まさに“八百万の神”!全国のすごい・珍しい御神体10選

まさに“八百万の神”!全国のすごい・珍しい御神体10選

日本全国にある神社の数は8万社以上ともいわれています。はるかいにしえより、私たち日本人は、あらゆるものに神が宿るという「八百万(やおよろず)の神」信仰とともに生きてきました。膨大な数の神社のなかには、え!これが神様!?と思わず声を上げたくなる例もたくさんあります。今回はそんな一風変わった「ご神体」の数々をご紹介します。

2016年09月24日

日本ならでは!多種多彩な「御神体」

日本ならでは!多種多彩な「御神体」752556

出典:katoさんの投稿

神様の御魂が宿る依り代(よりしろ)のことを「ご神体」といいます。日本は自然崇拝(アニミズム)の国。あらゆるものに神が宿るという、「八百万(やおよろず)信仰」が広く私たちの生活のなかに根付いていますよね。そのためか、一見するとただの「物」にしか見えないものも、ご神体としてあつかう例がかなりあります。

今回は、神社でよくみられる代表的なご神体から、「なんだこりゃ!?」といいたくなるような変わりダネのご神体まで、一気にご紹介いたします。

1. 石・岩

日本人がもっとも古くからご神体として崇めてきたのが石や岩です。日本の原始宗教は自然崇拝にはじまります。特に「巨大な物体には人智を超えたなにものか(神や精霊など)が宿っている」という思想が強かったため、大きな石や岩はつねに崇拝の対象とされました。巨岩信仰は社殿建築が生まれるはるか以前から存在しています。日本人のもっとも原始的な信仰のかたちがここに現れているといえるでしょう。

【京都】御剱社の「雷石」

京都の伏見稲荷の境内社である「御剱社(みつるぎしゃ)」の拝殿裏には、雷神が封じられている雷石というご神体があります。

A photo posted by 爛 (@maris_stella_1225) on

拝殿内部にも剣の形をした「劔石(つるぎいし)」というご神体が祀られていますが、こちらは見ることができません。

【群馬】榛名神社の「御姿岩」

【群馬】榛名神社の「御姿岩」782334

出典:Big Footさんの投稿

群馬県の榛名神社は、「御姿岩(みすがたいわ)」という巨岩をご神体としています。上の画像の右上、社殿のすぐ上に、いまにも落ちてきそうな岩があるのが見えますか?これが御姿岩です。

【群馬】榛名神社の「御姿岩」1747661

出典:

【三重】花の窟神社の「磐座」

三重県熊野市に鎮座する「花の窟(はなのいわや)神社」は、太古の昔から存在する巨大な岩壁をご神体としています。日本でもっとも古い神社のひとつであり、「巨大な岩には神が宿る」と考える「磐座(いわくら)信仰」を体現する神社として有名です。

【和歌山】神倉神社のゴトビキ岩

【和歌山】神倉神社のゴトビキ岩782811

出典:zxさんの投稿

和歌山県新宮市に位置する神倉神社のご神体、「ゴトビキ岩」です。ゴトビキとはヒキガエルのこと。ずんぐりむっくりとした姿がヒキガエルに似ていることから名づけられたそうです。ゴトビキ岩は、熊野権現が最初に降臨した場所として信仰されています。

2. 三種の神器

A photo posted by Y$K (@babylonmanysk) on

「三種の神器」という言葉は色々なところで登場しますよね。でも実際にそれがどんなものなのかを知る人は少ないかもしれません。ニニギノミコトが日本を統治するために天から舞い降りるとき、アマテラスオオミカミから託された鏡・剣・勾玉という3つの神器を「三種の神器」といいます。

【愛知】熱田神宮の「草薙剣」

【愛知】熱田神宮の「草薙剣」782863

出典:tatsuminnさんの投稿

三種の神器のなかで一番ポピュラーなのが、この「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」でしょう。オリジナルは名古屋の熱田神宮にご神体として祀られています。

【愛知】熱田神宮の「草薙剣」782868

出典:お酒さんの投稿

剣や刀をご神体とする神社はたくさんあります。たとえば日本神話にひんぱんに登場する、神が剣に姿を変えたという「布都御魂(ふつのみたま)」は、石上神宮(奈良県天理市鎮座)のご神体です。

【三重】伊勢神宮(皇大神宮)の「八咫鏡」

【三重】伊勢神宮(皇大神宮)の「八咫鏡」782420

出典:ninjinさんの投稿

「八咫鏡(やたのかがみ)」は、伊勢神宮(の皇大神宮。いわゆる内宮)のご神体です。また八咫鏡の形代(かたしろ。レプリカのようなもの)が皇居にあり、天皇陛下の宮中祭祀に用いられます。

【皇居】八尺瓊勾玉

A photo posted by h_t_papa3 (@h_t_papa3) on

「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」は、特定の神社のご神体ではありません。宮中祭祀で用いる三種の神器のひとつとして皇居に保管されています。ただ、天皇陛下は日本で最高位の祭司であり、皇居での祭祀は伊勢神宮での祭祀よりも高位に立つ唯一無二の宗教儀式です。しかも八尺瓊勾玉はオリジナルであり形代が存在しません(八咫鏡と草薙剣には形代があります)。そう考えると、八尺瓊勾玉こそ日本で最高のご神体といえるかもしれませんね。

