【岩手】不思議な伝説がたくさん…「遠野物語」の世界にひたれるスポット7選

岩手県の“遠野”に古くから伝わる言い伝えや民話などをまとめた「遠野物語」は、日本民俗学の金字塔的な存在。当時の庶民の思想や暮らしぶりを知ることのできる貴重な資料として、長きにわたって愛されています。いる家は栄え、去った家は衰退すると伝えられる「座敷わらし」が登場します。（※画像はイメージです）

「遠野物語」の世界観を感じられるスポットが各地にある遠野は、昔話や伝説が好きな女子の旅行先にぴったり。実際に舞台とされた場所はもちろん、写真の「遠野ふるさと村」のような昔ながらの山里を再現した観光地もあります。本を片手に、不思議な伝承の残る町を散策しませんか？

都内から遠野に行くには、新幹線や電車を利用するのがおすすめ。まずJR東北新幹線で新花巻駅まで出たら、そこからJR釜石線に乗り換えて遠野を目指しましょう。遠野の見所はやや広範囲に点在しているので、駅前の「旅の蔵」でレンタルできる自転車で巡るのも一つの手です。サイクリングコースの詳細は、遠野市観光協会のホームページで確認を。

まずは、ユニークな伝説が残る「カッパ淵」からご紹介。ある日、カッパが馬をこの川に引きずり込もうとして失敗。馬の飼い主に見つかってしまいます。手をあわせて許しをこうカッパを、かわいそうに思った馬の飼い主は「これからは、この淵で絶対悪さすんなよ」と伝えてこれを許したとか。（※画像はイメージです）

続いてご紹介するのは、火防の神様が祀られている「新里愛宕神社」です。遠野物語によると、ある家で火事が起きた際、すぐさま愛宕神社の和尚様が現れて、火消しをしてくれたので大事に至らずに済みました。翌日、住人が愛宕神社にお礼に訪れたところ、和尚様は火事のことなど知らなかったそうです。以来、愛宕の神様が和尚様の姿を借りて火消しをしてくれたと伝えられています。

遠野物語には登場しませんが、愛宕神社の脇道を抜けたすぐ先に、苔むした岩がごろごろとしている神秘的な森があります。ここは「五百羅漢」。岩をよく見ると、仏像の絵が彫られているんです。

次にご紹介するのは、愛宕神社のすぐ近くにある「卯子酉神社」です。遠野物語によると、この一帯はかつては大きな淵であり、その淵に住む主に祈願すると“男女が結ばれる”という言い伝えがあるそうです。

東北地方を中心に信仰を集める家の神「オシラ様」は、悲しい恋物語が由来となっています。飼っている馬に恋をしてしまった美しい娘。それを知った父は激怒し、馬を殺してしまいます。娘が悲しみにくれて馬にしがみついたところ、そのまま天に昇っていき「オシラ様」となったそうです。（※画像はイメージです）

一つの岩の上に、幅7m、奥行き5m、厚さ2mの巨石がのっている「続石」。石をのせたのは“弁慶”だと伝えられています。弁慶は始め、巨石を“別の石”の上にのせたのですが、下敷きにされた石が嫌がって泣きました。そこで、今の石の上に巨石をのせ変えたそう。絶妙なバランスを保ち続けている不思議な石です。

田んぼの中にぽつんと佇む「荒神神社」には権現様が祀られています。遠野物語によれば、ここの権現様はかつて隣地区の権現様と喧嘩をして、相手の片耳を食いちぎってしまったのだとか。そのため、隣地区の権現様の仏像には耳が無いそうです。

遠野の昔ながらの山里を再現した「遠野ふるさと村」も訪れておくべき！施設内には、歴史あふれる茅葺屋根の家や水車、小屋などがあり、江戸時代にタイムトリップしたような気分を味わえます。

遠野物語の世界を感じられるスポットを巡った後は、グルメや温泉で癒やされませんか？ここではジューシーな「遠野ジンギスカン」と遠野からアクセスのいい「花巻温泉郷」をご紹介します。

屋外でBBQをする際、遠野では七輪の代わりに“穴を開けたブリキのバケツ”を使うことも！この方法は遠野の元祖ジンギスカンのお店「あんべ」が考案したそうです。専用バケツと鍋、固形燃料のセットはネットでも購入できちゃいます。

遠野には不思議な伝説が残る場所がたくさん。古き良き日本の原風景も残されており、故郷に帰ったような懐かしい気分を味わえるのも魅力です。「遠野物語」の話を知った上で行くと、楽しさが倍増しますよ！本を片手に町を巡って、物語の世界にどっぷりひたりませんか？