【群馬】しっとり大人のひとり旅。四万温泉と吾妻線沿線1泊2日プラン

都会での日々の暮らし。満員電車に揺られて出勤するオフィスでは、いつも締め切りのある仕事に追われてなんだか気が抜けません。仕事を終えて家路につく頃、街にきらめくのはネオンサイン。24時間眠らない街は便利だけれど、何かに追い立てられるようなせわしなさから、少し離れたくなる時もありますよね。そんな時は、ローカル線でのひとり旅に出てみてはいかがでしょうか？

誰にも邪魔されることなく、自分のペースで時間を使えるのがひとり旅の最大の魅力。また、ローカル線の旅は、窓の外を流れる景色を楽しみつつ、ゆったりとした速度で移動できることで、四季折々の自然を体感しながらのんびりとした時間の流れを感じられます。

今回、ローカル線でのひとり旅におすすめするのが「吾妻（あがつま）線」。群馬県の吾妻渓谷に沿って約55kmを走る、山間の景色と吾妻川の清らかな流れを楽しめる路線です。沿線には小野上温泉、四万（しま）温泉、沢渡温泉、川原湯温泉、尻焼温泉、草津温泉、万座温泉といった温泉地が点在しているのも魅力。各駅停車は時間帯によって「高崎駅」または「新前橋駅」からの始発になるので、乗り継ぎをチェックして向かいましょう。

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最初に降りるのは「渋川駅」。ここから路線バスで約15分のところに「伊香保グリーン牧場」があります。ここは榛名山麓の緑豊かな自然に囲まれた観光牧場で、動物とのふれあいや、乗馬、バター作りなど、都会では味わうことのできない体験が楽しめると評判です。

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場内では、ヒツジやヤギ、ウサギといった動物たちとふれあえます。誰も待たせることのないひとり旅だからこそ、ふわふわ・もこもこの動物たちとの時間を存分に楽しみましょう。また、入場口付近にあるお買い物スポット「ショッピングプラザグッディ」では、群馬県産の新鮮な牛乳を使ったオリジナルスイーツなど、買って帰りたくなるおみやげがたくさん！パッケージも牧場らしく、かわいらしさ満点です。

出典：鉄壁ミュラー21181さんの投稿

気の済むまで動物とふれあった後はランチへ。「渋川駅」から徒歩約6分のところにある「ベアーズレイ」は、遊び心満載のカジュアルな洋食屋さん。お店の名前にちなんだ、クマをモチーフにした看板や人形で迎えてくれます。

出典：聖者あまちゃん大佐さんの投稿

深みのある味わいで評判のデミグラスソースは「デミオムライス」「ハンバーグステーキ デミグラスソース」などで味わえますよ。その他「ぷるぷる卵のオムライス」や「ナポリタン」、「カレーライス」や「チーズカレードリア」など、好きなメニューを選んでお腹いっぱいいただきましょう。

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お腹いっぱいになったところで再び吾妻線に乗って「中之条駅」へ。駅から四万温泉行きのバスに乗り約3分の「博物館前バス停」で下車、または徒歩約15分のところにある「中之条町ふるさと交流センターつむじ」には、地産の食材を活かしたカフェや、伝統工芸品、作家の1点ものなどが揃う雑貨ショップがあります。館内ではワークショップの開催やアートの展示なども行われ、地元の文化やアートに気軽にふれることができますよ。

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「お祭り広場」では土日を中心にイベントが開催され、その周りには食事処などのテナントショップ7店が並ぶ「横町」があり、見てまわるだけで楽しい気分になりますね。たくさん歩いて足が疲れてきたら、四万温泉の湯を気軽に楽しめるこちらの足湯でほっと一息。旅のエネルギーをチャージしましょう。

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いよいよ今日の宿泊地である四万温泉へ。「博物館前バス停」から乗車し、40分ほどで「四万温泉バスターミナル」に到着します。そこから四万温泉のメインストリート「落合通り」までは歩いて1分ほど。土産物屋や蕎麦屋などがいくつか並ぶ中には、スマートボールで遊べるお店も。昭和レトロな雰囲気が楽しめます。

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ちなみに、夜に来るとこんな感じに。宿に荷物を置いて温泉や食事を楽しんだ後、昼間とはまた少し異なった雰囲気を楽しみに散歩に来るのもいいかもしれません。

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「落合通り」を戻り、入口の交差点から徒歩約1分、交差点を渡り、橋の先にあるのが、本日泊まる「四万温泉　積善館本館 」です。元禄7年（1694年）に旅籠宿として開業してから、名湯とともに歴史を積み重ねロマンを受け継いできた宿。本館は日本最古の木造湯宿建築といわれ、アニメ映画「千と千尋の神隠し」のモチーフになったともいわれています。

本館は日本最古の湯宿建築と伝えられ、群馬県の指定重要文化財にも登録されています。木のぬくもりあふれる和室はどことなく懐かしさを感じさせ、昔ながらの湯治場の雰囲気を今に伝えます。湯治スタイルの滞在となるので、お布団の上げ下ろしなどはセルフサービス、その分気兼ねすることなくひとりでも泊まりやすいです。

