2016年09月22日
1,000人はいっても大丈夫?!青森・酸ヶ湯温泉の「ヒバ千人風呂」
青森市の南部にある「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」の名物は、なんと160畳もの広さのある総ヒバ造りの千人風呂。内湯ですが、露天風呂のような開放感があり、源泉かけ流しの天然温泉を満喫できます。また硫黄の強烈な香りと白濁した湯はこれぞ温泉といった風情。江戸時代から湯治客に愛されてきた「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」をご紹介します。
酸ヶ湯温泉は、十和田八幡平国立公園の北部にそびえる、八甲田山系の主峰・大岳(1,584m) の西麓の、標高約900m地点にひっそりと佇んでいます。年間降雪量は約1760cm、最深積雪は約2370cmにも及ぶ、世界有数の豪雪地帯として知られており、標高が高く気温も上がりにくいことから、積雪の多い年は6月上旬~中旬まで雪が残ることもあるそうです。
雪深く寒さが厳しい地域にありますが、清涼な高地にあるため高山植物が多く茂り、秋には奥入瀬から続く紅葉が見られるなど、四季の変化に富んだ風光明媚な美しい自然がひろがります。また、屋根裏に営巣し上空を群飛するイワツバメも、旅人の心を癒してくれる酸ヶ湯の風物詩の1つです。
酸ヶ湯は北八甲田や、その山腹に広がる毛無岳、田茂萢などの湿原へ通じる登山口として機能しているため、温泉目的の宿泊客や日帰り客のほか、春から秋にかけては登山やトレッキング、冬にはスキーやスノーボードを楽しむ人が多く集います。そのため、山中の一軒宿ではありますが、客室数129室、収容人数 180人という大きな宿が完備されています。
開湯は江戸前期となる1684年(貞享元年)とされています。1954年(昭和29年)には、卓越した効能と豊富な湧出量、広大な収容施設、清純な環境、交通の便、低廉な料金などが評価され、四万温泉、日光湯元温泉と共に「国民保養温泉地」第1号に指定されました。
多くの人々から愛されてきた酸ヶ湯温泉ですが、世界的に有名な版画家・棟方志功もその一人で、湯治をしながら作品を彫ったと伝えられています。館内には、現在も同氏の貴重な版画や書が多数飾ってあります。
酸ヶ湯温泉には10名くらい入れる標準サイズの「玉の湯」もありますが、宿の名物は何と言っても、総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」です。柱一つない160畳の浴室には、「熱の湯」と「四分六分の湯」という大浴槽が2つと、かぶり湯の「冷の湯」、打たせ湯の「湯滝」と計4つの湯が備えられています。
4つそれぞれ源泉は異なりますますが、泉質はいずれも「酸性硫黄泉」となっています。神経痛や筋肉痛、関節痛、五十肩、慢性消化器病、痔疾、疲労回復、皮膚病、動脈硬化症、婦人病などに効果が見られる「療養に適した温泉(療養泉)」として認められており、湯治の場合は、1日3回の入浴を10日ほど続ける必要があるそうです。
古来より「雲上の霊泉」と称されるなど、正しい入り方をすれば万病に効くと言われています。入浴の順序は、熱湯(5分)→四分六分の湯(5分)→かぶり湯→打たせ湯(3分)→熱湯(3分)が良いとされているので、ぜひチャレンジしてみてください。
そのほか、酸ヶ湯温泉の大きな特徴としては、脱衣所は男女別になっていますが、浴室は混浴となっているところです。ただし完全な混浴というわけではなく、大浴槽については中央付近に目印があり、そこを境に男女の住み分けが行われています。また、午前中と午後8時~9時までは、女性のみの入浴時間となっているので、混浴に抵抗がある方も安心して大浴場が利用可能です。
また、売店で販売している湯浴みを購入して入浴もできます。
国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉 - ご滞在のしおり - 浴室
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酸ヶ湯温泉から歩いて行ける範囲内には、「東北大学植物園」や「三十三観音」などのスポットがありますが、オススメは徒歩で10分ほどのところにある、火口跡に温泉水が溜まってできた「地獄沼」です。付近の噴気口からは硫黄を含んだガスや、90度以上にもなる温泉が噴出しており、活発な自然活動を体験できる場所となっています。
地獄沼|青森県観光情報サイト アプティネット
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酸ヶ湯名物「ヒバ千人風呂」はいかがでしたか?ちなみに名前から受ける印象に反して、「熱の湯」はややぬるめ、「四分六分の湯」は高温となっているので、お間違いのないようご注意を。女性で混浴が苦手な方は、午前中と午後の定時に入るといいですね。