2020年12月20日

【全国】旅の追体験をして主人公気分。名作の舞台になった観光スポット10選

【全国】旅の追体験をして主人公気分。名作の舞台になった観光スポット10選

旅が今のように一般的になる前、日本の隅々を愉しむことのできたのは、一部の人々でした。その中には、名作を残した作家達も含まれます。自分の足では赴くことのできない日本各地へと、作家達は文字によって読者を旅へと連れて行ってくれたのです。もちろん今だって、多くの作家が日本の魅力ある地を題材に本を執筆しています。今回は、読書好きの方のために、名作と呼ばれる本の舞台となった全国の素敵なスポットをご紹介します。

目次

読書もまた、旅…

天井まである本棚  本だらけのお洒落な空間でした!

文字や絵でしか表現されていないのに、本は様々な世界へと扉を開いてくれいます。たとえ旅に出ることができなくても、本を読むことで旅を楽しむことだって可能。作家たちが、物語の端々に登場させる日本各地の風土や景色などに、ワクワクしながら小説を読み進める方も多いのではないでしょうか。

例えば、川端康成の代表作「伊豆の踊子」を読んで、伊豆を旅した気分になれたりします。読書は知識の吸収だけでなく、別の空間、別の時間へとエスケープさせてくれる旅でもあるんです。

バーチャルな旅を、リアルな旅に昇華させよう

여자,자택근무,독서

本を読んでバーチャルな日本旅行を楽しむのもいいけど、実際にその場所に行って、登場人物の気持ちを感じてみたい!現実から離れて、名作の世界にどっぷりと浸りたい…!と、そんなわがままな読書家のために、この記事では名作に登場する魅力いっぱいの舞台をご紹介していきますね。

東日本の名作スポット

1.摩周湖(ましゅうこ) 【北海道】

林芙美子の北海道旅行の記録『摩周湖紀行』の舞台

林芙美子の北海道旅行の記録『摩周湖紀行』の舞台2312811

出典:こう月さんの投稿

”花の命はみじかくて、苦しきことのみ多かりき”という言葉をよく色紙に書いていたという作家・林芙美子。どこかで、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。そんな林芙美子が、流行作家の生活に疲れ、北海道へ旅に出かけます。その時に得た経験を短編作品にしたのが『摩周湖紀行』です。

林芙美子の北海道旅行の記録『摩周湖紀行』の舞台2312813

出典:HARUMIKIさんの投稿

作中に”摩周の湖は、すぐ霧がかかってしまうので、運がよくないとなかなかみられませんよ”と、人にいわれる場面があります。その通り、「摩周湖」は霧に包まれることが多い湖。そして、透明度日本一を誇る湖です。「摩周湖」は、別名”神の湖”とも呼ばれるほど神秘的な雰囲気が漂う湖。ただ、晴れた摩周湖を見ると晩婚!という伝承があるとかないとか。イコット世代、晴れた日の「摩周湖」は要注意かも…?

摩周湖の中に浮かぶ「カムイシュ島」

摩周湖の中に浮かぶ「カムイシュ島」2312814

出典:スーパーリリさんの投稿

林芙美子は、文中で「カムイシュ島」を”黒子のような”と表現しています。摩周湖の中にある小さな中島です。「カムイシュ」とは、アイヌ語で神様のような老婆という意味だそう。しんとした湖にちょこんと浮かぶ島は、物静かに座り周りの者を温かく見守るおばあちゃんのよう。作者は、北海道を旅することにより楽天家になり、「生きていることは愉しいことだ」と思えるようになったそうです。そんなパワーを摩周湖から感じてみて。

