2016年10月21日

山形を訪れたら山寺「立石寺」へ行こう!日本の原風景と静寂を求めて

山形を訪れたら山寺「立石寺」へ行こう!日本の原風景と静寂を求めて

松尾芭蕉の『奥の細道』にも登場する山形県「山寺」についてお届けします!正式名称を「立石寺(りっしゃくじ)」といい、一つの山すべてが修行と信仰の場になっています。1,000段以上ある石段を超えた先には、山を登ったからこそ観られる素晴らしい絶景が広がっていますよ。気になってはいたけれどまだ行っていないという方は必見!人気の御朱印情報もありますので、ぜひ旅先の候補に加えてみてくださいね

山寺の名で知られる「 立石寺」とは

煩悩から解き放たれる1,015段の修行場

煩悩から解き放たれる1,015段の修行場801986

出典:かいえんさんの投稿

山形県を代表する名所「山寺」とは宝珠山「立石寺(りっしゃくじ)」という由緒ある寺院のこと。開祖慈覚大師による創建は860年(貞観二年)という古い歴史があります。表情豊かな山肌の地形に沿って1,015段の石段が続いており、一歩進むごとに煩悩が消えていくという修行の道でもあります。

緑の隙間から降り注ぐ柔らかな光を浴びながら歩きたいと願う人々が、時代を超えてなお絶えることのない場所が「山寺」なのです。

松尾芭蕉『奥の細道』ゆかりの地

松尾芭蕉『奥の細道』ゆかりの地800469

出典:【nao】さんの投稿

山寺はあの松尾芭蕉による紀行文『奥の細道』にも登場します。国語の教科書でもよく目にする名句「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の舞台にもなった場所、山寺とはどのようなところなのでしょうか。

そぞろ神や道祖神の招きに応じて旅に出た芭蕉のように、この地を旅してみませんか。

国の重要文化財「根本中堂」

国の重要文化財「根本中堂」800472

出典:【nao】さんの投稿

山寺を登りはじめるとまずは立石寺の本堂が現れます。再建や修理を重ねて現在に至る「根本中堂(こんぽんちゅうどう)」はブナ材による建物としては日本最古で、国の重要文化財にも指定されています。

ご本尊である秘仏薬師如来座像が安置される堂内には、比叡山で伝教大師(最澄)が灯した火を分灯した「不滅の法灯」もあります。戦乱など幾多の困難を越えて守られてきた明かりが、1,000年以上の時を経てなお灯り続けています。

芭蕉ゆかりの石碑「せみ塚」

芭蕉ゆかりの石碑「せみ塚」800559

出典:

松尾芭蕉が山寺を訪れた60年あまり後、彼を偲ぶ俳人たちによって建てられました。石碑の下には芭蕉がしたためた短冊が埋められているそうですよ。

仏様の姿も「弥陀洞(みだほら)」

仏様の姿も「弥陀洞(みだほら)」800561

出典:

さらに先へ進むと、岩肌に戒名が刻まれた岩塔婆(いわとうば)や無数の卒塔婆(そとうば)が重ねられた場所が現れます。雨風にさらされて削られた岩壁に、仏さまの姿を見ることができた人は幸せになるという言い伝えがあるのだとか。

一丈六尺(約4.8m)の高さがあることから「丈六(じょうろく)の阿弥陀如来」とも呼ばれています。

山寺の名所である美しき「仁王門」

左右に2体の仁王像を安置

左右に2体の仁王像を安置800538

出典:alla70さんの投稿

けやきで造られた美しい門の左右にには迫力のある仁王尊像が立ち、邪心をもつ人が門をくぐらないようにらみを効かせています。

仁王様の鋭い眼光の洗礼を受けて、身の引き締まる思いで歩を進められそうですね。

まるで能の舞台「五大堂」

山形の原風景を遥かに望む絶景

山形の原風景を遥かに望む絶景800542

出典:ホジさんの投稿

山寺随一の絶景が観られるポイントです。五大明王が祀られており、慈覚大師が天下泰平を祈った場所といわれています。山の斜面から突き出るように建てられたお堂の奥からは、遮るもののない絶景が広がっていますよ!

山形の原風景を遥かに望む絶景800436

出典:yoshiki120%さんの投稿

眼下には山寺の街並みが見え、顔を上げると幾重にもつづく山々が続いています。この景色を見るために山寺を訪れる方も多いそうですよ。爽やかな風が吹き渡る五大堂でのひとときは、ここまでの道のりの疲れを癒してくれることでしょう。

長かった石段の終着地点「奥之院」

登り切った先で感じるものとは

登り切った先で感じるものとは802263

出典:オフサイドさんの投稿

石段の終着地点「奥之院」は、正式名称を「如法堂(にょほうどう)」といい、御本尊には釈迦如来と多宝如来(たほうにょらい)の両尊を祀っています。

奥之院の向かって左側にある「大仏殿」では、高さ5mほどの黄金に輝く阿弥陀如来座像の姿も拝仏できます。

登り切った先で感じるものとは809034

出典:yoshiki120%さんの投稿

石段の終着点で感じられる達成感や感動は、実際に足を運んだ方だけが味わえるもの。どんな思いが湧いてくるのかを確かめに訪れてみるのも面白いかもしれません。

御朱印スポット巡りもおすすめ

山寺には山麓の根本中堂にはじまり、石段の終点奥之院に至るまでいくつも御朱印スポットがあります。キレのある素敵な書体を御朱印帳に収めて歩くのも山寺巡りの楽しさのひとつですよ。

