2020年02月12日

“昔ながら”って、なんだか落ち着く。のんびり「外湯めぐり」ができる温泉地5選

“昔ながら”って、なんだか落ち着く。のんびり「外湯めぐり」ができる温泉地5選

めまぐるしく変化していく世の中にちょっぴり疲れてしまった時は、“昔ながらのもの”に癒されに行きませんか。今回ご紹介するのは、レトロな「外湯」が点在する温泉地。「外湯」とは温泉街に点在する公衆浴場のことで、地元の方に混ざって、ローカルな雰囲気と濃い温泉をじっくり楽しむことができますよ。カラコロと下駄を鳴らし、歴史ある温泉街を散策しながら湯めぐり。そんな、心あたたまる旅をしてみませんか。

カラコロと下駄を鳴らして、まったり「外湯めぐり」

温泉浴衣の女性

めまぐるしく変化していく世の中にちょっぴり疲れてしまった時は、“昔ながらのもの”に癒されに行きませんか。今回ご紹介するのは、レトロな「外湯」が点在する温泉地。歴史ある温泉街を散策しながら、昔ながらの湯めぐりを楽しむことができますよ。

「外湯」とは、温泉街の公衆浴場のこと

渋温泉 温泉街の風景 三番湯 綿の湯

「外湯」とは、宿泊施設がない公衆浴場のこと。昔は源泉を引く技術が発達していなかったため、旅館と浴場は別々の所が多く、自然湧出する源泉の周りに囲いや建物を作って温泉を楽しんだのだそうです。「外湯」は基本的に地元の方々が管理・利用していますが、中には観光客に開放している所もあります。

昔ながらの雰囲気にホッとする。「外湯めぐり」ができる温泉地をご紹介します

昔ながらの雰囲気にホッとする。「外湯めぐり」ができる温泉地をご紹介します2039568

出典:

「外湯」は旅館の大浴場とは雰囲気が違うので、ハードルが高く感じるかもしれません。ですが、地元の方々に混ざってローカルな雰囲気と濃い温泉をのんびり楽しむ…というは、独特の心地よさがあって癒されますよ。めまぐるしく変化する世の中のことをしばし忘れて、レトロな雰囲気にとっぷり浸かってみませんか。

記事では観光客が「外湯めぐり」を楽しめる温泉地とともに、入浴のマナーや必要な持ち物もご紹介します。ぜひチェックしてみて下さいね。

1. 村人の温かさを感じる「野沢温泉」/長野県

野沢温泉(長野県)

日本で唯一村の名前に”温泉”とつく「野沢温泉村」。西暦700年代には源泉が発見されていたという説があるほど歴史の古い温泉地で、温泉は人々の生活の一部になっています。共同浴場や、100度近い源泉が湧き出る「麻釜」では、村人が名物・野沢菜を洗ったり、湯がいたりしている風景が見られますよ。

温泉で茹でた野沢菜がおいしい◎

麻釜熱湯湧泉 野沢温泉

昔ながらののどかな雰囲気にほっこりしますね。「麻釜」の温泉で野沢菜を茹でると、アクが抜けておいしくなるのだそうです。他にも浅漬や本漬けなど、野沢菜にはいろいろな食べ方があります。温泉街には専門店があるので、お店の人におすすめの食べ方を聞いて、季節に合った野沢菜の味を楽しんではいかがでしょうか。

天然温泉かけ流しの外湯が13か所

野沢温泉 大湯

温泉街には、天然温泉かけ流しの外湯が13か所あります。泉質は硫黄泉。各外湯は江戸時代から続く「湯仲間」という制度で大切に管理され、村人の手でいつも清潔に保たれています。地元の方々が日常的に入浴する生活の場ですが、一般の人も入浴OK。観光客を受け入れてくれるオープンな雰囲気に、人の心の温かさを感じますね。

入浴は無料ですが、助け合いで管理されている場所ですので、お気持ちとして賽銭箱にお金を納めましょう。

村人との心温まるふれあいを楽しんで

村人との心温まるふれあいを楽しんで2003710

出典:

こちらは湯屋建築が美しい「大湯」の湯船です。外湯は歴史的な木造建築のものが多く、江戸情緒が感じられます。源泉は胃腸病やリウマチに効果的とされる単純硫黄泉。ゆったりと浸かりながら、地元の方との交流を楽しんでみましょう。

集印めぐりをして、岡本太郎の「湯タオル」をゲット!