3. 山

「山には精霊が棲む」という考え方は日本にかぎらず世界中にありますよね。山で暮らす人々にとっては、山ノ神はたくさんの恵み(動物、山菜、薪など)を人間に与えてくれる尊い存在です。日本のように山の多い国にとって、山をご神体とする信仰はごく自然なものだといえるでしょう。

【静岡】富士山

【静岡】富士山783028

出典:鷹10さんの投稿

静岡県富士宮市に鎮座する「富士山本宮浅間大社」は、その名のとおり富士山をご神体としています。まさに日本一大きなご神体!ですよね。

【静岡】富士山783032

出典:toshi.suzukiさんの投稿

富士山の頂上には富士山本宮浅間大社の奥宮があります。ここにお参りすることを目的に毎年富士登山をする方も大勢いるそうですよ!

【奈良】三輪山

【奈良】三輪山783037

出典:narashikaさんの投稿

奈良県桜井市に鎮座する「大神神社(おおみわじんじゃ)」は、日本でもっとも古い神社のひとつです。古事記と日本書紀の双方にはっきりと創建の由来が記されているため、日本の有史以前からこの場所で人々の信仰を集めていたと考えられています。つまり、ゆうに2000年以上の歴史を有しているということです!

【奈良】三輪山783046

出典:てっちゃんさんの投稿

菜の花畑の向こうにみえるなだらかな山が、大神神社のご神体である三輪山です。大神神社には拝殿はありますが本殿がありません。それもそのはず、本殿とはご神体をおさめる建物のこと。三輪山をすっぽり収納できる本殿なんてあるはずないですよね♪

4. 滝

【和歌山】那智の滝

【和歌山】那智の滝783058

出典:zxさんの投稿

和歌山県那智勝浦町に鎮座する「飛瀧神社(ひろうじんじゃ)」のご神体は、あの有名な「那智の滝」です。

【和歌山】那智の滝783062

出典:自然堂哲さんの投稿

「那智の滝」は滝つぼまでの落差が133mという日本一の大滝です。古くから滝行の聖地として日本中から修験者が集う場所でした。当時の人々がこの滝を神になぞらえたのは当然といえるでしょう。

【和歌山】那智の滝783061

出典:Usamiさんの投稿

飛瀧神社には、本殿どころか拝殿すらありません。鳥居をくぐったら、その向こうにある那智滝に対してひたすら祈りを捧げる・・・それがこの神社の作法です。

5. 横綱

5. 横綱782665

出典:7249sanさんの投稿

横綱の腰まわりに見える真っ白な綱に見覚えありませんか?これが「横綱」の語源です。実はこれ、神社などでよく見かける「注連縄(しめなわ)」とまったく同じものです。

5. 横綱782679

出典:dkgainsさんの投稿

横綱のしめ縄からは、「紙垂(しで)」が垂れ下がっています。これも神社などでよく見かけますよね。紙垂は「ここから先は聖域である」ということを示しています。

5. 横綱782680

出典:サウンドクルーさんの投稿

相撲はもともと神様に奉納するための神事。その頂点に立つ横綱の体には神が宿ると考えられています。真っ白なしめ縄と紙垂は、横綱がまさにご神体であることの証なんですね!

6. 男根

日本には子孫繁栄を神に祈る古くからの風習があります。「子宝に恵まれる」という言葉があるように、子どもは天からの授かり物という思想が民衆に根強くあり、その思想を投影した神社が全国にたくさんあります。

【新潟】ほだれ神社

【新潟】ほだれ神社781662

出典:越後屋心像さんの投稿

「ほだれ神社(新潟県長岡市鎮座)」の境内に建立された石造りの男根。本殿内にはケヤキで造られた長さ2.2m、重さ600kgという巨大なご神体があるそうです。

子孫繁栄の祈りを託すバリエーションが、ときに暴走してユニークなご神体を生み出してしまうのが、なんとも日本の信仰心のおおらかなところです。その代表が「男根思想」で、男根をご神体として祀る神社が他にもたくさんあります。

【神奈川】金山神社

【神奈川】金山神社1747664

出典:

神奈川県川崎市の「若宮八幡宮」の境内にある「金山神社」は、その例祭である「かなまら祭」で世界的に有名です。ご神体のレプリカである黒々とした男根を神輿にのせ、町を練り歩きます。ご利益をもとめて、毎年世界中からファンが集まります。

A photo posted by MICHA (@michamoon) on

【愛知】田縣神社

【愛知】田縣神社781665

出典:shortstemさんの投稿

愛知県小牧市にある「田縣(たがた)神社」の例祭である「豊年祭」では、直径60cm、長さ2mあまりの男根のご神体を毎年新しくつくるそうです。総ヒノキ造りの豪華なご神体は、うやうやしく神輿に乗せられたあと、厄年の氏子たちに担がれて町中を練り歩きます。本来、子孫繁栄・五穀豊穣を祈る正統派のお祭りですが、それ以外の目的でやってくる観光客も大勢いて、神輿のまわりはちょっとしたパニックになるとか・・・。

