幻想的な世界に浸れる！長野県の絶景・御射鹿池

長野県茅野市にある“御射鹿池”は、液晶テレビAQUOSのCMで、日本画家東山魁夷の「緑響く」という作品を使用したことがキッカケで知名度が上がった池です。なぜなら「緑響く」のモチーフが、御射鹿池なのです。
そんな御射鹿池を訪れた多くの人が、その神秘さに魅了されています。一体、御射鹿池とはどんな池なのでしょうか。

1,100mという高地にある横谷渓谷と呼ばれる地域は、酸性の冷鉱泉の影響と冷害に悩まされていました。そこで、流れ込む冷たい水を溜めて温めるための農業用水のため池とてして御射鹿池は、1933年に作られました。

御射鹿池の水は、酸性の冷鉱泉の水を引いているため、pH4前後という非常に酸性度の高い池です。強い酸性の池には、魚はもちろん微生物でさえ生息していません。そのため、御射鹿池の水はとても澄んでいます。

さらに、御射鹿池の美しさは、酸性の水を好むチャツボミゴケという植物が一役買っています。チャツボミゴケが、湖底に繁茂しているので深い緑色の美しい池となっています。

早朝のまだ太陽が昇っていない時間帯の御射鹿池の水面は、鏡張り状態です。薄暗い光の中で、鏡張り状態の水面に映し出される新緑の木々や白樺の様子は、神秘的でまるで絵画の中に入り込んでしまったかのようです。まさに、東山魁夷の「緑響く」の世界観です。

夏の木々は、水面の緑色に近い深い緑となります。濃い緑が織りなす緑一色の世界もまた印象的です。

カラマツが紅葉し始める秋も、御射鹿池が魅力的に見える季節です。深い緑色の水面に、赤や黄色などのカラフルな色が映る様はゴージャスの一言です。

冬の御射鹿池は、二つの顔を見ることができます。ひとつは、神秘的な青の世界。もつひとつは、幻想的なモノトーンの世界です。

神秘的な青の世界が広がるのは、まだ雪が降らない時期です。カラマツなどの針葉樹林が落葉し、深緑色だった池の色が、なんとなく濃紺に見えます。さらに、冬の寒さで空気が澄み、御射鹿池は青に包まれまたようになります。

一方、雪が降る時期になると、幻想的なモノトーンの世界です。落葉した木々は黒いシルエットに、水面は冬の寒さで凍って白、そして地面に降り積もった雪の白色。黒と白のコントラストもまた魅力的な風景です。

神秘的な風景を期待するのなら、早朝4時半～5時半頃のまだ日が昇らない時間帯がオススメです。日が昇ってしまうと風が吹いてしまい、水面に波が立ってしまいます。鏡のように動かない水面に木々が映り込む神秘的な風景は、朝が一番です。

標高の高い御射鹿池から見る星はとても輝いています。澄んだ空気の中で瞬く星が、池に映る光景は本当に幻想的です。

車で行く場合は、中央自動車道の諏訪ICから約40分です。電車利用の場合、JR中央本線茅野駅を下車し、バスかタクシーに乗って約40で到着です。

茅野市の秀逸なフレンチレストラ「エスポアール」。信州サーモンをはじめ、イノシシやシカ肉などのジビエ、フキノトウやきのこなどの山菜など地元の食材をフレンチに昇華させているレストランです。信州の食材をオシャレに楽しみたい方にはオススメです。

“水そば”ってご存知ですか。“水そば”は、水洗いした蕎麦をそのまま食べる食べ方です。蕎麦の風味やのど越しを楽しむ食べ方なので、蕎麦と水が美味しくなければイマイチです。「蕎麦の郷」では、県内でも珍しい“水そば”を食べさせてくれるお店です。蕎麦の本当の美味しさを知りたい方は、訪れてみると良いかもしれません。

御射鹿池の魅力を伝わったでしょうか。きっと、画像と文章だけでは十分にお伝えできていないかもしれません。だから、実際に行って五感で御射鹿池を感じてください。もっと神秘的・幻想的そして非現実的な世界を堪能できるはずです。