2016年07月14日

徹夜で踊り明かす!岐阜・郡上八幡「郡上踊り」に参加してみよう
日本の夏の風景といえば、盆踊り。浴衣姿で輪になって踊るのはノスタルジックな風景です。そんな盆踊りをなんと32夜もおどり続けるのが、岐阜県の郡上おどりです。クライマックスの4日間は、朝までノンストップで踊り続ける徹夜おどり。なんともパワフルなお祭りは観光客も飛び込みで参加できます。踊りたいと思ったらどこへ行けばいいのか、衣装はどうするのかなど、郡上おどりを120%楽しむコツをご紹介します!
郡上おどりは、岐阜県の郡上郡八幡町でおこなわれる盆踊りです。例年7月9日から9月3日まで計32夜を踊りぬく、日本一長い盆踊りなんです。なかでもお盆の4日間は「徹夜おどり」といわれ、夜が明けるまで踊り続けます!
もとは江戸時代に始まったもので、はじめはお盆の4日間だけ開催されており、身分に関係なく誰もが参加できる盆踊りでした。そのため、今でも郡上おどりは見るものではなく、観光客が飛び入り参加できる「一緒に踊る」お祭りなのです。地元の人も観光客もごちゃ混ぜになって大きな踊りの輪を作ることが最大の目的です。
クライマックスは8月13.14.15.16日の徹夜踊り!
盂蘭盆会(徹夜おどり)は、20時から翌朝4時頃まで徹夜で踊り続けます。四つ辻にお囃子屋形が据えられ、ここが踊りの中心になります。三味線の音がする屋台からどんどん踊りの輪が大きくなっていきます。
何万人もの人が歌に合わせて、手拍子をそろえる。踊り続けるうちに自然と調子がそろってきて、明け方近くになると下駄の音や振りがきれいに一体化する瞬間があります。ちょっと鳥肌が立つような迫力です。
城下町の風情が残る古い町並みをバックに大勢の浴衣の人がおどる光景は情緒があります。カメラマンは腕がなりますね♪
水の街としても知られる郡上八幡には、街のいたるところに水路が流れています。慣れない下駄で足が疲れたら、ここで冷やすといいですよ。
32夜にわたるロングラン盆踊り。会場は毎日変わります
郡上おどりのスタートは7月9日のおどり発祥祭です。郡上おどり期間の安全を祈願する神事が執り行われ、この日から9月3日のおどり納めまで会場を移しながら続いていきます。会場は一晩に1か所。最終的には、ひと夏で市街地を一周することになります。
ふだんのおどりは20時頃から~22時半まで
徹夜おどり以外の日は、踊りが行われるのは夜の8時ごろから10時半まで(平日と日曜日)。土曜日は8時から11時までです。もちろんずっと踊りつづけなくてもよく、休憩したり途中参加したりできます。時間は変更になる日もありますので、郡上おどりの日程表をよく確認してから出かけましょうね。
踊りの種類は10種類!だから徹夜でも時間が足りないくらい
郡上おどりは全部で10曲。10種類すべてが踊れなくても楽しめますが、いくつかを事前に覚えておけば楽しさが倍増です。踊りには「かわさき」「春駒(はるこま)」「ヤッチク」「げんげんばらばら」「古調かわさき」「まつさか」などがあります。動画で予習するといいですよ!
