500m歩けば5軒の酒蔵を巡れちゃう!諏訪湖の湖畔で諏訪五蔵めぐり

500m歩けば5軒の酒蔵を巡れちゃう!諏訪湖の湖畔で諏訪五蔵めぐり

長野県諏訪市といえば、諏訪湖はもちろん諏訪大社、上諏訪温泉、霧ヶ峰高原など多くの観光資源を抱える街。6年に1度の御柱祭や夏の花火大会、冬の御神渡りの際には多くの観光客が訪れますよね。そんな諏訪市は、実は日本酒の酒蔵がひとつのエリアに集中している街でもあるんです。ここでは諏訪市の代表的な蔵元が集まる「諏訪五蔵」について見ていきましょう。

2016年08月10日

長野のお酒、諏訪のお酒

日本酒のふるさと長野県。なんて言い方をすると「?」って顔をされるかたもいると思いますが、実は長野県は、酒蔵の数が1位の新潟県に次いで、日本で2番目に多い都道府県なんです。
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出典:しろいねこさんの投稿

諏訪湖を中心として栄えた長野県諏訪市。

そんな酒どころの長野なんですが、生産量で調べると、全国のトップ10にも入っていません。それはすなわち,小規模生産の蔵元が非常に多いということ。日本酒好きなら知られざる美酒の存在を想像して、にんまりとしてしまうのではないでしょうか。
長野のお酒、諏訪のお酒697297

出典:菊花さんの投稿

諏訪大社の祭礼「御柱祭」は、寅年と申年におこなわれる大祭です。

ここ諏訪も例外ではありません。諏訪湖の湖畔を走る国道20号沿いには、わずか500メートルの距離のあいだに5軒もの酒蔵が並んでいるんです。
それらの蔵元は、全国の酒造りに大きな影響を与えた老舗の蔵から、家族経営で佳い酒を醸すことを信条とする蔵まで個性はさまざま。
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それでも、霧ヶ峰高原の伏流水や長野の酒造好適米「美山錦」など、ふるさとの天・地・人を同じくする酒蔵ということで、5軒の蔵元はいっしょに諏訪を日本酒の街にしようと協力関係を結んでいます。
それが、「真澄」「本金」「麗人」「舞姫」「横笛」の5銘柄を醸す酒蔵グループ「諏訪五蔵」なんです!

諏訪五蔵の各蔵元をご紹介!

「真澄」の宮坂醸造株式会社

「セラ真澄」外観 697277 (2015/11/07)入口

出典:Piyocoさんの投稿

1662年に創業の宮坂醸造株式会社は、諏訪五蔵のなかでも最も歴史の古い蔵。宮坂家は、戦国時代は諏訪氏の家臣だったのだそうですが、のちに刀を捨てて日本酒を造るようになったのだそうです。
「真澄」の宮坂醸造株式会社698253

出典:ヤススさんの投稿

そんな老舗の酒蔵が目指しているのは、自分たちがおいしいと思う酒、家族に安心して飲ませられる酒、友人に胸を張って贈れる酒なんです。

A photo posted by @littlewaaaave on

全国に販路を持つ代表銘柄の「真澄」は、酒屋さんやコンビニエンスストアなどでも見かけるので、知っているひとも多いのではないでしょうか。
「真澄」の宮坂醸造株式会社698256

出典:tempestさんの投稿

真澄という名称は、神氏だけを映すという諏訪大社の宝物「真澄の鏡」から採られていて、江戸時代から使われ始めた銘柄なのだそうです。
「真澄」の宮坂醸造株式会社698246

出典:宮本よしひささんの投稿

真澄の鏡は、諏訪大社の上社・宝物殿に展示されています。

宮坂醸造が全国的に知名度が高い酒蔵である理由はもうひとつあって、それはこの蔵で採取された酵母が、日本酒界のスーパースターだからなんです。
昭和21年、国立醸造試験所の山田正一博士は、この宮坂酒蔵のもろみから極めて優秀な酵母菌を発見しました。これが「真澄酵母」「K7号酵母」とも呼ばれる「協会7号酵母」なんです。
協会7号酵母は、オレンジのような華やかな香りと強い発酵力が特徴で、非常に優れた酵母菌でした。そこで醸造試験所は、日本全国の酒蔵に7号酵母を使用した酒造りを指導し、またたく間に全国の日本酒で使用されるようになりました。
現在でも酒造りにおいて最も多く使われている酵母が、協会7号系の酵母なんですよ。

A photo posted by @07rs4av on

そんな宮坂醸造の一角には、「セラ真澄」というショップが併設されています。常時5〜6種類の酒が試飲できたり、おみやげ用の日本酒が売られていたりしますので、酒蔵見学のあとにでもぜひともお立ち寄りくださいね!

