2020年07月20日

【大分】国生み神話の世界!姫島の七不思議を巡る旅へ

【大分】国生み神話の世界!姫島の七不思議を巡る旅へ

大分県の国東半島(くにさきはんとう)の先に、イザナギノミコトとイザナミノミコトの2柱の神様が大島の次に作ったといわれる島があります。その島は姫島。国生み神話や日本書記にも登場する歴史のある島です。そんな姫島の各地には、不思議な伝説が残っている7つの場所があります。歴史好き、伝説好きの方ならきっと気になるはず。今回は、大分県北東部の姫島の不思議な言い伝えの残るスポットを7ヵ所ご紹介します。

ゆったりしたスピリチュアルな空気が流れる、姫島

ゆったりしたスピリチュアルな空気が流れる、姫島2088514

出典:monsiroyouさんの投稿

大分県の国東半島(くなしりはんとう)の沖に南北約4km、東西約7kmの小さな島があります。島の名前は「姫島(ひめしま)」。周辺は魚の宝庫で、豊かな海の幸に恵まれた島です。瀬戸内海国立公園に位置する姫島は、火山によって生み出された島。あるお姫様にまつわる言い伝えが残っており”伝説の島”、”神秘の島”と言われているんです。詩情と伝説に包まれた姫島は、伝説好き・冒険好きの好奇心を駆り立てます。ちょっとディープな歴史探索をしたい女性達のために、姫島の不思議スポットをご紹介していきましょう。

古来より伝承に富んだ姫島

古事記に登場する姫島

古事記に登場する姫島2114491

出典:ikkunさんの投稿

『古事記』には、伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の2神が、”国生み”に際し、本州・九州・四国・淡路・壱岐・対馬・隠岐・佐渡の8つの島を誕生させた後に6つの島を生んだとの記載が残されています。その6つの島のうち、4番目に生まれたのは女島。この女島は、「姫島」ではないかと言われているんです。

姫島の由来は日本書記

姫島の由来は日本書記2088828

出典:丈太さんの投稿

垂仁(すいにん)天皇の時代、意富加羅国*の皇子が牛を連れて歩いていたところ、ある貴族に牛を捕まえられて食べられてしまいます。皇子が貴族に対して賠償を求めたところ白い石を渡されます。皇子は石を持ち帰り寝室に置いたところ、石が美女に変身。皇子は求婚しますが、振られてしまいます。さらにその美女は、皇子から立ち去ってしまいます。そして、なぜか日本のとある島に移り住み、比売語曽(ひめこそ)社の神になったと『日本書記』に記載されているんです。島に移り住んだ彼女はお姫様と呼ばれ、「姫島」の”姫”はこの女性に由来しているといわれています。

*意富加羅国…現在の朝鮮半島南部の国

姫島へのアクセス

姫島へのアクセス2088512

出典:

姫島へのアクセス方法はフェリーのみ。そのフェリーが発着する港は、伊美(いみ)港です。とはいえ、昼時には1時間に1本のペースで運航しているので離島に渡る交通機関としてはかなり便利。伊美港から姫島港までの船旅は約20分です。伊美港までは大分空港からレンタカーを使えば約50分。そのままフェリーに乗り込んじゃうことも可能です。空港からバスを利用する場合は、バスを乗り継いで約70分です。

1.阿弥陀牡蠣

牡蠣を食べるとお腹を壊す不思議

牡蠣を食べるとお腹を壊す不思議2088777

出典:マスターさんの投稿

港から車で約12分。姫島の東に位置する崖の下には、牡蠣が群生している海蝕洞窟*があります。ここの牡蠣は海水に浸かることがなく、阿弥陀三尊に形が似ているため「阿弥陀牡蠣(あみだがき)」と呼ばれているんです。その姿が仏さまの形をしていることも不思議ですが、ここの牡蠣は食べると腹痛を起こすという不思議な言い伝えがあるんです。なぜ、ここの牡蠣を食べると腹痛を起こすのかは未だに解明されていません。阿弥陀三尊の化身だからでしょうか。科学的に証明出来そうなのに出来ないことに、不思議度は増しますね。

*海蝕洞窟…海岸の崖にある波で侵食された洞窟

恋の神様がいるかも!絵になる姫島灯台

恋の神様がいるかも!絵になる姫島灯台2088778

出典:

阿弥陀牡蠣が生息している崖の上は、花崗岩で作られた灯台が建っています。真っ白な灯台と真っ青な空とのコントラストが画になると人気。付近は公園として整備されているのですが、灯台までの道に可愛いハートの切り株があります。これもお姫様の神秘といわているんですよ。恋の神様のご利益があるかも。