これだけは押さえておきたい、基本中の基本「かわさき」
まずは基本のおどり「かわさき」です。郡上おどりの代表曲で哀愁のあるメロディと歌詞に、優雅な振り付けがぴったりマッチしています。むずかしい振りではないので、何回か練習すれば踊れるようになりますよ。
アップテンポについていけるか「春駒」
「春駒」はアップテンポの曲。江戸時代の郡上が、馬の名産地だったことにちなんだ曲です。威勢のいい動きは馬の手綱さばきをイメージしているそうで、横笛と太鼓、三味線の響きのテンポが非常に軽快です。勢いで踊れそうな気もしますが、少し練習しておくのが吉。
しぐさが優しい「げんげんばらばら」
江戸時代の御殿女中が優雅に手まりで遊ぶシーンをモチーフにした曲です。浴衣のたもとを持つようなしぐさがいいですね。練習次第で何とかなる踊りです。
おどりの締めくくりは、しっとりした「まつさか」
「まつさか」は、毎晩の最後に1回だけ踊られるラストの曲です。メロディは静かで1日の締めくくりにふさわしい。じんわりとした風情を体感したいなら、絶対に覚えておきたいおどりです。
郡上おどり講習会に参加するのもいい!
動画を見てもよくわからなければ、現地の郡上おどり講習会に参加しましょう。講習会はおどり期間中、郡上のあちこちで行われます。中でも、郡上おどり保存会員が教えてくれる体験教室は、開催回数が多いので参加しやすくておすすめ。郡上おどり期間中の毎週土・日曜、1日に3回ほど開催されています。郡上おどりをかっこよく踊るポイントを教えてもらえますので、ぜひ参加しましょう。
郡上おどりの間は講習会も大人気。予約で満員になることもあります。定員数に余裕があれば当日申し込みでも可能ですが、事前に予約しておくのが賢明です。
うまく踊れると免許皆伝がもらえるかも!?
郡上踊りでは、おどり上手の観光客に免許が贈られます。毎晩10時ごろに課題曲が出され審査に突入。うまい人には審査員から「免許皆伝」と描いた木の札がわたされます。それを郡上おどり保存会の事務所へ持って行くと、墨で書かれた免許状をもらえるんです。この免許、とても人気があってみんな必死です。
昨晩で今季終了しちゃった郡上踊りですが、お免状システムがあって優秀な踊り手には免許状が発行されるのです。踊りの輪の中に審査員が混ざってて突然声をかけられるのでワクワクです!コレクター気質のある方にオススメ!全7曲分集めると免許皆伝☆ pic.twitter.com/LeHSEcwVzQ
— クク@栄はLと十字架と私 (@CN_kuku) 2014年9月7日
郡上おどりはどんな服装でも参加OKですが…
本当にカッコいいのはやっぱり浴衣!
郡上おどりはTシャツにジーンズでも参加できます。ただ、現地で踊り始めると浴衣のほうが断然カッコよくみえます。自分の浴衣を持ち込んで着付けをしてもらうこともできますし、浴衣ごとレンタルすることもできるので、ぜひ浴衣で参加してみて♪
何はなくとも下駄は必須アイテム
服装は普段着でもOKですが、下駄だけは用意しましょう!郡上おどりのポイントは下駄を鳴らす音。現地のゲタ屋さんで足にぴったりのオリジナル下駄を作ってもらえば、気分も大いに盛り上がります。足に合った台に好きな鼻緒を据えて調整してくれるから、疲れも少ないんです。うちに帰ってからも、夏じゅう快適に使えますよ。
郡上八幡へはどうやっていくの?
名古屋から郡上八幡へは車とバスが便利です。
【車なら】
東名・名神高速道路から一宮JCで東海北陸自動車道に入って、郡上八幡インターで下ります。混んでいなければ名古屋からは約1時間30分です。
【バスなら】
バスは名古屋駅から郡上八幡に直行する特急バス(岐阜バス)が便利です。運行は往路復路とも朝・夕の2本で、名古屋駅から約2時間で到着します。
郡上おどりの熱気を感じに行きましょう♪
「私は見ているだけでいいの」なんて思っていても、現地に行けば熱気で踊らずにいられません!朝まで存分に踊り明かしましょう♪この一体感はヤミツキになりますよ。城下町・水の街としても知られる郡上八幡は街歩きをするだけでも楽しいところなので、ぜひ観光も兼ねて郡上おどりに参加してみてくださいね。