2016年12月27日
今注目のワケ。池波正太郎も愛した神田の老舗和食&甘味グルメ7選
今はビジネス街として賑わっている神田ですが、大通りを少し外れると昭和レトロ漂う和食の老舗がいくつもあります。特に神田須田町は戦火を免れ、明治や昭和初期築の木造建築の店が今でも健在。それらの多くは、「東京都選定歴史的建造物」に指定され、外国人観光客やアニメ等の聖地巡礼にも人気です。しかしその以前から、グルメ愛好家・池波正太郎は神田のそれら老舗を深く愛していました。玄関を上がると下足札を渡され、畳の上で寛ぎ、飲食を楽しむ…。今では希少となった、昭和の原風景を神田の老舗飲食店で体験しませんか?
あんこう鍋というのは、食べつけたら、それこそ「たまらない……」ものだそうな。それほど熱中はしていない私だが、酒に、あんこうはよいと思う。出典:「食卓の情景」新潮社
江戸末期の天保元年(1830年)に創業した老舗のあんこう料理専門店。当時はあんこう鍋の他にも、よせ鍋、かき鍋など、様々な鍋料理を提供していたとのことです。しかし、あんこう鍋に人気が集中し、大正時代に東京で唯一のあんこう料理専門の店となりました。現在の店舗は大正12年の関東大震災による全焼後、昭和5年に建て直したもので、奇跡的に戦禍を免れ、当時と変わらぬ姿を残しています。「あんこう鍋」には、じっくり1時間以上蒸して、味に深みが出たアンキモが使われています。あんこう鍋の最後には、締めとしてタマゴをかけた雑炊。味わいが凝縮し、たまらない美味しさです。
いせ源の詳細情報
いせ源
淡路町、小川町、新御茶ノ水 / あんこう、鍋、日本料理
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町1-11-1
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 11:30 - 14:00(L.O. 13:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [水] 11:30 - 14:00(L.O. 13:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [木] 11:30 - 14:00(L.O. 13:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [金] 11:30 - 14:00(L.O. 13:30) 17:00 - 22:00(L.O. 21:00) [土] 11:30 - 22:00(L.O. 21:00) [日] 11:30 - 22:00(L.O. 21:00) [祝日] 11:30 - 22:00(L.O. 21:00) ■ 定休日 月曜日(4月~10月は日・祝祭日・月休み)
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥10,000~¥14,999
見栄も体裁もなく、うまい鳥を客に安く食べてもらおうという商売の仕方で、これはいまも変わっていないことが、三十年ぶりに行って見てわかった。出典:「食卓の情景」新潮文庫
明治30年ごろからこの地で営業している「ぼたん」。奇跡的に戦災をまぬがれた神田須田町界隈にあり、「ぼたん」の昭和初期築の建物も「都選定歴史的建造物」に指定されています。こちらは創業以来"鳥すきやき"一筋。ガスを使わず伝統の味を守り続けるために今でも備長炭と鉄鍋で調理されています。鳥の旨みを十二分に引き出すこだわりの「鳥すきやき」は昔も今も多くの人から愛されています。
「鳥すきやき」の締めの親子丼。ここでしか食べられない極上の一品です!