摩周湖の詳細情報

摩周湖

住所
北海道川上郡弟子屈町
アクセス
川湯温泉駅 バス 40分 摩周駅 バス 20分

2.仏ヶ浦(ほとけがうら) 【青森県】

水上勉の社会派ミステリー『飢餓海峡』の舞台 

水上勉の社会派ミステリー『飢餓海峡』の舞台 2312868

出典:オリジンさんの投稿

1954年、青森県の北海道を結ぶ青函連絡船が台風で沈没し、1,000人を超える犠牲者が出るという痛ましい海難事故が起きました。同じ日、北海道の岩内町では、町を焼き尽くす大火事が発生。『飢餓海峡』は、実際に同じ日に起きたこの2つの出来事をヒントに書かれた作品です。

水上勉の社会派ミステリー『飢餓海峡』の舞台 2312864

出典:こめっと3さんの投稿

物語の舞台は、北海道の岩内の大火事からはじまり、青森県の下北半島、東京、最後は京都府の舞鶴と各地を移動しながら展開していきます。その中でも重要な舞台となるのが、青森県下北半島にある「仏ヶ浦」といわれる断崖です。白緑色の*凝灰岩(ぎょうかいがん)の奇岩が約2㎞にわたって連なっています。その光景はまるで仏像が連なっているかのよう。見るものの心に様々な造形を生み出します。

*凝灰岩…火山灰などが凝結してできた岩石

エメラルドグリーンの海色

エメラルドグリーンの海色2296463

出典:五郎 gorouさんの投稿

奇岩群とともに「仏ヶ浦」の特徴ともいえるのが、海の色と底まで透き通っているエメラルドグリーンの海。緑色凝灰岩は、グリーンタフと呼ばれ、水によって緑色が際立つ特徴をもっています。そのため、「仏ヶ浦」の海が美しいエメラルドグリーンをしているんです。この海の色を見ると、ここが極楽浄土の入り口と、昔から信じられていたのにも納得するはず。

仏ヶ浦の詳細情報

仏ヶ浦

住所
青森県下北郡佐井村
アクセス
下北交通バスターミナル バス 120分

3.庄内砂丘(しょうないさきゅう) 【山形県】

近代日本文学の代表傑作のひとつ安部公房の『砂の女』の舞台

近代日本文学の代表傑作のひとつ安部公房の『砂の女』の舞台2296467

出典:

『砂の女』は、海外での評価も高く、30ヵ国以上に翻訳されています。海辺の砂丘に昆虫採集にやってきた男が、一人の女が住む砂の家に閉じ込められ、様々な手段で脱出を試みるというシュールな物語。安部公房が『砂の女』の着想を得たのは、山形県酒田市にある浜中の飛砂被害のグラビア写真だといわれています。そして、実際にその地に降りたとき、グラビア写真が現実だと驚き、『砂の女』の筋書きは一瞬でできあがったそう。その舞台が「庄内砂丘」です。

近代日本文学の代表傑作のひとつ安部公房の『砂の女』の舞台2312818

出典:motoki0930さんの投稿

日本海に面して南北約35㎞、幅3㎞の砂丘。日本三大砂丘のひとつに数えられています。物語とは裏腹に、美しい砂浜が続きます。”砂のがわに立てば、形あるものはすべて虚しい。確実なのは、ただ、一切の形を否定する砂の流動だけである”という、やるせない体験をしてみてはどうでしょう?砂を掻き出し続けて、男の気持ちを実感してみるのも悪くないかも。

庄内砂丘の詳細情報

庄内砂丘

住所
山形県鶴岡市湯野浜
アクセス
鶴岡駅 バス 40分

朱色の夕日が印象的な「湯野浜海岸(ゆのはまかいがん)」

朱色の夕日が印象的な「湯野浜海岸(ゆのはまかいがん)」2299699

出典:aizuさんの投稿

砂丘の南端には、”日本の夕陽百選”のひとつに数えられる「湯野浜海岸」があります。日本海の水平線に沈む落陽が、美しいと評判。特に、6月と11月は鮮やかで美しさが増します。空を朱色に染める夕日を眺めながら、囚われの男に思いを馳せてみては。

