日本一の急勾配を駆け登る！大井川鉄道の「アプト式列車」って？

大井川鉄道は、「SL」や子供に大人気の「機関車トーマス号」に乗れる鉄道として有名です。春にはさくら、夏には茶畑、そして秋には紅葉と季節折々の絶景を楽しむことができます。そんな中で、今回ぜひおすすめしたいのが「アプト式列車」から眺める絶景です。

「アプト式列車」は、急な勾配を上るための機関車を連結させた電車のことを言います。スイスのカール・ロマン・アプトさんによって発明された鉄道システムです。

大井川鉄道では、水力発電所やダムの建設で使う資材を運搬するために造られました。今では観光列車として親しまれ、大井川上流部・奥大井の渓谷を絶景を眺めながらゆっくりと走る、日本唯一の電車なのです。

アプトいちしろ駅から長島ダム駅までの区間は、90‰（パーミル）の勾配があります。日本一と言われるだけあって、ものすごい急勾配です。

この写真のように「アプト式列車」に普通電車を連結させて、急勾配をぐんぐんと上っていきます。今までにない体験ができる上、多くの観光客に車窓から見える絶景を楽しませてくれています。

「アプト式列車」が走る線路をよく見てみると、特殊な歯型のレールが見えます。この歯型は「アプト式機関車」に付いている歯車と噛みあわせる仕組みになっています。この仕組みこそが、急勾配を上ったり下ったりできる秘密なんです。

アプトいちしろ駅では、電車から降りて「アプト式列車」を連結させる作業を目の前で見ることができます。鉄道ファンにはたまらない楽しみの一つです。長島ダム駅では、連結部分の切り離し作業が見られます。

静岡県と言えば、やっぱり茶畑です。車窓から眺める一面の茶畑の風景は、どこか懐かしさを感じさせます。

太陽の光を浴びてキラキラと光るエメラルドグリーンの渓谷は、大井川鉄道で見られる絶景の一つです。見た人全てを魅了します。

大井川に大きくそびえる「長島ダム」は、まるで要塞のようだと言われています。また、ダムのそばには「しぶき橋」があり、ダムの放水のしぶきを浴びながら、ダムを間近で見ることができます。

秋には、赤や黄色に衣替えをした山々の景色に出会うことができます。美しい紅葉を眺めながら、のんびりと過ごせる時間は心の癒しになります。

アプト式列車の停車駅「アプトいちしろ駅」のそばには、今は使われていないトンネルがあります。現在は、駅を訪れた人が楽しめる趣向を凝らした散策スポットになっています。

神尾駅では、驚くほどの数の信楽焼のたぬきたちが出迎えてくれます。電車の利用客を楽しませてくれる趣向があちらこちらで見られるので、飽きることがありません。神尾駅はアプト式列車のルートではありませんが、大井川鉄道の普通電車で行くことができますよ。

塩郷駅にある「塩郷の吊り橋」の長さは220ｍで、高さはおよそ11ｍあります。長いだけあって、その分揺れもありスリル満点！愛称の”恋金橋”の由来は、地域の地名から取ったようです。塩郷駅もアプト式列車のルートではありませんが、大井川鉄道の普通電車で行くことができますよ。

日本唯一の湖上駅「奥大井湖上駅」には、ファンタジー好きな人やお子様が楽しめるスポット”Happy Bell”があります。「妖精が忘れていった幸せを運ぶ」と言われる鐘を鳴らし、その音を聞くと元気が溢れるという不思議な鐘です。こちらの駅はアプト式列車のルートになっています。

絶景スポットもいいですが、何より車掌さんの案内放送が最高なんです！また、撮影スポットに近づくと車掌さんの案内があり、電車が徐行してくれます。絶好の撮影ポイントを決して逃すことがありません。

日本唯一の「アプト式列車」の魅力をご紹介いたしました。絶景目当てに行くも良し、「アプト式列車」の連結作業を楽しむも良し、駅付近のスポットを楽しむも良し！日本一の急勾配を上るスリルをぜひ体験しに行ってみてくださいね。