2016年11月12日

文豪かつグルメ愛好家!池波正太郎が愛した浅草グルメ興味ない?

文豪かつグルメ愛好家!池波正太郎が愛した浅草グルメ興味ない?

池波正太郎の作品に触れたことがないという方はいないのではないでしょうか?「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」「真田太平記」など、小説だけでなく漫画・ドラマ・映画になる人気作品の数々。あの「鬼平犯科帳」シリーズが2016年末にて終了する傍ら、2017年1月よりアニメ「鬼平」が放送され世代の垣根を越え今も愛されています。池波正太郎はまたグルメ愛好家としても知られ、関連本も多数出版されていますよね。今回は池波が生まれ育ち小説の舞台としても多数登場する浅草に注目。彼が愛した名店の数々を紹介していきます。

まずは池波正太郎を知ろう

生誕地だからこそ資料が充実「池波正太郎記念文庫」

池波正太郎は1923年に浅草の地に生まれましたが、その年に起きた関東大震災により、幼少期は埼玉に移り住むことになりました。その後、両親は離婚。母親について行った正太郎は浅草で小学校時代を過ごし、画家を目指していました。奉公先のチップなどで貯めたお金を、読書、観劇、映画そして歌舞伎へ投資し、感性を磨いたようです。これがその後の作品に生きたと言われています。

生誕地だからこそ資料が充実「池波正太郎記念文庫」873626

出典:

かっぱ橋道具街の北にある台東区中央図書館の一階に「池波正太郎記念文庫」があります。関連資料が豊富にそろっていますが、内部の写真撮影は禁止です。

生まれ育っただけでなく、その歴史、文化、食などの面でも深く愛した浅草の地に「池波正太郎記念文庫」はあります。台東区立中央図書館の一角にあり、入場は無料です。池波正太郎の作品はもちろん、原稿や筆記具や書斎の再現など、ファンにはたまらない構成となっています。自筆の絵画や作品をモチーフにしたグッズなどのお土産も充実しています。

2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で再度注目を浴びた真田幸村。真田ブームのそもそもの火付け役は、歴史小説「真田太平記」を1970年代から書き始めた池波正太郎でした。面白い文学は、決して古くなりませんね!

実は絵も描いていました

映画評論家としても活躍した池波正太郎は、自ら筆をとり、絵も描きました。「池波正太郎記念文庫」では、池波の才能ほとばしる絵画も見ることができます。

「池波正太郎記念文庫」では、池波自筆絵画つきのカレンダーや鬼平扇子などのお土産も充実しています。池波ファンのあの人にプレゼントしてみませんか?

池波正太郎の愛した〔喫茶店・洋食〕

池波正太郎が愛した水出しコーヒー「アンヂェラス」

帰りきわには「アンヂェラス」へ寄って、ダッチ・コーヒー。これはもう、習慣のようなものになってしまった。

出典:池波正太郎『散歩のとき何か食べたくなって』

「アンヂェラス」ドリンク 877007

出典:souslesoleilさんの投稿

濃い目で深い味わいの名物「ダッチ・コーヒー」♪ 「アンヂェラス」は水出しダッチコーヒーの発祥のお店です。

昭和21年創業の「アンヂェラス」は、昔ながらの昭和の王道のメニューが沢山ある喫茶店です。最近では外国人も多く訪れるメジャーな観光地浅草にある老舗喫茶店にもかかわらず、極めて良心的な価格!池波正太郎など数々の文豪も通った、歴史の重みや知性を感じさせるレトロな喫茶店です。

「アンヂェラス」内観 877034

出典:はらぺこずんぐりさんの投稿

昭和のレトロな雰囲気のウェイトレスさんたち。元祖メイドカフェ!?

