2016年08月17日

寝泊まりできるアートスペース!京の町家を改装したゲストハウス「クマグスク」

寝泊まりできるアートスペース!京の町家を改装したゲストハウス「クマグスク」

西洋絵画でも日本画でも、寝室にある静物や、横たわる人物などを描いたものは意外と多いもの。また、現代アートでもベッドや浴室などは作品のモチーフとしてしばしば登場しますよね。そういう作品を観て「こんなところに泊まってみたいなぁ」と思ったことがあるアナタ、京都には実際に泊まれるアートスペースがあるんですよ!「クマグスク」という名のそのゲストハウスを、くわしく見ていきましょう。

まずは泊まれるアート作品あれこれ

泊まれるアートというと、ニューヨークのコロンバス・サークルや、シンガポールのマーライオンなど、世界的に有名なモニュメントを期間限定でホテルにしてしまう日本人アーティスト・西野達さんが有名ですよね。

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また、新潟県の「大地の芸術祭」のために作られたジェームズ・タレルの《光の館》やマリーナ・アブラモヴィッチの《夢の家》も、国内の泊まれるアートとしては有名どころです。
まずは泊まれるアート作品あれこれ706074

出典:10pointさんの投稿

マリーナ・アブラモヴィッチ《夢の家》。

このように、アートの中に寝泊まりするというのは、とかく頭で理解しようとして「わからない〜」となってしまいがちなアートを、生きる人間の「体験」として、すっと体内に取り入れることのできる方法のひとつなんです。

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そして実は京都にも、このように作品に囲まれて寝泊まりをしながら、アートを感じることができるゲストハウスがあるんです!
それが「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku(クマグスク)」です。

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クマグスクってどんなゲストハウスなの?

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クマグスクは、かつて新撰組の屯所があったことでも有名な、京都市中京区の壬生にあります。最寄り駅は阪急京都線の大宮駅で、駅を出てから後院通を北西に約5分ほど歩き、右手に見える黄色い看板の書店の路地を入ったところにあります。
クマグスクってどんなゲストハウスなの?725302
このクマグスクは、寝泊まりできるアートスペースとして、2015年1月27日にオープンしました。
築60年以上の町家をリノベーションした建物は2階建てで、1階にはロビーと中庭、「ozasahayashi_project」という外部ギャラリーが入っています。

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そして2階には、ゲストが泊まれるタイプの異なる4つの客室と、クマグスクが企画運営するギャラリー2つが備わっています。

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このクマグスクという名前、日本の民俗学者・南方熊楠の「クマグス」と、沖縄方言で「城」を意味する「グスク」をかけあわせた造語なんだそうです。
動物の象徴である「熊」と植物の象徴である「楠」、そこに人間の営みの象徴である「城」を合わせたことばに、クマグスクがあらたな人とアートの関係を築くのだという思いが込められています。

クマグスクの代表者をご紹介

このクマグスクの代表を務めるのは、自身も美術家である矢津吉隆さん。
矢津さんは2004年に京都市立芸大を卒業後、人間の知覚と認識、そこから生まれる想像力などをテーマにインスタレーション作品や映像作品を発表しています。
そんなアーティストとして活動する矢津さんですが、2015年に京都にクマグスクをオープンさせたのは決して唐突なことではないんです。
矢津さんは、2012年に沖縄のゲストハウスに滞在しているときに、旅行という非日常の中でアートを観るという自身の体験から、寝泊まりできるアートスペース《kumagusuku》のプロジェクトを着想。
そのアイディアを最初に実現させたのは、2013年の「瀬戸内国際芸術祭」でした。
矢津さんは友人らとともに、香川県小豆島の使われなくなった宿坊に、最初のクマグスクを3か月限定でオープン。宿坊の広い浴室に美術作家の土屋信子さんの作品を展示し、裸でシャワーを浴びながら鑑賞することができる展覧会を開催しました。
小豆島クマグスクの提示した新しいアート鑑賞体験は、宿泊者や来訪者からの評価も上々。この経験が、のちに京都にクマグスクを設立する大きなきっかけとなったのでした。
そんな矢津さん自身の参加する展覧会「青森EARTH2016 根と路」は、現在青森県立美術館で開催中。2016年9月25日まで、矢津さんの新作《yamagusuku / 青森》などを観ることができますよ。