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重要文化財指定の建物であることから自炊はできませんが、日替わりの素朴で滋味豊かなお弁当を用意してもらえます。四季折々の野菜や山菜、群馬名産のこんにゃくや豆腐、味噌、漬物といった身体にやさしい食材を使ったお料理をゆったりと一口ずつ味わっていただきましょう。大広間から持ち帰って客室で食べることもできますよ。

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お風呂はもちろん名湯「四万温泉」を。昔から「四万(よんまん)の病に効く」と広く知られ、交通が発達していない時代にも江戸からも多くの客が来たとの古文書が残っているそう。そんな効能豊かな温泉をひとり心ゆくまで堪能しましょう。中でも昭和5年（1930年）に建てられた「元禄の湯」は、アーチ形の窓から差し込む自然光が浴室内に降り注ぐ様子が美しい洋風の温泉で、国の登録有形文化財にも指定されています。

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ローカル線の旅、せっかくなら終点まで乗り通すと達成感がありますよね！「中之条駅」からは約50分、「大前駅」は吾妻線の終点で、群馬県内および関東地方の普通鉄道の駅としては最西端の場所にある無人駅です。ただし、1つ手前の「万座・鹿沢口駅」止まりの列車が多く、「大前駅」まで走る列車は1日4往復しかありません。時刻表を必ず事前に確認してから行きましょう。

出典：bashikoroさんの投稿

お昼には「大前駅」から吾妻線で約1時間、「小野上温泉駅」から徒歩約22分の場所にある隠れ家レストラン「ラフェスタ」で、イタリアンのランチコースをいただきましょう。少し駅から離れた場所にありますが、南欧風のお店の佇まいが緑豊かな環境に調和しています。

出典：bashikoroさんの投稿

こちらでは、ランチのコースメニューがいただけます。メインにパスタまたは肉・魚料理を選ぶと、前菜やサラダ、スープ、デザート、ドリンクが付いてくるスタイル。盛り付けも美しく、目にもお腹にもおいしい料理を堪能してくださいね。

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「小野上温泉駅」で下車し、徒歩約2分の場所にある「ハタの湯」は、本格的な日帰り温浴施設。開湯以来「美人の湯」として知られる小野上温泉を、露天風呂や温度の異なる内風呂で楽しめますよ。サウナやマッサージブース（別料金）もあるので、旅の疲れをこちらでじっくり癒してしまいましょう。

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館内には大浴場だけでなく、源泉掛け流しの温泉が付いた個室もあります（別料金）。湯船だけでなく、なんとシャワーやカランも源泉だそうで、豊富な湯量を誇る温泉をひとり占めできますね。建物の外には飲泉場もあるので、ここでもぜひ大地の恵みをいただき、エネルギーをチャージしてください。

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山間を走る吾妻線は、南に榛名山や浅間山、北に草津白根山などの山並みがそびえ、その間を縫うように流れる吾妻川の渓谷に沿って走ります。春には新緑、秋には紅葉、冬は雪化粧した山々を眺めながらのローカル線の旅は、繰り返し訪れても毎回新たな感動が沸き起こります。

出典：www.instagram.com(@_airrailmaster)

のどかな風景が広がる場所も。窓の外を流れる景色をゆったりと眺めれば、都会では味わうことのできない移動の時間が楽しめますよ。

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「吾妻峡レールバイクA-Gattan（あがったん）」は、「八ッ場（やんば）ダム」建設に伴い付け替えられた吾妻線の廃線敷を利用した自転車型トロッコ。「岩島駅」から乗合バス約4分、徒歩約1分の場所にあります。以前は日本一短い鉄道トンネルだった樽沢トンネルや、鉄道橋も通るので、まるで列車の運転士になったような気分も味わえます。ただし、利用は2名から。今度彼や友達といっしょに来た時に楽しみましょう。

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もし時間があれば、2020年3月に完成した「八ッ場（やんば）ダム」の見学もおすすめ。吾妻川の中流域にあり、ダム堤体上や、展望スペース「やんば見放台」から周辺を見渡すことができ、眼下に広がる吾妻渓谷を望みます。「なるほど！やんば資料館」では、ダムの歴史や役割についてのお勉強も。「長野原草津口駅」から、タクシーで約10分のアクセスです。

出典：@わにさんの投稿

旅の締めくくりには、新幹線停車駅「高崎駅」で家族や友だちへのお土産を買いましょう。駅構内の「銘品館」「群馬いろは」では、群馬エリアの銘菓やお土産品がたくさん。駅弁を買って、帰りの車内で早めの夕食にするのもいいですね。

出典：一老太さんの投稿

お土産には群馬のゆるキャラ「ぐんまちゃん」をモチーフにしたグッズ、ミルククリームを鉱泉せんべいで挟んだ和洋折衷のお菓子、種類豊富なラスクなどが人気です。

吾妻線に乗っての1泊2日、ローカル線の旅はいかがでしたか。吾妻線の車窓を楽しみ、周囲の落ち着いた観光スポットや温泉を訪れながらゆったりのんびりとした時間を過ごせば、普段急かされてばかりの都会生活で張り詰めた気持ちもゆるんで、自分のペースが取り戻せるでしょう。次のお休みは、吾妻線でのひとり旅を計画してみてはいかがでしょうか。