2016年11月24日

町全体がテーマパーク!岐阜県「日本大正村」に行こう

町全体がテーマパーク!岐阜県「日本大正村」に行こう

大正ロマンあふれるノスタルジックな町並みが岐阜県にあるのをご存知ですか? その名も「日本大正村」。岐阜県恵那市明智町には大正時代の雰囲気を伝える路地や建造物がたくさん残っていて、なんと町全体がそっくりそのままテーマパークになっているんです!古きよき時代に思いをはせながら、村内を散策してみてください。

「日本大正村」ってどんなところ?

「日本大正村」ってどんなところ?906872

出典:caprice_picさんの投稿

「日本大正村(にほんたいしょうむら)」は岐阜県恵那市明智町(あけちちょう)の明知エリアにあるテーマパークです(※「明智」と「明知」は書き間違いではありません)。といっても特定の敷地内に設けられている施設ではなく、大正時代に建てられた歴史的な家屋や街並みが町全体で保存され、それら全てがそのままテーマパークとして機能しているのです。

「日本大正村」ってどんなところ?906827

出典:

「大正ロマン館」、「日本大正村資料館」、「大正時代館」など一部の建物は入場料が必要になりますが、それら以外の施設や町並みの見学は原則として無料。家族連れや恋人同士、あるいは気の合う仲良しグループなど、年齢性別を問わず気軽に訪れることができますよ。

食堂や商店のほか、銀行や郵便局もレトロな建築になっていて、実際に営業を行っているのがスゴイ!まるで大正時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。

その昔「養蚕・製糸」産業で栄えた宿場町

その昔「養蚕・製糸」産業で栄えた宿場町906870

出典:キング・ドリチソさんの投稿

旧・明智町は江戸時代に中馬街道(ちゅうまかいどう=愛知県と長野県を結ぶ物流のメインルート)の脇道の宿場町として発展。明治から大正時代にかけては養蚕・製糸産業で栄え、品質の良い生糸を買い付けに来る業者(仲買人)も加わり賑わったそうです。そのためか市街地には西洋文化の影響を受けた建造物が残っています。

逆転の発想で町おこし!

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明治から大正時代にかけては大いに繁栄した旧・明智町でしたが、昭和に入ると製糸産業が衰退していき、過疎化も進みます。町は時代の変化から取り残された格好になったのです。そこで、町を新しくするのではなく、あえて古い町並みをそのまま残そうと考えました。

逆転の発想で町おこし!906830

出典:

大正15年(昭和元年)に建てられたという、大正モダンを感じさせる歯科医院の建物。明治時代の末から大正時代にかけては相当に景気が良かったようなので、当時としては最先端の治療が行われていたのでしょう。

古い時代の建物や町並みをそのまま保存することで観光客を誘致するべく旧・明智町の町おこしとして構想され、昭和59年に開設されたのが「日本大正村」です。まさに逆転の発想!

村長は竹下景子さん

前村長・司葉子さんの築いてこられた華やかで品格ある日本大正村のイメージを大切にしつつ、「初めてなのに懐かしい」「また還って来たくなる」この村の魅力を、村の皆さんと一緒になって精一杯発信していきたいと思います。

出典:日本大正村 村長室 | 公益財団法人日本大正村

日本大正村の初代村長は女優の高峰三枝子さん、二代目の村長は司葉子さんが務め、現在は2015年から三代目村長として竹下景子さんが務めています。

村長は竹下景子さん906853

出典:

「村長室」の様子。応接セットのほか、歴代村長の写真も見えていますね。

見どころを詳しく紹介!