セラ真澄の詳細情報

セラ真澄

上諏訪 / 日本酒バー

住所
長野県諏訪市元町1-16 宮坂醸造株式会社
営業時間
9:00‐18:00
定休日
無休
平均予算
  • ¥1,000~¥1,999

データ提供

「本金」の酒ぬのや本金酒造株式会社

「酒ぬのや本金酒造」外観 697279 酒ぬのや本金酒造

出典:ノン太さんの投稿

宮坂醸造から国道20号を北に向かって、歩いて4分ほどのところにあるのが、1756年創業の「酒ぬのや本金酒造株式会社」です。

A photo posted by @tom.neko on

この蔵も歴史は古く、江戸時代に創業者の宮坂伊三郎氏が「志茂布屋(しもぬのや)」という屋号で酒造業を始めたのが最初です。その当時、このあたりには、13軒もの造り酒屋があったのだそうですよ。
そして時代が移り変わっていくなか、屋号が「志茂布屋」から現在の「酒布屋」に改められました。

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酒ぬのや本金酒造は、「真澄」の宮坂醸造とは対照的に、一家5人を中心にして家族ぐるみの酒造りをおこなっているのが特徴です。したがって酒造量は約100石(1石は一升瓶100本分)と少なく、諏訪以外ではなかなかそのお酒にお目にかかる機会がない蔵元なんです。
酒ぬのや本金酒造の代表銘柄は、その名もズバリ「本金」。「本当の一番(金)の酒を醸す」という願いが込められた名前です。また、本金の文字は左右が対称なので、「裏表のない商売を心がける」という意味もあるのだそうです。
本金のほかには「からくち太一」という本醸造のお酒も造っています。これは蔵元の基礎を築き、全国鑑評会で金賞受賞をもたらした、前杜氏の北原太一氏の名前をいただいているのだそうですよ。

酒ぬのや本金酒造の詳細情報

酒ぬのや本金酒造

上諏訪 / 日本酒バー

住所
長野県諏訪市諏訪2-8-21
営業時間
8:30~17:30頃
定休日
日曜日
平均予算
  • ~¥999

データ提供

「麗人」の麗人酒造株式会社

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酒ぬのや本金酒造とほぼ同時代、1789年に創業したのは、麗人酒造株式会社です。所在地も本金酒造から徒歩1分もかからない、国道を北にちょっと行った先にあります。

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歴史が得意なかたは、1789年がフランス革命の年であり、アメリカ合衆国で最初の大統領選挙がおこなわれた年でもあることはご存じのはず。そう、麗人酒造はアメリカ合衆国とほぼ同じ長さの歴史を持つ酒蔵なんです。
「麗人酒造」ドリンク 697328 試飲コーナー1

出典:コジロー2010さんの投稿

麗人酒造の代表銘柄「麗人」は「麗人(見目麗しき女性)のごとき酒を醸したい」との願い込めて命名したとのこと。
呑めば綺麗になれるかも!?
「麗人酒造」ドリンク 697327 試飲コーナー2

出典:コジロー2010さんの投稿

この蔵の特徴としては、古酒に力をいれていることが挙げられます。
古酒というのは、ワインやウイスキーのように、できあがった酒を長期熟成した日本酒のこと。かつては一般的なお酒だったのですが、明治政府の酒税政策の影響で二の足を踏む酒蔵が多くなり、いまでは古酒自体も、製造している蔵元も、貴重な存在となってしまいました。
古酒は長い時間をかけて熟成させるので、新酒とくらべて水分子とアルコール分子が均等に混ざり合い、まろやかな味になるのが特徴です。
また分子がよく混ざり合っているので、体内の粘膜に対するアルコールの刺激が少なく、分解も早いので、飲み過ぎても酔いにくいとされているんですよ。
麗人酒造では、麗人と同じ霧ヶ峰高原の伏流水を仕込水に使用した地ビール「諏訪浪漫」も作っているので、見かけたらぜひ飲んでみてくださいね!

A photo posted by sacyo (@sacyoching) on

麗人酒造の詳細情報

麗人酒造

上諏訪 / バー・お酒(その他)

住所
長野県諏訪市諏訪2-9-21
営業時間
[月~金] 8:30~18:00 [土] 9:00~18:00 [日・祝] 9:00~16:00
定休日
無休(1月1日のみ休み)
平均予算
  • ~¥999

データ提供

「信州舞姫」の株式会社舞姫

「信州舞姫」の株式会社舞姫697281

出典:Donasyukuraさんの投稿

麗人酒造から北へ向かってさらに2軒ほど歩いたところ。1894年に創業した「亀泉酒造店」をいまに引き継いでいるのが、「株式会社舞姫」です。

A photo posted by すんすん (@sunsun8165) on

亀泉酒造店は、みそや醤油を造っていた「亀源醸造」から分家するかたちで興りました。創業当初は「桜楓正宗」という、なんとも風雅な名前のお酒を造っていたのだそうですよ。

A photo posted by セイコ (@1101_1224) on

その後、1912年の大正天皇の即位を記念して、主要銘柄をこれまたみやびな「舞姫」に改名。現在の代表銘柄である「信州舞姫」へと至っています。
株式会社舞姫の酒造りのモットーは、伝統を守りつつも新しい日本酒の歴史をつくること。そして、飲んで和やかな気持ちになれる酒をつくること。
このため、酒質は甘口・辛口の極端に寄らず、「甘・辛・酸・苦・渋」の五味のバランスが良い、旨口の酒をつくるのが特徴です。
もうひとつの代表銘柄が、1999年から醸造している「翠露」。こちらは伝統よりも新しさを目指した日本酒で、県内だけでなく首都圏などでも購入することができますよ。
さらに、実はここ、東京・八王子の地域ブランド酒「高尾の天狗」の醸造を請け負っている蔵元でもあるんです!

