名古屋「庄内緑地公園」はリアルな図鑑！都市でバードウォッチング

庄内緑地公園は、名古屋市内を流れる一級河川、庄内川の小田井（おたい）遊水地を利用した公園です。もともと、国のグリーン・フィットネス・パーク構想のモデル公園として、昭和61年にオープンしました。健康と緑化普及という二つの大きな柱を持った公園です。

約44へクタールある敷地はグリーンプラザと緑地部分に分かれ、緑地部分には約3.5ヘクタールもある芝生広場が広がっています。広場を囲むようにゲートボール場やサイクリングコース、ガマ池、花木園があり、野鳥の森は園の入り口から一番奥にあります。

野鳥の森はドングリなど実のなる木を中心にして、約600本の木をなるべく自然のままの状態で維持しています。敷地内にはヤマモモ、クスノキ、サクラなどの木が多く、水場も近いため、1年を通じて約80種類もの野鳥がやってきます。野鳥がみられる都市公園として、名古屋でも有名な名所です。

庄内緑地公園へは、地下鉄の鶴舞線を使うのが最短です。栄からなら、伏見駅まで歩くか東山線で1駅のり、鶴舞線に乗り換えます。伏見からは約10分で庄内緑地公園駅へ到着。駅の2番出口のすぐ南に、公園が広がっています。車の場合は、県道63号名古屋江南線の坂井戸交差点こえてすぐです。公園の目の前に有料駐車場が643台あります。

それでは、季節ごとにどんな野鳥がやってくるのか見てみましょう。ちょっとびっくりするような野鳥も見られるんです。

名古屋市内の、こんなに都心近くにカワセミが！？と思いますが、敷地内と付近で繁殖しています。そのため年中見ることができるんです。カワセミは「チィー」と鳴くので、野鳥に慣れていなくても見つけやすい。背中の蛍光色がとってもきれいな鳥です。

コゲラも1年を通じて、野鳥の森や公園内で見られます。キツツキの一種で、日本で一番小さいキツツキです。

しっぽがピンと長くて体は丸くて小さい、とても可愛らしいのがエナガです。一時はすっかり見なくなりましたが、最近は日本中の公園に戻ってきました。庄内緑地公園でも、シーズンを問わずキュートな姿を見せてくれます。

木の幹をたたいて音を出す、キツツキの仲間です。鳩よりもちょっと小さめで、太い木の幹に穴をあけて巣を造ります。秋から春先にかけてよく見られます。頭とくちばしの横に赤い色がついているのが目印です。

ビンズイは春と夏に山の林で繁殖し、秋冬は低地に移動してきます。ふだんは地上でエサをとっていますが、びっくりすると木の枝に飛び移ります。

黄色いヒタキという意味で、オスは顔と胸からお腹にかけての黄色が見事です。のどはオレンジ色となかなかカラフルな野鳥。実は渡り鳥で、東南アジアからやってきます。小さいながらも存在感のある鳥です。

「はやにえ」で有名なモズ。秋には高く鳴いてなわばりをアピールし、越冬した場所で繁殖します。4月中頃までにひなを育て終わり、親鳥は高原や北へ移動します。

なんと、庄内緑地公園にはキジもいるのです。ほとんど姿を見せず、繁殖シーズンにオスが「ケーンケーン」となく声だけを聞いたことがある人も多いとか。見られたらラッキーです。

庄内緑地には、なんとオオタカもいるのです。カラスほどの大きさで、警戒心が強いため見られたらラッキー！そう簡単には見られないレアな野鳥ですが、根気よく通って、なんとか見たいもの。オスだと翼開長1メートルほどになるというからワクワクします！そのほか、同じ猛禽類でトラフズクも見られることがあるそう。都会でこんな野鳥に出会えるなんて信じられないですね。

庄内緑地公園では、野鳥保護の観点から保護柵を設けているところがありますので、柵内へは立ち入らないようにしましょう。また、庄内緑地公園にはたくさんのバードウォッチャーがおり、カメラや双眼鏡をかまえてお目当ての鳥を探しています。その方たちと別方向から被写体に近づくと野鳥が逃げてしまうので、同じ方向からそっと近づくようにしましょうね。もちろん、バードウォッチャーの方に声をかける時も「後ろから静かに」がマナーです。

小さくてかわいい野鳥から大物までいろいろな鳥を見られるので、庄内緑地公園はビギナーにとってもたのしいバードウォッチングポイントです。アクセスも便利なので、ふと思いついた時に双眼鏡やカメラ片手に訪れてみてはいかがですか？