遠出ばかりが旅じゃない。土地の魅力を知る「お散歩旅」にでよう／新宿区

「旅行」というと宿泊ありの遠出をするイメージがありますよね。たしかに「旅行」には「住んでいる場所を離れて他の土地にいくこと」という意味があります。でも、旅行するのは、いつもと違う場所を訪れてドキドキしたり、初めての味や経験にワクワクしたり、非日常を感じてリフレッシュするのが目的だったりしませんか？

それなら距離なんてあまり関係ないのかもしれません。だって近くの街のことだって知らないことばかり。遠出をしなくても、散歩がてら新しい発見や感動のタネはたくさん転がっているんです。「旅に行きたいな～」。こう思ったらふらりとお散歩一人旅にでかけましょ♪

出典：syamxさんの投稿

今回の旅の舞台は「新宿」。通勤や遊びでよく来る割に、駅から離れたら何があるか分からなかったりもしますよね。だからこそ、魅力を再発見するお散歩旅にぴったりのエリアなんです。今回は「新宿歴史博物館」からスタートして、自然やアート、文学にちなんだスポットをめぐる1泊2日プランをご紹介します。旅の終わりには、新宿区のカルチャーに詳しくなっているかもしれませんよ。


※今回ご紹介する施設の中には、事前にチケットの予約や購入が必要な場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。

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お散歩旅のスタートは「四ツ谷駅」から歩いて約10分の「新宿歴史博物館」。旧石器時代から現代までの新宿区の郷土資料が保存・展示されている博物館です。“今の新宿”しか知らないからこそ、こんな風に街ができたんだなぁと驚くことばかり。昭和時代に走っていた路面電車も展示されていて、タイムスリップ感も満載！館内をめぐるだけで新宿区について詳しくなれちゃいますよ。

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続いて訪れたのは「東京おもちゃ美術館」。“人間が初めて出会うアートはおもちゃなのでは？”という観点で設立された美術館です。日本の郷土玩具や世界のおもちゃなど約100ヵ国10万点が保管されているんですよ。小さい頃に遊んだおもちゃもあるかも。童心に返って遊んでくださいね。

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館内には「GOOD TOY SELECTION(グッド トイ セレクション)」のコーナーもありますよ。専門のおもちゃコンサルタントが厳しい目と基準で選んだ、五感を磨けたり、遊びや楽しみを発見できたりするおもちゃなんだとか。自分の子はもちろん、姪っ子や甥っ子、友達の子どもへのプレゼント選びにも役立ちますよ。贈って一緒に遊ぶのも楽しそう♪

出典：katuwoさんの投稿

おもちゃ美術館のあとは、新宿を代表する庭園「新宿御苑」へ。江戸時代には、信濃高遠(たかとう)藩内藤家の下屋敷がありました。明治になって農業の試験場が設置されたり、皇室の御料地になるなどいくつかの変遷をへて、今の新宿御苑が誕生したのだそう。約58haもの敷地に日本庭園やヨーロッパ式庭園などが巧みに組み合わされており、ここが都会のど真ん中にあるなんて信じられないほど。

出典：たなこうさんの投稿

庭園内には、天皇や皇族の休憩所だった「旧洋館御休所(ごきゅうしょ)」や中国風建築の「旧御涼亭(きゅうごりょうてい)」など見どころがたくさん。大きなガラス張りの大型温室は、明治8年に建てられた温室がルーツになっています。約2,700種もの熱帯・亜熱帯植物が栽培されており、初めて見る植物に出会えるかも。

出典：やま哲さんの投稿

約156本のプラタナスが作る並木道は絶好の撮影ポイント。四季折々の表情を見に、何度も訪れたくなりますね。目の前のことに集中しすぎると呼吸も浅くなりがち。深呼吸すれば心身がリラックスしてとっても気持ちいいですよ。

