2016年03月23日

日本最大モスク「東京ジャーミー」。イスラム美にうっとり

日本最大モスク「東京ジャーミー」。イスラム美にうっとり

青や赤、白や緑といった色鮮やかな彩釉(さいゆう)タイルが幾何学模様(きかがくもよう)に敷き詰められた天井。イスラムの礼拝の場であるモスクは、まさにイスラムの造形美が集約された場所。東京代々木にある日本最大のモスク「東京ジャーミー」もそのひとつ。土・日曜の昼には、参拝の様子を見学することもできます。マナーを事前学習して、イスラムの美しいアートと文化を肌で感じに、出かけてみましょう。

イスラム文化の美の結集「モスク」を身近に感じよう

「モスク」ってどんなところ?

「モスク」はイスラム教の礼拝堂のことです。元々はアラビア語ではマスジド(مَسْجِد‎, masjid, 「ひざまずく場所」の意)と呼ばれていましたが、それが形を変え「モスク」と呼ばれるようになったと言われています。礼拝は1日5回行われ、イスラム教徒には無くてはならない存在。しばしばイスラム寺院と呼ばれることもありますが、モスクの中には崇拝の対象物はなく、あくまで礼拝を行うための場所、ということも覚えておいてくださいね。

「モスク」ってどんなところ?16302

出典:Tetra_Angelさんの投稿

都内で見られるモスク「東京ジャーミー」を訪ねてみよう

「代々木上原駅」から徒歩数分のところにある「東京ジャーミー」を訪ねてみましょう!土・日曜日は14:30~日本語ガイド付きの案内を受けられます。予約・受付は不要なので気が向いた時にふらりと訪れてみましょう!礼拝の様子も見ることができちゃいます。

ここ「東京ジャーミー」ですが「ジャーミー」も「モスク」と同義語です。イスラム教徒は金曜日にモスクに集まり一緒に礼拝する習慣があります。アラビア語で「集まる」という意味から来ているのが「ジャーミー」と言う呼び名です。地区や地域で大きなモスクを「ジャーミー」と呼ぶのです。ここ「東京ジャーミー」は日本最大のモスクなのです。

都内で見られるモスク「東京ジャーミー」を訪ねてみよう16305

出典:takujiさんの投稿

イスラム教徒の礼拝堂である「モスク」は人々の憩いの場でもあります。

マナーを守れば誰にでも開かれたスペースです

イスラム教と聞くと規律が厳しいイメージがあるかも知れません。「モスク」に行くのだから色々と制約があるのでは・・・?なんて不安に感じる必要はありません。日本のお寺や神社に行く時とルールは全く同じです(女性はスカーフで髪を隠して頂きますが、スカーフは貸してもらえます) 訪問の際のマナーは「露出の多い服装は控える」「おしゃべりは控えてお静かに」「礼拝中の人の前を横切らない」「清潔な服装で」「香水等は控えめに」「飲食は決められた場所で」などなど。マナーは文化の壁を越えてどの世界でも共通です。極端に考えすぎず、リラックスして訪問しましょう。尚、写真撮影には事前の申請が必要なので気をつけてくださいね。

マナーを守れば誰にでも開かれたスペースです16308

出典:beruさんの投稿

女性にはスカーフの貸し出しも行っています。髪を隠すという習慣は日本では中々ありませんので、付け方が分からない場合はスタッフの方に聞いてみましょう。

【服装について】
礼拝場は、イスラーム教徒が礼拝を行なう神聖な場所です。
女性の場合は、ストールかスカーフをご持参いただき、長袖・長ズボン、ロングスカート(足首まで隠れるもの)など身体の露出の少ない服装でお越し下さいませ。女性のショートパンツ、キャミソール、タンクトップ、レギンス等での入場はご遠慮下さい。男性もハーフパンツやタンクトップはご遠慮下さい。

階下のホールでは、女性のスカーフは不要ですが同様の服装を心がけてください。

【礼拝場での注意事項】
・礼拝場に入る前に靴をお脱ぎ下さい。靴は入り口通過後、左右にある下駄箱にお入れ下さい。
・礼拝場内では、私語を控え、お静かに願います。
・礼拝場内ではいかなる目的での写真・ビデオ撮影には、事前の許可が必要です。
・一階の事務局にお問い合わせ下さい。礼拝が行われる際の写真撮影は禁止です。
・礼拝中の見学は可能ですが、後方に静かにお座りいただき、礼拝場内を歩きまわらないようにお願いします。礼拝場の上階は、女性専用の礼拝場所となっております。
・また、ぺット同伴での入館は、ご遠慮下さい。

出典:礼拝場見学に関する注意事項 | 東京ジャーミイ・トルコ文化センター

まずは外観を眺めてみよう!

