見てください、この色白でふっくらとした豚まんのお姿!
2016年11月28日
関東人が熱望しているのに進出しない!551蓬莱の確固たるこだわりを暴く
大阪に行ったら必ず食べたいもののひとつ「豚まん」。特に「551蓬莱」の豚まんは、もっちりとした皮と肉汁たっぷりの餡のバランスがやみつきで、わざわざ大阪まで行かなくても近所で買えればいいのになと思ってしまいますよね。需要はたくさんありそうなのに、なぜ551蓬莱は関西以外に出店しないのか? そこには、聞けば納得の理由があったのです!
この美しいビジュアルを目にしただけで、一度でも551蓬莱の豚まんを食べたことがあるひとは、味の記憶がよみがえってきますよね。
1日平均14万個、冬の時期には20万個売れる日もあるという、551蓬莱の豚まん。でもそんなに売れているのに、関西以外では店舗をまったく見かけませんよね。
いったいどうしてなのでしょうか?
なんで551てこんな美味いねん。結構、関西圏以外では食べた事無い人多かったりするけど、マジで食べた方がいいよ。肉まんに対する考え変わるよ。いや、豚まんなんやけどさ。
— 森勇太 空中ループBa. (@morichunkuuchuu) 2013年3月20日
少々データが古いのですが、551蓬莱の店舗数は、平成25年4月現在で61店舗。
そのすべてが大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県にあるんです。
ではなぜこれ以外の都道府県には出店しないのか? 551蓬莱によると、その理由にはふたつの思いがあるのだそうです。
ほんと551蓬莱、関東に出て欲しいいいいいいいい
— 恭子 (@kyk1059) 2016年9月7日
そのひとつは、会社を大きく育ててくれた大阪のひとたちへの恩返しの気持ち。豚まんを「わざわざ大阪に来ないと食べられないもの」として使ってほしいという思いがあるんです。
そしてもうひとつは、「いつでも最高の状態で豚まんを味わってほしい」という思い。
豚まんのあのもちもちとした食感は、生地(551蓬莱では「ネタ」と呼んでいます)の発酵の度合いと深く関係しているのですが、551蓬莱によると、イースト菌は生きて発酵を続けるため、最高の発酵状態をキープできる時間は「150分」しかないのだそうです。
このため、大阪市の桜川にある工場から、保冷車で150分以内にネタを配送することができるエリア。551蓬莱のお店を置くことができる場所は、そこに限られてしまうというわけなんです。
とはいえ、どうしても551蓬莱の豚まんが食べたい!という声に応えて、最近では全国の百貨店の物産展などに出店することもあります。その場合は、現地でネタ作りができるよう、ミキサー持参で駆けつけるのだそうですよ。
帰りの電車でやけに551の紙袋持った人が多いと思ったら!デパートの催事で蓬莱が出店してるだと!?
— いたち屋※12.23静岡コミックライブ (@itachiyaitachi) 2016年11月4日
3時間並んで買っただと!!?
3時間有ったら大阪行けるわい!!
551がある時ィィーーッッ!!!
ワアアアアアァァーーッッ!!
(訳・羨ましい)
551蓬莱CM 時代劇編 2016年 - YouTube
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ここで耳寄り情報をひとつ。どうしてもいますぐ豚まんが食べたいという関西圏以外のニーズに応えて、551蓬莱では電話・FAX・ネットショップによる通信販売もおこなっているんです!
カーカカカカカ!
— カーくん (@karknp1) 2016年3月19日
551蓬莱の豚まんを通販してやったわ!
これを可能にしたのは、チルド(およそ5℃以下での冷蔵)技術。豚まんを冷凍してしまうとどうしても味が落ちてしまうのですが、蒸したてを急速冷蔵するチルドなら、おいしさを可能なかぎりキープすることができるんです。
別途送料がかかってしまいますが、551蓬莱が大好きな方にとっては検討に値しますよね。
夢にまで見たあの豚まんに、すぐ手が届きます!!
