金沢「ひがし茶屋街」へ。趣きある街並みをそぞろ歩いてみませんか？

金沢の浅野川のほとりにある昔ながらの情緒あふれる街並み、ひがし茶屋。「木虫籠（キムスコ）」と呼ばれる出格子（でごうし）のある家屋が軒を並べ、夜ともなれば今も三味線の音などが聞こえてきます。平成13年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、“街並みの文化財”として保存への取り組みがされています。

どの時間帯の景観も素晴らしく、また雨の日も風情があります。金沢らしさを味わうには、ぜひおすすめのスポットです。

ひがし茶屋は、金沢に残る3つの茶屋街の中で最も大きく、いまでも一見（いちげん）さんお断りが貫かれています。ただ、お茶屋の内部を見学できる施設として「志摩」「懐華楼（かいかろう）」「お茶屋文化館」がありますので、ぜひのぞいてみましょう（有料）。

「志摩」は、1820年に建てられたお茶屋の建物で、江戸時代そのままの姿で残るたいへん貴重なもの（国指定重要文化財）。真っ赤で華やかなお座敷が印象的です。お茶屋での遊びは、高い技能と教養を要するもので、それが芸どころ金沢のもとにもなりました。

庭は、お茶屋の典型的なもので、灯籠の基本となる春日灯籠（かすがどうろう）をはじめ、月見灯籠、槍（やり）灯籠がきれいに並びます。また、庭に面したお茶席では、お抹茶とお菓子がいただけます。

志摩や懐華楼のあるメインロードだけでなく、お茶屋街の周辺を散策してみると、経田屋米穀店（きょうでんやべいこくてん）や高木味噌商店など古い商家もあり、由緒あるたたずまいは見応えがあります。

ひがし茶屋街には、金沢の名産品や工芸品などをあつかうお土産屋さんや、おしゃれなカフェなどお店がたくさんありますのでいろいろ巡ってみるのも楽しみです。

金沢の伝統工芸「金沢箔」。箔座では、世界初の純金プラチナ箔を使用して、ドットをモチーフにしたバック、ポーチ、アクセサリーなどの小物や、器、縁起物などを数多くそろえています。

金箔パックやあぶらとり紙、化粧品など金箔グッズは種類もいろいろ。値段も手頃でお土産にちょうどいいものなどがたくさんあり、選ぶのも楽しくなります。

烏骨鶏の卵を使ったかすていら、バームクーヘン、プリンなどのお菓子や、烏骨鶏の肉を使ったお惣菜などをそろえるお店。このお店の商品は、すべて金沢市山中にある自社農場から生まれます。新鮮で濃厚な味わいをぜひお土産に。

ひがし茶屋街入り口にある「レストラン自由軒」は、国内はもとより海外からの観光客にも人気のお店。1909年創業以来、受け継がれてきた老舗の味をぜひご堪能ください。

「茶房一笑」は、献上加賀棒茶（けんじょうかがぼうちゃ）で有名な丸八製茶場のカフェ。澄み切った琥珀（こはく）色と極上の香りをもつ加賀棒茶を心ゆくまで味わうことができます。ゆったりとした時間が過ごせる落ち着いた雰囲気のお店です。

情緒ある街並みを、貴重な建造物を見学したり、お店をのぞきながら散策する楽しさ。ひがし茶屋街は、2時間もあればまわってしまえる比較的こじんまりとしたエリアですから、ちょっとスピードをゆるめ、古都・金沢らしい風情ををゆったりと味わいたいですね。