湯野浜海水浴場の詳細情報

湯野浜海水浴場

住所
山形県鶴岡市湯野浜
アクセス
鶴岡駅 バス 40分 山形自動車道 庄内空港IC 車 10分
営業時間
7月中旬〜8月下旬 通年

4.馬籠宿(まごめじゅく) 【岐阜県】

”木曽路はすべて山の中である”で知られる島崎藤村の『夜明け前』の舞台

”木曽路はすべて山の中である”で知られる島崎藤村の『夜明け前』の舞台2312821

出典:ちびtoしろさんの投稿

『夜明け前』は、徳川の世が終わり、明治を迎える激動期を、主人公・青山半蔵をめぐる人間群像として描き出した歴史小説です。主人公の青山半蔵は、作者・島崎藤村の父である島崎正樹がモデルなんですよ。江戸時代の参勤交代で多くの人が行き交った、中山道の宿場町。それが「馬籠宿」です。そして、島崎藤村の生誕地でもあります。

”木曽路はすべて山の中である”で知られる島崎藤村の『夜明け前』の舞台2296468

出典:たんねさんの投稿

石畳が敷かれた坂に沿っている「馬籠宿」には、今も江戸時代の面影が濃く残っています。傾斜地形の中に、水田や山林が広がる里山風景。水のせせらぎ、小鳥のさえずり、街道を通り抜ける風を感じながらのどかな散策を楽しめます。このようなのどかな山の中にも、幕末維新の動乱の影響があったとは…。時代の変遷での人々の葛藤を思うと、ちょっと切なさを感じてしまうかもしれませんね。

馬籠宿の詳細情報

馬籠宿

住所
岐阜県中津川市馬籠
アクセス
1) 塩尻ICから車で100分 2) 中津川ICから車で20分

桝田屋のモデル「馬籠脇本陣資料館」

桝田屋のモデル「馬籠脇本陣資料館」2299700

出典:アズミノ(休止中)さんの投稿

『夜明け前』に登場する桝田屋のモデルは、「馬籠宿」にある脇本陣です。島崎藤村の家柄は、代々馬籠宿の本陣・問屋・庄屋を兼ねていました。1895年(明治28年)の「馬籠宿」の大火で建物は消失してしまいましたが、「馬籠脇本陣資料館」は、当時の脇本陣の上段の間を復元しています。当時の家財道具などを見ることができるんです。木曽路の独特な文化や制度に触れてみましょう。

馬籠脇本陣史料館の詳細情報

馬籠脇本陣史料館

住所
岐阜県中津川市馬籠4253-1
アクセス
1) 中津川から車で20分14.00km - 徒歩で5分 2) 中津川からバスで30分 - 徒歩で5分
営業時間
9:00〜17:00 通年営業
定休日
不定休
料金
子供 100円 (団体割引あり) 大人 300円 (団体割引あり)

5.能登金剛(のとこんごう) 【石川県】

松本清張の長編推理小説『ゼロの焦点』の舞台

松本清張の長編推理小説『ゼロの焦点』の舞台2299701

出典:ダイムバッグさんの投稿

『ゼロの焦点』は、新婚の夫が出張先の金沢で消息を絶ってしまうことから物語が始まります。そして、妻は夫の足取りを追って、金沢や能登を巡る中、連続殺人事件に巻き込まれてしまいます。戦後を生きた女性たちの悲哀を、美しい能登の情景とともに描いた『ゼロの焦点』。その主な舞台となったのが、「能登金剛」です。

松本清張の長編推理小説『ゼロの焦点』の舞台2312824

出典:こすもっちさんの投稿

「能登金剛」は、能登半島の西側に約30㎞にわたって風雪によって削られた断崖や奇岩が続く海岸線。白砂清松が連なる名称として名高く、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の絵にも登場するほどの美しい場所なんです。小説のイメージとは異なり、息をのむような美しさに感動すること間違いなし!

