海も山も芸術も!この秋「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」がいがっぺ!

海も山も芸術も!この秋「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」がいがっぺ!

アートを身近に感じられるとして、すっかり定着した地域アートイベント。2016年は3年に1度の「瀬戸内国際芸術祭」や「あいちトリエンナーレ」などが開催されますが、ここ茨城県でも新しい地域アートイベントが開催されるんです。アーティストの日比野克彦さんや、劇作家・飴屋法水さんも参加することで話題の「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」。さっそくプレビューしていきましょう!

2016年07月30日

「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」とは

KENPOKU ART 2016の概要

A photo posted by Akiko Munakata (@doripp) on

地域アートイベント「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」が開催されるのは、2016年9月17日から11月20日までの65日間。
「KENPOKU ART」って、ちょっと不思議な語感ですが、この「KENPOKU」というのは「県北」のこと。つまり、この芸術祭がおこなわれる茨城県北地域のことを指しているんです。
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出典:オズマさんの投稿

会場となる自治体は、具体的には日立市・高萩市・北茨城市・常陸太田市・常陸大宮市・大子町の6市町。面積でいうと茨城県のほぼ3分の1が開催自治体という、とっても広域なアートイベントなんです。

KENPOKU ART 2016のテーマ

そんなKENPOKU ART 2016のテーマは「海か、山か、芸術か?」。
前述した茨城県の県北地域は、太平洋に面した臨海部と、八溝山地を擁する山間部からなっていて、海と山、どちらの自然を味わうこともできる魅力的な地域なんです。

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また茨城県北部は、かつて岡倉天心や横山大観らが制作活動の拠点を置いたり、世界的なアート界の巨匠・クリストが「アンブレラ・プロジェクト」をおこなったりした場所でもあり、もともとアートとの関わりが深い地域でもあるんです。
さらに茨城県北部は、「常陸秋そば」や「奥久慈しゃも」、「あんこう鍋」などの固有の食文化も有しています。
こうした魅力的な文化と豊かな自然に、現代アートを通じて国内外のひとに再発見してもらおうという試みが、KENPOKU ART 2016なんですね。

KENPOKU ART 2016の特徴

とはいえ、こういう地域再発見型のアートイベントって、いままでにもたくさんありました。だから他と同じようなことをやるのでは、意味がないですよね。
そこでKENPOKU ARTには、独自のきわだった特徴があるんです。それは「科学技術とアートの融合」です。
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出典:keikoΦさんの投稿

それはたとえば、参加アーティストのなかに、やくしまるえつこさんやチームラボが名前を連ねていることにも表れています。
バンド「相対性理論」のボーカルで、かつて東京・六本木の森美術館や愛知県の豊田市美術館で、そのメディアアート作品が取り上げられたこともある、やくしまるえつこさん。KENPOKU ART 2016では、彼女はテーマソングを担当します。
と同時に、その楽曲のスコア情報を県北地域に生息する微生物のDNAに組み込み、自己増殖し続ける永遠の音楽を奏でるという試みもおこないます。アートとバイオテクノロジーの融合です。
またデジタルテクノロジーの専門家集団で、2015年のミラノ万博にも出展したチームラボは、北茨城市・五浦の茨城県天心記念五浦美術館で、新作〈小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々〉を含む6点の作品を展示します。

同会場で展示予定の2013年の作品〈Nirvana〉。

この〈小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々〉は、茶道をモチーフにしたデジタルアート作品。
お茶が点てられた茶碗の中には、コンピュータグラフィックの花が咲いているのですが、茶碗が静止しているときは花が次々と生まれ、茶碗を持ち上げると花が散っていくんです。そして茶を飲み干すと、作品が茶と共に消えてなくなってしまうという、とても情感あふれる作品となっています。
これらの他にも、科学技術を利用したアート作品は各会場に点在しています。
よく考えると、茨城はつくば学園都市があったり、30年前にも科学万博が開かれていたりと、もともと科学技術との親和性が高い土地柄なんですよね。茨城のもつ先進性が、KENPOKU ARTの特徴にもなっています。

KENPOKU ART 2016の主要4会場をご紹介

それではここで、KENPOKU ARTの主な会場をエリア別に見てみましょう。

① 五浦・高萩海浜エリア(高萩市・北茨城市)

① 五浦・高萩海浜エリア(高萩市・北茨城市)696061

出典:1197さんの投稿

テーマ「海か、山か、芸術か?」の「海」側を象徴するエリアです。日本の近代美術の祖である岡倉天心ゆかりの「六角堂」や、かつて豪農が生活していた「穂積家住宅」などが主会場となっています。
① 五浦・高萩海浜エリア(高萩市・北茨城市)696059