「アンヂェラス」料理 873759 アンジェラス(チョコ)

出典:山海美味さんの投稿

「アンヂェラス」という名のチョコケーキ。チョコレートの香りと、バタークリームの旨味がコーヒーとも合います。

「アンヂェラス」外観 877036

出典:蝶々さんの投稿

昭和レトロな温かみを感じさせる外観。ついつい入ってみたくなりますね。

アンヂェラス

閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。

「うますぎて申し訳ないス!」が目印の洋食店「ヨシカミ」

「ヨシカミ」の洋食の威勢のよいこと、安いこと。これもまさに浅草の洋食屋だし

出典:池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)

「ヨシカミ 浅草店」料理 888243

出典:ミトミえもんさんの投稿

ヨシカミ」で人気の「オムライス」。ライス、ハム、タマネギ、グリーンピースなどの具材とケチャップで作るチキンライスと、薄焼き玉子の懐かしいタイプです。美味すぎて一気に食べられます!

メディアでも度々取材を受ける、昭和26年創業の老舗洋食屋さんです。外観・内観は庶民派ながら、味は上品な本格派。池波正太郎が通っていた時に比べて値段が高くなっていそうですが、食材も味も抜群なので、コストパフォーマンスも高いです。特にハヤシライスは大人気で、時間によっては無くなってしまうことも。

「ヨシカミ 浅草店」料理 877908 ハヤシライス

出典:drumunagiさんの投稿

こってりとしたルウとタケノコのしゃきしゃき感が美味しい、大人気のハヤシライス。

「ヨシカミ 浅草店」外観 888268 外観

出典:drumunagiさんの投稿

「ヨシカミ」の外観。「うますぎて申し訳ないス!」なんて言われたら、食べて確認したくなりますよね!

「ヨシカミ 浅草店」内観 878257 サインだらけ

出典:ショッポ野郎さんの投稿

有名人のサインがズラリ! カウンター席に座れば、熟練の料理の腕前もつぶさに観察できますよ。

ヨシカミ 浅草店の詳細情報

5000

ヨシカミ 浅草店

浅草(つくばEXP)、浅草(東武・都営・メトロ)、田原町 / 洋食、ステーキ

住所
東京都台東区浅草1-41-4
営業時間
[月]  11:30 - 21:30(L.O. 21:00) [火]  11:30 - 21:30(L.O. 21:00) [水]  11:30 - 21:30(L.O. 21:00) [木]  定休日 [金]  11:30 - 21:30(L.O. 21:00) [土]  11:30 - 21:30(L.O. 21:00) [日]  11:30 - 21:30(L.O. 21:00)
定休日
木曜日
平均予算
  • ¥2,000~¥2,999
  • ¥3,000~¥3,999

スタミナ満点の〔どじょう〕

創業は1801年! 「江戸」を味わうなら「駒形どぜう 本店」

浅草の「駒形どぜう」の方は、数え切れぬほど通っていたからだ。

出典:池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)

「駒形どぜう 本店」料理 879169 柳川なべ(1,750円)

出典:黄金のマスクさんの投稿

ひらいたどじょうをごぼうと一緒に卵でとじている「柳川鍋」。くせやくさみもなく、おいしく食べられるので、日本酒のお供には最高です!

1801年(享和元年)、越後屋助七が江戸に奉公に出て来て、どぜうなべやどぜう汁を売り出したのが「駒形どぜう」の始まりです。その後、震災や第二次大戦により焼失したものの、当時の姿に再建されています。どじょうは「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」の言葉があるように、1匹の栄養価はウナギ一匹にも匹敵すると評されてきました。カルシウム・鉄分はもちろんのことコラーゲンが多く含まれる「どぜう」を食べれば元気になれて、女子力もアップ!江戸時代にタイムスリップしたかのような料理や空間も楽しめます。