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本日のお宿は「ONSEN RYOKAN YUEN SHINJUKU(温泉旅館 由縁 新宿)」。最上階の18階には、開放的な露天風呂があり、箱根から運んできた温泉に入れちゃうんです♡都会のど真ん中で箱根の湯に入れるって最高に気持ちいいですよね。新宿の高層ビルを眺めながら、1日歩いて疲れた身体を癒しましょう。コインランドリーもあるから、ササっと洗えば翌日も着られます。お散歩旅だから、いかに荷物を軽くできるかがポイントなんです♪

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翌朝はこだわりの和朝食がいただけます。「昆布干しの真ホッケの開き」や「若鳥の甘辛煮」、「あさりの味噌汁」など栄養満点のお料理が並びます。忙しいと適当にすませがちだからこそ、丁寧に作られた朝ごはんはおいしくて感動しますよ。お腹も心も満足したら元気に街に繰り出しましょう。

朝いちばんに訪れたのは「神楽坂駅」近くの「赤城(あかぎ)神社」。隈研吾氏デザインのガラス張りの神社で、“日本でいちばんおしゃれな神社”とも言われているんですよ。ご祭神は、学問芸術・火除けの神様「磐筒雄命(いわつつおのみこと)」と女性の願いを叶えてくれる「赤城姫命(あかぎひめのみこと)」です。他にも、学問の「螢雪天神」、病気平癒の「八耳(やつみみ)神社」、出世の「出世稲荷神社」、徳川家康公を祀る「東照宮」などが鎮座しています。1か所で色んな神様にお会いできるのがありがたいですよね。

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赤城神社限定の「目玉おやじのお守り」はぜひ購入したいところ。原作者の水木しげる氏がテレビや映画のアニメ化の際に祈祷を捧げたことがきっかけで生まれたのだそう。目玉おやじは見通しがよくなるように「開運」の意味が、しま模様のちゃんちゃんこのお守りは「厄除け」の意味があります。ここでしか買えないので両方とも購入が◎。

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敷地内にはスタイリッシュなマンションがあり、神社のご利益がありそうということで入居希望者が多いんだとか。お参りのあとは、マンションの1階部分にある「あかぎカフェ」で早めのランチをいただきましょう。

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メニューは、イタリアンパスタと合わせて「特製お神酒ジェラート」もいかが？上品な甘さとさっぱり感が絶妙なジェラートは、食べれば体の中から浄化されたような気持ちになるかも。神様に抱かれたようなリラックスしたひとときを過ごせますよ。

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次にやってきたのは「草間彌生(くさまやよい)美術館」です。草間作品の特徴といえば、ポップな水玉模様。こちらの美術館では、屋内外ギャラリーや体感型の展示のほか、年2回の展覧会や館長の講演会が開催されているんだとか。どんな作品に出会えるかワクワクしますね！

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草間作品が訴えるメッセージは「世界平和と人間愛」という深遠なもの。デザインとその奥にあるメッセージに考えさせられますね。展覧会は年2回なので、同じ作品をゆっくり何度も観ることができますよ。1回目より2回目、2回目より3回目…というふうに、訪れるたびに見方や感じ方が違ったりするかも。その時の自分の気持ちを静かに聞いてみて。

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旅の最後に訪れたのは「新宿区立漱石山房(そうせきさんぼう)記念館」です。新宿で生まれ育った国民的文豪・夏目漱石の生誕150周年を記念して建てられた記念館です。代表作『吾輩は猫である』にちなんで館内には猫のモチーフがたくさん！何匹いるのか数えるのも楽しそう♪

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漱石が亡くなるまでの約10年間住んだ「漱石山房」では、『三四郎』『それから』『こゝろ』などが執筆されました。国語の教科書で読んだ物語がここで生まれたなんて感慨深くなりますね。館内では再現された漱石山房の一部や漱石の書斎を見ることができます。山積みになった本や書きかけの原稿に、つい今しがたまで漱石がそこにいたような、そんな不思議な気持ちになるかも。

新宿には歴史ある庭園や世界的クリエイターの美術館、文豪の記念館など「大都会」の顔とは一味違った魅力がたくさん。この記事にはそうした新宿の魅力をぎゅぎゅっと詰め込みました。次の週末は、知らなかった「新宿」を探すお散歩旅に出かけましょう♡