2017年01月01日

東京レトロ建築を散策しましょう~近代建築7選~
東京にいまだ残るレトロ建築。歴史を感じられる造りにクラシックで美しい魅力があります。今回は東京にある近代洋風建築をまとめました。デザインの美しさはもちろん、壁・床・照明・窓枠・階段の手すりに至るまで、細部まで見逃せませんよ。ゴシックだとかルネサンスとか難しいことを考えずに、その雰囲気に浸りませんか?喫茶室を併設しているところもあるので、楽しみは2倍!写真映えしそうな建物や装飾、庭の景色など、見どころ満載です。さあクラシカルな建物探訪へ出かけましょう!
東京駅の開業は1914年(大正3年)。その後2012年に駅舎が復元され、約100年の時を経て開業時の風格ある美しさを取り戻した東京駅。赤いレンガに白い縁取りが映え、美しく、堂々とした姿に惹かれますね。
東京駅丸の内方面南口を出ると、左手側に「KITTE(キッテ)」という商業施設の6階テラスから東京駅を見下ろせるところがあります。斜め上からのアングルでの東京駅を撮るベストスポットです。
丸の内南口のドーム屋根。ドーム下の八角コーナーには鷲のレリーフがあり、壁面の8か所には方位にちなんだ干支の彫刻があります。
東京駅 赤レンガ駅舎の詳細情報
東京ステーションホテルのロビーラウンジ
丸の内南口を出てすぐの「東京ステーションホテル」も駅舎の復元によりリニューアルされました。飲食店も多数はいっていますが、注目はロビーラウンジです。ヨーロピアンクラシックの落ち着いた優雅な雰囲気のラグジュアリーな空間で過ごすくつろぎのひととき。ホテルということもあり、早朝からオープンしています。
詳細情報
三菱一号美術館
東京駅の丸の内南口から歩いて数分、丸の内のビル群の中でもひときわ目立つこの建物は「三菱一号美術館」。赤レンガが印象的なこの建物は英国人建築家のジョサイア・コンドルの設計で1894年に丸の内で最初に建てられたオフィスビルです。
1963年に取り壊されて、一旦は姿を消した三菱一号館ですが、2010年に復元されて美術館として現在に至ります。中庭もあり、タイムスリップしたかのようなゆったりとした時を感じられます。
Café1894で一休み
銀行の営業室を再現した重厚なクラシックな雰囲気のミュージアムカフェ・バー「Café1894」にもぜひ立ち寄りたいものです。ランチやディナー、ティータイムとしての利用ができます。2層吹き抜けの作りで明治期の建築を満喫できる空間となっています。優雅な時間が流れています。ランチやティータイムには展覧会とタイアップした限定メニューが楽しめます。
1階にはミュージアムグッズを販売する「Store 1894」があります。展覧会グッズや三菱一号館美術館のオリジナルグッズ、世界中から集められたデザイン性の高い商品が充実のミュージアムショップです。自分用はもちろん、ギフトにもおすすめなものに出会えます。
迎賓館赤坂離宮
1909年当時の日本の一流建築家や美術工芸家により、パリのヴェルサイユ宮殿を参考に建てられたという赤坂離宮。外国からの来賓の接遇に使われ、来賓を歓迎しおもてなしをするための外交の舞台でした。
これまでは毎年夏の10日間だけの一般公開のみでしたが、2016年4月より通年公開になりました。事前に申し込みが必要です。先着順ですが、当日受け付けもあります。また、前庭のみの見学は事前予約が不要です。国賓が訪れる場合は公開していないので、お出かけ前に公開日の確認をおすすめします。
前庭・本館・主庭を見学することができます。「彩鸞(さいらん)の間」「花鳥(かちょう)の間」「羽衣の間」「朝日の間」とそれぞれ趣向を凝らした4つの部屋を見ることができます。和風別館(游心亭)はガイドツアー形式でのみ見学が可能です。館内での撮影はNGですが、白亜の宮殿は内装もきらびやかで、きっと記憶に残る訪問となることでしょう。
迎賓館赤坂離宮の詳細情報
ニコライ堂
JR御茶ノ水駅聖橋口から5分程歩くと、異国情緒あふれるひときわグリーンの目立つドーム屋根があります。ニコライ堂、正式名称は東京復活大聖堂教会。本格的なビザンチン様式の建物は日本で初めてで、ハイル・シチュールポフと ジョサイア・コンドルの設計によるもので、重要文化財に指定されています。現在の建物は1929年に再建されたものです。
