2016年08月31日
東京で手軽にお遍路を。「玉川大師」の地下霊場へ行ってみよう
四国八十八箇所を巡礼するお遍路。興味はあるけど、時間もお金も結構かかりそう…と思っている人は多いのでは?確かに普通に旅行するより、ちょっとハードル高いですよね。でも東京都内に、四国八十八箇所を巡ったのと同じご利益があるとされる場所があるんです。所要時間はたった20分程。とても身近でドキドキする体験ができるパワースポット、「玉川大師」の全容をご紹介します。
「四国遍路」の概念が確立されたのは江戸時代初期といわれていますが、その始まりはなんと平安時代にまで遡ります。都が置かれていた京都から遠く離れた四国は、修験者の修行の地として知られ、空海(のちの弘法大師)もその修験者の一人だったと伝えられています。そんな修行僧たちの遍歴の旅が、四国お遍路の原点となりました。
室町時代に入ると、僧侶のお遍路は一層盛んになりました。当時の四国は、京都から海を越えて行かねばならない「辺境の地」。新幹線や飛行機のなかった時代には、とても苦しい道のりだったことが想像できますね。その辺境を巡る道として「辺路」という言葉が登場し、それがやがて現在の「遍路」になったという説が有力視されているのです。
江戸時代に入ると、僧侶ばかりでなく一般の人の間にもお遍路の習慣が広がり始め、現在の形に繋がっていきました。皆さんは「お遍路」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「先祖供養」や「懺悔」「病治癒」…。でも結構自由なんだよね?!
ハイ、その通り!お遍路の目的は、人ぞれぞれ。自分探しの旅やパワースポット巡りという目的でもOKですし、季節や周る道順、服装も自由。「お遍路ガール」や「ツアーバスで巡るお遍路」も登場するなど、驚くほどカジュアルになったんですよ。
お遍路ガール急増中ということでマネキンに https://t.co/j7gwkaqevc pic.twitter.com/2G8N0buPX3
— Chatan(ちゃたん) (@abcchatan) 2016年5月18日
いくら自由に周れるようになったというお遍路も、忙しい社会人にとってはまとまったお休みをとって四国へ行くのは、ちょっとハードルが高いですよね。そんな人に朗報です。都内で20分程度でお遍路できてしまうスポットがあるんです。
最寄は二子玉川駅。旧・大山街道を歩いて徒歩10分ほどの場所にあります。
世田谷随一のパワースポットとして知られる玉眞院(通称:玉川大師)は真言宗智山派のお寺で、弘法大師を祀っています。
ここを参拝するとお遍路と同じご利益があるってホント?!今、ちょっと話題になっている玉川大師の地下霊場をご案内します。
二子玉の玉川大師 こんなところに地下霊場が。。 - Flatさん - 旅行のクチコミサイトフォートラベル https://t.co/C6ATLoQtuy
— 侑紀 (@yuki10557) 2016年5月26日
ここに参拝するとお遍路88箇所をまわったのと同じ御利益があるそうです。
今日朝イチで紹介されていた
参拝したい~(*´ω`*)
■お遍路がしたくてもできない人のために作られた場所
和尚さんがもし、お手すきだったらお声かけしてみるといいかもしれませんね。ここ、玉川大師に地下霊場が作られたのは大正時代のこと。当時の龍海大和尚が、弘法様のお告げに基づいて、様々な事情があって四国お遍路をできない人のために6年の歳月をかけて建立された場所なのだそうです。
二子玉川から少し北に歩いたところにある真言宗の寺院、玉川大師。1930年代に6年かけて作った「地下霊場」がなかなか面白い。長さは100メートルしかないが、道が屈曲していて完全な暗闇になるところが2箇所ある。いかにも密教的な寺院の雰囲気も良い。 http://ow.ly/3jSp0
— 浜崎 伊南 HAMASAKI Ina (@HAMASAKI_Ina) 2010年12月4日
■地下霊場を巡る お遍路へ出発
こちらでのお遍路の仕方は「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱えながら、地下の霊場まで歩き、自分の数え年の番号の石仏も拝んでくるというシンプルなものです。それではこの「地下霊場 遍照金剛殿」と書かれている階段からスタートです。