「駒形どぜう 本店」内観 879320 1階:座敷広間

出典:あかやぎさんの投稿

店全体に「江戸」の伝統が残っていて、外国人の友達をもてなすにもうってつけの雰囲気。

「駒形どぜう 本店」料理 879278

出典:実美ちゃんさんの投稿

どじょうとごぼうとネギが入っている「どじょう汁」。トロトロで、味噌が甘くマイルドです。

「駒形どぜう 本店」料理 879294 鯨刺身

出典:伊原龍一さんの投稿

最近では希少で中々食べる機会がない「鯨の刺身」もおいしく食べられます。

「駒形どぜう 本店」外観 879331 ジョン・ノレン

出典:トムさんの投稿

のれんは夏季は白地に黒字、冬季は紺地に白字という伝統を江戸時代から守っています。

駒形どぜう 本店の詳細情報

5000

駒形どぜう 本店

浅草(東武・都営・メトロ)、田原町、蔵前 / どじょう、くじら料理、鍋

住所
東京都台東区駒形1-7-12
営業時間
[月]  11:00 - 20:00 [火]  11:00 - 20:00 [水]  11:00 - 20:00 [木]  11:00 - 20:00 [金]  11:00 - 20:00 [土]  11:00 - 20:00 [日]  11:00 - 20:00 ■ 定休日 不定休
平均予算
  • ¥5,000~¥5,999
  • ¥5,000~¥5,999

文豪が愛した〔天ぷら〕

浅草を代表する老舗天ぷら屋「中清」

ふところがあたたかいときは、浅草の「中清」の天ぷら。

出典:池波正太郎「食卓の情景」(新潮文庫)

「天麩羅 中清」料理 881041 雷神揚げ定食 3,000円(税別)

出典:基本的には麺類さんの投稿

名物の芝海老と青柳の貝柱が入った「雷神揚げ」の定食は3000円。ご飯と天つゆはおかわり自由♪

明治3(1870)年創業の、数寄屋造りの離れ座敷を持つ老舗の天ぷら屋さんです。江戸前だけに野菜は一切使われず、魚介類をゴマ油でサックリ揚げた天ぷらが味わえます。名物は重箱の蓋が閉まらないほど大きいかき揚げの「雷神揚げ」です。名前の由来は仏文学者の辰野隆博士が、雷門の横にある雷神様の太鼓に似ているという理由から名付けたそうです。コースを注文の方は、池のある静かな中庭が眺められる数寄屋造りの離れ座敷でお食事することも可能なそうですよ♪

「天麩羅 中清」内観 881027 中庭

出典:トンローおやじさんの投稿

鯉の泳ぐ中庭。見ているだけで癒されますね。

「天麩羅 中清」料理 881071 前菜

出典:少年ジャックさんの投稿

「祭りコース」の前菜の「マグロの煮付け」、「松茸と青菜のお浸し」、「山芋そうめん」。芸術的な美しさで、見た目、味、量すべてにおいてお上品です♪

「天麩羅 中清」料理 881081 天麩羅定食 天麩羅定食(3,000円)

出典:夏ミカンさんの投稿

人気の「天ぷら定食」。車エビ2本、キス、穴子、小かき揚げ、御飯、味噌椀、香の物のセットで3000円と、老舗にしてはリーズナブルかもしれません。

天麩羅 中清の詳細情報

天麩羅 中清

浅草(つくばEXP)、浅草(東武・都営・メトロ)、田原町 / 天ぷら、天丼

住所
東京都台東区浅草1-39-13
営業時間
[月]  11:30 - 14:00  17:00 - 21:00 [火]  定休日 [水]  11:30 - 14:00  17:00 - 21:00 [木]  11:30 - 14:00  17:00 - 21:00 [金]  11:30 - 14:00  17:00 - 21:00 [土]  11:30 - 20:00 [日]  11:30 - 20:00 [祝日]  11:30 - 20:00 ■ 定休日 第2・4水曜日
定休日
火曜日
平均予算
  • ¥3,000~¥3,999
  • ¥10,000~¥14,999

食通を唸らせる〔寿司〕

寿司激戦区の浅草で首位を争う名店「鎌寿司」

ちかごろ、親しい編集者から、この「鎌寿司」が本願寺の近くに店を出していることを聞いた。

出典:池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)

「鎌寿司」料理 881106 穴子。

出典:なんでも屋純ちゃんさんの投稿

ビッグサイズですが、えぐみもなく、とてもクリーミーな穴子のにぎり♪

鎌寿司の歴史は古く、初代が明治の中頃に、浅草寺雷門近くで開業されたのが始まりとのことです。現在の西浅草に移ったのは、昭和20年のことで、現在の4代目のご主人は、栃木県出身の魚に精通した気さくな方です。良心的な価格にもかかわらず、絶品のお寿司と楽しいもてなしが提供される素敵な名店です。