能登金剛の詳細情報

能登金剛

住所
石川県羽咋郡志賀町富来牛下〜前浜

能登金剛を代表する存在「巌門(がんもん)」

能登金剛・厳門2

海に突き出た岩盤に、浸食によって穴があいた洞門。幅6m、高さ15m、奥行60mもあるんですよ。遊覧船もあるので、海上から眺めるのもおすすめですよ。陸から眺める光景とはまた違った迫力!

巌門の詳細情報

巌門

住所
石川県羽咋郡志賀町富来牛下
アクセス
羽咋駅 バス 40分 バス 10分 三明乗り換え巌門経由富来行

西日本の名作スポット

6.神島(かみしま) 【三重県】

三島由紀夫が描く純愛物語『潮騒』の舞台

三島由紀夫が描く純愛物語『潮騒』の舞台2296470

出典:テンゴクさんの投稿

『潮騒』は、伊勢湾に浮かぶ小島”歌島”を舞台に、18歳の漁師・新治と船主の娘・初江が、いくつもの障害を乗り越えお互いの愛を成就させるまでを描いた純愛物語です。新治と初江が出会い恋に落ちる”歌島”は、鳥羽市に属する「神島』の古称。鳥羽港からフェリーで約45分の距離にある周囲4㎞ほどの小さな島です。

三島由紀夫が描く純愛物語『潮騒』の舞台2312825

出典:テンゴクさんの投稿

神島は、雄大な海の景色と細い路地が入り組む漁村ならではの雰囲気が特徴。観光地化されていないので、離島独特の雰囲気を満喫するのにおすすめです。「神島」という名が示すように、神に支配されている島と信じられているんです。島内には、物語に登場するスポットがたくさんあるので、小説の場面を振り返りながら巡ってみては。小さな島なので、体力は必要ですが2時間ほどで1周できちゃいます。

神島の詳細情報

神島

住所
三重県鳥羽市神島

島の絶景スポット「八代神社」

島の絶景スポット「八代神社」2299702

出典:テンゴクさんの投稿

214段の石段の上に鎮座する「八代神社」。「八代神社」は、古くから崇敬されている日本神話の海の神様が祀られているんです。初江が、新治の航海の無事を祈る場所としても登場しています。物語の中で、島でもっとも景色の美しい場所のひとつとして描かれてもいます。石段を登る途中、ぜひ振り返ってみて!美しい海の景色を見ることができますよ。

八代神社の詳細情報

八代神社

住所
三重県鳥羽市神島町1

7.鴨川(かもがわ) 【京都府】

森見登美彦の青春恋愛物語『夜は短し歩けよ乙女』の舞台

森見登美彦の青春恋愛物語『夜は短し歩けよ乙女』の舞台2296471

出典:manpuku0さんの投稿

”黒髪の乙女”と”先輩”が繰り広げる青春恋愛物語。ファンタージ要素からコメディ要素まであり、『夜は短し歩けよ乙女』の独特な世界観に引き込まれるファンも多い作品です。秘密のお酒を求めて夜の京都を飲み歩く”黒髪の乙女”、彼女とどうにか距離を近づけようと画策する”先輩”。京都市内を流れる鴨川界隈を中心にストーリーは進んでいきます。

森見登美彦の青春恋愛物語『夜は短し歩けよ乙女』の舞台2312828

出典:ご隠居鳥さんの投稿

パンツ総番長とお守りを巡って争った現場は「鴨川デルタ」と呼ばれる鴨川の三角洲。”黒髪の乙女”と”先輩”の距離は、不思議な事件が起こる中で縮まっていきますが、鴨川と高野川に囲まれた場所にある「下鴨神社」も事件の舞台のひとつ。「下賀神社」は、京都最大のパワースポットといわれていて、歩くだけでも運が増すみたいですよ。本を片手に、鴨川散策をしてみては。

「ムーンウォーク四条木屋町店」で”偽電気ブラン”

「ムーンウォーク 四条木屋町店」 内観 2231256

出典:

”黒髪の乙女”が、”先輩”の結婚パーティーを抜け出してお酒を飲みに行った”バー月面歩行”。そのモデルとなったのが、ムーンウォーク四条木屋町店」です。お店の方にお願いすれば、作品に登場した”偽電気ブラン”を飲むことができるんです。『夜は短し歩けよ乙女』ファンなら、外せない場所かも!