集印めぐりをして、岡本太郎の「湯タオル」をゲット!2047936

出典:

「野沢温泉村」は世界的な芸術家・岡本太郎氏との関わりが深く、村内には「野沢の乙女」などの芸術作品が展示されています。外湯や寺社、旧跡などの集印所をめぐって10個以上の印を集めると、野沢温泉オリジナルの「岡本太郎 湯タオル」がもらえますよ。旅の思い出に集印めぐりを楽しんではいかがでしょうか。

野沢温泉 麻釜熱湯湧泉の詳細情報

野沢温泉 麻釜熱湯湧泉

住所
長野県下高井郡野沢温泉村

▼詳しくはコチラの記事をチェック

2. ほっとするノスタルジックな街並み「渋温泉」/長野県

日本 長野 渋温泉街の石畳 The wooden building where Japanese Nagano Shibu Onsen is old

長野県の「渋温泉」は、ノスタルジックな雰囲気が漂う温泉地。レトロな石畳の道に木造の建物が並び、昭和にタイムスリップした気分を味わえます。また、全ての外湯と旅館で100%かけ流しの源泉を楽しめるのも魅力です。浴衣に下駄を履き、昔ながらの素朴な温泉街でそぞろ歩き。日常を忘れられそうですね。

厄除け&不老長寿?効能が異なる「九湯」をめぐろう

厄除け&不老長寿?効能が異なる「九湯」をめぐろう2003675

出典:

9つの外湯は、温泉街の宿泊者のみ無料で入浴できます。渋温泉のお湯はそれぞれ成分が異なり、色も褐色、白濁、緑、透明などさまざま。効能も違うので、自分の体調に合わせてお湯を選ぶ楽しさがありますよ。また、9つのお湯をめぐることで九(苦)労を流し、厄除けや不老長寿のご利益が期待できるといわれています。

九番湯の「渋大湯」

渋温泉(大湯)

九番湯の「渋大湯」だけは宿泊者以外も入ることができます。入浴料は500円。木の温もりを感じる昔ながらの湯船は、旅館とは違った趣があります。湯船に浸かって地元の方や他の観光客との語らいを楽しめば、日頃の疲れも忘れられます。

映画の世界に迷い込んだ気分に

映画の世界に迷い込んだ気分に2003098

出典:はにまる王子さんの投稿

有形登録文化財の「金具屋」は、旅館でありながら温泉街の名所になっています。風情たっぷりの木造建築は、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のよう。宿泊すると館内をめぐるツアーに参加でき、映画の世界に迷い込んだ気分を楽しめますよ。

渋温泉の詳細情報

渋温泉

住所
長野県下高井郡山ノ内町渋
アクセス
信州中野IC 車 20分 13km 長野電鉄長野線 湯田中駅 バス 10分 長野電鉄長野線 湯田中駅下車 バス

▼詳しくはコチラの記事をチェック

3. バラエティ豊かな泉質を楽しめる「鳴子温泉」/宮城県

3. バラエティ豊かな泉質を楽しめる「鳴子温泉」/宮城県2003754

出典:くろふねさんの投稿

宮城県の「鳴子温泉」は、5つの温泉地からなる大温泉郷です。日本にある11の泉質のうち9種類が集まっていることから、”温泉のデパート”と呼ばれています。豊かな自然も魅力で、特に秋は峡谷の紅葉が見事ですよ。自然の美しさを感じて、身も心も思い切りリフレッシュできます。