姫島灯台の詳細情報

姫島灯台

住所
大分県東国東郡姫島村稲積4966-2
アクセス
姫島港から車で約15分

2.浮田

田んぼが浮いて揺れる不思議

田んぼが浮いて揺れる不思議2088796

出典:あゆかけさんの投稿

「浮田」は、その名の通り田んぼが浮くように揺れるという伝説が残されている場所。大昔、池に大蛇が棲んでいました。しかし、ある時、お姫様(比売語曽の神)が島民を助けるために大蛇の棲んでいる池を埋めて稲田を造りました。ところが、池を田んぼにする際池に棲んでいた大蛇も誤って一緒に埋めてしまったとか。そのため、大蛇の怒りで、埋めた田んぼが浮いているように揺れるようになったみたいです。実際、田んぼが浮くように揺れたかどうかわ分りませんが、現在は石碑のみが建てられています。大蛇の怒りに触れてみては?

阿弥陀牡蠣のついでにクリア

阿弥陀牡蠣のついでにクリア2088774

出典:

姫路港から車で約10分。姫島灯台のすぐそばにあるので、灯台を巡ったついでに「浮田」に立ち寄ってみるといいでしょう。今は田んぼの面影はありませんが、トントンと跳ぶと土地全体が揺れるという噂も。想像力が掻き立てられる姫島のスポットです。

3.拍子水

手拍子を打ったら水が湧いた不思議

手拍子を打ったら水が湧いた不思議2088519

出典:

お姫様(比売語曽の神)がお歯黒をした後、口を濯ごうとしたところ水が無くて困ったそう。そこで、手拍子を打って天に願います。すると、岩の間から水が湧き出ました。そんな言い伝えが残る場所が「拍子水」です。別名”おはぐろ水”とも呼ばれています。二酸化炭素をたくさん含む炭酸水素塩泉が湧き出ている「拍子水」は、飲むと強炭酸でほんのり鉄の味。現在もこんこんと湧き出る「拍子水」の様子をみていると、お姫様のいた時代にタイムスリップしてしまいそうな不思議な感覚に陥るかもしれませんよ。姫島港から車で約8分の場所にあります。

地元の知られざる名泉「拍子水温泉」

地元の知られざる名泉「拍子水温泉」2088521

出典:

「拍子水」のすぐ目の前には、島民に親しまれている「拍子水温泉」という温泉施設があります。もちろん、「拍子水」を活用した温泉。海を見ながら入れる素敵な温泉施設です。日帰り入浴が可能なのでぜひ入ってみて。身も心も癒されます。

拍子水温泉(健康管理センター)の詳細情報

拍子水温泉(健康管理センター)

住所
大分県東国東郡姫島村5118-2
アクセス
姫島港から車で約10分

4.かねつけ石

石に跡がついた不思議

石に跡がついた不思議2088781

出典:りん+さんの投稿

お姫様(比売語曽の神)が、石の前でお歯黒をつけた際、筆とお猪口をこの石の上に置いたところといわれています。別名「おはぐろ石」とも。歯のホワイトニングが主流な現代と昔の美的感覚を比べると、おもしろいですね!

かねつけ石をじっくり観察

かねつけ石をじっくり観察2088531

出典:

「かねつけ石」に付いたお猪口と筆の跡は、よーく見ないと分からないという話も。どんな跡が石に付いているのか宝さがし気分で探しみてみましょう。何かを見つける楽しみって、大人になっても楽しいものですよ。

5.逆柳

楊枝から柳が生える不思議

楊枝から柳が生える不思議2088784

出典:fineさんの投稿

姫島には、お姫様(比売語曽の神)がお歯黒の際に使用した柳の楊枝を、土に逆さまに刺したところ芽が出て柳が成長したという言い伝えが残っています。「逆柳」はその柳。「逆柳」が不思議なのはその姿。普通の柳は、枝が垂れていますよね。でも「逆柳」は枝が垂れていないのです。なぜでしょう?その答えは未だに分りません。だからこそ、姫島の七不思議と残っているのでしょう。木を眺めながら自分なりの答えを見つけてみるのも、不思議スポット巡りの醍醐味。「逆柳」は、姫島港から車で約7分の場所にあります。

見れば見るほど不思議な柳

枝が垂れてない「逆柳」は、見れば見るほど不思議。そして、何か秘められたパワー持っているような感じがします。ぜひ、そのパワーを感じてみましょう。

6.千人堂

善人なら大丈夫?借金取りから逃がれられる不思議

善人なら大丈夫?借金取りから逃がれられる不思議2088515

出典:

観音崎と呼ばれる島の岬に、馬頭観世音を祀った小さなお堂があります。そのお堂は「千人堂」と呼ばれています。一見何の変哲もないお堂ですが、借金取りに追われた人をこのお堂には千人も匿うことができたからこの名称がついたそう。「千人堂」を実際に見てみると、2坪ほどしかないお堂に、どうやって千人もの人々が隠れられたのか不思議でたまらなくなるはずです。ちなみに、ここに隠れる事の出来る人は善人だけだとか。キャッシュレス時代、カード地獄に陥る前に一応チェックしておくべきスポットかもしれませんね。姫島港から車で約6分。

島随一の絶景スポット観音崎

島随一の絶景スポット観音崎2088817

出典:minkyさんの投稿

「千人堂」は、高さ40mの断崖にあります。ここから眺める周防灘に沈む夕日は絶景。まるで絵画を見ているかのような美しさです。きっと感動するはず。一見の価値があります。

7.浮洲(うきす)

海が大荒れでも浮いて見える鳥居の不思議

出典:Instagram (@regenerationder)

出典:www.instagram.com(@regenerationder)

姫島の沖合には小さな洲があります。洲の一角には、大きな巌(いわ)があり、漁業の神様として島民の信仰を集める高部様(たかべさま)が祀られています。その前に鳥居が建てられており、この鳥居と高部様に姫島の七不思議があるのです。高部様と鳥居は、どんな高潮や時化の時でも、決して海水に浸からないそう。それどころか、洲が海中に浮いて見えるんだとか。そんな摩訶不思議な現象が起きるのが「浮洲」です。浮いている洲を目の当たりにすれば、きっとこの不思議に驚愕することでしょう。

「みつけ海岸」から眺めて見よう

「みつけ海岸」から眺めて見よう2088621

出典:モコちゃんさんの投稿

日本で唯一、渡りをするという蝶”アサギマダラ”。そのアサギマダラの休息地である「みつけ海岸」から「浮洲」がよく見えます。「浮洲」は、満潮時であれば浮いて見えるみたいなので、海岸から見てみては。アサギマダラの休息シーズンの5~6月頃や10~11月頃であればアサギマダラにも出会えるかもしれませんよ。

姫島の詳細情報

姫島

住所
大分県東国東郡姫島村

姫島の人気イベント「キツネ踊り」

姫島の人気イベント「キツネ踊り」2088526

出典:

姫島の盆踊りがちょっと面白いと評判。それは毎年8月14日~16日までの3日間開催される「キツネ踊り」です。鎌倉時代から伝わる伝統の踊りで、行列の先頭に羽織を羽織った庄屋さん、その後に片手に提灯のついた傘を持った子きつねが、掛け声を掛けながら踊ります。この子きつねがなんともカワイイッ♡島の子ども達が、独特なキツネの化粧をし、ユーモラスなしぐさで踊るのです。この時期は、フェリーも臨時便がでるほどの人気の「キツネ踊り」。姫島の郷土文化を知るのに絶好のイベントです。夏に訪れたら「キツネ踊り」を見てから帰りましょう。

名産車えびを堪能

名産車えびを堪能2088540

出典:

姫島は、車えびの養殖が盛んです。養殖の車えびと姫島近海で摂れる天然の車えびは、”姫島車えび”というブランド名で全国に知られています。島内には、車えびを扱っているお店がたくさんあります。

「姫乃家」 料理 125219173

出典:Shima-Dasuさんの投稿

フェリー降り場からすぐの『姫乃家』は、車えびを使った料理のバリエーションが豊富と評判のお店。人気のメニューは”車えび刺身定食”です。車えびのプリップリの食感となんともいえない甘さに虜になってしまう人続出です!

姫乃家の詳細情報

姫乃家

姫島村 / 日本料理、居酒屋

住所
大分県東国東郡姫島村松原2089-10
平均予算
  • ¥1,000~¥1,999

姫島の不思議をコンプリートしよう!

姫島の不思議をコンプリートしよう!2088529

出典:まめおさんの投稿

お姫様に関することを中心に7つの不思議な伝説が残っている姫島。姫島を初めて知った方も、たくさんの不思議な魅力を秘めた島だということをお分かりいただけたでしょうか。2人乗り電動自動車やレンタサイクルで島を一周しながら不思議スポットを巡れば、濃厚な島旅を楽しめます。今回ご紹介した7つの不思議スポット以外にも、島には不思議なスポットがまだまだあります。残りの不思議は、ぜひご自身が姫島に実際に行って探してみましょう。きっと、充実した摩訶不思議体験ができるはずですよ。

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