時間の指定はありますが見学ができます。この際に日本の寺院にもある拝観料のようなもの、"拝観献金"をすると入ることができます。神聖な教会の中では写真撮影はNGです。美しいステンドグラスを通しての優しい光、聖書の一場面を描いたイコンなどが飾られていて、厳かな雰囲気に心が洗われます。
門やランプにしるされている十字架は八端十字(はったんじゅうじ)というもので、日本ではあまりみられない、珍しい十字架です。
ニコライ堂の詳細情報
旧岩崎邸
東京メトロ湯島駅より徒歩5分ほどのところにあります。1896年、ジョサイア・コンドルの設計による三菱財閥を創設した岩崎彌太郎の本邸です。洋館はゲストハウスとして、和館が居住スペースとして使用されていました。四季折々の植物が植えられている広い庭では外国人や賓客を招いてのパーティーが開かれていたそう。1999年に国の重要文化財に指定されています。
ジャコビアン様式を基調とし、ルネサンスやイスラムのモチーフや米国・ペンシルヴァニアのカントリーハウスのイメージなどを採り入れられた珍しい造りとなっています。ステンドグラスや窓枠のデザイン、天井の装飾など、ため息がでるほどの美しさです。
お茶席でちょっと休憩♪
和館にはお茶席が併設されています。抹茶セットや白玉ぜんざいなどがあり、中庭を眺めながらいただき、ほっと一息。癒しのひと時が味わえます。
旧古河庭園
1917年、古河財閥の本邸。ジョサイア・コンドルによる設計です。レンガの洋館と日本庭園の融合された美しい景色は国の名勝に指定されています。ルネサンス調の重厚な造りに白い窓枠が印象的な洋館となっています。中を見学する際は事前に申し込みが必要です。
春は桜、秋は紅葉もみられますが、古河庭園といえばバラ。バラと洋館はよく合いますね。シーズンには庭中がバラの甘い香りに包まれます。TVやCM、映画やドラマなどのロケ地として使用されることもあります。和風の庭園は心字池を中心に枯滝・大滝・中島を配してあり、茶室や深山の滝など見どころ満載です。
旧古河庭園の詳細情報
- 住所
- 東京都北区西ケ原1-27-39
- アクセス
- 1) JR上中里駅から徒歩で7分 2) 南北線西ケ原駅(1番出口)から徒歩で7分 3) JR駒込駅から徒歩で12分 4) 都電荒川線飛鳥山停留場から徒歩で18分 5) JR駒込駅からKバスで5分 - 旧古河庭園停留所から徒歩で すぐ(王子・駒込ルート[11][17] ) 6) JR王子駅(北口)からKバスで20分 - 旧古河庭園停留所から徒歩で すぐ(王子・駒込ルート[11][17] )
- 営業時間
- 9:00〜17:00 入園16:30まで
- 定休日
- 年末年始
- 料金
- 大人 150円 65歳以上は70円 子供 小学生以下と都内在住在学の中学生は無料 洋館見学 一般800円、中学生400円、小学生以下無料
洋館と和館にある喫茶スペース
1階の喫茶室も素敵です。バラの紅茶などがいただけます。レトロな雰囲気の空間はここが都内だということを忘れてしまうほど。テラス席もあり、庭を眺めながら優雅な気分に浸れます。
旧古河庭園・日本庭園内 茶室の詳細情報
鳩山会館
東京メトロ江戸川橋駅より徒歩5分。岡田信一郎設計の美しい洋館です。第52・53・54代と内閣総理大臣を務めた鳩山一郎の邸宅で、現在は記念館として一般公開されています。文京区音羽にあることから別名「音羽御殿」ともいわれています。
イギリス風洋館にバラや四季折々の花々の美しい中庭。アーチ形の窓や応接室や居間、ステンドグラス、細部に鳩やミミズクの装飾など、どこも見逃せない造りです。大正レトロな雰囲気で、ドラマや映画のロケ地として使用されることもあります。
いかがでしたか?
レトロ建築のクラシックで優雅な空間が日常を忘れさせてくれます。都心の意外な場所にあり、「あ、ここにあるんだ」と思った方も多いはずです。週末にはレトロ建築を訪れてみてはいかがでしょうか?