パワースポットへハイキング。神秘の「神倉神社」の散策プラン【和歌山】

毎日の満員電車、忙しい仕事に人間関係、後回しになる家事やセルフケアetc…。都会での暮らしは、知らず知らずのうちにストレスが溜まりますよね。そんなときに必要なのは、ショッピングやアミュージメントより大自然のパワー。ハイキングで黙々と体を動かせば、心が無になる心地よさに目覚めるはず。運動不足も解消されて一石二鳥です。

ハイキングにおすすめのスポットは、和歌山県の「神倉神社」。世界遺産であり、パワースポットとしても有名な熊野古道の一部です。神秘的で非日常感溢れる光景は、きっと本来の自分を取り戻す力になるはず。いつもと違うことをしてみたい、人生に迷いがある、歩くことが好き、達成感を感じたい、など気軽な気分で大丈夫。神倉神社への参拝と周辺の散策プランをご紹介します。

南紀白浜空港からリムジンバスで約2時間22分。JR新宮駅から徒歩約15分の場所にある「熊野速玉大社」。その摂社として有名なのが「神倉神社」です。538段の自然石の階段を登った先にあり、まさに絶壁に鎮座しています。標高約100mという過酷な場所ですが、ここでしか見られない絶景に心が震えるはず。

出典：紅えもんさんの投稿

神倉神社までの階段は538段。なかには四つん這いになって登る人もいるほど急勾配です。所要時間は往復で約1時間程度。はじめは「キツイ…」と息を切らしつつも、そのうち心が無になる心地よさが芽生えてきますよ。また、この難関を突破するためにも、動きやすい服装・滑りにくい靴を装備しましょう。

出典：e.noahさんの投稿

這い上がるように階段を登りきったら、「神倉神社」のおでましです。まず目に飛び込んでくるのは、神体のゴトビキ岩。崖の上ともいえるスリリングな場所に鎮座する巨岩が放つのは、独特の違和感と強烈な存在感。神秘としか説得がつかない、圧巻のエネルギーに心を打たれます。

「神倉神社」からは、太平洋と市街の景観を一望できます。パノラマに広がる風景は、写真や映像では味わえない開放感。標高約100mで感じる風の心地良さやスリルは、強烈なインパクトで胸に迫るはず。きっと、日々のモヤモヤを思い出す隙もないほど、心が満たされるはですよ。

神倉神社は、毎年2月6日に開催されるお燈まつりの舞台としても有名です。お燈まつりは、和歌山県指定無形民俗文化財に指定されている“火祭り”です。白装束に身を包んだ約2000人の男子が、御神火を移した松明を持ち538段の石段を駆け下りる様は壮観。期間中の神社は女人禁制ですが、麓の沿道から見学することができます。心に焼きつくような光景に出会えるはずですよ。

出典：bows777さんの投稿

下山したら、「熊野速玉大社」を参拝しましょう。熊野速玉大社は、熊野本宮大社、熊野那智大社とともに熊野三山を構成する大社。緑に囲まれた美しい神殿は、眺めているだけで心が清らかになりそう。

熊野速玉大社のご神木の梛（なぎ）は必見。樹齢1000年近くといわれる梛は、枝が縦横無尽に広がり、なんと高さ約18mほど。その大きさは日本最大なんだとか。生命力がみなぎる、たくましく勇ましい姿になんだか勇気をもらえそうですね。

境内にある「熊野神宝館」には、室町時代の蒔絵手箱や檜扇など1200点の神宝が所蔵されています。ほとんどが国宝に指定されている貴重なものですが、一部は展示品として公開されています。参拝時にはぜひ立ち寄って見てください。当時の風俗や熊野信仰を垣間見ることができますよ。

出典：

お昼は南紀名物のめはり寿司を味わいましょう。熊野速玉大社から徒歩約4分の「総本家めはりや本店」は、1962年創業のめはり寿司専門店。握り飯を高菜の葉で包んだめはり寿司は、ほのかな酸味と塩気のバランスが絶妙です。7世紀頃に握り飯と漬物を片手食べられるよう開発されたのだとか。日本最古のファストフードともよばれているんですよ。

出典：

登山や参拝の後はお腹がぺこぺこになりますよね。めはり寿司だけじゃ足りないな…というときは、定食やセットでボリュームアップを。サクサクっと軽い串揚げや、心と体にじんわりと染みる豚汁などは人気メニューのひとつ。しみじみと美味しさを感じられるはずです。

出典：

お土産用のめはり寿司も販売しています。お店特製のタレがついているので、自宅でも旅の味をリアルに再現できますよ。旅の土産話をしながら家族や友人に振舞ってみてはいかがでしょうか？

お腹が満たされたら、次は体を癒しに温泉へ向かいましょう。総本家めはりや本店から車で約50分の湯ノ口温泉は、南北朝時代から地域住民たちの湯治場として愛された場所。大自然の中に佇む穏やかなロケーションで、源泉掛け流しを堪能できます。

泉質は、殺菌力や鎮静効果があるといわれるナトリウム・カルシウム塩化物泉。熊野材をふんだんに使用した木の香り漂う湯浴みを楽しめます。温泉に入る前には杖をついていた人が、入浴後には杖を忘れて帰るという言い伝えを持つ湯ノ口温泉。その効果を肌で感じてみませんか？

出典：ボブ036さんの投稿

施設のすぐ近くでは、湯ノ口温泉と入鹿温泉をつなぐ鉱山トロッコ列車に乗車することができます。ノスタルジックな車両に乗り込み、約1kmのトンネルとくぐる10分程度の小さな旅を楽しめますよ。きっと、ワクワクできる新鮮な体験ができるはず。

出典：鈴電さんの投稿

夕暮れの楽しみは、幻想的な絶景。湯ノ口温泉から車で約21分の丸山千枚田に向かいましょう。幾重にも重なるような棚田は、とてもアーティスティックな光景。躍動感のある幻想的な造形が、見るものの心を奪います。黄昏色に染まる自然のアートは、忘れられない感動的な光景になるはずです。

出典：yu♨︎さんの投稿

初夏に見られる虫おくりは、収穫を祈る行事です。地域のこどもが松明と太鼓を手に千枚田の中を練り歩く光景は、なんとも神秘的。映画やアニメの世界に飛びこんだような、不思議なトリップ感に包まれます。

※2020年の虫送りは中止です

ハイキング兼ねた旅は、インドアになりがちな日々から抜け出すきっかけになるはず。普段は目を止めることのなかった街や自然の魅力を肌で体験すれば、たくさんの発見があるはずです。素直に喜んだり感動したり、きっと自分の心が人間らしく戻れるはずです。