クマグスクの部屋をご紹介

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いくら展示内容が優れていても、居住空間が快適でないと、非日常の体験を存分に味わうことができませんよね。その点、「寝泊まりできるアートスペース」がコンセプトのクマグスクなら心配無用です!
さきほども述べましたが、クマグスクの部屋のタイプは4種類あります。ひとつひとつ見ていきますが、それぞれ部屋の大きさや定員、価格設定が異なっていますので、ご自分に合ったタイプの部屋を選んでくださいね。

△ROOM1

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ROOM1は、アンティークな書き物机のあるシングルルームです。机は窓に面していて、この建物が町家だった頃の様子を偲ばせてくれます。こんなシングルルームなら、出張の際に利用して、持ち帰り仕事をしてもはかどりそう!
部屋にはベッドが1台あるのですが、サイズがやや小さめのため、身長が180cm以下のひとにおすすめしているそうです。

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△ROOM2

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ROOM2は、ロフト仕様になった二段ベッドと、ソファベッドがあり、最大で3名まで泊まることができるシンプルな部屋です。気の置けない友人同士、3人で京都散策する際の拠点としても利用できそうです。
ふたりで泊まって、ソファでお酒を飲みながらアートについて語り合うのもいいですね。

△ROOM3

ROOM3は、天井が高く、上方にある窓から明るい陽射しがふりそそぐツインルームです。
クマグスクの部屋をご紹介706970
ROOM2と同様に、ロフトタイプの二段ベッド式になっています。ベッドは通常サイズと小さめサイズの組み合わせになっているので、身長差のあるカップルや友人同士にオススメですよ。

△ROOM4

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ROOM4は、シングルベッドがふたつ並んだツインルームになっています。クマグスクでは一番広い部屋になります。
この部屋は、中庭を見下ろすことのできるテラスつき。また、2階の離れにあって、他のどの部屋とも隣り合っていないので、プライベートにこだわりたいかたにオススメです。
ドアのすぐ外がギャラリーになっているので、「寝泊まりできるアートスペース」感がもっとも強く、クマグスクでも一番人気の部屋なんだそうですよ!
以上、全4部屋になりますが、浴室、お手洗いはすべて共用で、1階のものを使用します。浴室には置き型のバスタブがあって、24時間いつでも入ることができますよ。

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また、アメニティに関しては、バスタオル、シャンプー&コンディショナー、ボディーソープ、ドライヤーなどは無料のものがそろっています。無料Wi-Fiもつながります。
歯ブラシやレザーなどは、有料ながらちゃんと用意されていますので、手ぶらで来てもなんとかなりそうですよ。

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アート好きの集うカフェ&バー

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クマグスクの1階にはカフェバーがあり、コーヒーやお酒、軽食をいただくことができるんです。
また、朝食ありの宿泊プランにした場合には、このカフェバーで朝食をいただくことができます。

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朝食のメニューは日替わり。和洋の選択はできませんので、あしからず。

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カフェバーのスタッフにも美術関係のかたがいらっしゃるので、カウンター越しにクマグスクの作品について詳細を聞いたり、京都でオススメのアートスポットをオススメしてもらったりできます。
また、同宿のひとたちもアート好きが多いですから、夜のバータイムなどには、きっと話がはずむこと間違いないですよ。

ふたつのギャラリースペース

ふたつのギャラリースペース706967
クマグスクのギャラリースペースは、2階に2箇所あります。
そのうちのひとつは、階段をのぼって、ROOM1、ROOM2、ROOM3のドア前にある共用部分です。

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もうひとつは、先ほども述べた離れにあるROOM4の手前。

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それ以外の共用スペースも、企画によっては映像作品が投影されたりして、クマグスク全体がどこかしらでアートを感じられる空間になっています。

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1階にはOZASAHAYASHIのギャラリースペースも

1階中庭のさらに奥には、京都やニューヨークに拠点をもつ現代美術ギャラリー「OZASAHAYASHI」の展示スペースである「ozasahayashi_project」も併設されています。

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このギャラリースペースでは、クマグスクという先進的で実験的なアート空間にふさわしい、新進気鋭の作家をフィーチャーした個展やグループ展が開催されています。
クマグスクに宿泊するときには、併せて鑑賞してみてくださいね!

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いかがでしたか? 京都では、PARASOPHIAやKYOTOGRAPHIEなどの、市内全域が会場となるアートイベントなども定期的に開催されていますし、おしゃれなカフェやパン屋さんなども点在していますので、クマグスクをお出かけの拠点として利用するのもオススメですよ!

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