ながらの徳島ラーメンが徳島の人たちに愛されてます。旅の途中でおじゃましちゃいましょう。
いかがでしたか?
徳島といえば鳴門の渦潮。阿波人形浄瑠璃が淡路とも大阪とも違う歴史をたどったのは、地理的な理由があったのかもしれません。瀬戸内海の自然に包まれて、力強く育まれた郷土の伝統芸能と料理を楽しむ旅に出かけませんか。