ぼたんの詳細情報
ぼたん
淡路町、小川町、新御茶ノ水 / 鍋、日本料理、居酒屋
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町1-15
- 営業時間
- [月] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [火] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [水] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [木] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [金] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [土] 11:30 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [日] 定休日 [祝日] 定休日 [祝前日] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) [祝後日] 11:30 - 14:30(L.O. 14:00) 17:00 - 22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30) ■ 営業時間 最終入店20:00 ※7月よりランチタイム11時30分~15時00分最終入店14時00分 ディナータイム17時00分~21時00分最終入店20時00分へ変更いたします。
- 定休日
- 日曜日、祝日
- 平均予算
- ¥10,000~¥14,999
- ¥10,000~¥14,999
結局、「山の上ホテル」の天ぷら「山の上」へ行く。調理主任の近藤文夫君が、「きょうは、鯒のいいのが入りました」「じゃあ、薄く、やってもらおうかな」出典:「池波正太郎の銀座日記」新潮文庫
池波正太郎をはじめ、三島由紀夫、井上靖、松本清張、吉行淳之介など数多くの昭和の文豪たちが「山の上ホテル」を常宿としていました。天ぷらと和食の老舗「山の上」は、そんな「山の上ホテル」にある店であり、文豪たちもその味をこよなく愛していました。また、「近藤」「深町」「楽亭」など有名天ぷら店の職人たちが修行したのもこの「山の上」。また、江戸前の天ぷらといえば魚介のみが普通でしたが、当時珍しかった野菜の天ぷらを取り入れ、香りを意識した太白胡麻油と純正胡麻油のブレンドを使い始めたのも、こちらのお店でした。衣のしっとりとした食感はさすが食通の文豪たちをうならせてきただけあります。
クリスマスシーズンはライトアップされて美しい「山の上ホテル」。いつでも絵になる由緒あるホテルで、大切な人と極上の天ぷらを食べられたら幸せですね。
てんぷらと和食 山の上 本店・御茶ノ水
閉業や休業等の理由により食べログに店舗情報が存在しないか、一時的な障害で店舗情報が取得できませんでした。
はじめて入ったときから現在まで、この店のおかみさんをはじめ店の人たちのあつかいは全く変らぬ。つまり、通りがかりに入った、はじめての客への親切が、いまも変らぬということで、出典:「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)
「花ぶさ」は昭和39年創業です。お店のある、現在の外神田4丁目は当時は神田花房町であったので、店名につけられたとのことです。池波正太郎がこの界隈を散歩中に、偶然のれんをくぐったことから、「花ぶさ」との長い付き合いが始まりました。エッセイで「戦前の東京の心意気をしのばせる」と評していた名物女将・佐藤雅江さんから、九星気学も習ったとの逸話もあります。また、名物の「千代田膳」は池波の命名で、ほぼすべてのコースにつく「生芝海老揚真丈」も、池波の考案だそうです。池波直筆による敷紙やのれん、土産袋なども見ることができ、池波正太郎ファンにはたまらない割烹です。
花ぶさの詳細情報
花ぶさ
末広町、湯島、上野広小路 / 日本料理
- 住所
- 東京都千代田区外神田6-15-5
- 営業時間
- [月] 11:30 - 14:00 17:30 - 22:00 [火] 11:30 - 14:00 17:30 - 22:00 [水] 11:30 - 14:00 17:30 - 22:00 [木] 11:30 - 14:00 17:30 - 22:00 [金] 11:30 - 14:00 17:30 - 22:00 [土] 11:30 - 14:00 17:30 - 22:00 [日] 定休日 [祝日] 定休日
- 定休日
- 日曜日、祝日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- ¥8,000~¥9,999
先ず「藪」で、みんなと待ち合わせる。酒を一、二本というところか。出典:「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮文庫)