通信販売/551蓬莱
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全国展開すればもっと売れるかもしれないのに、おいしい豚まんを届けるためにあえてそれをしない、551蓬莱。おいしさのためのこだわりは他にもいろいろあるのですが、それをご紹介する前に、ここでちょっと551蓬莱の歴史を見ていきましょう。
551蓬莱のルーツとなったのは、1945年に大阪・戎橋で開業した「蓬莱食堂」。551蓬莱の前会長である羅邦強(ロー・パンチャン)氏が、台湾出身のふたりの仲間とともに始めた食堂です。
意外なことにこの蓬莱食堂は、ひと皿10円のカレーライスが当初のウリで繁盛していました。しかし、徐々にお客さんが少なくなってきたため、当時神戸の元町で流行っていた豚饅頭を「豚まん」として売り出したところ、これが大ヒット。
その後、火事による2度の店舗焼失を経て、1964年に創業者の3人は「蓬莱」「蓬莱本館」「蓬莱別館」の3社に袂を分かちます。このうちの「蓬莱」が、羅邦強氏が継いだ今の551蓬莱の原型なんです。
3社に分かれた蓬莱食堂ですが、羅邦強氏は、どうやって他の蓬莱との差別化を図るのか悩んでいました。
そんなとき目を留めたのが、自分が吸っていたタバコ「State Express 555」でした。このタバコの箱は、「555」という数字が目立つようなデザインになっていて、一目見て他のタバコと区別がつくデザイン。
アラビア数字は覚えやすく、世界共通なので、これをブランド名に使おう!と思い立ったのでした。
数字は世界共通。最強の言語やと思う。
— おじみー (@y37_5296) 2016年10月30日
そして当時、蓬莱が使っていた電話番号が64-551番。「味もサービスもここが一番!」という語呂合わせで使っていた番号「551」から、現在の「551蓬莱」というブランド名が誕生したんです!
私の名前の551も、蓬莱由来…
— じぇいにゃ (@jay3_551) 2016年4月25日
551蓬莱 本店の詳細情報
551蓬莱 本店
大阪難波、難波(南海)、なんば(大阪メトロ) / 肉まん、中華料理、飲茶・点心
- 住所
- 大阪府大阪市中央区難波3-6-3
- 営業時間
- [月] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) [火] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) [水] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) [木] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) [金] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) [土] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) [日] 11:00 - 22:00(L.O. 21:30) ■ 定休日 第一・三火曜 ※変更の場合あり
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥1,000~¥1,999
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“551がある時”は笑顔になれる♡大阪名物「551蓬莱」
それでは、おいしい豚まんを食べてもらうための551蓬莱のこだわりを、ひとつずつご紹介していきましょう。
これはもう分かりますね。「関西以外に出店しない」のと理由は同じです。
イースト菌が発酵を続ける豚まんのネタは、150分しかおいしさや形を保つことができないので、制限時間内にふっくらと蒸し上げなくてはなりません。
生の状態で販売すると、持ち帰っているあいだに過発酵でネタがダレてしまい、どうしても上手に蒸し上げることができないので、けっして生では販売しないんです。
551蓬莱の豚まんは、餡(これを「カヤク」と呼ぶそうです)を作るのにタマネギと豚肉を使っているのですが、タマネギは甘みの強い淡路島産のものを中心に1日4トンも使用しています。
また豚肉は、「ウデ」「モモ」「バラ」の3つの部位をミックスして使用し、脂や肉汁の量が最適になるように調整をしています。もちろん、保存料などは一切無添加。
豚まんのネタは、小麦粉・砂糖・イースト菌などを合わせたものに加水して作られるのですが、できあがったものは「オサエ」「スグ」「フツウ」の3種類に分けられます。
補足。551蓬莱本店では、豚饅生地の発酵の程度によって、「すぐ」(1時間で発酵完了)、「普通」(2時間で発酵完了)、「おさえ」(3時間で発酵完了)の3種類に分けている。(おさえは特に遠い和歌山市や草津市の店舗で用いられる)[2012年11月4日『大阪ほんわかテレビ』] #ytv
— 風霊守 (@fffw2) 2012年11月10日
