テーマは「なるべくがんばらないこと」。いつもの自分でいられる長崎市内ひとり旅

出典：renkonsannnさんの投稿

観光名所に行く。その場所ならではのご当地グルメを食べる。…いわゆる王道ばかりを巡ることだけが、旅ではありません。たとえば、歩いていて見つけたカフェに入ってみたり、雑貨屋さんにふらりと立ち寄ってみたり…、そんな風に自分が好きなように楽しむのだって素敵な旅。「なるべくがんばらずに」、まるでそこに住んでいるかのようにのんびりと過ごしてみるのも、たまにはいいのではないでしょうか。

街中を路面電車が走る風景。海と山が普通にそこにある風景。そのどれもが、都会に住む人にとっては新鮮ですよね。けれど長崎市内ではそれが当たり前。自然が豊かで、街中ではどこにいてもすぐそばに自然の存在を感じることができます。

長崎は穏やかな人柄の人が多くて、初めて訪れる人にも優しく接してくれます。長崎市内には見どころが多く、路面電車やバスなど交通の便もいいため、のんびりとひとり旅を楽しむにはぴったり。美しいスポットに美味しいグルメなど、旅を優しく彩ってくれるポイントがほどよくあります。

大きくて穏やかな水面、円を描く湾の形、それを囲む山々の景色…。東京から長崎へ向かう飛行機に乗り、だんだんと長崎に近づいてくると、窓の外にはこのような絶景が広がります。この景色を見るだけでも、すでに心がスッと洗われるようです。だから、長崎へのアクセスには飛行機が一番。市内まではバスが出ているので、空港に到着したらバス停に向かいましょう。

路面電車「出島」電停から徒歩3分。空港からバスで向かってきた場合には、「長崎新地バスターミナル」で降りると徒歩5分で到着できます。「長崎県美術館」は、海沿いに建つスタイリッシュな美術館。自然素材を多く用いた建物で、世界的建築家の隈研吾さんが手がけました。

建物は運河を挟んで2つの棟に分かれています。外の橋から見るこの写真の景色も、2棟を繋ぐガラス張りの回廊から見る景色も美しく、眺めていると清々しい気持ちになります。回廊部分にはカフェがあり、キラキラと輝く水面を眺めてゆっくり過ごすのもいいですよ。

美術館はどこを取っても素晴らしいですが、特におすすめなのが屋上。一部が芝生になっていて、2棟の間はガラスの通路が繋いでいます。美術館棟側に渡ってガラスの通路のほうを眺めると、通路がまるで海への通り道のように見えてとても神秘的。海と山の美しい光景と一体化した、心洗われる美術館です。

路面電車「出島」電停から徒歩5分。「いろはや出島本店」は、長崎だけでなく、九州のお土産を取り扱うお土産物のセレクトショップです。普通のお土産屋さんでは出合えないような素敵なデザインのアイテムや、美味しい食べ物ばかりが並び、あれもこれも目移り必至！お目当てが長崎土産の場合には、お洒落なデザインで普段使いしやすい波佐見焼の器や、長崎土産の定番である五島うどんやカステラなどがおすすめです◎。

「3時のおやつは文明堂～♩」のフレーズで知られる「文明堂」。文明堂は長崎が発祥だってこと、知っていましたか？路面電車「大波止」電停からすぐの場所にあるのが、その総本店です。重厚な黒い建物が目印で、電車を降りればすぐに見つけることができますよ。

出典：みかりんこさんの投稿

おすすめは、文明堂総本店のカステラだけに使われる南蛮卵に、砂糖、ざらめ糖、四国の和三盆糖を加え、上品な甘さを醸し出している「特撰カステラ」です。生地作りから焼き上げまで、選ばれた職人さんにしか作れないカステラなんですよ。味も見た目もまるで繊細な芸術品のよう。味は和三盆、お濃茶、黒糖の3種類があります。

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路面電車「五島町」電停から徒歩3分の場所にある「魚たつ」は、五島で獲れた新鮮な魚介をはじめとする、旬の食材が美味しくいただけるお店。夜は居酒屋になりますが、ランチでは海鮮を使ったお寿司や丼がとってもリーズナブルに味わえるんですよ。

ランチのおすすめが、平日のみ提供される、1日10食限定の「握り15貫セット」です。破格なほど安いのに、ネタはどれも新鮮でプリプリ。魚の旨みがしっかり出たあら汁もセットになっていて、とってもボリューミーです。大人気のメニューで、これのために行列ができるほどなんですよ。開店より少し前に着いて並んでおくといいですよ。