まずは外観を眺めてみよう!16311

出典:beruさんの投稿

大理石造りの重厚な感じですが、白くつややかでヨーロッパ建築の様な重々しさは感じません。

まずは外観を眺めてみよう!16312

出典:kuromu24さんの投稿

入口の天井です。細部まで施された幾何学的文様がいたるところで見られます。

まずは外観を眺めてみよう!16313

出典:kuromu24さんの投稿

時間によって雰囲気が大きく違って見えるのもイスラム様式の特徴です。晴れの日と曇りの日に訪れてもまた違った雰囲気が楽しめます。

まずは外観を眺めてみよう!16314

出典:海と空のpapaさんの投稿

モスクにはミナレットという礼拝時刻の告知(アザーン)を行うための塔がついています。お寺にある鐘のようなイメージです。

実際に中に入ってみましょう!

実際に中に入ってみましょう!16316

出典:

いざ行ってみましょう!受け付けは1階にあります。

実際に中に入ってみましょう!16317

出典:

礼拝場はイスラーム教徒が礼拝を行なう神聖な場所です。祈りをささげている方がいる場合は前を通らず静かに過ごしましょう。

実際に中に入ってみましょう!16318

出典:

ステンドグラスにも絨毯(じゅうたん)にも壁面や天井にもアラベスク模様(幾何学的文様を反復して作られている模様)が大量に描かれています。時間と共に窓から差し込む陽の光が移り変わり、その空気の変容の美しさに見とれてしまいます。

実際に中に入ってみましょう!16319

出典:tako-sukeさんの投稿

無駄のない作りは窓や小物にも全て活かされています。古い歴史の中で磨かれた美しさが無駄なく行き渡っているのを感じることができます。

実際に中に入ってみましょう!16320

出典:chi_bisukeさんの投稿

白と青をベースとして統一感のある礼拝場の中でもひときわ目を引くのがこのステンドグラスです。イスラム教ではどの宗派でも偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)を禁じているため、キリスト教の教会と異なりステンドグラスもアラベスク模様が基本となっています。その精緻(せいち)な芸術は吸い込まれるような美しさです。

実際に中に入ってみましょう!16321

出典:takujiさんの投稿

モスクの床は柔らかなじゅうたんが敷き詰められています。ここで祈りを捧げます。女性の礼拝場は別の場所にあり、1つ上の階に設けられています。

実際に中に入ってみましょう!16322

出典:ken45さんの投稿

太陽の向きによってニュアンスが変わります。絨毯(じゅうたん)の上に落ちる色とりどりの光はとても印象的です。

実際に中に入ってみましょう!16323

出典:down4thさんの投稿

万華鏡(まんげきょう)のようなこのアラベスク模様は天井の写真です。このひとつひとつの模様は全て手で施されたものです。

実際に中に入ってみましょう!16324

出典:beruさんの投稿

礼拝場の中にある階段は、礼拝の流れを作る導師(イマーム)が座る階段状の説教壇(ミンバル)です。階段の一番上にある屋根付きの玉座(ぎょくざ)は預言者ムハンマドのために造られた装飾的なものとなっています。

実際に中に入ってみましょう!16325

出典:beruさんの投稿

絶妙な陽光の取り入れ方で、白い壁にステンドグラスの光が踊ります。刻一刻と移り変わるので印象が異なりいつ行っても新鮮に感じます。

実際に中に入ってみましょう!16326

出典:ハピネスさんの投稿

繊細で色鮮やかなアラベスク模様。日本ではイスラム教と言えば砂漠の宗教と言われていますが、一度訪れるとイメージが変わるかも知れません。

実際に中に入ってみましょう!16327

出典:こぐまのしっぽさんの投稿

夕方の礼拝場。静謐(せいひつ)な空気をまとい、一段と厳かな雰囲気になります。

礼拝場を出て施設の中を探索しましょう

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出典:beruさんの投稿

イスラム教に関する書籍や、礼拝の際に使う敷物などを購入することができます。色鮮やかな品々は眺めるだけで心を豊かにしてくれます。

礼拝場を出て施設の中を探索しましょう16330

出典:tadeenさんの投稿

図書室もあり、ここでイスラム教について学ぶことも出来るそうです。コーランの装飾の美しさだけでも見る価値があります。

礼拝場を出て施設の中を探索しましょう16331

出典:

待合室には噴水が備え付けられています。礼拝までの時間をゆったりと過ごすためのスペースです。

礼拝場を出て施設の中を探索しましょう16332

出典:beruさんの投稿

外階段。ここから1階に降りられます。欄間(らんま)の細かな幾何学模様(きかがくもよう)が印象的です。

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出典:beruさんの投稿

イスラム文化と切っても切り離せない銀器たちです。丁寧に磨き上げられた表面に、微細なアラベスク模様が刻まれて輝いています。金銀細工はイスラム文化の発展によりヨーロッパをはじめとする各地に広められたと言われています。

礼拝場を出て施設の中を探索しましょう16334

出典:beruさんの投稿

モロッカングラスのようなガラスランプにはアラビア文字が。細い鎖で吊り下げられた繊細な形は、明かりが灯っていなくても素敵な雰囲気です。

いかがでしたか?あまり日常生活で触れることのない文化ですが、芸術的な感銘を受けると思います。日本でも異文化を体感できる場所。ぜひ、マナーを事前学習して、お出かけしてみましょう!

東京ジャーミイの詳細情報

東京ジャーミイ

住所
東京都渋谷区大山町1-19
アクセス
小田急小田原線代々木上原駅から徒歩3分

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