男根をご神体とする神社はまだまだあるんです。一挙ご紹介いたします。

【愛媛】多賀神社

A photo posted by Rhys (@geniusbarstool) on

【新潟】雲母(きら)神社

A photo posted by ケンヂ (@jinke1121) on

7. 鉄道のレール

【長野】鉄道神社

【長野】鉄道神社1747667

出典:

長野県南佐久郡南牧村に、JRの鉄道が走る最高地点があります。そのすぐ近くに鎮座するのが鉄道神社です。

A photo posted by angela ~* (@chokoreto_424) on

ご神体は、なんと「レール」だそうです。おそらく拝殿の地下に埋設されているのでしょう。拝殿台に車輪が設置されているのがとってもシュールですね!

鉄道神社の詳細情報

鉄道神社

住所
長野県南佐久郡南牧村野辺山

データ提供

8. 空気

【山形】空気神社

【山形】空気神社786454

出典:

山形県朝日町に鎮座する「空気神社」。社号の時点でもう察しがつくように、こちらのご神体はなんと「空気」!

A photo posted by kim_hiyo (@kim_hiyo) on

すがすがしい空気のあふれる森の中に境内があります。そこに5m四方のステンレス製の鏡がどーんと設置されていて、これがこの神社の社殿だそうです。本殿はこの地下にあります。
【山形】空気神社786456

出典:

毎年6月に行われる「空気まつり」がこの神社の例祭です。このときは地下の本殿が一般公開されます。ご神体である「空気」は真っ赤な12個の壺におさめられています。

A photo posted by arata (@arata0226) on

お賽銭箱もしっかりありますね♪
【山形】空気神社786434

出典:

「万物を生成する5つの要素(木・火・土・金・水)を包容し、この世に生きるものの生命を守ってくれる空気。あまりにも当然の存在すぎて、私たち人間は空気の恩恵を忘れている。だから空気神社を建てて、空気の偉大さを見つめなおそう!」というのがこの神社の創建理由だそうですよ。

9. キノコ

【滋賀】菌神社

滋賀県栗東市にある「菌神社」をご存知ですか?菌と書いて「くさびら」と読みます。くさびらとはキノコのこと。キノコをご祭神として祀っている日本で唯一の神社として有名です。社伝によれば創建は5世紀頃にさかのぼるそうです。大変な古社ですね。
【滋賀】菌神社782486

出典:_asuka_さんの投稿

この神社のたしかな由来は不明ですが、この土地には「ある男性が田植えをしたところ一晩で田んぼ一面にキノコが生えてきた。それを時の天皇に報告したところ大変喜ばれ、その男性は褒美として「菌田連(クサビラタノムラジ)」という姓をたまわった」という伝承が残っています。

10. 髪の毛

【埼玉】毛長神社

【埼玉】毛長神社782737

出典:

埼玉県草加市に「毛長神社」という神社が鎮座しています。こちらのご神体は「女性の髪の毛」!
古い記録によると、「かつてこの一帯を治めていた名家の娘が、豪雨の被害で行方不明となった。ある日、この神社の前を流れる川に長い黒髪が漂っているのを発見した村人たちが、娘のものに違いないと考え、箱におさめ、神社に祀って霊をしずめた」という伝承が残されています。
【埼玉】毛長神社782474

出典:asukaさんの投稿

水害で亡くなった女性の鎮魂のために祀った髪の毛がやがて神格化し、ご神体としてあつかわれるようになったわけです。日本は神仏習合の国ですので、人間の霊を神社で弔うというケースがたくさんあります。怨霊と化した菅原道真の霊をしずめるために創建された北野天満宮などはその典型です。

ルールを守って参拝しましょう

ご神体のほとんどは神社の本殿に安置されています。したがって参拝者が見ることはできませんし、神職の方々でさえも、直接見ることを禁じられている場合も多いです。
ルールを守って参拝しましょう783120

出典:

でもなかには、私たちでも直接見ることができるご神体があります。ご紹介したご神体のうち、石・岩・山などがそうです。これらのご神体は、見るだけでなく、触れることが許される場合もあります。

ご神体はとても神聖なもの。撮影ルールを守りましょう

ご神体はとても神聖なもの。撮影ルールを守りましょう786416

出典:400S FCR KAIさんの投稿

石や岩など、一般の参拝客でも目にすることのできるご神体もたくさんあります。しかし、ご神体の撮影が禁じられているものも多くあるのです。残念なことにインターネットにはこっそり撮った撮影禁止のご神体画像が流出しています。しかし、ご神体は自分の目でしっかり見つめることに意味があるのです。撮影ルールをしっかり守ってぜひ訪れてみてくださいね。

いかがでしたか?

日本には本当にバラエティ豊かなご神体がありますよね!ご神体に祀られているご祭神は多種多彩で、ご利益もさまざまですが、そこに人間の深い思いや願いが込められていることには変わりありません。旅行の際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

全国のツアー(交通+宿)を探す

関連記事

関連キーワード