出典：urya-momenさんの投稿

長崎名物のカステラ。専門店は数多くあり、お店によって味も素材もさまざまです。創業から約340年の老舗のカステラ専門店が「松翁軒(しょうおうけん)」。路面電車「市民会館」電停からすぐの場所にあるのが本店で、店内に入ると、そのレトロな雰囲気にホッと落ち着きます。パッケージも哀愁漂うノスタルジックなデザインで、しかもリーズナブルなのでお土産にぴったり。

出典：ＫＵＭＡＯさんの投稿

松翁軒のカステラはすべて、職人さんが一枚一枚手焼きで作っています。それは、素材とバランスのよさが決め手だという信念から。2階には喫茶室「セヴィリヤ」があって、こちらも昭和レトロな雰囲気です。カステラとドリンクをセットでいただいて、ホッと一息ついてみては？

長崎県内には、日本でのキリスト教の歴史が知れるスポットが何ヶ所もあります。そのうちの一つが「大浦天主堂」。路面電車「大浦天主堂」電停から徒歩5分の場所にあり、行くまでの急な坂には何軒ものお土産屋さんやグルメショップが軒を連ねています。ガラス細工のお店や綺麗なプリンの専門店などもあるので、ゆっくりと見て回りながら向かうといいですよ。

オランダ坂を上った先、階段の上に凛々しく建つのが大浦天主堂です。大浦天主堂は現存する日本最古の木造教会で、1865年に当時日本にいた外国人のために完成しました。世界文化遺産に登録され、国宝にも指定されていますが実は国宝なのは外側だけで、内側は原爆で破壊されたため1952年に再建されたものなんです。

真っ白い外壁、瓦葺きの屋根、漢字で書かれた「天主堂」のレリーフなど、外側だけでもいくつもの見どころがある教会。中に入ってからも、美しいステンドグラスの数々や、リブ・ヴォールト天井（こうもり天井）と呼ばれる独特な天井、何体もの御像など見どころが多く、時間をかけてじっくりと、神秘的な空気に包まれながら見て回るのがおすすめです。

当時の日本では、豊臣秀吉の時代を経て江戸時代から250年もの間、キリシタン弾圧が行われていました。ですが大浦天主堂ができた1ヶ月後、奇跡的な出来事が起きたんです。それが「信徒発見」。卑劣な迫害が行われていたにも関わらず、長崎の信徒たちは250年もの間、「7代引き継げば奇跡が起こる」という伝道士からの予言を信じて、本当に7代もの間で信仰を大切に引き継いできて、そして奇跡が起こったんです。

そこに至る軌跡が分かるのが、天主堂を出てすぐのところにある2つの建物「キリシタン博物館」。元々は学校と教員棟として使われていた建物で、現在ではどちらも国の重要文化財や県の有形文化財に指定されています。展示物はもちろんですが、建築自体にも見どころが色々。たとえば、写真は教員棟として使われていた「旧長崎大司教館」の入口部分ですが、扉にはエッフェル塔やお花の刻印が入っているんです。細かいところを好きなだけ自由に見られるのは、ひとり旅の特権ですね。

路面電車「平和公園」電停から徒歩3分。小高い丘の上にある「平和公園」は、世界の恒久平和を願うためにつくられた広大な公園です。1945年8月9日午前11時2分に長崎の上空で炸裂した一発の原子爆弾は、一瞬にしてまちと人を破壊しました。公園内には長崎の平和のシンボルである「平和祈念像」や、被爆者に捧げる「平和の泉」などがあります。

平和公園に隣接してあるのが「長崎原爆資料館」。こちらでは、被爆の惨状や原爆が落とされた経緯、核兵器開発の歴史などを、ストーリー仕立てで学ぶことができます。たくさんの原爆遺構が伝える思いと向き合って、それをしっかりと感じ取り、平和への祈りを新たにしましょう。

「アミュプラザ長崎」は、JR長崎駅に直結した大きなショッピングモールです。1階の入口を入ってすぐの場所にはたくさんのお土産屋さんが並ぶ「長崎おみやげ街道」があり、もしも買い忘れたものがあってもここでなら買い求めることができますよ。旅の間はなるべく身軽で移動したい人は、例えば大きなお土産はここで揃えるなどしてもいいかもしれません◎。

海に、山に、教会に、グルメに、公園に、夜景に…。長崎には見どころがたくさんあります。だからこそ、なるべくがんばらずに気の向くまま、ひとりでのんびりと巡りたくなるんだと思います。いつも通りの自分で、自分のペースで、長崎をゆるりと楽しんでみませんか？