かわいい「こけし」があちこちに

こけしの郵便ポスト

歴史深い鳴子では、「鳴子こけし」や「鳴子漆器」といった伝統工芸が息づいています。街のいたる所でかわいらしい「鳴子こけし」を目にすることでしょう。絵付け体験ができるお店もあるので、旅の思い出にこけし作りにチャレンジしてはいかがでしょうか。

源泉約400本!「湯めぐりチケット」を上手に活用しよう

源泉約400本!「湯めぐりチケット」を上手に活用しよう2003757

出典:

温泉郷全体には400本ほどの源泉があり、多くの旅館が自家源泉を持っています。地元の方々が大切に管理している外湯は5か所で、いずれも入浴料が必要です。湯めぐりを楽しむなら、外湯でも旅館でも、どの地区でも使える「湯めぐりチケット」が便利。1枚1300円のチケットで、お得に温泉を楽しめます。

朝風呂も楽しみ。5か所の外湯めぐり

朝風呂も楽しみ。5か所の外湯めぐり2003756

出典:

外湯は地元の方が日常的に利用するため、旅館とは趣が違い、地元の方との会話やローカルな雰囲気を楽しむことができます。ぜひ入浴したいのは、千年の歴史をもつとされる「滝の湯」。お湯が注がれる音も風情を醸し出しています。午前7時半から空いているので、朝一番に訪れて入浴するのも良いですね。

鳴子温泉観光案内所の詳細情報

鳴子温泉観光案内所

住所
宮城県大崎市鳴子温泉湯元2-1

▼詳しくはコチラの記事をチェック

4. 日本一ゆかたが似合うまち「城崎温泉」/兵庫県

4. 日本一ゆかたが似合うまち「城崎温泉」/兵庫県2039762

出典:よねまるさんの投稿

兵庫県の「城崎温泉」は、開湯1300年もの歴史を持つ温泉地。川沿いの柳並木や石造りの太鼓橋といった、昔から変わらない風景が心を和ませてくれます。“日本一ゆかたの似合う街”といわれていて、浴衣や和服が正装なのだそう。下駄をカラコロと鳴らして、散策を楽しんでみましょう。

初めてでも入浴しやすい、7つの外湯をめぐろう

城崎温泉

街には7つの外湯があります。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉。湯めぐりには、1300円で7つの外湯に1日入り放題の「外湯めぐり券」が便利です。浴場は比較的大型で観光客向けに整備されているので、初めての外湯めぐりでも安心して楽しめるでしょう。

江戸時代に天下一と称された「一の湯」

江戸時代に天下一と称された「一の湯」2003771

出典:

歌舞伎座のようなどっしりとした佇まいの「一の湯」は、城崎を象徴する外湯です。江戸時代中期の医師・香川修徳に”天下一”と賞されたことから、「一の湯」という名前がついたのだそうです。珍しい洞窟風呂が特徴的で、秘湯気分を味わうことができますよ。

冬はカニ王国!ビールやソフトクリームも◎

冬はカニ王国!ビールやソフトクリームも◎2039775

出典:まあるい。さんの投稿

日本海の新鮮な海の幸も楽しみのひとつ。冬は“カニ王国”と呼ばれ、旅館や飲食店ではカニ料理が並びます。「カニみそソフトクリーム」や「カニビール」などのユニークなご当地グルメも。湯めぐりの後はカニ!贅沢な気分を味わってはいかがでしょうか。

城崎温泉の町並みの詳細情報

▼詳しくはコチラの記事をチェック

5. 食べ歩き&観光も楽しい「草津温泉」/群馬県

《群馬県》草津温泉・湯畑

「草津温泉」は日本三名泉に数えられる温泉地です。「湯畑」を中心とした街並みが特徴的で、温泉街には周辺には飲食店や「湯もみショー」を楽しめる観光スポットなども充実しています。賑やかな雰囲気で、外湯めぐりだけでなく食べ歩きと観光も楽しめますよ。

外湯では3つの源泉を楽しめます◎

外湯では3つの源泉を楽しめます◎2039694

出典:

観光客OKの外湯は3か所。それぞれ源泉が異なり、「白旗」「湯畑」「地蔵」の3種類のお湯を楽しめます。料金はいずれも無料。「湯畑」近くのリーズナブルな素泊まり宿をとって、温泉は外で楽しむ…という過ごし方もおすすめです。湯めぐりの間には、温泉卵や温泉まんじゅうで小腹を満たしてはいかがでしょう?

