2017年01月30日
旅行先でチェックしておきたい美術館!全国からおすすめを厳選
国内に624あるといわれる美術博物館。日本全国には魅力的な美術館がたくさんあるのです。存在感のあるユニークな建造物に、そこでしか見ることのできない美術品、そしてその美術館独特の空気。素敵な体験を見逃さないように、この記事では、旅先でおすすめの美術館を紹介します。
少し前までは「美術館」と聞くと、アートに詳しい人が訪れる小難しい場所というイメージがありましたが、ここ数年のアートブームで大きく変わってきています。週末にはお友達やパートナーと美術館デートを楽しんだり、トリエンナーレやビエンナーレといった各所で行われる芸術祭に高い注目が集まったりと、アートはとても身近なものになっているのです。
実は日本はアメリカ、ドイツに続いて3番目に美術館の多い国であることをご存知でしょうか?他国と比べても小さいこの島国には624の美術博物館が存在しており(平成27年文部科学省調べ)、どこの美術博物館も建物から展示物まで魅力がたっぷりです。
普段の生活の中で訪れることの出来る美術館は限られてしまいますが、日本を代表する観光地にもたくさんの美術館があります。今回は、旅先でぜひとも訪れて欲しい全国のおすすめ美術館を紹介していきます。
草間彌生やハイパーリアリズム彫刻家として知られるロン・ミュエクなどの常設展示作品が見られる十和田市現代美術館。「アートを通した新しい体験を提供する開かれた施設」としてオープンし、青森県立美術館と並んで県内で人気の美術館です。
十和田市の中心地に空き地が目立ち始めた約10年前、この土地をどのように活性化するかというところから始まり、建設された十和田市現代美術館。開放的な建物空間を作ることによって建築物と都市に隔たりが生じること無く、美術館が都市の一部になるようにとの思いが込められています。
美術館の向かいにあるのが「アート広場」。草間彌生の「愛はとこしえ十和田でうたう」を始めとした様々な作品がまるで公園の遊具のように展示してあり、実際に触れながら写真を撮ったり、近くでまじまじと観察したりと、大人も子どもも作品と一緒になって遊べる素敵なスペースになっています。
十和田市現代美術館 TOWADA ART CENTER
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和の大家と呼ばれる隈研吾氏がデザインした那珂川町馬頭広重美術館。人口1万7000人ほどの小さな街の田園風景の中に忽然と佇む趣ある建物には、浮世絵師歌川広重の作品が展示されています。浮世絵の制作過程、版木なども見ることができるので、歌川広重が好きという方以外も楽しめる内容です。
規模はそこまで大きくなく、場所柄たくさんの人で混雑することも少ないのでじっくりと一つ一つの作品を見て回ることが出来るのもおすすめの理由。
浮世絵はもちろんですが、建築物としても一見の価値がある美術館です。木と和紙が作り出す繊細な光と影は時間によって印象が大きく変わり、強い存在感を感じるのにも関わらず、周辺の風景と溶け込んでいる様はまさに日本の美。今ではなかなか見られなくなった景色を満喫することができます。
那珂川町馬頭広重美術館
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日本初、写実絵画を専門に展示するホキ美術館。
写真と見違えてしまうような写実画が約450点展示してあり、ほとんどが日本の現役作家の作品。中にはこの美術館のために描き下ろしたという貴重な作品もあります。写実画の繊細さに水を差さないよう内装は極めてシンプルにまとめられており、大きさの異なる絵画がずらりと並ぶ細長く広いギャラリーは絵画にどっぷりと集中出来る落ち着いた空間です。
当日であれば何度でも出入りが自由なので、少し疲れを感じたら昭和の森を散策して気分転換をして戻ってくる、というような楽しみ方も可能。あたりが暗くなるとユニークな形をした建物が館内の光を受けて浮かび上がり、少し不思議で素敵な雰囲気を醸し出します。
ホキ美術館 HOKI MUSEUM
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「迷子になろうよ、一緒に」をコンセプトにしている三鷹の森ジブリ美術館。スタジオジブリが好きな方は、ぜひ一度足を運んでその世界観を心ゆくまで感じてもらいたい美術館です。
蔦に覆われ、ユニークな形をした窓がたくさんある建物は、魔女の宅急便に登場するキキの実家にそっくり。窓からキキのお母さんやご近所のおばあさんがひょっこりと顔を出しそうですね。
入館に必要なチケットは前売り券のみ。当日にチケットを持たずに訪れても入ることは出来ないのでご注意ください。毎月10日に先1ヶ月分のチケットが販売されますが、数量限定で早くに売り切れてしまうため行きたい日が決まったらすぐに前売り券を購入されることをおすすめします!
三鷹の森ジブリ美術館
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多くの現代アートを展示している金沢21世紀美術館。背景知識や美術への興味が強くなくとも気軽に楽しむことが出来る作品が、広い館内と広場に展示されています。また図書室やキッズスタジオ、シアターも併設されているので、恋人同士、友人同士だけでなく小さな子どもを連れた家族も楽しめる、公園のような雰囲気の美術館です。
自分自身が作品の一部となり体験できる展示物が多いので強い意識を向けること無く楽しめます。頭をあまり使わず、リラックスしていたい!という旅行中には最適ですね。
また館内にはいたるところにこのような椅子が置かれています。自然光を受けながらお友達と話をしたり、物思いにふけたり、色々な使い方が出来るので少し休憩したいときどうぞ。
金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.