石段を登り疲れてきたときにも、次の御朱印所を目指してもうひと頑張りしてみようと思えるかもしれませんね。

こちらは松尾芭蕉が『奥の細道』で訪ねた東北の4つのお寺を巡る御朱印帳(四寺回廊)。立石寺も含まれています。東北への旅の思い出に集める方の多い御朱印です。

四季折々の美しさ

草花の息吹が感じられる春

草花の息吹が感じられる春809036

出典:えいみんさんの投稿

長かった冬が終わり柔らかな風が吹きはじめると、4月下旬にかけて山寺にも桜が咲きはじめます。緑と岩の合間から薄く色づいたピンクの花々が顔を出す光景は、北国に春の到来を感じさせます。思わず足を止めて見入ってしまいたくなりますね。

蝉の音に耳をすます夏

蝉の音に耳をすます夏802375

出典:あわかむさんの投稿

芭蕉が句を詠んだ時代へと思いをはせたい方には、やはり夏がおすすめです。静寂と厳かな空気の中に身を置けば、古の俳人のような素敵な一句が浮かんでくるかもしれませんね。

鮮やかな紅葉に目を奪われる秋

鮮やかな紅葉に目を奪われる秋800514

出典:sadaponさんの投稿

山寺が最も美しく色づくのが紅葉のシーズンです。例年11月上旬に見頃を迎えます。緑一色だった山肌や巨岩と赤や黄に色づいた木々のコントラストが、圧巻の色彩美を生み出します。

まるでアート!雪景色が広がる冬

まるでアート!雪景色が広がる冬800377

出典:さくらんぼjamさんの投稿

冬の山寺には、水墨画の中からそのまま出てきたかのような幽玄の世界が広がります。他の季節に比べると滑りやすい石段を登るのは大変ですが、侘び寂びを感じさせる趣深い光景を目にできるかもしれません。

装備を十分にして登ってくださいね。

山寺の街で食べ歩きを楽しむ

「門前売店」では名物こんにゃくいも

「山寺 門前売店」外観 801903

出典:スタープラチナ・ザ・ワールドさんの投稿

山寺駅から徒歩10分ほどの山門前にある売店です。石段を登る前にこちらに立ち寄って、力を蓄えてから出発される方も多いようです。

山寺巡りに欠かせない名物といえばこんにゃくいも。「力こんにゃく」とも呼ばれ、昔から石段を登る前に精をつける意味で食されています。一口大のこんにゃくにはよく味が染みており、ツルツルとしたのど越しでいくつでも食べてしまえますよ。

山寺 門前売店の詳細情報

「ふもとや本店」でさくらんぼソフトも

「ふもとや本店」外観 809092 お土産屋さんですが、お食事もできるよう

出典:forever friendsさんの投稿

「ふもとや」は、山寺で50年以上営業を続けているお店です。お土産品の販売のほか広いお食事処もあり、山形名物のそばのメニューが充実しています。

「ふもとや本店」料理 809084 さくらんぼのソフトクリーム

出典:forever friendsさんの投稿

こちらのお店のイチオシが「さくらんぼソフトクリーム」です。メーカーと共に開発したというさくらんぼ果汁が入ったソフトクリームは、甘すぎないさっぱりとした味わいが人気を呼んでいます。

山寺散策の帰り道に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

ふもとや本店の詳細情報

ふもとや本店

山寺 / そば、食堂、ソフトクリーム

住所
山形県山形市山寺4429
営業時間
[月]  08:00 - 17:00 [火]  08:00 - 17:00 [水]  08:00 - 17:00 [木]  08:00 - 17:00 [金]  08:00 - 17:00 [土]  08:00 - 17:00 [日]  08:00 - 17:00 ■ 営業時間 8:00~17:00頃
平均予算
  • ~¥999

山寺へのアクセス

山寺へのアクセス801998

出典:ふぁいあますたーさんの投稿

【鉄道】
JR仙山線山寺駅まで
山形駅から約20分
仙台駅から約50分
※JR仙山線山寺駅からは徒歩10分ほどです。

【車で】
山形駅から約30分
山形空港から約30分
天童温泉から約15分
蔵王温泉から約1時間で

宝珠山立石寺の詳細情報

訪れる方に静寂と浄化をもたらす山寺

訪れる方に静寂と浄化をもたらす山寺802479

出典:ホジさんの投稿

清らかな空気が漂う山寺の道を歩いていると、いつの間にか身も心もすっきりとした穏やかな心持ちになれることでしょう。日本の原風景ともいえるような美しい光景を観に、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。

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