殺菌効果が高いとされる、強酸性のお湯

殺菌効果が高いとされる、強酸性のお湯2003071

出典:

草津には主に6つの源泉があります。代表的な「湯畑源泉」は日本有数の強酸性。殺菌作用がとても高く効能豊かで、古くから”恋の病以外に治せないものはない”といわれています。また非常に高温なので、入浴する際は足元からかけ湯をして、体を慣らしながら入るようにしましょう。

草津名物「湯もみ」にチャレンジ!

【日本・群馬県】草津温泉 湯もみショー

ぜひ見ておきたいのが、江戸時代から続く草津独特の文化・湯もみです。草津の源泉は高温なので、長い板で湯をかき混ぜて冷まします。共同浴場を改装した「熱乃湯」では、湯もみ娘たちによるショーを見たり、実際に体験したりすることができますよ。“チョイナチョイナ”と威勢のいい掛け声とともに行われる湯もみ。お祭りのような雰囲気に気分がワクワクしてきます!

▼詳しくはコチラの記事をチェック

「外湯めぐり」の持ち物&マナーをチェック

「外湯めぐり」を楽しめる素敵な温泉地をご紹介しました。実際に行ってみたいと感じたら、入浴する前に持ち物とマナーをチェックしましょう。しっかり準備すれば、初めての「外湯」でも安心です!マナーを守って、気持ちよく温泉を楽しんで下さいね。

何を持っていけばいいの?

お風呂グッズ

施設によりますが、アメニティ類は用意されていないことが多いです。必要なものはコンパクトにまとめて持参しましょう。最低限必要なものはこちらです。

・バスタオル
・フェイスタオル(手ぬぐい)
・濡れたものを入れる袋
・ヘアゴム(クリップ)
・小銭(100円玉、10円玉を数枚)
・飲み水(またはスポーツドリンク)

服装は汚れてもOKで、脱ぎ着しやすいものがおすすめ。温泉成分によっては変色する可能性があるためです。また脱衣所に鍵付きロッカーがない場合があるので、貴重品の管理には要注意です。

洗い場はある?

子宝湯

洗い場の有無は施設によって異なるため、事前確認に確認しておきましょう。洗い場がある場合は、せっけんやシャンプー類、スキンケア用品などを持参。ない場合は、宿で体を洗ってから湯めぐりに出かけます。

入浴する時のマナーは?

温泉イメージ

「外湯」は地元の方が大切に管理し、日常的に利用する場所です。邪魔をしないよう、感謝の気持ちを持って入浴しましょう。お湯は高温であることが多いため、入浴前には座ってかけ湯をし、体を馴らします。

その他、入浴前に体を洗う、長い髪はまとめる、アクセサリー類は外す、タオルをお湯に入れない、飲酒後に入らない…といった一般的なマナーは旅館などと同じです。入浴後は水分補給をお忘れなく!

のんびり、心安らぐ「外湯めぐり」を楽しみましょ

城崎温泉の街並み

旅館の豪華な大浴場や現代的なスーパー銭湯も良いですが、地元の方との心のふれあいを楽しめる「外湯」も味があって素敵です。目まぐるしい日々に疲れた時は、レトロな温泉地で「外湯めぐり」をしてみませんか。古くから愛されてきたもの、昔から変わらないものが感じられて、心が満たされるはずですよ。

関連記事

関連キーワード