2017年04月20日

【山形】いざ、天空の聖地へ。松尾芭蕉の足跡をたどって山寺へ行こう♪

【山形】いざ、天空の聖地へ。松尾芭蕉の足跡をたどって山寺へ行こう♪

山形県の山寺は、仙台から電車でおよそ1時間。松尾芭蕉も魅せられた風光明媚なところです。人々の心を支え続けた信仰の山には、今でも多くの人が訪れます。悩みや不安でストレスを感じたときに、心をリセットするにはちょうどよい場所です。1015段の石段を一つ一つのぼりながら、達成感とともに頂上の絶景を味わいましょう。

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出典:トリス高尾さんの投稿

「山寺」といえば、松尾芭蕉の「閑さや……」の句で有名な山形の名所ですが、正しくは「宝珠山立石寺(ほうじゅさん りっしゃくじ)」といいます。貞観2年(860)に、慈覚大師が開いたといわれる天台宗のお寺です。

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出典:ことは*さんの投稿

松尾芭蕉は、江戸を出発して宮城県から岩手県平泉を経由して、山形県に入りました。

山形領に立石寺といふ山寺あり。慈覚大師の開基にして、ことに清閑の地なり。一見すべきよし、人々の勧むるによつて、尾花沢よりとつて返し、その間七里ばかりなり。

出典:『奥の細道』

当時の人々も、江戸から来たという松尾芭蕉に、「山形に来たなら、山寺には行かなくちゃ!見る価値、あるよ!」なんて勧めたんでしょうね。芭蕉は、ここで、あの有名な「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」を詠むのです。松尾芭蕉も虜にした山寺の見どころをいくつかご紹介しましょう。

石段をのぼれば、煩悩が消える!?

日いまだ暮れず。ふもとの坊に宿借りおきて、山上の堂に登る。岩に巌を重ねて山とし、松柏年ふり、土石老いて苔なめらかに、岩上の院々扉を閉ぢて、物の音聞こえず。岸を巡り岩をはひて、仏閣を拝し、佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ。

出典:『奥の細道』

石段をのぼれば、煩悩が消える!?1136296

出典:わこーさんの投稿

かつては、松尾芭蕉もこの石段を登り、山の木々のささやきを聞きながら頂上を目指しました。途中のいくつかの仏閣をお参りしながら山頂についたときには、まさに心が澄み渡る気がしたと言っています。ぜひ、芭蕉の境地を目指しましょう。もしかすると、芭蕉に勝るとも劣らない一句が浮かぶかも?

根本中堂

根本中堂1136122

出典:yoshiki120%さんの投稿

入り口を入って正面すぐの大きな建物は、「根本中堂」といいます。この建物は、初代山形城主・斯波兼頼の再建で、ブナ材を使った建築物としては日本最古のものといわれています。堂内には、慈覚大師の作と伝える「木造薬師如来坐像」が安置されています。

日枝神社

日枝神社1136251

出典:

山王さまを祀った日枝神社。慈覚大師お手植と伝えられる大イチョウ(天然記念物)が、お社の後ろにそびえています。鮮やかな黄色に染まる秋に一度見てみたいですね。

姥堂

姥堂1136125

出典:nekomimiさんの投稿

「姥」とは、「奪衣婆」のこと。この小さなお堂の御本尊です。ここから上は極楽、近くに湧き出す清水で心身を浄め、新しい着物に着替えて極楽に登ります。ここで、古い着物を奪衣婆に奉納するのだそうです。

せみ塚

せみ塚1136245

出典:

「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の芭蕉の句をしたためた短冊を、ここに埋めて塚をたてたことから、「せみ塚」と呼ばれるのだそうです。山寺独特の絶壁の切り立った岩肌が、とても印象的な場所です。

弥陀洞

弥陀洞1136258

出典:

長い歳月を経て、雨や風が岩をけずり、阿弥陀如来の姿を作り出したところといわれる場所です。穴がぼこぼこあいているだけのようにしか見えないような、いやいや、阿弥陀様のお姿が見えるような……。ちなみに、仏様の姿に見えた人には、幸せが訪れるそうですよ。心の目でしっかりと、見てきましょう。

仁王門

仁王門1136128

出典:kuni@さんの投稿

嘉永元年(1848)に再建された美しい山門です。左右の仁王さまは、山寺を登る人たちを厳しく見つめます。あらためて、心を清らかにして登りましょう。

開山堂と五大堂

開山堂と五大堂1136131

出典:mokurenさんの投稿

石段を登り切ったところには、開山堂というお堂があり、慈覚大師の木造の像が安置されています。また、岩の上にちょこんとのっているような小さな赤いお堂は、納経堂でこの山にある建物の中でももっとも古い建物とされています。

