2016年12月08日

写真界の巨匠土門拳の全作品を収蔵!酒田市の「土門拳記念館」

写真界の巨匠土門拳の全作品を収蔵!酒田市の「土門拳記念館」

激動の昭和を駆け抜けた写真家土門拳は、山形県酒田市の出身。彼の出身地には7万点に及ぶ作品が収蔵されている「土門拳記念館」があります。被写体の本質をそのまま写し出すような彼の写真は、今もなお見る人々の心を打ち続けています。生前親交のあった人物たちが寄贈した作品も展示されており、こちらも必見です!そんな本物のアートに触れる旅をお楽しみくださいね♪

飯森山公園内にある「土門拳記念館」

飯森山公園内にある「土門拳記念館」923524

出典:

山形県酒田市にある飯森山公園の一角に「土門拳記念館」はあります。

山形県出身の戦後を代表するカメラマン土門拳によって寄贈された、7万点に及ぶ写真を公開するための美術館として誕生しました。

飯森山の緑と水に囲まれた環境の中にあるコンクリート建築は、1983年に完成したもの。

今見ても古さを感じない現代的で洗練された雰囲気を醸し出しています。

飯森山公園内にある「土門拳記念館」936064

出典:こまつかさんの投稿

記念館の前には、静かな水をたたえた「白鳥池」が広がっています。

天気のよい日には池越しに鳥海山の壮麗な姿も見渡せる絶好のロケーション。

館内から眺める白鳥池の美しさも見どころのひとつです。

土門拳って?

昭和に活躍したカメラマン土門拳とはどのような人物だったのでしょうか。

土門拳って?923564

出典:

1909年(明治42年)、山形県酒田市で生まれた土門拳は画家などを志した後、報道写真家の道を進みはじめます。

シンプルな構図や風景が好まれたそれまでの写真界の風潮とは一線を画す、徹底したリアリズムを追求した写真を撮り続けました。

土門拳って?923535

出典:

こちらは、土門拳が生前使用していたというカメラです。

仏像やお寺などの文化財や、著名人、市井の人々まで、その被写体はさまざま。

被写体の本質が迫力をもって伝わってくる作品は、今もなお人々の心を惹きつけています。

見ごたえのある作品が揃った写真展示

土門拳の代表作ともなっている作品群を見てみましょう。

『古寺巡礼』

『古寺巡礼』936091

出典:

『古寺巡礼』は、土門拳のライフワークともなった作品です。

昭和15年からはじまり40年あまりに渡って、日本各地の仏教建築をカメラに収め続けました。

『古寺巡礼』936100

出典:

法隆寺や薬師寺、東大寺や平等院鳳凰堂など、訪れた寺院は100ヵ所をくだらないと伝わっています。

長い間人々の信仰の対象となってきた仏像たちの一瞬の姿をくっきりととらえた写真が、数多く残っています。

『古寺巡礼』936370

出典:

土門拳が最も愛したといわれる「室生寺(むろうじ)」です。

病で半身不随となった体になってもなお、写真への情熱が衰えることのなかったという土門拳。

最後に撮れたという室生寺の雪景色に涙したという話も伝わっています。

『風貌』

『風貌』936110

出典:

明治から昭和期にかけて活躍した著名人たちのポートレート集『風貌』も、傑作と名高い作品です。

目には見えないその人物の心の底や本質をあぶり出すような珠玉の写真が集められています。

こちらは小説家志賀直哉の写真。

落ち着いていて穏やかな彼の内面が伝わってくるようです。

『風貌』936112

出典:

こちらは川端康成のポートレート。

叙情的な作品を数多く残し、ノーベル文学賞も受賞した小説家ならではの豊かな感性と、本質を貫くようなまなざしが印象的です。

洋画家・梅原龍三郎を撮影した際には、土門拳のあまりにも粘り強い姿勢に怒りを買ったというエピソードも残っています。

館内も見どころ多数!

土門拳記念館には、写真以外にも訪れた方を楽しませる展示や仕掛けが多数あります。

館内も見どころ多数!923536

出典:

館内から、白鳥池の景色を眺めて過ごすのもおすすめです。

大きな窓が額縁の代わりとなり、一枚の絵画のような風景が見えるかもしれませんね。

勅使河原宏「流れ」

 勅使河原宏「流れ」923538

出典:kokotaroさんの投稿

こちらは、いけばな草月流三代目家元の勅使河原宏(てしがわらひろし)さんが手掛けた庭。

華道の世界だけにとどまらず、映画監督としても活躍する人物です。

石を配して、遠くから水が流れてくるかのようなお庭を眺めていると、自然に心穏やかな気持ちになれそうです。

イサム・ノグチ「土門さん」

イサム・ノグチ「土門さん」936144

出典:

生前、土門拳とも親交が深かった彫刻家イサム・ノグチの作品もあります。

「土門さん」というストレートな作品名そのままに、存在感と力強さを感じさせるオブジェです。

勅使河原蒼風の彫刻

勅使河原蒼風の彫刻936193

出典:

いけばな草月流の創始者である勅使河原蒼風(てしがわらそうふう)も、生前の土門拳と強い絆で結ばれていた人物。

あらゆる方面で芸術的才能を開花させていた蒼風の手による、3つのオブジェも館内に飾られています。

人を惹きつける強い魅力のある作品たちです。

土門拳記念館の詳細情報

土門拳記念館

住所
山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
アクセス
酒田駅 バス 20分
料金
【料金】 大人: 700円 特別展期間中は、料金が変更になる場合がありますのでご確認ください 高校生: 350円

土門拳記念館へのアクセス

土門拳記念館へのアクセス923542

出典:こまつかさんの投稿

●所在地
山形県酒田市飯森山2-13

●車で
・JR酒田駅から約10分
・庄内空港から約20分
・酒田I.Cから約5分

心に迫る色あせない写真たち

心に迫る色あせない写真たち936128

出典:

以上、「土門拳記念館」についてご紹介しました。

戦後の日本で、新しい世界を切り開いた土門拳の写真は、時代を超えて人々の心に訴えかけるものがあります。

酒田市を訪れた際には、ぜひ飯森山まで足を運んで作品に触れてみてくださいね。

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