ムーンウォーク 四条木屋町店の詳細情報

ムーンウォーク 四条木屋町店

河原町、祇園四条、三条 / バー

住所
京都府京都市下京区四条通小橋西入る真町455 第一小橋会館 3F
営業時間
[月]  19:00 - 05:00 [火]  19:00 - 05:00 [水]  19:00 - 05:00 [木]  19:00 - 05:00 [金]  19:00 - 05:00 [土]  19:00 - 05:00 [日]  19:00 - 05:00
平均予算
  • ¥1,000~¥1,999

8.紀ノ川(きのかわ) 【和歌山県】

有吉佐和子の経験を基に書かれた『紀ノ川』の舞台

有吉佐和子の経験を基に書かれた『紀ノ川』の舞台2312856

出典:エミリーさんの投稿

一流のストーリーテラーとして知られる有吉佐和子の『紀ノ川』は、旧家に生まれ、明治から第二次世界大戦後まで生きた3世代の女性を描いた作品です。世代の異なる女性たちの荒波に揉まれる生き様に惹きつけられる読者は多く、海外でも親しまれています。題材としたのは、自身の家系だそう。作者が和歌山出身であることから、紀州の情景が非常に繊細に表現されています。主人公・花が、船に乗って川を下って嫁ぐ場面があります。その川こそ「紀ノ川」。

有吉佐和子の経験を基に書かれた『紀ノ川』の舞台2296472

出典:Funabikiさんの投稿

花が、川を下っていく道中、万葉時代に数々の和歌に読まれた「妹背山(いもせやま)」を船から眺める描写があります。「妹背山」は、「紀ノ川」を隔て向かい合う山。万葉人は、この2つに愛しい人への思いを重ねて和歌を詠んだようです。穏やかな川の流れと、自然に恵まれたその空気間は、旅情を盛り上げてくれでしょう。花は、どのような思いで「紀ノ川」の光景を眺めたのでしょう。郷愁を実感するのに十分な情景が広がっています。

小説の始まりに登場する「慈尊院(じそんいん)」

小説の始まりに登場する「慈尊院(じそんいん)」2299705

出典:hiro27さんの投稿

「慈尊院」は、弘法大使の母親にゆかりのあるお寺です。乳房形の絵馬を奉納して安産・授乳・育児を願う乳房の民間信仰のあるお寺。嫁入りを控えた花が、祖母に連れられてきて、自分の乳房型絵馬を献上し、安産を願う場所として描かれています。花の生きた時代は、子を成し、家を繁栄することが重要な役目と考えられていた時代。今では、なかなか理解しにくい結婚観かもしれませんね。女性として生きるべき道への覚悟を促された主人公・花に、心を寄せてみましょう。

慈尊院の詳細情報

慈尊院

住所
和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832
アクセス
南海高野線九度山駅 徒歩 25分
料金
【料金】 無料

9.足摺岬(あしずりみさき) 【高知県】

田宮虎彦の短編小説『足摺岬』の舞台

田宮虎彦の短編小説『足摺岬』の舞台2312858

出典:のーぶるさんの投稿

人生に絶望した大学生が、自殺しようと「足摺岬」へやってきます。しかし、四国で巡り合った遍路*の老人や薬売りの商人から無償の好意を受け、救われるというのが短編小説『足摺岬』の物語です。

*遍路…決められた順路に従って、霊場を参詣して回ること。

田宮虎彦の短編小説『足摺岬』の舞台2296474

出典:えだまめんさんの投稿

四国最南端に位置する「足摺岬」は、高知県を代表する観光名所。岬から見える白亜の灯台とコバルトブルーの海とのコントラストが素晴らしい絶景スポットです。けれど、昔は自殺の名所として知られていたんです。作者の田宮虎彦は、「足摺岬」を執筆するまで一度も行ったことがないというから驚き!訪れたこともない地を舞台にし、名作を書き上げる才能に感服させられるはず。

