2016年07月16日
歴史マニア必見!戦国武将に会える岐阜「関ヶ原ウォーランド」
江戸幕府が開かれるきっかけとなった天下分け目の「関ヶ原合戦」。この戦いで東西両軍が激突したのが、岐阜県関ヶ原町です。現在は合戦跡地にテーマパーク型資料館「関ヶ原ウォーランド」が設立され、全国の歴史ファンから注目を集めています。ここは、その独特の世界観から隠れB級スポットとして人気があるだけでなく、戦国時代の歴史についても真面目に知ることができるんです。では、その全貌を紹介していきましょう。
豊臣秀吉が死去した1598年以降、それまで豊臣政権を支えていた大名たちの間で政権運営に対する意見の違いなどから不和が表面化し、次第に分裂していきます。一方は徳川家康が率いる東軍に、もう一方は石田三成が率いる西軍に分かれ、ついに1600年10月、ここ関ヶ原において大規模な戦いに発展。勝利したのは東軍でした。
「関ヶ原ウォーランド」は関ヶ原の戦いから364年後の1964年(昭和39年)、この地に「ウォーランド資料館」が建設されたのが始まりです。その後、徐々に施設の充実が図られ、現在は敷地面積3万㎡、およそ240体もの等身大コンクリート像により関ヶ原の戦いを忠実に再現しています。ここに来れば、戦国時代を熱く生き抜いた武将たちの想いを体感し、緊迫した戦場の空気に触れることができるのです。
コンクリート像については後ほど詳しく紹介します。
「ここは日本で一番有名な合戦地、関ヶ原。東西それぞれの思いがぶつかり合い、数多の命が失われた地。それなのに弔いのための寺もなければ、自国の雄たちの動向を残し示す資料館さえない。どちらもつくりなさい、必ずだ」この言葉をうけ、谷口玉泉氏はウォーランド資料館を建設したのです。
【電車】…JR関ヶ原駅から徒歩約25分。
【車】…名神高速道路「関ヶ原インター」から約5分の距離。関ヶ原町の市街地から国道365号線を北に向かうと、左手に「関ヶ原ウォーランド」入口の看板が立っているので、見逃さないようにしてください。無料の大駐車場完備です。
園内に配された「街道」を進んでいくと、東西両軍の武将たちが激突しているシーンがそこかしこに現れます。等身大のコンクリート像で再現されているので、とってもリアルなんです。
徳川家康率いる東軍の勝利に終わった関ヶ原の戦い。激しい戦闘であったがゆえ、後世に語り継がれる数々の名シーンが生まれました。
勝敗が決したあと、徳川家康が首実検(くびじっけん)を行ったと言われています。首実検とは、討ち取った敵将の首を部下に持ち寄らせ、その戦いにおける部下たちの功績を確認する作業です。功績に応じて部下たちの「給料」や「ボーナス」が決まったので、それはそれは大事な作業だったわけです。
このように「関ヶ原ウォーランド」は、その時の出来事をリアルに表現しているのが特徴です。勝った東軍側の、見栄えの良い場面だけでなく、きちんと合戦の様子を紹介しています。
園内に240体ほどあると言われている、等身大のコンクリート像たち。製作を担当したのは岐阜県出身のコンクリート造形作家「浅野祥雲(あさのしょううん)」さんです。浅野さんが作るコンクリート像は、一体一体がとてもリアル。そしてユニークな表情をしています。
浅野さんがこの世を去ってから、すでに30年以上が経過しています。これまでほとんど注目されることがなく全国的な知名度は高くありませんが、ここ最近は『タモリ倶楽部』や『マツコ&有吉の怒り新党』といった全国ネットのテレビ番組で浅野さんの作品が紹介されるなど、じわじわと評価が高まっています。
園内には、本格的な資料館が二つあります。一つ目は「武具甲冑資料館」。関ヶ原の戦いで実際に使われた、武具や甲冑(かっちゅう)が展示されています。
戦(いくさ)は武士にとっての晴れ舞台。中には実戦向きでない装飾が施されたものも存在しますが、身分の高さやデザイン性をアピールすることもまた、武士の心得でありました。
『関ヶ原合戦資料館』では、全国を二分する規模にまで発展した関ヶ原の戦いに至るまでの経緯や、当時の戦況について、とても詳しく知ることができます。ときには館長が自らマイクを持ち、解説してくれることもあります。
ここまでくれば気分はすっかり戦国武将。果たして、自分だったら西軍につくか、東軍につくか…自然と考えをめぐらせてしまいます。「歴史に、もしもはない」と言われますが、もしも自分がタイムマシンで戦国時代に行って西軍に加勢していたら、歴史が大きく変わっていたかもしれません。
関ヶ原合戦を体感しよう! 関ケ原ウォーランド 公式サイト
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一説には、生涯で800体もの作品を製作したと言われているコンクリート造形作家の浅野祥雲さん。もちろん、ここ「関ケ原ウォーランド」以外にも多くの作品を残していらっしゃいます。それらの一部を紹介しましょう。
「桃太郎神社」は愛知県犬山市の木曽川沿いにあり、1年中訪れる人が絶えない神社です。春は桜、秋は紅葉と、とても景色の良いことで知られています。境内には童話「桃太郎」のストーリー展開に合わせたコンクリート像が数多く建っていて、訪れる人を楽しませています。
桃太郎神社の詳細情報
所在地…愛知県犬山市栗栖字古屋敷
愛知県日進市にある「五色園」は、親鸞(しんらん)聖人の生涯を視覚的に知ることができる、等身大のコンクリート像が特徴の宗教公園です。とくに桜の名所として知られ、およそ3000本にも及ぶ見事な桜の木を一目見ようと多くの参拝客で賑わいます。
五色園の詳細情報
所在地…愛知県日進市岩藤町一ノ廻間932番地31
この「関ケ原ウォーランド」に展示されている資料やコンクリート像には、関ヶ原の戦いを後世に伝え残し、また、この地で命を落とした武士たちを供養したいとする館長の想いが詰まっています。ぜひ一度、自身の目で見てみてください。また、浅野さんのユニークな作品を見ることができる場所にも合わせて、足を運んでみてください。