「鎌寿司」料理 881241 大変豪華なバラちらし

出典:まりたんやおさんの投稿

豪華な「バラちらし」。お土産にとても喜ばれますよ♪

「鎌寿司」ドリンク 881255

出典:トンローおやじさんの投稿

お寿司に合う美味しい日本酒もそろっています。

鎌寿司の詳細情報

鎌寿司

浅草(つくばEXP)、田原町、浅草(東武・都営・メトロ) / 寿司

住所
東京都台東区西浅草2-11-1
営業時間
[月]  定休日 [火]  定休日 [水]  17:30 - 21:30 [木]  17:30 - 21:30 [金]  17:30 - 21:30 [土]  17:30 - 21:30 [日]  17:30 - 21:30
定休日
月曜日、火曜日
平均予算
  • ¥15,000~¥19,999

その良さが分かれば一人前〔そば〕

漫画「美味しんぼ」にも登場したそばの老舗「並木藪蕎麦」

初冬の、鴨なんばんが出はじめるころの、平日の午後の浅草へ行き、ちょっと客足の絶えた時間の、並木の「藪」の入れ込みへすわって、ゆっくりと酒をのむ気分はたまらなくよい。

出典:池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)

「並木藪蕎麦」料理 873705 天ざるそば

出典:けそけそけそさんの投稿

「天ざるそば」。風味がよく、スルスルっと食べられるおそばと、サクサクの衣の美味しいてんぷら。

「並木藪蕎麦」は、1913年(大正2年)に「かんだやぶそば」の初代が創業したそうです。「かんだやぶそば」、「池の端藪蕎麦」と並び、"藪御三家"の一角を担う店として有名です。そばもつゆも雰囲気もすべて絶品で、一生に一度は訪れたい老舗の名店です。

「並木藪蕎麦」料理 881316 蕎麦はとても長い

出典:サプレマシーさんの投稿

とても長いのに、ツルッと食べられる「並木藪蕎麦」のおそば。

「並木藪蕎麦」料理 881321 750えん『ざるそば』2014.10

出典:samasamaのココロさんの投稿

ざるそばのつゆ。漫画「美味しんぼ」第2巻「そばツユの深味」に登場するつゆです! そばの風味に負けない、深い味わいの濃いつゆです♪

「並木藪蕎麦」料理 888340 鴨南蛮~☆

出典:mixi3333さんの投稿

池波正太郎も舌鼓を打っていたであろう「鴨南蛮」。

「並木藪蕎麦」内観 881365 内装

出典:けそけそけそさんの投稿

雰囲気のいいお座敷もあるので、お酒を飲んでリラックスもできます。

並木藪蕎麦の詳細情報

5000

並木藪蕎麦

浅草(東武・都営・メトロ)、田原町、浅草(つくばEXP) / そば

住所
東京都台東区雷門2-11-9
営業時間
[月]  11:00 - 19:30(L.O. 19:00) [火]  11:00 - 19:30(L.O. 19:00) [水]  定休日 [木]  定休日 [金]  11:00 - 19:30(L.O. 19:00) [土]  11:00 - 19:30(L.O. 19:00) [日]  11:00 - 19:30(L.O. 19:00)
定休日
水曜日、木曜日
平均予算
  • ¥2,000~¥2,999
  • ¥2,000~¥2,999

いかがでしたか?

ほとんどの飲食店の情報が簡単にネットで手に入る現代は、かえってお店選びに悩んでしまうなんてこともありますよね。そんな時には、信頼している人や尊敬する人の好きな店を参考にしてみるのはいかがでしょう。昭和の文豪と知られ、没後の今も多くのファンがいる池波正太郎。彼が愛し、足しげく通った老舗の名店の多くは今でも現役の人気店です。浅草で「古きよき昭和」の雰囲気と、おいしいグルメを堪能してみませんか?

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