島根で焼き物めぐりはいかが?美しい陶器のある窯元へ行こう

島根で焼き物めぐりはいかが?美しい陶器のある窯元へ行こう

出雲大社、城下町・松江、宍道湖などで有名な島根ですが、実は古くから陶器を生産している土地でもあります。民芸運動の影響を受けた出雲焼や、国から伝統的工芸品に指定された石見焼があるんですよ。そんな島根の焼き物のうち、ぜひ訪れていただきたい4つの窯元をご紹介いたします。

2017年12月26日

島根県を巡るなら「陶芸」がおすすめ

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出典:メタやんさんの投稿

島根県といえば、出雲大社をはじめ、城下町・松江、汽水湖の宍道湖などの観光スポットが有名です。そして、あまり知られていませんが「陶芸」でも有名なエリアなのです。王道観光スポットにからめて窯元巡りをするのが、おとなの島根巡りとしておすすめです!

島根県の陶芸とは?

島根県の陶芸とは?1453860

出典:

島根県は古くから陶芸が行われていた土地でした。東西に細長い島根県で、大きく分けると西の「石見(いわみ)焼」、東の「出雲焼」に大別されます。いずれも、いかにも日常使いにふさわしい素朴な姿かたちが特徴です。プラスチック製品が席巻するまでは、陶器が日用品として大きな役割を果たしていたことがうかがい知れます。

出雲焼は茶陶を中心にした伝統的な窯元と柳宗悦氏の民芸運動の影響を受け、実用陶器を主とする窯元があります。
平成6年に国の伝統的工芸品に指定された石見焼は、大物づくりの伝統的技術と技法を継承しつつ、大型陶器や日用陶器の製作が行われています。

出典:陶器|島根の物産(島根県物産観光館)

近年は若者向けのセレクトショップや、おしゃれな雑貨店などで取り扱われることも増えてきました。本記事では、たくさんある出雲焼・石見焼の窯元のそれぞれから2か所ずつ、計4つの窯元をご紹介していきましょう。

1.出西窯(出雲市)

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出典:

島根で陶芸といえば、真っ先に名前が挙がるのがここ「出西窯」です。出雲市斐川町にあり、すべてろくろを回した手作りで、登り窯で焼き上げられます。

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工房は元日以外いつでも見学ができ、さまざまな工程を見ることができます(日曜は作業はお休み)。職人は研修生も含めると15人前後いて、すべて手作業でやっている窯元としては、山陰屈指の規模を誇ります。

1.出西窯(出雲市)1447596

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工房に隣接する展示販売館「くらしの陶・無自性館」は、明治初期の米蔵を移築した堂々とした建物。県産の石、瓦などを使い、周囲の風景に美しく溶け込んでいます。常時数千点以上が並ぶうつわ好きにはたまらない空間には、出西窯の器でコーヒーや地元の番茶をいただけるコーナーもあり、ゆったりと過ごすことができます。

1.出西窯(出雲市)1447598

出典:

出西窯は地元を中心に県内の土を使い、釉薬は黒釉、白掛け、飴釉、海鼠(なまこ)釉、「出西ブルー」と呼ばれる瑠璃色を出す呉須釉などを使っています。厚手のごくシンプルで普遍的なものながら、見慣れてくるとぱっと見で出西のものとわかるオリジナリティがあります。

1.出西窯(出雲市)1447600

出典:

日本では数少なくなってきた6連房の大きな登り窯があり、ここで年3~4回窯焚きが行われます。1回の窯焚きは2日間にわたり、約5000個の陶器が焼き上がります。一昼夜、約1200度の炎を前に薪を投げ入れるハードな作業です。

出西窯の詳細情報

出西窯(シュッサイガマ)

出西窯

住所
島根県出雲市斐川町出西3368
営業時間
9:30〜18:00
定休日
毎週火曜日(祝日は開館)、元日

データ提供

2.湯町窯(松江市)

2.湯町窯(松江市)1453877

出典:

「湯町窯」の創業は1922年で、現在窯主をつとめる福間琇士さんで3代目になります。福間さんは、2011年に「日本民藝館賞」を受賞するほどの腕利きの職人です。

2.湯町窯(松江市)1453878

出典:

