2016年08月16日
“飯炊き仙人”の銀シャリが絶品!堺の食堂「ゲコ亭」
大手炊飯器メーカーも、その味の秘密を知るために通ったという「ゲコ亭」。飯炊き仙人と呼ばれる一人の男性が炊いた銀シャリは、本当に絶品と評判です。午前中からお昼時までのわずかな営業時間にも関わらず、連日たくさんの人が押し寄せています。大阪・堺にあるゲコ亭の秘密をご紹介します。
阪堺電軌阪堺線の寺地町駅を降りて、御陵前方面へ2分ほど歩いたところにある食堂「銀シャリ屋 ゲコ亭」。この趣のあるお店に、評判のご飯とおかずを求めて連日500人もの人が訪れます。1日に使われるお米は30kg以上。日本人が食べるお米は1人につき年間平均56kg強で、この量は50年前に比べると半分になったと言われています。しかし、米離れの傾向にある日本人も、このお店ではしっかりお米を消費していることがわかります。
使うお米はコシヒカリやササニシキを単独で炊いたり、ブレンドしたり。産地や年による味の違い、特徴を比べながら選んでいます。素材のお米選びにこだわるのはもちろんですが、ゲコ亭で何より重視するのはご飯の炊き方。最後におひつに移されるまで、全神経を集中した飯炊き仙人の目が光ります。
1963年に創業以来、炊飯に専念してきたゲコ亭店主、村嶋孟氏。テレビなどに出演することもあるので、その姿を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか?50年以上前から現役で、毎日ご飯を炊いてきたその技術と信念は、名人を通り越して仙人の域に達しています。村嶋氏のご飯を求めてプロの料理人が訪れたり、中国でも評判が広まり中国政府に招かれたりと、話題に事欠かない仙人でもあります。
見た目はつやつや、食べてみるとふっくら柔らか。米の旨味が存分に引き出された炊き方に、大手炊飯器メーカーが目をつけて商品開発をしたほどです。そのコツは「はじめチョロチョロ中パッパ、 赤子泣いても蓋取るな」。
仙人が重視するのは誰もが知るコツだけではありません。自家製のかまどとぴったり合った釜で約20分火を入れ、炊きあがる直前に強火で水分を飛ばし、20分蒸らします。更に気温や米の状態を見極めて、毎回水も炊き方も微調整。村嶋氏は、ご飯に余計な香りがつかないように他の料理には関わらず、炊飯専任。炊飯につきっきりです。
おひつからご飯をよそってくれる時に、ご飯の量を聞かれます。大、中、小と選べますが、値段は同じ!欲張らず、美味しく食べられる量を選びましょう。すぐは食べられないけれど、もっとご飯を味わいたい!という時は、メニューでも人気の「塩むすび」を頼むというオプションもあります。
ゲコ亭は、テーブルと厨房の仕切りがないオープンキッチン形式。台に並んだおかずからトレイに好きなものを取った後、ご飯と汁物をもらいます。おひたし、肉じゃが、フライ、ポテトサラダ、焼き魚、刺し身、関東煮…。一瞥しただけでは把握できない位たくさんのおかずを前にして、どれにしようか迷っている人もよく見られます。
村嶋氏の夫人が作る玉子焼きの人気も相当なもの。作りたての焼きたてアツアツがもらえるので、思わず誰もが取ってしまう一品。でも選んで後悔することはない、絶品な玉子焼きです。
主菜の中でも人気の高い「鰤の照焼」。シンプルな見た目ですが、食べてみると納得の味!ここに行ったら食べておきたい一品です。
朝っぱらから贅沢と思いつつ、一口食べればコスパの良さに得した気分になれる一品。中トロに近い脂の乗った鮪は、予想以上にレベルの高い美味しさです。
極上のご飯のお供にふさわしく、味噌汁と漬物も期待を裏切りません。程よく漬かったぬか漬けは酸味と塩味が程よいバランス。しじみの味が濃厚なしじみ汁をはじめ、味噌汁もご飯を更に美味しくしてくれます。
営業時間は朝から昼過ぎまで。売れ切れ次第終了です。そして夏場の6~8月は休業するので要注意。村嶋氏曰く、「(夏の間は)水が悪くなるから」。水の温度が上がり、炊き具合に影響を及ぼすようです。
ゲコ亭のご飯は、技術に加え、並々ならぬ日々の努力から生まれているようです。80歳を超えた飯炊き仙人こと村嶋氏は引退が噂されたこともありましたが、中国で飯炊きの技術を伝授するなど、活躍の場は更に広がっています。ゲコ亭のご飯を食べて、白飯の美味しさを再発見してください!
銀シャリ屋 ゲコ亭の詳細情報
銀シャリ屋 ゲコ亭
寺地町、御陵前、宿院 / 食堂、日本料理
- 住所
- 大阪府堺市堺区新在家町西1丁1-30
- 営業時間
- 8:00~売り切れ次第終了 火曜日、水曜日定休日 現在はこちらで調理を行い、食事は特選米ブレンド ゲコ亭の方となっています。
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥1,000~¥1,999