目指せ脱ケミカル！無添加＆手作り総菜と弁当の店「知久屋」

浜松市内を車で走っていると、道路沿いに見かける「知久屋」というお総菜屋さん。
一見したところ、どこにでもあるふつうのお弁当屋さんのようです。でもこの知久屋、じつは最近総菜・弁当業界でちょっとした話題になっているお店なんです。

知久屋を運営している株式会社知久は、昭和32年に食品会社として浜松市で創業しました。その後、昭和52年10月には総菜を取り扱う1号店が浜松市にオープン。以来、浜松市を中心として路面店を展開。いまではスーパーマーケット、ショッピングモール、駅ビルなどへの出店を含めて、約50店舗の規模になっています。

知久屋の総菜・弁当メニューはおよそ600種類。できたてのお総菜が、毎日食べても飽きないように数多く取りそろえられているんです。

そんな知久屋の現社長・知久利克氏のモットーは、「食は命の源なり」。食事と人間の自然治癒力・免疫力の相関関係を学んだ社長は、知久屋で販売する総菜・弁当の「素材」「調味料」「つくり方」に徹底してこだわっています。しかもそのこだわりが半端ない！と業界で話題になっているんです。ひとつずつ見ていきましょう。

・素材のこだわり

知久屋で使用している食材のうち、野菜は、85%以上を減農薬か無農薬・無化学肥料栽培のものを使用しています。

また、ここがすごいのですが、お総菜屋さんであるにもかかわらず、自社農園を所有していて、その使用比率は知久屋で使用している野菜の3割にも及ぶんです！ 価格を下げるために輸入野菜などに頼ることも多い業界で、3割という数字は驚異的なんですよ。もちろん、自社農園の野菜も化学肥料を使用せず、有機肥料で育てていて、今後はオーガニック野菜の使用率が100％になるまで、この取り組みを続けていくのだそうです。

ほかの素材も、たとえばヒレカツの豚肉には成長ホルモンや抗生物質を使用しない、米は国内産地の作柄情報をもとに吟味した銘柄を使用する、など徹底的にこだわっています。

・調味料のこだわり

調味料に対するこだわりも驚異的なのが、知久屋なんです。
通常、総菜や弁当を作る会社は、できあいの調味料を大量に発注してコストを下げているのがほとんどですが、知久屋はマヨネーズ・ドレッシング・ソースなどをすべて自社で製造しています。

マヨネーズは添加物を一切使わず、自然の素材を使って毎日新鮮なものを作っています。このため、食品販売会社にもかかわらず、割卵機を持っているんです。これもまた驚きで、多くは「液卵」という専門の工場で割った卵を仕入れて安く作るところ、知久屋は毎日新鮮なマヨネーズを作るために、わざわざ専用の機械を導入しているんです。パン粉もできあいのものを仕入れるのではなく、料理にあわせて専用のミキサーでパンを挽いています。

もちろん、醤油やだしなどの調味料も、化学調味料・合成着色料・保存料のたぐいはいっさい使用していません。塩だって工場で精製した塩ではなく、海水を天日で自然乾燥させたミネラル豊富な塩を使用しています。

・つくり方のこだわり

最近、廃棄にまわされた冷凍カツが、弁当に再利用されていたなんてニュースがありましたよね。安さと引き換えに、何か得体の知れないものを食べているかもしれないという不安がひろがったのは、記憶に新しいところです。でも知久屋の弁当だったら、そのような事態は起こりようがないんです。

なぜなら、知久屋ではカット野菜や調理済みの食品をいっさい使っていないから。野菜を洗って切るところから、調味料を作って味付けして、配送して店頭に並ぶところまで、すべて自社でしっかりとした管理がなされているんです。
考えてみれば、食べものに使う食材がどこでどんな状況で育って、どんな調理を経てきたのかは口に入れる消費者の関心事であり、食品会社であればそれを説明できるのは当たり前のこと。

知久屋は、当たり前のことをふつうに当たり前にやっているお店なんです。その動機はいたってシンプル。作っている自分たちが安心して子供たちに食べさせられる食品を作る、というものなんです。

それでは、そんな「素材」「調味料」「つくり方」にこだわった知久屋のお総菜・お弁当を購入することができるお店を、いくつかご紹介したいと思います。

知久屋のもっともメジャーな業態が、このような路面店です。「知久屋 医大前店」は、浜松市東区の浜松医科大学付属病院のすぐそばにあります。

営業時間は10時から20時。お持ち帰りの客がほとんどですが、店内にはイートインスペースがあって、量り売りのお総菜をおしゃれなテラス席でいただくこともできちゃいます。

知久屋の路面店は、このほかに浜松市内に10店舗以上、磐田市など静岡県内に7店舗あります。どのお店も購買客は近所のひとたちが中心ですが、東名高速の各インターにも近いので、お弁当を購入する目的で来店する長距離ドライバーさんも多いんですよ。

知久屋は、静岡県内の駅ビルやイオン、アピタなどのショッピングモール・スーパーマーケットにも出店しています。
そのなかでも「知久屋 パルシェ静岡店」は、新幹線停車駅である静岡駅の駅ビルに入店しているため、他県から静岡を訪れるお客さんにとって知久屋の味を知るのに便利なお店です。

駅という立地上、弁当類がとても豊富。出張の際などにここで知久屋のお弁当を買って、新幹線の車内でじっくり舌鼓を打つのもよいですよね。

知久屋は首都圏にも出店をすすめています。東京都内で知久屋のお総菜を買うことができるのが、この「知久屋 クイーンズ伊勢丹品川店」です。アトレ品川の3階、dEli SElE Qの一角にあります。

洋食系のお総菜が充実しているクイーンズ伊勢丹のなかで、知久屋は和食系が充実していて、しかもリーズナブル。ランチに、持ち帰りの夕食にと、近くのオフィスで働いているひとたちにも評判なんです。

ちなみにクイーンズ伊勢丹横浜にも知久屋は入っていますよ。

横浜市青葉区にある複合商業施設「あざみ野ガーデンズ」にも知久屋のお店がはいっています。

「知久屋 あざみ野ガーデンズ店」は駅からはだいぶ離れていて、車で訪れる近隣のひとたちがお客さんの中心です。そういう意味では浜松の店舗の雰囲気に近いかもしれません。施設内にはベンチがあるので、コロッケなどのお惣菜を買って、その場で食べるのも楽しいですよ。

いかがでしたか？ 「完全健康宣言」を掲げ、おいしさと健康の両立を追求し続ける知久屋。現在は海外も視野に入れ、ニューヨークへの出店も目指しているんだそうです。健康志向のアメリカでも受け入れられそうな知久屋のお総菜やお弁当、見かけたらぜひ食べてみてくださいね。