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お待たせしました。ここからは「日本大正村」の見どころを詳しく紹介していきます。

大正路地

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明智駅から徒歩で5分ほど、いまなお大正時代の雰囲気を感じることができる「大正路地」を歩きましょう。年貢米を納めていた米蔵と江戸時代から続く呉服屋の蔵にはさまれた細い道で、蔵の白と黒い板壁のコントラストが特徴的です。黒い壁は防火壁の役割を果たしていたんだとか。

大正路地906820

出典:いくらんさんの投稿

駐車場から東の方向に伸びる「大正路地」は、往時のメインストリートである南北街道に通じています。

日本大正村役場

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出典:

明治39年に建てられ、昭和32年まで明知町の庁舎として使われていた寄せ棟造り木造2階建ての建物です(明知町→明智町に改称したのは昭和29年)。現在は資料館を兼ねた無料の休憩施設として「日本大正村役場」を名乗っています。

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出典:雲くじらさんの投稿

正面入口は重厚な引戸、石門には街灯がつけられ、一部の扉がドア形式になっているなど、当時としては超モダンともいえる洋風建築でした。平成11年に文化庁から「登録有形文化財」の指定を受けています。

大正ロマン館

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出典:caprice_picさんの投稿

「大正ロマン館」は平成6年5月のオープン。大正時代のモダンなイメージで建てられた洋風建築です。内部は日本大正村の初代村長・高峰三枝子さんと、同村議会議長・春日野清隆氏を偲ぶ記念館になっています。展示室には大正時代のヨーロッパの調度品やオルゴールのほか、明智出身の画家・山本芳翠の油絵も展示されています。

旧三宅家

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出典:caprice_picさんの投稿

「旧三宅家」は、およそ300年を超える歴史を持つ重厚な旧家。平成4年に日本大正村に移築されました。内部は梁木にヒノキが使用され、養蚕のために板の間が拡張されています。江戸時代の有力な農家の生活様式を今に伝える貴重な建築物で、恵那市の文化財に指定されています。

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出典:caprice_picさんの投稿

世界遺産「白川郷」の合掌造り住宅でも使われている茅葺きの屋根。茅葺きは通気性や断熱性に優れ、雨音が小さくて静かといった長所がある反面、葺き替えの手間や燃えやすい等の短所もあり、現代ではほとんど見られなくなりました。

日本大正村資料館

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出典:

「日本大正村資料館」は「銀行蔵」と「大正の館」の2つの建物から構成されています。銀行蔵は明治30年(1897年)に建てられた4階建ての大きな建物で、当時の明智町のランドマーク的な存在だったんだそうです。現在は生糸産業に関する道具や商標、大正時代の蓄音機やレコードなどを展示しています。

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出典:ピースケ・パパさんの投稿

銀行蔵の隣にある大正の館は、この地の名門だった橋本家の邸宅として使われていた明治末期の建物です。橋本家は米穀商を営んでおり、写真は店頭にあった帳場の様子。のちには病院を開業するなど当時の名家の生活がしのばれる重厚なたたずまいになっています。

中馬街道・うかれ横町

中馬街道・うかれ横町906834

出典:

「うかれ横町」と名づけられた細い路地は、かつて中馬街道の一部でした。生糸生産が盛んだった頃は、商人や馬子を相手に酒や食事を提供する店舗が建ち並んでいたそうです。道をまたいで芸妓置屋から料亭に通うための渡り廊下が今も残っているなど、往時の賑わいが偲ばれます。

逓信資料館

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出典:

「逓信資料館(ていしんしりょうかん)」は明智町の旧郵便局の庁舎だった建物を利用し、郵政や電信に関する資料を展示しています。すぐとなりには現役の明智郵便局があります。

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現代は電話をかけると自動的に相手につながるのが当たり前ですよね。でも昔は、途中で「交換手」と呼ばれる人間の手によって回線と回線がつながれていき、その作業が終わったあとに、ようやく会話をすることが可能だったんです。電話局が存在しない地方都市においては、その「交換手」さんが郵便局内の一室に配置されていました。

逓信資料館906832

出典:

昔の電話機にはダイヤルがついていません。横についているハンドルを回すと、まずは最寄りの「交換手」につながり、その交換手の人に口頭で「××番の○○さんと会話したい」旨を伝えるシステムだったのです。とんでもなくアナログですよね。

