混浴や顔湯もある！7つの泉質が湧く熊本の黒川温泉で湯巡りをしよう

九州のひっそりとした山間に、こぢんまりとした和風旅館が24軒立ち並ぶ温泉地があります。それは黒川温泉。派手な看板も歓楽的施設もない黒川温泉は、“ひなびた温泉”という言葉がぴったり。そんな黒川温泉には、癒しを求めて沢山の旅人が訪れます。

癒しを求める旅人がこぞって訪れる黒川温泉の魅力に、さっそく迫ってみましょう。

東京から飛行機で熊本まで約2時間、そして熊本市内から車を走らせ約1時間30分。九州の北部中心に黒川温泉はあります。温泉街の中心部には、筑後川の源流のひとつ田の原（たのはる）川が流れており、川沿いに民芸調の湯宿が点在しています。木々の緑の美しい自然に囲まれたしっとりとした風情の温泉街のある黒川温泉は、街の喧騒から離れて過ごしたいときに、ピッタリの場所です。

黒川温泉には、「道は廊下、旅館は客室、温泉街の樹木は庭の木」街全体がひとつの温泉宿という考えがあります。黒川温泉を訪れた宿泊者が、泊まっている宿のお風呂だけではなく、他の宿のお風呂を楽しめるようにと考え出されたおもてなし方法です。だから、宿の中を歩くような感覚で温泉街をぶらぶらできます。

黒川温泉の泉質は、弱酸性単純泉、弱アルカリ性単純泉、硫黄泉、ナトリウム塩化物泉、硫酸塩泉、ナトリウム炭酸水素塩泉（重曹泉）、含鉄泉と7種類あります。ひとつの温泉地に、7種類もの泉質のお湯が湧くのは全国でもとても珍しいです。

■弱酸性単純泉で疲労回復

■弱アルカリ性単純泉で透明感のある肌に

■硫黄泉でデトックス

■冷え性にはナトリウム塩化物泉

■硫酸塩泉で血行促進

■ナトリウム炭酸水素塩泉でスベスベ肌

■貧血気味なら含鉄泉

■入浴手形で露天風呂めぐり

黒川温泉を訪れたら是非やって欲しいのが、露天風呂めぐり。黒川温泉にあるほとんどの宿が露天風呂を持っています。宿の露天風呂には、宿泊者でなくても1軒500～800円で入ることが可能。旅館や旅館組合の事務所「風の舎」で入浴手形を購入すれば、3種類の露天風呂をお得な価格でめぐることができます。宿ごとに異なる露天風呂の風情を楽しんでみては。

■自分の肌に合わせて湯をめぐる

旅館組合の事務所には、泉質の分類など書かれたパンフレットがあるのでそれを参考にめぐると便利かも。泉質の効能を考えながらめぐれば、温泉効果を惜しみなく得ることができます。

参考までに、こんな風にめぐってみて。例えば、美人の湯めぐりなら、

ノーマル肌向け
① 硫酸塩泉
② 硫黄泉
③ 弱酸性単純泉orアルカリ性単純泉

肌が弱い人向け
① 弱酸性単純泉orアルカリ性単純泉
② 硫黄泉
③ 塩化物泉

こんな風にパンフレットを見ながら自分の肌に合せたお湯めぐりをしてみてください。

■共同浴場もおすすめ

黒川温泉には、地元の人が利用している2つの共同浴場があります。ひとつは「穴場」、もうひとつは「地蔵場」。湯宿のお風呂とはまた違った雰囲気を感じることができます。

■顔湯も体験

■地蔵堂

■田の神様

地ビールやサイダーなどを湧き水で冷やして販売しているのが「後藤酒店」。冷えた飲み物が、露天風呂めぐりで乾いた喉を潤してくれます。店舗の前には、休憩用の長椅子が用意されているので角打ちもできます。お風呂上りにフラッと立ち寄ってみては？

熊本といえば馬刺し。「味処なか」では、肉厚で臭みのない馬刺しを食べることができます。その他にも高菜めしや水餃子みたいな食感のだご汁など郷土料理を堪能できますよ。熊本の味を知りたい方におすすめです。

「平野商店」は、お漬け物と佃煮の専門店です。大半のお漬け物が試食可能。しかも、バラエティに富んでいるにもかかわらず、お手頃価格なので人気です。試食をしながらお気に入りのお土産の品を見つけてみてはいかがでしょうか。

宿のご主人が、ノミで10年もの歳月をかけて掘った“洞窟風呂”で有名な宿。手掘りの洞窟風呂は、秘密基地っぽい感じでワクワク感があります。黒川温泉が広く知られるようになったのも、この洞窟風呂。20数軒ある宿のなかでも、とくに泊まってほしい宿です。

「御客館」は、江戸時代創業の宿。肥後細川藩の御用宿として使われていました。露天風呂からは、樹齢800年ほどの大杉を眺めることができます。歴史を感じながら湯船にゆったり浸かるのも贅沢な温泉旅行の楽しみ方です。

7つの泉質と風情ある露天風呂が沢山ある黒川温泉は、温泉好きはもちろん癒しを求める人たちを魅了します。入浴手形を持って、心身共に露天風呂で癒されてみませんか。