出典:padawanさんの投稿

穂積家住宅。

② 日立駅周辺エリア(日立市)

② 日立駅周辺エリア(日立市)696062

出典:takeohさんの投稿

日立と言えば、日本の近代産業を支えた企業城下町。県北地域でも最大の都市です。
多くのひとで賑わう日立市では、SANAAの妹島和世さんが駅舎をデザイン監修した、JR常磐線日立駅周辺や、常陸多賀駅前商店街など、人びとの生活の息吹が感じられる場所が主会場となっています。

③ 奥久慈清流エリア(常陸大宮市・大子町)

③ 奥久慈清流エリア(常陸大宮市・大子町)696068

出典:

テーマ「海か、山か、芸術か?」の「山」側を象徴するエリアです。茶摘みや茶道の体験ができる「奥久慈茶の里公園」や、閉館した「旧浅川温泉 弁天の湯」などが主な会場となっています。

④ 常陸太田鯨ヶ丘エリア(常陸太田市)

④ 常陸太田鯨ヶ丘エリア(常陸太田市)696075

出典:

水戸黄門が隠居していた西山荘がある常陸太田市は、昔ながらの蔵と石畳の街並みが残る「鯨ヶ丘地域」などが主会場となっています。商店街の一角に突如として現れるアート作品に、期待が高まります。

くじら屋

食べログに店舗情報が存在しないか一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。

チケットの種類と購入方法

これらの各会場は無料のところもあれば、300円〜1000円の有料の展示会場もあってさまざまなんです。そこで、会場のすべてを巡りたいというひとには、料金のことを考えなくていい、お得なパスポートを購入することをオススメします。

A photo posted by Chibahide (@chibahide) on

作品鑑賞パスポートは、一般前売りが2000円、当日購入だと2500円になります。学生と高齢者の方は前売りが1000円、当日が1500円。いずれも前売りのほうがお得ですので、この記事を見てKENPOKU ART 2016が気になったというひとは、今のうちに前売り券をゲットしちゃいましょう!

気になる参加アーティストをちょっとだけご紹介

KENPOKU ART 2016には80組以上の参加作家がいますが、最後に、筆者がとくに気になったアーティストを4組ピックアップしてみたいと思います。

イリヤ&エミリア・カバコフ

イリヤ&エミリア・カバコフは、ウクライナ生まれアメリカ在住のアーティスト・ユニット。夫婦で芸術活動をおこなっています。
イリヤ&エミリア・カバコフ696130

出典:nikon_zeissさんの投稿

ふたりの作品は、ことばや音楽などを駆使して、人びとの日常生活にスポットを当てるのが特徴です。日本では、新潟で開催されている「大地の芸術祭」の〈棚田〉という作品で有名ですよね。
KENPOKU ART 2016では、巨大な空のキャンバスがまるで砂浜に落ちてきたかのような〈落ちてきた空〉という作品を、高萩市の海岸に展示します。

柚木恵介

柚木恵介さんは、1978年鹿児島県生まれ・東京都在住のアーティスト。その土地に通い、そこに住む人びととの交流を通じて展開する、コミュニケーション・アートの作家さんです。
KENPOKU ART 2016では、2009年からおこなっている〈物々交換プロジェクト〉を実施。現在すでに県北6市町を屋台を引いてまわっていて、民家や学校などで出会ったひとたちと物々交換を始めています。
物と物の偶然の出会いを通じてつくられるコミュニケーションの経過は、写真にアーカイヴされ、展示される予定です。

AKI INOMATA

AKI INOMATAさんは1983年東京都生まれの作家さん。生物や自然との「協働作業」により作品を制作し、人間とそれ以外、自然と人工などの「境界」についてわたしたちに考えさせてくれます。
KENPOKU ART 2016では、世界の都市をモチーフにした「殻」を3Dプリンタで出力し、そこにヤドカリが引っ越す様子を記録におさめるという作品〈やどかりに『やど』をわたしてみる〉のシリーズを、日立市内の会場で展示します。

力石咲

力石咲さんは1982年埼玉県生まれ・東京都在住の作家さん。編み物であるニットをコミュニケーションツールとして、屋内外の公共空間をニットが浸食していくという〈ニット・インベーダー〉というプロジェクトを国内外で展開しています。

A photo posted by 周 (@midea24) on

ニットを作るワークショップや舞台衣装の製作なども手がける力石さんは、KENPOKU ART 2016では日立市常陸多賀駅前の商店街を、ニットでインベージョンしていく予定です。
いかがでしたか? 豊かな自然とふれあいながら、最先端の現代アートを鑑賞することのできるこの秋必見の地域アートイベント「KENPOKU ART 2016」。秋の連休の時などに、ぜひ時間を作って足を運んでみてくださいね!

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