2017年09月07日
埼玉のカッパドキア!?全国的にも有名な遺跡「吉見百穴」とは?
奇岩群で有名なトルコのカッパドキアに似たスポットが埼玉にあるって知ってました?「吉見百穴」は、こんもりとした丘の山肌に無数の横穴が空いています。古墳時代後期の墓と考えられていて、穴のすぐ近くで見学が可能。さらに地下には軍需工場跡もあり、埼玉県吉見町の人気観光スポットとなっています。今回はそんな「吉見百穴」について紹介します。
埼玉県吉見町にある「吉見百穴」は、全国的にも有名な遺跡。歴史の教科書で学んだ人も多いのでは。山肌に横穴の墓が並んでおり、いくつかの穴には国の天然記念物である「ヒカリゴケ」が自生しています。さらに地下には軍需工場跡が残されているなど、見どころ満載の観光スポットです。
カッパドキアはトルコにある世界遺産。たくさんの奇岩が集まっていることで知られ、中には岩窟教会などもあります。こういった岩を利用した建造物が並んでいる様子が、規模はだいぶ異なるものの吉見百穴に似ていると言われています。
吉見百穴へは最寄り駅である東武東上線・東松山駅からバスに乗ると便利。「百穴入口」という停留所で下車します。駅からの距離は約2キロなので、徒歩で向かうことも可能。
駅から歩いていくと、その途中に驚くべきスポットがあります。それが「岩窟ホテル」。個人で岩壁を掘り続けて完成させたもので、ホテルと名付けられていますが宿泊施設ではなく、観光地として親しまれてきました。現在は崩落の危険性等の理由により、立ち入ることはできません。
いよいよ吉見百穴に到着。ここで入場料を支払い、ゲートをくぐります。すぐ目の前に、たくさん穴が空いた山肌が見えますよ。
吉見百穴の横穴は、現在確認されているだけで219あります。小人のようなコロボックルの住居と考えられていた時期もありますが、現在では古墳時代後期の集合墓というのが定説となりました。吉見百穴の調査が行われたのは明治20年のこと。その後、大正12年に国の史跡として指定されました。穴の入口は直径1メートルほどしかありません。
国指定の天然記念物である「ヒカリゴケ」が、穴の中で自生していることでも有名。暗闇の中で緑色に輝くコケで、その自生地として横の温度・湿度等が最適なのです。しかし横穴が乾燥してしまうことが増え、ヒカリゴケを保護するためにも金属の金網を通して見ることになりました(中に湿度を保つためのバケツがあります)。感度が良く望遠のカメラがあれば、キレイに撮影できるかもしれません。
吉見百穴の地下には軍需工場の跡地があります。第二次世界大戦中に軍事品を製造するために素掘りされたのですが、運用を開始する前に終戦を迎えたため、本格的な生産は行われませんでした。
吉見百穴の軍需工場跡、信じられない位涼しい。大変だったろう当時の作業中もこの位涼しかったなら少しは作業しやすかったかなぁ、と思ったりして。 pic.twitter.com/C8dVoBA6Cq
— junjun roncat (@junjunroncat) 2017年8月26日
吉見百穴のすぐ隣にある「吉見町埋蔵文化財センター」では様々な展示が行われており、タイミングが合えば勾玉づくり等の体験教室に参加することもできます。良い記念になりそうですね。
お土産屋さんもあり、勾玉などの記念品が販売されています。発掘当時の写真等も掲げられていますが、店内は撮影禁止の場所が多いので観光の際は注意してください。
地上には200を超える墓として利用された横穴、地下には軍需工場と歴史を肌で感じられるスポット。季節によっては花々とのコラボも楽しむことができる、埼玉のカッパドキアこと「吉見百穴」。気になった方は是非行ってみてくださいね!
吉見町役場 吉見百穴/ヒカリゴケ
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