外国人ゲストを連れて行くならどこがいい？おすすめの観光地【大阪編】

もしもあなたの友達やゲストが外国から大阪に遊びにくることになったら、どこを案内しようと思いますか？

大阪観光というと道頓堀や通天閣、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンといった場所がパッと思い浮かびますが、それらは観光本に掲載されている、いわゆるコテコテの観光地。有名どころになると多言語での情報も溢れていますし、交通の便も良いので現地の人のガイドなしでも簡単に行けるところばかりですよね。せっかくだから、もっと穴場なところを…と思い巡らせてみると意外とアイデアが浮かばずに困ったことありませんか？

そこで今回は、筆者がもし住んだことのない国に行ったら何がしたいか？という視点で外国の人に楽しんでもらえる観光地を選んでみました！難波や天王寺などは観光本にお任せして、昔と今の日本文化に触れられるおすすめスポットを紹介していきます。観光地から宿泊施設、食事まで盛りだくさんです！

お寺や歴史ある建造物というとやはり京都が一番に思い浮かびますが、大阪府内にあるお寺も見逃せません。特に今回紹介する二つのお寺はどちらも宿坊があるので泊まることができます。日本ツウの外国の方も宿坊に泊まったことがある人は少ないはず！豊かな自然の中で軽いハイキングを楽しむこともできるので、日帰りでも興味深い体験になること間違いなしです。

大阪府泉佐野市の山奥にある「犬鳴山七宝瀧寺」。南海本線の泉佐野駅、またはJR日根野駅から出ている南海バスの終点から1キロほど登ったところに本堂があり、難波駅からだと計2時間ほどで訪れることができます。

今から約1300年前の西暦661年に開基したという七宝瀧寺内には7つの滝があり、特に行者の滝は霊力のある御滝として全国から修行に訪れる人が絶ちません。ここは弘法大師や役ノ行者尊といった日本の仏教に大きな影響を残した人々が修行を行った神聖な修行道場なのです。

西暦727年に創建した「勝尾寺」は大阪北部の箕面市にあります。地下鉄御堂筋線の千里中央駅もしくは阪急箕面線の箕面駅からバスで30分ほどで行ける勝尾寺は勝運の寺として有名。特に勝尾寺の勝ちダルマは、受験や厄除け、病気、スポーツ、商売に選挙など、これまでに多くの人に勝運をもたらしたと言われ、全国から多くの人が参拝に訪れています。

勝運成就した勝ちダルマは境内にたくさん奉納されており、小さなダルマから大きなダルマまであらゆるところで両目にしっかりと目の入ったダルマを見ることが出来ます。力強い赤がとても印象的です。

紅葉の季節にはライトアップも行っていて、普段よりも混雑はしますが京都の寺院と比べると比較的空いているので、この時期に訪れるのもおすすめ。宿坊は敷地内にあり、1泊5000円ほどです。

勝尾寺から40分ほどハイキングをした先にあるのが「箕面の滝」。近年は少なくなってしまいましたが、ニホンザルが出没したり、滝へ続く道には日本らしい休憩所があったりと外国の方にとって興味深い道中になるでしょう。箕面の滝単体で訪れる場合でも阪急箕面市駅から滝まで歩いて40分ほど。ゲストの大阪滞在時間に余裕がある場合は、勝尾寺とセットで行かれると良いですね！

新緑の季節も紅葉の季節もいつでも美しい自然が待っています。自然の中に赤が映えて日本風情溢れる景色が楽しめますよ。

温泉は日本が世界に誇れる文化ですが、他人と同じ空間で水着を着用せずに入るのは外国の人にとってはハードルの高いもののひとつ。

日本が大好き！温泉も大好き！という日本ツウのゲストであれば、是非おすすめしたいのが「箕面温泉スパーガーデン」。阪急箕面駅から徒歩3分とアクセスも良く、関西でも優れた泉質のトロトロとした湯ざわりの温泉です。温泉以外にも週替りで楽しめる薬湯やサウナ、プラス料金を支払うと岩盤浴もできたりとお風呂好きの方は大満足するでしょう！

建物自体が箕面の高台にあるので、お風呂から大阪を一望することが出来るのも魅力の一つ。宿泊も可能ですが、日帰りの場合でも朝から夕方まで楽しめるデイ入館か、夜のみ利用のナイター割引を選べるのも便利なポイントです。

箕面温泉スパーガーデンを来る際にセットでおすすめなのが、すぐ隣りにある「箕面観光ホテル」のランチバイキング。

お野菜をたくさん使ったヘルシーな料理からステーキ、ビーフシチュー、天ぷらやお寿司まで100品以上を楽しめるランチバイキングです。和・洋・中のたくさんの料理から好きなものを選べるので、日本食が好きというゲストはもちろん、ちょっと苦手…という方にもいいですよ。

スパーガーデンの温泉とランチバイキングがセットになったお得なプランは約3,000円～。ランチバイキングで思う存分食事を堪能して、その後は温泉で夕方までゆったり…という1日はいかがでしょうか？観光で疲れたゲストの心と身体を癒やす素敵な1日になりますよ。