店内には黄色とグレーがかった青色のうつわを中心に、さまざまなうつわが所狭しと並んでいます。湯町窯の特徴は、この黄色=「黄釉(きぐすり)」と呼ばれる釉薬と、青色=海鼠釉。そして、スリップウェアの技法です。スリップウェアとはヨーロッパの伝統技法で、化粧土で流れるような文様を施されたうつわのことです。

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湯町窯の代名詞はこの「エッグベーカー」。中に卵を割り入れてふたをして、直火にかけて蒸し焼きにできるうつわです。福間さんのお父さんが、イギリス人陶芸家バーナード・リーチから手ほどきを受けて完成したそうです。リーチは日本の民芸運動に深く関わった陶芸家です。他の窯元にもエッグベーカーはありますが、この模様は湯町窯だけのものです。

湯町窯の詳細情報

湯町窯(ユマチガマ)

湯町窯

住所
島根県松江市玉湯町湯町965  
アクセス
玉造温泉駅から徒歩1分
営業時間
8:00〜17:00(土・日曜、祝日は9:00〜)
定休日
無休

データ提供

3.森山窯(大田市)

3.森山窯(大田市)1453890

出典:F.KATSUさんの投稿

石見焼の流れを汲む「温泉津(ゆのつ)焼」の歴史は、江戸時代の宝永年間までさかのぼります。現在の温泉津は海のそばにあるレトロな温泉街ですが、かつては交易港として栄え、「はんど」と呼ばれる水がめが出荷されていました。今は「温泉津 やきものの里」の中に、3軒の窯元があります。

そのうちの1軒である森山窯は、民芸運動のキーパーソンのひとり、陶芸家である河井寛次郎の最後の内弟子・森山雅夫さんが開いた窯元です。今もご夫婦で作陶されています。

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森山窯のうつわは、呉須や瑠璃のブルー系の釉薬と、黄緑がかった灰釉が特徴です。どっしりした存在感があり、釉薬や貫入の具合でさまざまな表情を見せてくれて、使うごとに魅力が増すうつわと定評があります。

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おそろいのコーヒードリッパー付きのポットが人気です。実用に耐えるものであることを第一に、その中に美しさを見出してもらえたらという森山さんの考え方が反映されています。

3.森山窯(大田市)1453904

出典:

「温泉津 やきものの里」には国内最大規模の登り窯があり、一見の価値あり。年2回の「やきもの祭」の直前に火が入り、3つの窯元の作品が窯出しされ、それを目当てに訪れる人が多くいます。温泉津焼には、ほかに「椿窯」と「(有)椿窯」があり、それぞれ趣きの異なる椿の絵が印象的なうつわを焼いています。

4.石州嶋田窯(江津市)

1935年に開窯した「石州嶋田窯」。元々は大きな水がめを作っていましたが、上下水道の普及で往時ほどの需要がなくなったという経緯があります。今は、元々の大物の製作に加えて、耐熱性のあるうつわや、日常使いのうつわを作っています。

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石州嶋田窯の庭先には、こんなユニークな郵便ポストが。窯主の遊び心が伺えます。

3代目・嶋田孝之さんは伝統工芸士でもあり、石見焼らしい大物を得意としています。今は4代目の健太郎さんも一緒に作陶しています。途中使わなくなっていた登り窯を今は年5回焚いており、石見焼では唯一の登り窯を使う窯元となっています。

石見焼は石州瓦と同じく高温で焼き上げられるため、堅牢で塩や酸にも強いです。そのため、今は家庭で梅干しや味噌を仕込むためにも愛用されています。また、庭用のテーブル、睡蓮鉢や傘立ても作られています。

食卓にあげるうつわも、このように味わい深く、ファンが多いです。毎年、5月のゴールデンウイークの頃には「登り窯展」が開催され、それに合わせて登り窯を焚き、窯出ししたてのうつわが販売されます。

手仕事のあたたかさに触れる島根・陶器の旅

手仕事のあたたかさに触れる島根・陶器の旅1453946

出典:

島根県の窯元を4軒ご紹介してきました。他にも、大量生産品にはない手仕事のぬくもりが感じられる個性豊かな焼き物がたくさんあります。島根の焼き物のよいところは、何と言っても気軽に日常使いできるところ。入れるもの、盛るものを引き立てる懐の深さが魅力です。まとまったお休みが取れたら、島根に焼き物巡りの旅に出かけてみませんか?

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