*履物を借りることができます。決して裸足や土足で踏み込むことがないようにお願いします。
玉川大師
— Percyパーシィ (@percyperthy) 2016年2月9日
本堂の下に地下霊場、地下の参道があり、階段を降りていくと漆黒の闇。何時間いようが目が慣れるなんてありえない暗闇。右手で壁を辿りながら少しずつ降りていくのだけど、暗闇があんなに怖いなんて初めて知りました。教えられたお経を唱えながら辿りついた先の、仏像お地蔵さまがずらりと並
階段を降りてからは、ひたすら続く暗闇。「キャー」とか「わー」とか、騒ぎたくなる気持ちを抑えて「南無大師遍照金剛」と唱えましょう。壁に手を添えて、静かに前に進みます。いろいろな思いを巡らせているうちに煩悩が放たれて、暗がりの中、心の目で見ることの大切さなどを感じられるようになってくるのだそう。
玉川大師行ってきました!地下霊場があってお遍路巡りができてすごく良かったです★ 暗闇を歩くのだけれど、すごく不思議な感覚だった〜。
— mitika (@mitikau) 2012年1月11日
■「南無大師遍照金剛」を唱え続ける暗い道のり
小さな光が見えているような見えていないような、そんな錯覚を起こすほどの完璧な暗がりが続きます。本当に光がないので、目が慣れてくるなんてことは一切ありません。頼りにしていた右手の壁が急になくなると悲鳴を上げてしまいそうになるほど驚きます。でも静かに「南無大師遍照金剛」を唱え続けましょう。これは修行なのだなと実感します。
玉川大師の地下霊場、こんな感じかな… pic.twitter.com/HBCH8WOYrb
— boyish (@kasumi_boyish) 2016年5月3日
仏の胎内をかたどっているという地下殿の道のりは、ところどころ傾斜もあります。そしてひたすら真っ暗。小さく鐘の音が聞こえるような…、これも錯覚なのかな…、静かに各々のペースで進みましょう。
ダイアログインザダークと聞いて、いつも思い出すのが、それに近い(と思われる)、一切光が入らない空間を体験できる二子玉川の玉川大師の地下霊場。数字上の面積よりすんごく広く感じたり、いろんな驚きがあって、いい体験だった。http://bit.ly/oiuPF
— 津田淳子 (@tsudajunko) 2010年4月20日
■地下霊場に到着
暗い道を抜けると約300体の石仏に圧倒されます。四国八十八ヶ所霊場にゆかりのある仏像が安置されているのです。昭和9年(1934年)に竜海阿闍梨が完成させたというこの地下殿は、わずかながら灯りがあります。この中から、この自分の歳に1を足した数え年のお大師さまを探してお参りしましょう。
二子玉の玉川大師!!!めっちやいいです!!!地下霊場で日常感じることのできない本物の暗闇を体感できる!!!!本当に何も見えない!!!そしてあらわれる何十もの石仏!!!!圧巻!!!クライマックスの涅槃像!!!
— 春のきしだ (@sasakure332) 2016年8月5日
恐怖で少しパニックになってしまう人もいるかもしれませんが、石仏の足元にふられている番号、よく見るとちゃんと順番通り並んでいますので、落ち着いて探しましょうね。石仏はそれぞれに表情が違っています。あなたの数え年の大師さまは微笑んでいましたか?
■ご本尊を拝んで、無事に完了
最後に一番奥にある、高さ2メートル20センチの本尊の弘法大師像を拝んだら無事にお遍路完了です。
今日の〆は玉川大師。地下霊場がすごかった😭✨一筋の光もない真っ暗な道を歩いていくと 石仏総数三百尊体もある、四国遍路88ヶ所のお大師様や観音様、お釈迦様 大日如来様 ご本尊の弘法大師様が😭✨真っ暗な道はなんだか怖くて壁にぶつかったり。苦悩してる時のよう。また行こう😊
— からあげ (@ywp0630ywp) 2015年8月9日
有料で御朱印もいただけます。
玉川大師玉真密院の詳細情報
うるう年の2016年は、札所を通常の順路の逆から周る「逆打ち」をすると大変なご利益があると、本家本元の四国のお遍路さんの間で話題になっています。そうはいっても、実際88カ所巡るには平均的に50日前後かかるため、実際に行動に移すのが難しいという現実も。そんな忙しい人でも都内で20分程度だったら時間が作れそうですよね。同行二人、弘法様がちょっと身近に感じられる玉川大師へ足を運んでみてはいかがでしょうか?