まるで死後の世界!?日本三大霊場・青森「恐山」とは。

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恐山は、比叡山（ひえいざん）、高野山と並び「日本三大霊場」として知られています。天台宗の慈覚大師(じかくだいし)によって、貞観4年(862年)に開山しました。荒涼とした風景が広がる山であるだけでなく、温泉も湧き出していることから硫黄臭がたちこめ、さながら「地獄」そのもののよう！かと思えば、美しい色の湖などもあり、その風景から恐山は、地獄や極楽といわれています。

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青森県むつ市から恐山霊場に向かうときに、恐山街道(県道4号)の途中に清水が湧き出しているところがあります。「飲めば若返る名水」と言う伝説がありますので、ぜひ1杯ご馳走になりましょう。

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「若返りの水」とはいっても、生水ですから、飲み過ぎないように気をつけてくださいね。

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恐山霊場の入り口の前に、「三途の川」と「太鼓橋」があります。赤い太鼓橋が、周囲の風景によくあうので、写真を撮る人も少なくありません。なお、この三途の川は、渡っても戻ってくることができるので大丈夫です。

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総門の手前には、六体のお地蔵様が座っています。迫力がありますよね。仏教には六道輪廻という考えがあり、6つの世界で生まれ変わりを繰り返すと言われています。その6つの世界それぞれを、6つの地蔵が救ってくれるとのが六大地蔵なんだそう。

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石畳を進んで、重厚な構えの山門をくぐりましょう。いよいよ、恐山の霊場めぐりの始まりです。

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山門をくぐると、さらに長い石畳が続きます。右手に見える建物は宿坊です。

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こちらが、本尊の地蔵菩薩が安置されている地蔵殿。夢で、高僧から「東方行程三十余日の所に至れば霊山あり。地蔵尊一体を刻し、その地に仏道をひろめよ。」と告げられた慈覚大師が地蔵尊を祀ったのが始まりといわれています。

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本尊のお地蔵様を拝んだら、今度は地獄めぐりです。地蔵殿のそばにあるのが、「無間地獄」。生前に大きな罪を犯したものが永遠の苦しみを受ける地獄です。ゴツゴツとした岩場からは、亜硫酸ガスが噴き出しています。

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こちらは大師堂。石が積まれているのは、回向(死者の供養)のためです。大師堂の裏側には、極楽浜や宇曽利山湖との美しい景色を望むことができます。

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荒涼としたなんともいえないさびしい光景が続きます。山や空の色が、かえって岩肌の荒々しさを引き立てているようです。こちらは親に先立ち他界した子供が、償いのため小石を積み上げる場所。積み石が完成すると成仏するといわれています。

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鉄分を含む温泉が湧き出しているので、ところどころこんな色をしているところもあります。酸化した「血の色」のようで、ちょっとドキッとしますね。不気味な感じがします。

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地獄ばかりではなく、極楽もあります♪荒涼とした大地を歩いていくと、湖に出ます。「宇曽利山湖」です。

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湖畔には、東日本大震災の慰霊碑が建てられています。

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この湖、白い砂浜にエメラルドグリーンの水、まるで南国の海岸のようにも見えますよね。

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実は、恐山は火山です。そのためこの湖の水にも火山性ガスが溶け込み、水が酸性になっています。つまり、動植物の生育には適さないんですね。その結果、このように透明度が高いのです。

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恐山では、心霊現象が目撃されたり、心身に異常を感じたりすることが多いといわれますが、実は、霊場に充満する「火山性ガス（亜硫酸ガス）」が原因と言われています。つまり、火山性ガスによる軽い中毒症状、というわけです。ですから、「恐山なんてコワイ!」という方は、ご安心ください。ただし、身長が低い幼児(ガスを吸い込みやすい)や体力的に弱い高齢者などは、注意が必要です。

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恐山霊場には、境内に4つの温泉があります。拝観料を払えば、誰でも入れます。地獄めぐりに疲れたら、ひとっ風呂浴びましょう。

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タオルなどはないので持参しましょう。温泉は男湯、女湯、男女入替制、混浴の4つの湯小屋があります。

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湯の花が浮いている本格的な温泉です。霊場の散策が終わってから入るほうがいいでしょう。

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東北新幹線「八戸駅」から、青い杜鉄道に乗り換えて「野辺地駅」で下車。JR大湊線に乗り換えて、「下北駅」へ。「下北駅」からは、下北交通バス恐山線で50分ほどで到着です。なお、11月～4月は閉山となるのでご注意ください。

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恐山は、大祭のときには「イタコ」と呼ばれる霊能者が、あの世の人のことばを伝えてくれることでも有名です。恐山を訪れる人々の中には、大切な人を失って辛く悲しい思いをしている人がいます。他の観光地のように、大声で笑ったり、はしゃいだりして供養の邪魔をすることのないようにしましょう。