2016年07月16日
お餅好きにはたまらない!一関グルメ「もち膳」でもち尽くし
岩手県一関市に位置する、新幹線の停車駅「一ノ関駅」。三陸への玄関口として、新幹線から在来線へ乗り換えで立ち寄る人が多い岩手の主要駅です。駅弁もいいけれど、ぜひ電車の待ち時間に寄ってほしい一関グルメが「もち膳」!色々な味付けがされた一口サイズのおもちが膳にずらっと並ぶ、もち好きにはたまらない逸品なのです。そんなもち膳を提供してくれる名店が「三彩館ふじせい」というお店。その魅力をご紹介します。
一関市は、岩手県の南端にある県内第二の都市。東北新幹線の「一ノ関駅」があり、東北太平洋岸の中核都市として発展してきました。豊かな歴史と文化を有する一関は、東北屈指の自然美である厳美渓など、旅人たちを魅了する財産に恵まれた郷です。
また、隣接する平泉には、世界遺産である中尊寺や毛越寺があり、国内外からたくさんの観光客が訪れます。東北新幹線「一ノ関駅」が東北本線平泉駅への乗り換え駅となるため、一ノ関で途中下車する人も大勢います。
観光やビジネスで一ノ関駅に降り立つ人たちがこぞって食べる料理が、今回ご紹介する「もち膳」です。一関でもち膳を食べないなんて、大阪でたこ焼きを、沖縄でゴーヤチャンプルを食べないようなもの!そんな一関名物の「もち膳」とは、いったいどんな料理なのでしょうか?
日本人はとてもおもちが好きですよね。お雑煮、あんころもち、ずんだもち……おもちとお茶でお客様をもてなすと大変喜ばれるものです。
そんなおもち大好きな日本でも、岩手県一関市のもちに対する熱狂ぶりは特別です。昔の記録によると、わざわざもち米からもちをつくって客人をもてなした行事が、一年間に60日もあったそうです!
日本一のおもち好きな人たちの集まる一関で、知らない人のいない“もち料理”の名店が「三彩館ふじせい」です。一関で「もち膳」といえば、誰もがこのお店のもち膳を思い浮かべるほど。このお店が開発したもち膳は「ひと口もち膳」と呼ばれており、登録商標も取得しています。
ひと口もち膳は、一関地方で昔から食べられていた「もち本膳」をカジュアルに食べやすくしたものです。「もち本膳」とは、おめでたいことや不幸なことがあったとき、客人を招いた席でふるまわれたもち料理。「日本一のもちの郷」である一関では、祝儀も不祝儀も、もち料理で客人をもてなすことが礼儀にかなう習慣とされていたのです。
でも、もち本膳はとても豪華なもち料理で、お椀に盛られているもちの分量も多いため、一人ではせいぜい2~3種類のもち料理を食べるのが精いっぱいでした。
「一関の多彩なもち料理をたくさん食べてもらうにはどうすれば……」と悩んでいた、三彩館ふじせいのご主人は、もち本膳に使うもちを小さく切り分け、さまざまな味付けをほどこして盛りつけることにしました。それが「ひと口もち膳」なのです。
こうして平成3年に誕生したひと口もち膳は、一関の名物料理としてたちまち大人気に! いまでは一関をビジネスや観光で訪れる人の多くが「ひと口もち膳」を食べるといいます。
ひと口もち膳 お雑煮付き。お雑煮が優しい味で具だくさん、美味しかったー。お餅もペロリといただきました。 at 三彩館ふじせい http://t.co/uZbYWaorFv #miil
— しょこ (@syokop) 2015年2月25日
それでは、9種類のもち料理がずらりと盛りつけられたひと口もち膳、その全貌をご紹介しましょう!
■あんこもち
もちといえば、なにはともあれ、あんこですよね。くどすぎない甘味がちょうどよく、サイズも一口分なので胃がもたれることもありません。もち膳ではこしあんを使うのが正式な作法とされています。
■えびもち
淡水に住む「沼えび」という小さな海老を炒り、とろみをつけただし醤油で調味して餅にからめた料理。かみしめると口いっぱいにあふれてくる海老のうま味がたまりません!
■しょうがもち
薄く刻んだしいたけに、とろみのある根しょうがのおろし汁。ピリ辛の味わいで、さっぱりといただけます。
■くるみもち
くるみの実をよくすると、ほどよい粘り気が出てきます。そこに塩と砂糖だけでシンプルに味付けをした“くるみあん”をもちにたっぷりかけています。
■ごまもち
よく炒った黒ゴマに砂糖と塩を加えたごまあん。ごまは豊かな風味だけでなく、健康にもよい食材ということで昔からもち料理によく使われてきた食材です。
■じゅうねもち
エゴマの実を「じゅうね」といいます。エゴマとはいうものの、ゴマではなく、紫蘇に似た植物です。その実をよく炒ってすりつぶし、砂糖と塩で味付けします。とても香ばしくて女性にはとくに好評だそうですよ。
■ずんだもち
枝豆をペースト状にすりつぶしたものを東北では「ずんだ」と呼びます。「ずんだもち」といえば宮城県仙台の銘菓として有名ですよね。ひと口もち膳にもやっぱり定番のずんだもちは欠かせません。
■納豆もち
もち料理として人気の高い納豆もち。納豆ご飯は苦手だけど、納豆もちは大好き!という人もいるほど。日本ならではの個性的なもち料理です。
■お雑煮
9種類のもち料理、最後のメニューがこのお雑煮です。大根、人参、ゴボウ、油揚、椎茸。具だくさんの野菜からしみでるうま味たっぷりのだしが、もち米の最高級ブランド「こがねもち」でつくった焼きもちによく絡みます。心の底からほっとするような素朴な味わいのお雑煮です。
■大根おろし
この大根おろし、ひと口もち膳の9つのます目の中央に盛りつけられています。そのため「これがメインのもち料理なのでは?」と思ってしまいがち。でも、ここにもちは入っていないのです。古来から伝わる正式な「もち本膳」では、大根おろしで口を清めてからもち料理を食べたそうです。その名残として「ひと口もち膳」にも盛りつけられています。
「三彩館ふじせい」は一ノ関駅から徒歩2分。もち料理だけでなく、地元の素材を活かした和食や美味しい日本酒もいただけます。
三彩館ふじせいの詳細情報
三彩館ふじせい
一ノ関 / 郷土料理、日本料理
- 住所
- 岩手県一関市上大槻街3-53
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 11:00 - 14:00 17:00 - 21:00 [水] 11:00 - 14:00 17:00 - 21:00 [木] 11:00 - 14:00 17:00 - 21:00 [金] 11:00 - 14:00 17:00 - 21:00 [土] 11:00 - 14:00 17:00 - 21:00 [日] 11:00 - 14:00 17:00 - 21:00
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥1,000~¥1,999
一関名物の「ひと口もち膳」をご紹介しました。おもち大好き!という方なら絶対に食べに行きたい逸品です。東北旅行の際はぜひ岩手の一関をたずねて、ひと口もち膳をご賞味あれ♪