足摺岬の詳細情報

足摺岬

住所
高知県土佐清水市足摺岬
アクセス
中村駅 バス 80分

主人公が伴侶を見つける「あしずり温泉郷 ホテル足摺園」

主人公が伴侶を見つける「あしずり温泉郷 ホテル足摺園」2299707

出典:

自殺への道を踏みとどまった主人公は、なんと宿泊した宿で伴侶を見つけちゃいます!その宿が、「ホテル足摺園」です。小説の舞台となったホテルなんですよ。部屋に入ると目の前には、雄大な太平洋の大海原が広がっています。屋上の露天風呂は、月明りが海に映る景色を眺められると人気。ぜひ、入ってみましょう。人生の迷いなんて何処かへ行ってしまうはず。絶景が全てを解決してくれるでしょう。

公式詳細情報

あしずり温泉郷 ホテル足摺園

高知県 / 旅館

住所
高知県土佐清水市足摺岬478-5
アクセス
バス停「白皇神社前」下車→足摺岬、白山洞門のすぐ近く
  • 10.加計呂麻島(かけろまじま) 【鹿児島県】

    島尾敏雄の経験に基づく短編小説『出発は遂に訪れず』の舞台

    島尾敏雄の経験に基づく短編小説『出発は遂に訪れず』の舞台2299709

    出典:CarpeDiemさんの投稿

    第二次世界大戦中、特攻隊隊長であった著者の経験に基づく作品です。司令官として奄美諸島の「加計呂麻島」に赴任し、特攻隊発動の命令を受けますが、発進命令が出ないまま8月15日の終戦を迎え、九死に一生を得るという体験を重厚な文体で綴っています。戦争のない平和な時代に生きる者には、味わうことのない特異な状況を窺い知れる貴重な作品です。

    島尾敏雄の経験に基づく短編小説『出発は遂に訪れず』の舞台2312860

    出典:wisetakuさんの投稿

    舞台となる「加計呂麻島」は、奄美大島と大島海峡を挟んで向かい合っている島。観光客が少なく、手つかずの自然が残っています。息を飲むほど美しい海、色鮮やかな木々に囲まれた「加計呂麻島」は、まさに秘境。まるで絵画の世界に飛び込んだような魅惑の島です。かつて、敵艦に体当たりするため、生命の全てをかけ出撃を待っていた青年たちは、この美しい光景を眺め、どのような心境で出撃命令を待っていたのでしょう。戦争と平和について考えるにはおすすめの場所といえるかもしれません。

    加計呂麻島の詳細情報

    加計呂麻島

    住所
    鹿児島県大島郡瀬戸内町
    アクセス
    古仁屋港から船で15分

    楽園のビーチで海を満喫

    楽園のビーチで海を満喫2299710

    出典:umigorillaさんの投稿

    1年を通して温暖な気候の『加計呂麻島』。そして、島はサンゴの多い透明度の高い海に囲まれています。『加計呂麻島』を訪れたら、ダイビングやシュノーケリング、シーカヤックといった海のアクティビティをしなくちゃもったいない!美しい楽園を存分に楽しんで。

    本を片手に旅に出よう!

    ロサンゼルスのダウンタウンに来たら必ず寄りたい本屋さん

    日本全国にある小説の舞台。登場人物が立ったかもしれない場所に立ち、眺めた景色を眺めることで、その登場人物の振る舞いや心の動きを追体験できるかも!物語のワンシーンをなぞることで、もうひとつの人生を生きたような記憶が、心に残るでしょう。日本の名作と呼ばれる本を通して、さっそく日本を探検してみませんか?きっとあなたの人生が、そして旅がとても豊かになるはずですよ。






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