2016年03月23日
淡水湖で唯一の有人島。琵琶湖に浮かぶ「沖島」を探索しましょう
琵琶湖に浮かぶ島に、人が住んでいるなんて知っていましたか?「沖島」は、琵琶湖にある島の中で最も大きく、淡水湖では唯一の有人島。源氏の落ち武者が住み着いたのが始まりだとか。静かな島で、現在でも車は一台も走っていません!また、最近は猫が多く住む“猫島”としても有名。なんだか、ものすごく気になる島ではありませんか?ちょっとのぞいてみましょう。
海のように大きな琵琶湖では、さまざまなウォータースポーツが楽しめたり、遊覧船で島めぐりができたりする一大レジャースポットです。そんな琵琶湖には、大きな遊覧船が立ち寄らず、ひっそりとたたずむ「沖島」という島があります。淡水湖で唯一人が生活するたいへん珍しい島で、観光地である他の島とは全く違う顔を持ちます。まるで時が止まったかのようなのどかな島を訪れるのもいいかもしれませんね。
琵琶湖には、竹生島(ちくぶじま)、多景島(たけしま)、沖の白石、沖島と4つの島があります。なかでも、沖島は淡水湖で唯一、人が住む島として知られています。
琵琶湖の沖合い、約1.5km。沖島は、琵琶湖最大の島で、周囲は約6.8km、面積は約1.52㎢です。
【琵琶湖】日野川大橋から見た沖島(おきしま) #shiga https://t.co/VgfpL1KbOF pic.twitter.com/8E7hXvr8ZM
— InstaŌmihachiman (@instahachiman) 2016, 2月 3
ようこそ 沖島へ(沖島漁協)
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沖島は、万葉時代にはすでに人の往来があり、万葉集にも沖島に関する詩が見られます。その後、本格的に人が住みついたのは12世紀。保元・平治の乱による源氏の落ち武者7人が沖島の山裾を拓き、漁業を生業として居住したのが始まりといわれ、彼らが現在の島民の祖先とされています。
沖島には、車が一台もなく、主な交通手段は“三輪自転車”。そして、ほとんどの家庭に船があり、対岸への移動手段として使われています。島内には、郵便局や小学校、民宿などはありますが、コンビニエンスストアや喫茶店などはありません。昔ながらの暮らしが息づく沖島には、ゆったりとした時間が流れています。
沖島の人々は、おもに漁業で生計を立てており、沖島漁港には漁船が所狭しと並んでいます。島内では、鮒ずしを作っていたり、佃煮の加工工場もあります。また、耕作地がほとんどないため、自宅の庭に小さな畑を作って野菜の自家栽培をしたり、対岸の田んぼで米を作って自給自足している家も多いようです。
沖島は、漁業が盛んで魚も多くあることから、猫が多く生息しています。最近は、住人並みに数多くの猫が住む「猫島」としても知られるようになりました。
沖島の猫は、人になれていて逃げないといわれます。車もなく、安心しきったように一日中のんびりと過ごしています。猫と戯れながら、島ののどかな時間を楽しめるのも沖島の魅力でしょう。
昨日は琵琶湖に浮かぶ沖島という猫がいっぱいいる島に遊びに行ってきました
— ハルル (@HaruruG) 2015, 12月 31
近江八幡からバスと船を乗り継いでいく島なのだけど、たっぷり猫がいました
人懐こい子多い! pic.twitter.com/bSNjz8BTSr
沖島には平地があまりないため、家は軒をくっつけるように建てられており、軒と軒の細いすきまが通路になっています。路地には、まるで時が止まったかのような昔ながらの暮らしの風景が垣間見えます。
7人の源氏の落ち武者のひとり、茶谷重右衛門の末裔(まつえい)が、蓮如に帰依し、庵を建てたことに始まります。蓮如上人直筆の「虎斑(とらふ)の名号」が寺宝とされています。南無阿弥陀仏の文字が、むしろの上に書かれたため、虎斑のように濃淡があることからそう呼ばれているそうです。
藤原不比等(ふじわらのふひと)が建立。鳥居の社標は、憲政の神様といわれる尾崎行雄(おざきゆきお)。お宮の世話は、厄年の42歳になった人が1年間行い、交代式は大晦日の深夜に行われます。5月には春祭り、9月には秋祭りがあります。
琵琶湖の三女神を祀る島と日牟礼八幡と猿田彦命の白髭神社 https://t.co/striygbAjT
— ひぃふぅみぃ (@hifuminss) 2016, 1月 30
竹生島 多景島 沖島 の三角形と
白髭神社 沖島 日牟礼八幡 を繋ぐLINE。
海の鳥居の意味。
いつかお参りさせて頂こう。 pic.twitter.com/YQ1O44qDR8
沖島小学校は、木造二階建ての立派な校舎を持つ小学校。山を背に建ち、目の前には琵琶湖が広がっています。小学校の給食はスクールボートに積み込み、当番の生徒がリアカーで学校まで運ぶのだとか。中学校には、昭和39年に分校が本校に統合されてからスクールボートで通学しているそうです。
近江八幡氏の北方「堀切港」から、「沖島漁港」行きの通い船が出ています。毎日かなりの便数が出ていますが、昼間は少し時間に間隔があくようです。所要時間は約10分。また、民宿もあります。
ゆるやかな時が流れる「沖島」。そんな島に降り立ち、悠々と過ごす気持ちよさ。観光地にはない素晴らしさが詰まった、暮らしが息づく島へ、一度足を運んでみませんか。