これまでは日本の昔からある文化に関係するおすすめの観光地を紹介してきましたが、次は趣向をガラっと変えて、日本のサブカル文化に触れられる観光地を紹介していきます！

地下鉄御堂筋線なんば駅から徒歩5分のところにある昭和感漂うネオンが目印の「味園ユニバースビル」。昭和サブカルの殿堂と呼ばれている通称「味園ビル」は1956年に建設されてからバブルが弾けるまで大阪ミナミを代表するキャバレー兼宴会場でした。バブル崩壊後はテナントがどんどん少なくなってしまいましたが、現在は若いオーナーが運営する個性豊かなバーや飲食店がぎゅっと詰まった、アングラ文化の発信地として注目を浴びています。

ビル内には一癖も二癖もある個性的なバーやカフェが約40件ほどあります。どこのお店も店内は狭いですが、扉を開けているところも多いので、ちらっと覗いてどんな雰囲気か見ることも出来ますよ。扉が開いていなくても看板や外に貼ってあるポスターがどこも個性的なので大体どんな感じか分かるはず！

お店はどこも19時頃からオープンし始めるので昼間は開いていませんが、太陽の入らないほぼ真っ暗な味園ビルもまた独特の雰囲気があるので、近くを通ったら探検してみるのもおすすめです。

日本のレストランでは当たり前の光景になっている食品サンプルが実は海外で人気なのをご存知でしょうか？見慣れている日本人でさえも本物と見間違えてしまうくらい精巧に作られた食品サンプルは、日本人の器用さだからこそ出来る芸術として、ポピュラーなお土産になっています。

それならば、出来上がったものをただ選んで買うのではなく、手作り体験で自分だけのお土産を作ってみるのはどうでしょう？

難波の千日前道具屋筋商店街周辺には食品サンプルの手作り体験が出来るお店がいくつかあります。どこもスタッフが丁寧に教えてくれるので、日本語ができなくてもそこまで難しくありませんよ。

第2次世界大戦の大阪大空襲で大阪市内の建物の多くが破壊されてしまいました。その後の復興によってたくさんのビルが建てられ現在の大阪の姿になっていますが、奇跡的に消失を免れたのが松屋町。正式には「まつやまち」ですが、大阪の人は「まっちゃまち」と呼びます。

そんな松屋町、大きな道路から路地に入ると大正を感じられる長屋やお屋敷、蔵などがあり、趣のある街並みを堪能することができます。これらの建物は、古いものを大切に残したいと想う若い世代が営むカフェや複合ショップだったり、何代にも渡って営業している昆布屋や鰹節屋だったりと、今と昔が共存している面白いスポットです。

松屋町駅から徒歩3分のところにある「から天」は、揚げたての天ぷらをお手頃価格で楽しめる天ぷら屋。カウンター10席のみのこじんまりとした店内ですが、天ぷらはもちろん注文が入ってから目の前で揚げてくれるのでゲストもその技と美味しさに喜ぶはず。

定食が基本のメニューで先に白ご飯と赤だしが提供されます。食べるタイミングに合わせて少しずつ出される熱々の天ぷらは、サックサクでたまりません！これで800円ほど。海外には本格的な天ぷら屋は少なく、また高価なものも多いので、この美味しさでお手軽なお値段にゲストもびっくりするはず。

松屋町駅から徒歩5分ほどのところにある「たこ竹」は1831年創業の大阪寿司のお店。大阪寿司といえば持ち帰りの店が多いですが、こちらは店内に12席ほどテーブルが用意されているのでその場で頂くこともできます。

大阪寿司とは、押し寿司のこと。こちらのお店ではサバやアジの棒寿司や玉子、鯛や海老、穴子の箱寿司を頂くことができます。

寿司といえば握り寿司が当たり前の海外では押し寿司の存在自体あまり知られていません。丁寧に仕上げられたその味、そして鮮やかな見た目、大阪の食文化にゲストも大満足でしょう。

お酒が好きなゲストと気軽に日本食とお酒を楽しみたいというときにおすすめなのが松屋町駅から徒歩3分ほどのところにある創作料理屋「のまずくわず」。町家を改装したという雰囲気のある店内では、クリームチーズの味噌漬けやホタルイカの黒作りといった酒肴から、金目鯛の塩焼き、和風クリームコロッケといった焼き物・揚げ物まで様々な居酒屋メニューが楽しめます。

地酒も多く取り揃えており、お酒にあった創作料理が充実しているのでゲストのお気に入りのメニューが見つかりそう。和風のおしゃれな店内は板の間とテーブル席があるので正座に慣れていない外国のゲストも安心して食事を楽しめます。

外国のゲストを連れていきたい観光地を少し趣向を変えて紹介してきましたがいかがでしたか？私自身、ゲストの案内をすることが度々あるのですが、見慣れた街だとどこが気に入ってもらえるのか中々アイデアは湧いてきませんよね。

そんなときは、もし自分自身が日本に住んだことがなかったら…と視点を変えて提案するようにしています。コテコテの大阪観光も良いですが、普段の生活で見えてくるものをシェアすると、思いがけないところに面白さを見出してくれて、素敵な時間を過ごすことができますよ。