大正村浪漫亭

大正村浪漫亭906809

出典:雲くじらさんの投稿

「大正村浪漫亭(ろまんてい)」は飲食テナントや地元特産品の直売所などが入る建物。2016年10月に大幅なリニューアルが完了し、新たなスタートを切りました。とくに2階には地元・明智町でファンの多かった「かわかみ食堂」がレストランとなって復活オープンし、注目されています。

五平餅が美味しい「もすけ」

「もすけ」外観 907548

出典:GHMKさんの投稿

日本大正村の大駐車場から東に徒歩3分ほど。逓信資料館の近くにあるのが「もすけ」さん。五平餅を始め、おでんやケーキなど、さまざまな軽食を提供しているお店です。こちらは、なんといっても甘辛いタレをまとった香ばしい五平餅がおすすめ!大正村を散策する途中でぜひ立ち寄りたいですね。

「もすけ」料理 907549

出典:GHMKさんの投稿

五平餅にもいろいろなカタチがありますが、こちらで提供されているのは写真のような「わらじ型」。世の中には、このほかに「丸平だんご型」「へぼ型」「だんご型」「きりたんぽ型」などの五平餅が存在しています。マメ知識おわり。

もすけの詳細情報

もすけ

明智(明知) / おでん、郷土料理

住所
岐阜県恵那市明智町1847-1
営業時間
[月]  10:00 - 17:00 [火]  定休日 [水]  10:00 - 17:00 [木]  10:00 - 17:00 [金]  10:00 - 17:00 [土]  10:00 - 17:00 [日]  10:00 - 17:00
定休日
火曜日
平均予算
  • ~¥999

アクセス・駐車場

アクセス・駐車場906813

出典:雲くじらさんの投稿

村内を流れる「明智川」。長野県に源を発し、岐阜県と愛知県を経由して太平洋に流れ込む矢作川の支流であり、大正村の良きアクセントとなっています。

恵那から明知鉄道で

恵那から明知鉄道で906864

出典:aitaikanon_kさんの投稿

JR中央線「恵那駅」から明知鉄道に乗り換え、終点の「明智駅」で下車(JR名古屋駅から所要約1時間50分)。ちなみに鉄道の名前が「明知」で、駅の名前は「明智」です。ルートを検索するときなど、間違えないようにしてください。

クルマで

【東京方面から】中央自動車道「恵那IC」より国道257号線~国道363号線経由で約40分。
【名古屋方面から】中央自動車道「瑞浪IC」より県道20号~国道363号線経由で約40分。

駐車場

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出典:

明智駅の100m南に観光客向けの大駐車場があるから安心。無料なのが嬉しいですね。駐車場脇の売店等で「散策マップ」を配っているので、村の施設を訪ねる前に受け取っておきましょう。

「明治村」と「昭和村」も近くにあるよ

博物館明治村

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出典:masa_endさんの投稿

日本大正村のある岐阜県恵那市からクルマで約1時間30分。明治時代から昭和初期にかけ、日本の近代化を図る上で重要な役割を果たした建造物を移築、展示しているのが愛知県犬山市にある「博物館明治村」です。村長はテレビでもおなじみ阿川佐和子さん♪

日本昭和村

日本昭和村908552

出典:道 人さんの投稿

日本大正村からクルマで約1時間30分。昭和30年代の日本の里山の風景を再現したテーマパークが岐阜県美濃加茂市にある「日本昭和村」です。村長は女優の中村玉緒さん♪

いかがでしたか?

第一次世界大戦により物資が不足していたヨーロッパ向けの輸出が好調だったこともあり、大正時代の日本は好景気に沸きました。新しく西洋の文化が入ってきて、和洋折衷のモダンな建物が日本各地に現れたのです。今もなお、そうした古きよき時代の風景が岐阜県の山あいの町に残っているなんて、と~ってもロマンチックでしょ?ぜひ皆さんお出かけください!

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