2017年12月26日
島根で焼き物めぐりはいかが?美しい陶器のある窯元へ行こう
出雲大社、城下町・松江、宍道湖などで有名な島根ですが、実は古くから陶器を生産している土地でもあります。民芸運動の影響を受けた出雲焼や、国から伝統的工芸品に指定された石見焼があるんですよ。そんな島根の焼き物のうち、ぜひ訪れていただきたい4つの窯元をご紹介いたします。
出雲焼は茶陶を中心にした伝統的な窯元と柳宗悦氏の民芸運動の影響を受け、実用陶器を主とする窯元があります。
平成6年に国の伝統的工芸品に指定された石見焼は、大物づくりの伝統的技術と技法を継承しつつ、大型陶器や日用陶器の製作が行われています。
近年は若者向けのセレクトショップや、おしゃれな雑貨店などで取り扱われることも増えてきました。本記事では、たくさんある出雲焼・石見焼の窯元のそれぞれから2か所ずつ、計4つの窯元をご紹介していきましょう。
陶器|島根の物産(島根県物産観光館)
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工房は元日以外いつでも見学ができ、さまざまな工程を見ることができます(日曜は作業はお休み)。職人は研修生も含めると15人前後いて、すべて手作業でやっている窯元としては、山陰屈指の規模を誇ります。
出西窯の詳細情報
湯町窯の代名詞はこの「エッグベーカー」。中に卵を割り入れてふたをして、直火にかけて蒸し焼きにできるうつわです。福間さんのお父さんが、イギリス人陶芸家バーナード・リーチから手ほどきを受けて完成したそうです。リーチは日本の民芸運動に深く関わった陶芸家です。他の窯元にもエッグベーカーはありますが、この模様は湯町窯だけのものです。
湯町窯の詳細情報
そのうちの1軒である森山窯は、民芸運動のキーパーソンのひとり、陶芸家である河井寛次郎の最後の内弟子・森山雅夫さんが開いた窯元です。今もご夫婦で作陶されています。
森山窯のうつわは、呉須や瑠璃のブルー系の釉薬と、黄緑がかった灰釉が特徴です。どっしりした存在感があり、釉薬や貫入の具合でさまざまな表情を見せてくれて、使うごとに魅力が増すうつわと定評があります。
おそろいのコーヒードリッパー付きのポットが人気です。実用に耐えるものであることを第一に、その中に美しさを見出してもらえたらという森山さんの考え方が反映されています。
温泉津やきものの里|やきもの館
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1935年に開窯した「石州嶋田窯」。元々は大きな水がめを作っていましたが、上下水道の普及で往時ほどの需要がなくなったという経緯があります。今は、元々の大物の製作に加えて、耐熱性のあるうつわや、日常使いのうつわを作っています。
石州嶋田窯の庭先には、こんなユニークな郵便ポストが。窯主の遊び心が伺えます。
3代目・嶋田孝之さんは伝統工芸士でもあり、石見焼らしい大物を得意としています。今は4代目の健太郎さんも一緒に作陶しています。途中使わなくなっていた登り窯を今は年5回焚いており、石見焼では唯一の登り窯を使う窯元となっています。
石見焼は石州瓦と同じく高温で焼き上げられるため、堅牢で塩や酸にも強いです。そのため、今は家庭で梅干しや味噌を仕込むためにも愛用されています。また、庭用のテーブル、睡蓮鉢や傘立ても作られています。
食卓にあげるうつわも、このように味わい深く、ファンが多いです。毎年、5月のゴールデンウイークの頃には「登り窯展」が開催され、それに合わせて登り窯を焚き、窯出ししたてのうつわが販売されます。
石州嶋田窯のホーム
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