開山堂と五大堂1136152

出典:sadaponさんの投稿

こちらは五大堂。五大明王をお祀りするところですが、山寺で一番の絶景ポイント。ここから見下ろす眺めは、実に爽快です。身も心も一瞬で洗われるような気持ちになりますよ。

マイペースで登ろう♪

マイペースで登ろう♪1136142

出典:yoshiki120%さんの投稿

山寺の石段は、1015段。急こう配のところもありますので、体力に応じて、あせらずに上りましょう。一段一段上るごとに、煩悩が一つ一つ消えていくそうですよ。

マイペースで登ろう♪1136133

出典:takronさんの投稿

山全体が聖地ですから、小さな石仏が至る所に祀られています。そんな仏様たちにもお参りしながら登りましょう。

マイペースで登ろう♪1136140

出典:yoshiki120%さんの投稿

豊かな自然に囲まれている山寺は、美しい草花や木々も見どころの一つ。足元や頭上にも、目を向けながらのぼってくださいね。

山形のファストフード「力こんにゃく」をチェック!

「山寺 門前売店」料理 1136174 力こんにゃく

出典:ツイストマンさんの投稿

三門前のお土産屋さんなどで売られているのが、こちらの玉こんにゃく。しょう油の味が染みた玉こんにゃくに、和からしをつけていただきます。山形に遊びに来たら、このファストフードははずせません。

「山寺 山門売店」料理 1136170 【2016年8月】店頭販売風景

出典:赤木 ひろゆきさんの投稿

コンニャクなんだから、食べても力なんか出ないと思うんですが、名前は「力こんにゃく」。こんなふうにお鍋で煮込んでいます。もちろん、あたりにはしょう油の香ばしいいい香りが漂い、無視しては通れません。

山形に来てお蕎麦を食べずには帰れまい!

「瀧不動生そば」外観 1136180

出典:WoodySnowさんの投稿

石段を上り下りすると、かなりお腹もすいてきます。そうなればやっぱり食べたいのは山形名物の「お蕎麦」ですね。こちらの、「瀧不動」は、リピーターも多い人気店のひとつです。山寺からは、300メートルほど西に行ったところにあります。

「瀧不動生そば」料理 1136190

出典:辣油は飲み物さんの投稿

香りもしっかり味わうことができるお蕎麦は、さすが山形!と蕎麦ツウをうならせます。シンプルな板蕎麦などがお勧めですよ。

「瀧不動生そば」料理 1136210 かいもち揚げ。県産蕎麦粉 でわかおり100%の揚げ蕎麦がき。うまい。でもデカい。

出典:桑畑三十郎さんの投稿

こちらは「かいもち揚げ」というおまんじゅう。「蕎麦がき」を揚げたものです。ちょっと大きいので、これだけでお腹いっぱいになってしまうかもしれません。かりっと揚がった蕎麦がきを甘じょっばいタレでいただきます。素朴な味わいに、はまりそう。

「瀧不動生そば」料理 1136212 そば味噌

出典:WoodySnowさんの投稿

運転の心配がないのなら、ぜひ「蕎麦屋飲み」をしたいところ。蕎麦をつかったメニューや、山形ならではの豊かな山の幸を使ったお料理で、山形の地酒を一杯。石段を登って煩悩が消えた後なら、お酒もさぞおいしいでしょうね。

瀧不動生蕎麦の詳細情報

瀧不動生蕎麦

山寺 / そば、うどん、日本料理

住所
山形県山形市山寺4359
営業時間
[月]  11:00 - 15:00 [火]  11:00 - 15:00 [水]  11:00 - 15:00 [木]  11:00 - 15:00 [金]  11:00 - 15:00 [土]  11:00 - 15:00 [日]  11:00 - 15:00 ■ 定休日 不定休
平均予算
  • ¥1,000~¥1,999
  • ¥1,000~¥1,999

アクセス方法

アクセス方法1136147

出典:ことは*さんの投稿

仙山線「山寺」駅が最寄駅です。山間の美しい景色を眺めながら、のんびり電車で向かうのがお勧めですよ。

最後に

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出典:yoshiki120%さんの投稿

松尾芭蕉が訪れたように、春から夏にかけての季節がベストシーズンですが、秋の紅葉や、冬の雪景色もまた絶景です。ゆっくりと石段を登りながら、日ごろの悩みや不安を解消することができる山寺。山のはるかな高みから、眼下に広がる景色をみれば、きっと清々しい気持ちになれますよ。

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