「横笛」の伊東酒造株式会社

A photo posted by 135ooo (@135ooo) on

最後にご紹介するのは、本金酒造の国道20号線をはさんで向かい側にある、1958年創業の「伊東酒造株式会社」です。諏訪五蔵では一番若い蔵ということになります。

A photo posted by kazu🍻 (@abekazu) on

伊東酒造の創業当初は、誰にでも飲みやすい、万人受けする酒質の日本酒を目指していました。
しかし、顧客の「特徴がない」という意見を耳にするにあたり、いまではお酒ごと、季節ごとの特色を強く意識した酒造りをしているんです。
さらにこの蔵は、麹をつくる行程である「製麹」に、上諏訪温泉の熱を利用しているということでも有名なんですよ!

A photo posted by @chubuco on

そんな伊東酒造の代表銘柄は「横笛」。この名前は、そのむかし平重盛に仕えた武士・齋藤時頼と、彼のことを慕ったまま19歳の若さでこの世を去った、建礼門院の官女・横笛の悲恋物語から採ったのだそうです。
このため、ラベルには亡くなった横笛がうぐいすに姿を変えてとまったという、高野山大円院の梅の枝が描かれています。
そしてそれが理由というわけではないのですが、この蔵が造って販売している梅酒も、とてもおいしいと評判なんです!
家庭で梅酒をつくるときには焼酎やホワイトリカーなどを使いますが、伊藤酒造の梅酒は、蔵で醸造した純米酒の古酒を使用しています。
このため、清酒由来のアミノ酸の旨みのある、すっきりとした梅酒に仕上がっているんです。
日本酒だとちょっとアルコールが強い……というかたにオススメですよ!

5つの蔵元の共催イベント「諏訪五蔵 酒蔵めぐり」

以上、諏訪五蔵を個別にご紹介していきましたが、気になった酒蔵はありましたでしょうか。え? どの蔵も気になるので、はしご酒といきたい? それならぴったりのクーポンつきスタンプラリーがありますよ!
5つの蔵元の共催イベント「諏訪五蔵 酒蔵めぐり」697384

出典:ゆいちろさんの投稿

そのスタンプラリーの名前は「諏訪五蔵 酒蔵めぐり」。いままでご紹介してきた5つの蔵「諏訪五蔵」が一体となっておこなっている取り組みのひとつなんです。

A photo posted by @chomo_tomo on

酒蔵めぐりを始めるには、まず5つの蔵のどれかを訪れてください。蔵に入ると、クーポン券とオリジナルグラス、手提げ袋がセットになった「ごくらくセット」が販売されています(2016年7月現在、1800円)。まずはこれをゲットしましょう。
グラスと手提げ袋には「Suwa5kura」のロゴが入っています。グラスはお酒の色がよくわかる透明ガラス製で、手提げ袋は酒屋の前掛けのようなデザイン。色は紺と生成りの2色から好きなものを選べます。
「ごくらくセット」を購入したら、その場でお酒を試飲させてもらいましょう。純米酒や純米吟醸酒などの名称ごとの違いや、季節ごとの特徴なども味わえるはず。このとき、クーポンにお店のスタンプをもらうのを忘れないようにしてくださいね。

A photo posted by Ue (@ueueboo) on

試飲がすんだら、手提げ袋にグラスをおさめて、次の蔵元へ向かいます。互いの距離が近いので、徒歩で余裕です。このようにして、残りの3蔵も順次まわり、スタンプを集めていきましょう。
諏訪五蔵をすべて回って、ほどよく酔いも回ったころには、諏訪地方の日本酒の特徴や各蔵元の酒質の違いなどもしっかり理解できているはず。
最後にスタンプを5つ集めたクーポンを事務局に郵送すれば、素敵なプレゼントが当たるかもしれないという、なんとも二度おいしい企画なんです! ぜひふるって参加してみてくださいね。
いかがでしたか? 諏訪五蔵では、スタンプラリーのほかに、春と秋限定の飲み歩き企画「上諏訪街道呑みあるき」や、ブックフェア「くらもと古本市」なども共同しておこなっています。

酒蔵で本のページをめくるというのも、他所ではなかなかできない貴重な体験ですよ。日本酒が好きなひとも、そうでないひとも、ぜひ足を運んでみてくださいね!

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