実はこれ、工場から店舗までの距離ごとに発酵時間が変わるようにネタを作り分けているんです! 工場から近いお店には発酵時間が早い「スグ」のネタ、遠い店舗には遅い「オサエ」のネタを送るのですが、ネタに加える水の温度を変えることによって、このような時間差をコントロールしているんです。
また配送の回数も、一度にネタを送ってしまうのではなく、1日に何度かに分けて、いつも発酵状態が最高のネタで豚まんが作れるようにしています。
551蓬莱 ネタ切り動画 - YouTube
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こうして店舗に届けられたネタとカヤクは、お店でひとつひとつ手作りで豚まんのかたちに成形されていきます。
この豚まん作りの技術は、師匠から弟子への直伝なんです。師匠に合格をもらって豚まんを包めるようになるまで、弟子は繰り返し練習を重ねるのだとか。
このようにして、ひとつひとつ表情の違う「オンリーワン」の豚まんが作られているんですね。
551蓬莱 パフォーマンス 551Horai performance Chinese food in Japan - YouTube
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コンビニの豚まんなどは、底に保温器にくっつかないようにするための紙が敷かれていますが、551蓬莱の豚まんは、薄い木でできたものが敷かれています。
これ、実は四国で切り出した「松」の薄木なんです。551蓬莱では「ザブトン」と呼ばれています。
松は香りが良いため、豚まんと一緒に蒸すことによって、豚まんの味がいっそう引き立つという、影の立役者なんですよ。
551蓬莱は大阪の有名店。
— しもじ (@Shimoji2) 2014年11月27日
一日に手作りする豚まん14万個に敷く薄木は「松」を使っています。
お笑いタレントのなるみさんとTV等に出演するお父さん役は551蓬莱の常務さん。
豚まんにつけるちいさな袋入りの「からし」も、業者から仕入れるのではなく、毎日自社で生産し、できたてのうちに出荷しています。
551の豚まんさぁ、一個につき辛子3袋くらいで食べたい
— 折部 (@Vitalization_RX) 2016年9月25日
551蓬莱の豚まんは、2個入り、4個入り、6個入り、10個入りが原則。
これは、創業者・羅氏の「偶数は極めて縁起がよく、円満の印である」という考えに基づいて決められているんです。
『中国の結婚式のお祝儀は偶数の金額なんですよ。偶数が縁起が良いんですね。日本で結婚式に呼ばれた時、日本では偶数がダメだと知らなくて2万円包んだんですが、あとで怒られました。』中国出身男性より
— 外国人名言集@GLOBALPOWER (@_GLOBALPOWER) 2016年11月12日
ただ、最近では奇数個の要望があったときには、1個入り用の箱に入れて販売してくれるそうなので、どうしても奇数個購入する必要がある場合は、お店のひとにお願いしてみましょう。
551の豚まんって偶数個でしか店頭では販売してないし、1人やけど2個入り買って食べてる人とか見ると教えてあげたい。豚まんは1個からでも奇数販売してます。店員さんに言えば対応してくれます。
— M U T O (@redtopaz610) 2015年9月18日
551蓬莱の豚まんをおみやげとして持っていると、すぐに目につく白地に赤文字の紙袋。
ロゴの下になにやら英語で書いてありますが、あれは、
食文化を考え、半世紀にわたり味の徹底追求を重ねた結果、HORAIの食品は現在のかたちになりました。自信と実績に裏打ちされた食品たちは、こどもからおとなまで幅広い人気とご愛顧をいただいています。これからもHORAIの姿勢は変わらず、お客様本位で、時代に合った改良・改善をしていくつもりです。HORAI FOODSの豚まん、焼売、焼き餃子、アイスキャンデーを今後ともよろしくお願いします。出典:551って?/551蓬莱
と書いてあるんです。なんて真面目な!
季節を問わず人気の豚まんですが、さすがに夏場は、冬に比べると販売数が少ないのだそうです。
そこで夏に売れる商品として目をつけられたのが、1954年から販売の始まった「アイスキャンデー」。551蓬莱のもうひとつの看板商品です。
551蓬莱のアイスキャンデーは、1日に約8万本、年間約1000万本を工場で生産しています。
味は「ミルク」「あずき」「チョコ」「フルーツ」「グリーンティ」「パイン」の6品。これらは通年で食べることができるのですが、その他に、毎年夏には「ミルクティー」や「オレンジ」などの期間限定味が登場します。
夏の大阪を訪れたときには、ぜひアイスキャンデーも賞味してみてくださいね!
アニメアイスキャンデーCM 551蓬莱 - YouTube
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551蓬莱のおいしさに対するこだわり、いかがでしたか? 関西以外に住んでいるひとにとっては、食べたいときにすぐ食べられないのはとても残念ですが、おいしさと「大阪のソウルフード」というイメージを守るためというのであれば納得ですよね。551蓬莱の豚まんを食べる楽しみは、次に大阪に行くときまでとっておくとしますか♪