朝にラーメンは当たり前！静岡県・藤枝名物「朝ラーメン」の美味しい6店

今やラーメンファンの間では「朝ラー」と呼び、都会でも24時間営業の店舗などで朝から食べられるようになっていますが、藤枝市の「朝ラー」は地元に根付いた食文化。その由来は、藤枝市がお茶の産地であることと関係しています。お茶の取引は、まだ夜が明けぬ午前3時や4時に始まり、6時ごろには終了します。その時間に合わせて藤枝のラーメン屋さんの営業時間が早くなったということが、藤枝の「朝ラー」発祥の理由。まさに地域独自の事情から生まれた食文化なのです。

藤枝市は焼津市や島田市と共にかつての「志太地域」のひとつであり、このエリアで食べられていたラーメンを「志太系ラーメン」と呼んでいます。その味の特徴は、魚介ベースの醤油ダレを、あっさりしたスープで割った食べやすいラーメン。また、ほとんどの店で、茹でた麺を冷水にさらし、氷で冷やしたスープをかけた冷たいラーメンも販売していることも特徴です。夏季だけでなく、一年中熱いラーメンと冷たいラーメンを提供し、「温」と「冷」両方のラーメンをセットで食べるのが当たり前、という、ちょっと他には無いラーメンなのです。

藤枝「朝ラー」が食べられるお店の筆頭は、まさに「朝ラー」発祥のラーメン店と言われる「マルナカ」。提供するラーメンは昔懐かしい中華そばの雰囲気。しかしながら「志太系ラーメン」の老舗だけあって、スッキリ食べやすいラーメンとなっています。

続いてご紹介するのは、懐かしい感じの暖簾に渋い看板が目立つ「池田屋」。「マルナカ」と人気を二分すると言われる藤枝ラーメンの人気店です。提供されるラーメンの味は王道の「志太系ラーメン」。やはり早朝からの営業で、「朝ラー」を求めて早い時間から賑わっています。

一見すると喫茶店のような外観の「森下そば店」。基本的には伝統的な「志太系ラーメン」を提供するお店ですが、「塩ラーメン」がメニューにあったり、「ゆで玉子」や「しらがねぎ」のトッピングができる点が特徴。藤枝中心部から3キロほど離れた住宅地にあるので、自動車で伺うのが便利です。

周囲の住宅に溶け込んだ、昔ながらの食堂風の外観が懐かしさを漂わせる「ちっきん」。市東部にあるこちらのお店は「藤枝駅」よりも「西焼津駅」からのアクセスが良い地元で人気のラーメン店です。こちらも「朝ラー」が戴ける藤枝市ならではの営業スタイルですが、豊富なメニューも特徴。期間限定メニューもあって、単なる「朝ラー」だけでなく何度もリピートしたくなる人気店です。

王道の「朝ラー」系のラーメンを提供するとともに、チャーハンや餃子など、昔ながらの中華食堂系メニューが充実する「あさはら」。地元密着型で長年愛され続ける人気店です。テーブル席・座敷席が並ぶ店内もレトロさがあり落ち着いた雰囲気。9：30開店と、「朝ラー」を楽しむには若干遅めの営業時間ですが、夜も営業しているので一日中藤枝のラーメンが食べられます。

ごく普通の一軒家と見紛う店構えが印象的な「らぁ麺屋　まるみ」。元はフレンチのシェフだったという店主が作るラーメンは、シンプルな朝ラーメンもありつつ、今風の創作系ラーメンなど豊富なメニューが揃います。店内も清潔でオシャレなリビング風。まるでカフェのような雰囲気です。どのラーメンも「ストレート極細麺」、「手もみ中細麺」、「平打ちストレート麺」から選べるのも特徴的。

早朝から温・冷の二杯を食べるのが一般的な藤枝市の「朝ラーメン」の文化は、ある意味衝撃的で珍しいですよね。でも、一度食べてみれば、食べやすくて深い味わいの「朝ラー」の虜になること請け合いです。こちらで紹介したお店はいずれも地元の人気店。週末の朝は早い時間から行列ができることも珍しくありません。ぜひ一度、藤枝の朝ラーメンを満喫してみてくださいね。