2016年07月16日

今こそ行きたい!松尾芭蕉で有名な「山寺(立石寺)」を歩こう

今こそ行きたい!松尾芭蕉で有名な「山寺(立石寺)」を歩こう

山寺こと「立石寺(りっしゃくじ)」は、多くの名句を世に出してきたことでも知られる松尾芭蕉ゆかりの地。登山口から大仏殿のある奥之院までに1000段を超える石段があり、所要時間は40~60分。「しずけさや 岩にしみ入る 蝉の声」と詠まれた、松尾芭蕉の愛した山を歩いてみましょう。

松尾芭蕉 おくのほそ道の舞台となった山寺

松尾芭蕉 おくのほそ道の舞台となった山寺669911

出典:わこーさんの投稿

松尾芭蕉の紀行文「おくのほそ道」で「佳景寂莫として心澄みゆくのみおぼゆ(美しく静かな景色に、心が澄んでゆくのがわかる)」と絶賛された山寺。
芭蕉が目にした景色や耳にした蝉の声が、約300年の時を経ても尚、変わることなく感じられます。

山寺こと(宝珠山立石寺)について

山寺こと(宝珠山立石寺)について669915

出典:

宝珠山立石寺は山形県山形市にある天台宗の寺院で、清和天皇の命を受けた慈覚大師円仁が860年に開山したと伝えられています。一度は兵火により焼失したものの、1356年に初代山形城主・斯波兼頼によって再建されました。

松尾芭蕉が俳句を詠んだ名所です

松尾芭蕉が俳句を詠んだ名所です669913

出典:

伊賀上野に生まれた俳聖・松尾芭蕉(1644-1694)は20歳前後で俳諧の世界に入り、自然美・人生探求を重んじる句風「蕉風」を確立しました。後半生のほとんどを弟子・河合曾良とともに諸国行脚に費やし、「野ざらし紀行」「おくのほそ道」など数々の紀行文を執筆しました。
おくのほそ道は江戸~東北・北陸~大垣の旅を記録したもので、古典の教科書でもおなじみの名句が多数登場しています。

五感を研ぎ澄ませて、松尾芭蕉のように歩いてみよう

「山寺 門前売店」その他 670288 1000段を超える階段の先へ

出典:ツイストマンさんの投稿

大仏殿のある奥之院までの石段は、なんとっ1,000段を超えます。40~60分ほど山道を歩きます。森林浴をしながら山登りの気分で楽しみましょう。

宅配業者の方とすれ違う光景も。これは大変ですね...。

さあ、山寺散策スタート!

その前に名物の「力こんにゃく」を食べましょう

「山寺 門前売店」料理 670362

出典:yoyosyさんの投稿

参拝の前に、境内で売られている山形名物・玉こんで力をつけましょう。素朴でほっとする醤油味です。

根本中堂

根本中堂669919

出典:yoshiki120%さんの投稿

正平年間(1346~70)に再建されたと伝えられる根本中堂は、国内最古のブナ材木造建築物国内最古とされ、重要文化財に指定されています。
堂内には秘仏・木造薬師如来像が安置され、天台宗開祖・最澄が比叡山延暦寺に灯した火を分けたとされる「不滅の法灯」が輝いています。

根本中堂669920

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山門を抜けると、長い石段が続きます。少しずつ休みながら、自分のペースで登りましょう。

姥堂

姥堂669923

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俗世との境を示す浄土口には、三途の川のほとりで死者の着物を脱がせる奪衣婆(だつえば)が祀られています。
かつての修行者たちは姥堂横の湧き水で心身を清めて新しい着物に着替え、それまで着ていた着物をここに奉納しなければなりませんでした。

四寸道

四寸道669925

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慈覚大師や修行者たちも登った道をたどります。1段登るたびにすこしずつ煩悩が浄化されていくとされる、きびしい修行の道です。もっとも狭いところは幅約4寸(約14cm)しかないので、すれ違うときはご注意を!

せみ塚

せみ塚669927

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芭蕉が山寺で詠んだ名句「しずけさや 岩にしみ入る 蝉の声」の短冊をここに埋めて、せみ塚としました。

弥陀洞

弥陀洞669929

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巨岩の表面に阿弥陀如来の姿を彫ったもので、丈六の阿弥陀とも呼ばれています。この岩が阿弥陀如来に見えると、幸せになれるのだとか。

仁王門

仁王門669931

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中腹にある仁王門の両脇には、運慶の弟子が彫ったとされる仁王像が鎮座しています。邪心をもつ人は登ってはいけないと、睨みつけているそうです。邪心は振り落としていきましょう...。

見上げてみて

見上げてみて670318

出典:bend_tailさんの投稿

こちらは仁王門の天井に張られた千社札。自分の名前などをかいた札とのことですが、どうやって張ったのか気になりますが、勝手に貼るのだけはやめたほうがよさそうです。

見上げてみて669933

出典:

仁王門をくぐると、さらにけわしい階段が続きます。

奥之院(如法堂)

奥之院(如法堂)669936

出典:

階段を登った正面にある奥之院には、慈覚大師が修行中大切にしていた釈迦如来像と多宝如来像が安置されています。左手には大仏殿があり、高さ5mの金色阿弥陀如来像が安置されています。

三重小塔

三重小塔669939

出典:

塔頭・華蔵院境内の岸壁に穴が掘られ、その中に高さ2.5mの小さい三重塔が安置されています。この塔は1519年の作とされ、重要文化財に指定されています。

開山堂と納経堂

開山堂と納経堂669943

出典:トロさんの投稿

奥之院から少し下って右手に進むと、慈覚大師の像を祀る開山堂(正面)と朱塗りの納経堂が見えてきます。巨大な奇岩の上にそびえる納経堂は山寺最古の建物とされ、県の文化財に指定されています。
納経堂の真下には、慈覚大師の入定窟があります。

五大堂からの眺め

五大堂からの眺め669946

出典:

開山堂・納経堂からさらに進むと、五大明王を祀る道場・五大堂があります。五大堂から下界を見下ろすと、まるで雲の上にいるみたい!?

五大堂からの眺め670298

出典:arc0907さんの投稿

こちらは五大堂の中から。山寺一の展望台です。夏は緑に癒され秋は美しい紅葉が望めます。

五大堂からの眺め669948

出典:

急斜面に建つ釈迦堂も見えます。修行者用の建物で、一般人の立ち入りは禁止されています。

五大堂からの眺め669947

出典:

時の流れとともに少しずつ移り変わっていくものの、芭蕉も愛した絶景のすばらしさは今も昔も変わりません。

おつかれさまでした!

おつかれさまでした!669950

出典:

ふもとで売ってるぬれおかきです。がんばって山歩きした後のおやつにいかがですか?

「山寺 門前売店」外観 670389 門前売店

出典:立花立夏さんの投稿

まとめ

いかがでしたか?芭蕉も愛した山寺の美しさは、今でも多くの人を惹きつけてやみません。21世紀の芭蕉として、山寺であなたも一句詠んでみては?

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