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ニューヨーク近代美術館の新館をデザインした谷口吉生によるモダニズム建築が魅力の一つである豊田市美術館。全国でも珍しく、美術館の敷地内には茶室が併設されており、本格的なお茶とお菓子を楽しむことが出来ます。
美術館の外部には、建物や周囲の自然が映り込む大きな人工池や、たくさんの鏡が使われた不思議な広場があり散策するだけでも右脳が刺激されます。美術館自体が少し高台にあるので豊田の街を全体的に見下ろすことも出来ます。
日本では数少ないクリムトの作品があったり、マグリットの作品を所蔵していたりと常設展だけでも楽しめる内容ですが、企画展も個性の強いものが多く見られます。美術館巡りが趣味という方や少し美術の知識があるという方にとってはかなり楽しめるおすすめの美術館です。
豊田市美術館
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植田正治は、生まれ育った鳥取県境港市を拠点にして70年近く写真を撮り続けた日本を代表する写真家。その前衛的な演出は植田調として知られており国外でも日本語表記のまま「Ueda-cho」と使われているほど、世界の写真家に影響を与えました。
※冬季休館があるので詳しい情報は植田正治写真美術館のホームページを御覧ください。
そんな彼の写真をたくさん見ることができる植田正治写真美術館の魅力は、展示だけではありません。所々に自身が植田調の被写体となれるような仕掛けが施してあり、写真を撮影することが出来ます。
また大山の前に造られた人工池には「逆さ大山」が映り込み、こちらもこの美術館の魅力の一つ。
高松伸による建物も一見の価値ありで是非とも写真に収めたいポイント。無機質なコンクリート打ちっ放しで、角張った外観とのどかな田園と大山のコントラストは非常に強いものの違和感を全く感じさせません。
植田正治写真美術館
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国内のみならず国外からの評価が非常に高い足立美術館。近代日本画から現代日本画、陶芸など幅広いコレクションを所蔵する美術館ですが、何と言っても目玉は横山大観の作品。日本人なら誰でも知っている彼の作品は日本画に詳しくなくてもその美しさをひしひしと感じることができるでしょう。
横山大観の作品と同じくらい足立美術館の魅力の一つとなっているのが、この日本庭園です。アメリカの日本庭園専門雑誌で13年連続1位を獲得したという5万坪に及ぶ日本庭園には、枯山水庭をはじめとした6つの庭園で構成されています。
晴れの日は青空と日光に照らされる緑が美しく、雨の日でも山々にかかる霧が独特の雰囲気を醸し出し、どんな天候のときでもそれぞれに美しい表情を見ることができます。「庭園もまた一幅の絵画である」という創設者の言葉通り、窓枠を額縁に見立てた借景が足立美術館の目玉となっています。
足立美術館|ADACHI MUSEUM OF ART
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豊島(てしま)とは瀬戸内海に浮かぶ小さな島。草間彌生のかぼちゃで有名な直島の約1キロ東に位置しています。人口1,000人余の豊島は見渡す限り、海と棚田の世界。細い道に沿って歩いていくと突如現れるのが棚田に着陸したUFOのような外見の豊島美術館です。
豊島美術館という名前ですが、あるのは内藤礼の作品「母型」ひとつのみ。地面のいたるところからは水が湧き出し、傾斜がかかっている地面を水が這うようにして生き物のように動きまわります。言葉にするのは難しいですが、美しい自然の空気と音を感じながらまるで異世界にいるような感覚に陥り、心に響く何かがあるおすすめの美術館です。
豊島美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島
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霧島連山の西側にあり自然に囲まれたところにあるのが屋外美術館である霧島アートの森。屋外美術館と言っても一部の作品は屋内で展示されているので、天気があまり良くない日でも楽しむことができます。
門の外には草間彌生の「シャングリラの華」がお出迎え、そして中には巨大なドット柄のハイヒール「赤い靴」があり、どちらもかなり大きくインパクトが強いので、草間彌生が好きな方であれば一見の価値ありです。
屋外展示は芝生エリアに点在している作品から、少し林の中へ入った林道に隠れるように展示されている作品まであります。アートの森というだけあって敷地は広いのですが、どこにアート作品が隠れているのか探しつつ散策すると、霧島の美味しい空気も手伝ってとても気持ちの良い運動になりますよ。
霧島アートの森
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街の中にある美術館も良いですが、自然の中にある美術館はその土地特有の空気を感じることができ、すっきりとした心で展示物を見られる気がしませんか? リフレッシュしながら新しいことをインプットできる、とても理想的な旅行の仕方のようにも感じます。郊外の美術館となるとアクセスが良くないことも多いですが、だからこそたどり着いたときに見るアートは感動も一入。この記事を読んで気になる美術館がありましたら、ぜひとも次の旅先の候補にしてはいかがでしょうか?