2019年08月01日

【祝】大阪の「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産に!世界最大規模の仁徳天皇陵を中心に古墳巡り♪
大阪府の百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)が、2019年7月に世界文化遺産に登録されました。百舌鳥・古市古墳群ではピンとこない方でも、日本一大きな前方後円墳の仁徳天皇陵と言われればお分かりになるでしょう。今回は、世界遺産登録となった百舌鳥・古市古墳群のうち仁徳天皇陵のある百舌鳥古墳群を中心に古墳巡りにおすすめのスポットをご紹介します。周辺グルメも、お見逃しなく♪
祝!令和初の世界遺産登録

日本で教育を受けてきた人なら誰でも教科書で1度は見たことのある仁徳天皇陵。この仁徳天皇陵を中心にたくさんの古墳が密集しています。大阪府・堺市にある“百舌鳥(もず)古墳群”と呼ばれるエリアです。
もうひとつ日本で2番目に大きい応神天皇陵を中心とした古墳が集まっているエリアがあります。大阪府の藤井寺市から羽曳野(はびきの)市に広がる“古市古墳群”です。この2つを合わせた古墳群が、令和時代が始まって初の世界遺産登録になりました。
世界遺産として文句なしの規模と造形
百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されたことにより、天皇・皇族が葬られた陵墓が世界遺産になったのは初めてのことです。
4世紀後半から6世紀前半にかけて200基を超える古墳が作られた巨大古墳群。それが、1600年経った今も残っていること。さらに、様々な形の古墳が古墳群として残っていること。古代遺産として文句なしの規模と造形が、歴史遺産として貴重だということです。
教科書では見たことあるけど、本物は見たことがないという方も多いのでは。そこで、今回は、教科書で習った仁徳天皇陵を中心に広がる百舌鳥古墳群についてご紹介します。古代のロマンへとタイムトリップです。
百舌鳥古墳群に行ってみよう!
百舌鳥古墳群のある堺市は、商人であり茶人でもあった千利休や歌人の与謝野晶子のふるさとです。また、かつては貿易都市、商業都市として栄えた場所でもあります。そのため、由緒ある神社があったり、千利休によって大成した茶の湯文化が残っていたりします。
「さかい利晶の杜」では茶の湯体験ができるので、利休のふるさとでお点前をしてみるのも良い経験になるのでは。JR東京駅から東海道・山陽新幹線と在来線を利用して3時間30分ほどなので、週末のショートトリップとして訪れにはちょうど良い距離感ですね。
堺市内に降り立つと、木々が生い茂る公園のような場所が多いことに気が付くかもしれません。近くを歩いていると立て看板のようなものを発見できます。看板には、そこが古墳であることの説明が書かれています。それほど、堺市内は古墳だらけ。百舌鳥古墳群を巡る前に、まずは「大仙公園観光案内所」を訪れましょう。
1.大仙(だいぜん)公園観光案内所
仁徳天皇陵に隣接する大仙公園内にある観光案内所です。ここには、“まちあるきマップ”などの観光情報が用意されているので、それを真っ先に手に入れましょう。観光ボランティアの方も常駐しているので、観光に関する相談もぜひしてみて。可能な限り観光案内所で情報を収集するのが、古墳巡りを楽しむコツですよ。
百舌鳥古墳群にある古墳は、大体5㎞圏内にあるので、脚力に自信がある方以外はレンタサイクルするのがおすすめです。観光案内所では、レンタルサイクルの貸出しもしているのでぜひレンタルしてくださいね。デスクワークでの運動不足が解消され、爽快な気分で古墳巡りができますよ。
大仙公園の詳細情報
2.仁徳天皇陵古墳
日本最大の前方後円墳。実は、エジプトのクフ王のピラミッド、中国の始皇帝陵に並ぶ世界3大墳墓なんです。仁徳天皇陵は、墳丘の長さは約486mで面積世界一!そんな仁徳天皇陵ですが、実は誰のお墓か良くわかっていません。ただ、この古墳を造るのに、延べ680万人が働いて16年はかかったのではないかといわれているんです。例え、仁徳天皇のお墓でなくても強い権力を持った人のお墓ではありそうです。ミステリー性があると、とっても興味が惹かれますね。
仁徳天皇陵は、現在も宮内庁が管理しているため中に入ることは厳禁。拝所*(はいじょ)と呼ばれる場所までしか行けません。ところが、仁徳天皇陵があまりにも大きすぎて、前方後円墳の一部しか直接みることができないのです。ただ、ここが関西随一のパワースポットであることは確か。悠久の歴史を感じつつ、パワーをいっぱい貰って帰りましょう。
*拝所…聖域に向かって拝む場所
仁徳天皇陵の周囲は、約2.8kmでコースが整備されています。徒歩だと40分ぐらいかかりますが、大きさを体感するために歩いてみるのもいいですよ。
仁徳天皇陵古墳の詳細情報
3.履中(りちゅう)天皇陵古墳
仁徳天皇陵よりも古いとされている古墳です。百舌鳥古墳群の中でもっとも迫力のある古墳です。非常に丁寧に作られている古墳で、しかも形の崩れがないので古墳の質量が感じられます。ところで、履中天皇は仁徳天皇の第一皇子だということをご存じですか。となると、お父さんの古墳よりも息子の古墳が古いという親子関係の矛盾が…。一体、どういうこと?この古墳も被葬者は本当に履中天皇なのかという謎があるのです。歴史を知るってそんなところが面白いですよね。