江戸時代から「藪そば」は、おいしいおそば屋さんの代名詞。「藪そば」とは、江戸の中期に東京都豊島区の雑司ヶ谷の藪の中の農家が出す美味しいおそばが名物になり、それが由来となったそう。今では東京三大藪そばとして有名ですが、その本家が、ここ「かんだやぶそば」になります。そばの特徴は、外1割(そば10、小麦1)で、そばの風味が香る、柔らかいおそばです。「かんだやぶそば」の初代の堀田七兵衛は、蕎麦の風味が落ちる夏の時期に清涼感を楽しんでもらおうと、蕎麦の若芽を練り込みました。これが薄緑色のそばの始まりだそうです。現在はクロレラでこの色を出しています。
かんだやぶそばの詳細情報
かんだやぶそば
淡路町、新御茶ノ水、小川町 / そば
- 住所
- 東京都千代田区神田淡路町2-10
- 営業時間
- [月] 11:30 - 20:30(L.O. 20:00) [火] 11:30 - 20:30(L.O. 20:00) [水] 定休日 [木] 11:30 - 20:30(L.O. 20:00) [金] 11:30 - 20:30(L.O. 20:00) [土] 11:30 - 20:30(L.O. 20:00) [日] 11:30 - 20:30(L.O. 20:00) メニューの価格は変わっています。 おしながき を写真投稿しましたので確認して下さい。
- 定休日
- 水曜日
- 平均予算
- ¥2,000~¥2,999
いまでも、有名な蕎麦屋では、カレー南蛮を出さない。その是非はさておいて、私がよく足を運ぶ神田・須田町の蕎麦屋「まつや」には、この一品がメニューにあって、それがまた、うまい。うまいといえば「まつや」で出すものは何でもうまい。出典:「むかしの味」新潮文庫
「神田まつや」の店舗は関東大震災後の1925年に建築された木造の建物で、江戸情緒溢れる老舗らしい佇まいです。2001年には東京都の歴史的建造物に選定されています。行列もできる人気店で、店内では昼夜問わず多くの人がおそばにお酒やおつまみを楽しんでいます。特に、ごま蕎麦が有名であっさりした味が癖になりますよ。
神田まつや 本店の詳細情報
神田まつや 本店
淡路町、小川町、新御茶ノ水 / そば
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町1-13
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 11:00 - 20:30(L.O. 20:00) [水] 11:00 - 20:30(L.O. 20:00) [木] 11:00 - 20:30(L.O. 20:00) [金] 11:00 - 20:30(L.O. 20:00) [土] 11:00 - 19:30(L.O. 19:00) [日] 定休日 [祝日] 11:00 - 19:30(L.O. 19:00)
- 定休日
- 月曜日、日曜日
- 平均予算
- ¥2,000~¥2,999
- ¥1,000~¥1,999
神田・須田町の「竹むら」へ入ると、まさに、むかしの東京の汁粉屋そのもので、汁粉の味も、店の人たちの応対も、しっとりと落ちついている。出典:「むかしの味」新潮文庫
「竹むら」は淡路町駅から程近い、外堀通りから一本入った雑居ビル群の中にある風情ある一軒家の甘味処です。連日行列ができる大人気店。東京都の歴史建造物に指定されている昭和5年築の店舗の外観のみならず、店内も昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな家具が並んでいます。メニューも昔懐かしいものばかりで、名物の「揚げまんじゅう」「お汁粉」「あんみつ」、そして、夏期は「かき氷」や「氷しるこ」も人気です。
竹むらの詳細情報
竹むら
淡路町、小川町、新御茶ノ水 / 甘味処、かき氷、和菓子
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町1-19
- 営業時間
- [月] 定休日 [火] 11:00 - 20:00(L.O. 19:40) [水] 11:00 - 20:00(L.O. 19:40) [木] 11:00 - 20:00(L.O. 19:40) [金] 11:00 - 20:00(L.O. 19:40) [土] 11:00 - 20:00(L.O. 19:40) [日] 定休日 [祝日] 定休日
- 定休日
- 月曜日、日曜日、祝日
- 平均予算
- ~¥999
- ¥1,000~¥1,999
今回ご紹介した神田の老舗名店は、地元の人たちや古くからの愛好家で今でも人気です。最近はそれだけでなく、その昭和レトロな建物を舞台にしたアニメ、映画、ドラマも多く作られているので、若い人も聖地巡りに訪れるようです。また、外国人観光客が日本的なものを求めてやってくることも多く、観光名所にもなったりと、沢山の人から注目を集めています。グルメ愛好家池波正太郎の好んだ味ですから、見た目だけでなく文句なしに美味しいお店ばかり。レトロな「神田」に癒されに、出かけてみませんか?