古墳の北側には「履中天皇陵古墳ビュースポット」があって、古墳の堀越しに古墳の後円部を直接見られるんです。巨大かつ端正な姿の前方後円墳の雄大さに興奮してしまうかも。古代の人々の建築技術力、団結力の凄さにただただ感心するばかりです。
履中天皇陵の詳細情報
4.反正(はんぜい)天皇陵古墳
仁徳天皇陵の1/3の大きさ。住宅街にある古墳なので全体像はつかみにくいです。けれど、百舌鳥耳原三陵(もずのみみはらさんみささぎ)のひとつとして宮内庁に管理されています。反正天皇は、仁徳天皇陵の第三皇子。履中天皇の弟です。反正天皇っていう人はとってもイケメンだったそう。古事記によると超高身長(約3メートル)でキレイな歯並び。しかも超・超セレブ。おまけに統治能力抜群。現代に生きていたとしてもモテモテの男性のようです。そんな方が眠っているお墓だと思うとドキドキしますよね♪
中央の仁徳天皇陵(百舌鳥耳原中陵)、南の履中天皇陵(百舌鳥耳原南陵)、そして北に位置する反正天皇陵(百舌鳥耳原北陵)が百舌鳥古墳群の中でもメインとなる古墳なので見学して損はないでしょう。天皇陵としては小さくても、宮内庁管理だと思うと身の引き締まる思いがします。しっかりとお参りすれば、煩雑な日常で乱れがちな心も清められそうです。
反正天皇陵古墳 (田出井山古墳)の詳細情報
方違(ほうちがい)神社
反正天皇陵の北側には、方角に関する災いを除けるといわれている方違神社があります。ここの境内からであれば、堀越しに古墳の形を見ることができますよ。旅の安全を祈願しつつ眺めてみてはいかかでしょうか。ちなみに、こちらの神社、八方塞がりを解消するご利益もあるとか。最近、なんだか上手くいっていないというかたは、ぜひ参拝を。運が開けてくるかもしれません。
方違神社(ほうちがい神社)の詳細情報
5.堺市博物館
堺の歴史や文化がわかる博物館です。古墳の知識はここで吸収しましょう。「仁徳天皇陵古墳VRツアー」があって、ヘッドマウントディスプレイを装着して上空300mからドローンで撮影した百舌鳥古墳群を360度の映像で見ることができちゃいます。
古墳内部の石室を再現した映像や、出土した甲冑のレプリカを着て撮影ができたりします。臨場感あふれる体験ができるので、とても楽しいですよ。いつも感じない体験に脳もワクワク!
堺市博物館の詳細情報
堺市博物館
- 住所
- 大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁、大仙公園内
- アクセス
- JR阪和線「百舌鳥駅」から徒歩で6分
- 定休日
- 月曜日(祝・休日の場合は開館)年末年始
- 料金
- 個人:大人200円、高大生100円、小中生50円団体(20名以上):大人160円、高大生70円、小中生30円※ 堺市内在住・在学の小・中学生および65歳以上の方は無料*特別展は別料金
仁徳天皇陵を上から見てみたい!
どうしても仁徳天皇陵を上から見たいという方には、堺市役所の展望ロビーに行くことをおすすめします。地上80mから仁徳天皇陵を見ることができます。
ただ、教科書で見た空撮写真のような姿は残念ながら確認できません。横から見る感じです。それでも、仁徳天皇陵がいかに大きいさを感じられるので行く価値はあります。壮大なスケールで作られていった古墳群に、歴史ロマンを感じられずにはいられませんよ。
堺市役所21階展望ロビーの詳細情報
百舌鳥古墳群の周辺グルメ情報を、チェック!
cafe IROHA(カフェ イロハ)
仁徳天皇陵拝所の隣にあるカフェです。店内にはグリーンがたくさんあって、とてもリラックスできます。全体的にかわいいくてオシャレな雰囲気。天皇陵を一周歩いてきたら、ここで一息入れてみては。
人気のメニューは、古墳型の焼印を入れたバンズを使ったバーガー「ごりょうサンド」です。バーガーの中身は、チキン、ベーコン、ハンバーグの3種類の中から選べます。バーガーが盛り付けられているカッティングボードにもかわいい古墳の焼き印。女子のハートをグッと掴むかわいらしいメニューです。
前方後円墳のキャンディーや古墳サブレ、その他にも古墳モチーフのグッズが売られています。お土産にいかがですか?
カフェ イロハ
閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。
花茶碗
JR百舌鳥駅から歩いて約3分の場所にある「花茶碗」。民家を改築したような食事処で、入口にテーブル1つと小上がりに座敷席が2つとこじんまりとしたお店です。店主も気さくでとてもアットホーム。
「花茶碗」は、古墳カレー発祥のお店です。古墳を模したご飯の周りに、堀の水のようにカレーが盛り付けられた商標登録までとった「古墳カレー」。古墳カレーには、ハートの目玉焼き、ブロッコリー、カボチャの煮物が添えられています。さらにトッピングとして、とんかつ、えびフライ、白身フライからひとつ選びます。そのうえ、サラダまでついてきます。これでお値段が1,000円。リーズナブルではないでしょか。
カレーには、フォークとスプーンがついてきます。このスプーンがスコップ型でまたかわいいんです。カレーが天皇陵だと思うと、スコップでお墓を崩して食べるのは忍びない気もします。でも、とても美味しいカレーなのでそんなことは気にせず、思いっきりスコップで掘り起こしながら食べましょう。
お食事処花茶碗の詳細情報
いかがでしたか?
日本古来からの権力の象徴である古墳。なかなか古墳をメインに観光することはありませんが、世界遺産登録の兆しがあるこの機会に古墳巡りをしてみてはいかかでしょうか。きっと、知的好奇心が満たされるはずですよ。古墳はお墓。古墳巡りをする際には、被葬者への敬意を忘れずに。