2017年03月06日
10円玉の景色に会いに行こう。京都の世界遺産「平等院」の魅力
日本に暮らす人なら、毎日その姿を目にしていると言っても過言ではない「平等院」。なぜならば、10円玉の表面(イラストが描かれている面)にその姿を見ることができるからです。この平等院の「鳳凰堂(ほうおうどう)」という建物は、お茶で有名な京都の宇治に現存しています。10円玉に描かれている本物の景色を見に、宇治を訪ねてみませんか?
「鳳凰堂」は1回50人のグループでの拝観になるため、まずは受付を済ませましょう。時間を記した拝観券が配られます。朝の9:30から拝観は開始され、20分毎の観賞となります。平等院は京都でも人気の観光名所なので、混雑は当たり前。なるべく早めに行くのがおすすめです。
「平等院鳳凰堂」と、名前にもなっている鳳凰をまずは見てみましょう。今の黄金色の鳳凰は二代目で、初代鳳凰は平等院ミュージアム鳳翔伝に飾ってあります。阿弥陀堂外観が尾の長い鳥が翼を広げた形に見えることや、屋根上の鳳凰形棟飾によって、近世以降「鳳凰堂」と呼ばれるようになったのです。
「鳳凰堂」は、藤原摂関時代の華やかさを象徴する建物。平安貴族が建立した寺院の中で、建物や庭園などまでが現存する、唯一の貴重な史跡でもあります。大きな特徴は、池の中島に建てられているため、まるで極楽の宝池に浮かぶ宮殿のような姿となっていること。その姿は水面にも映り、とても優美な光景です。堂内の中央には金色の阿弥陀如来坐像が座し、長押(なげし)上の小壁には52躯の「雲中供養菩薩像」が懸けられています。
鳳凰堂中堂内部の壁に懸け並べられている52躯の菩薩像。これらも定朝工房で天喜元年(1053年)に制作されたものです。像はいずれも輪光を負い、飛雲上に乗っています。楽器を奏でたり、舞ったり合掌したり。持ち物もそうですが、仕草や表情がひとつひとつ違い、見応えがあります。
平等院鳳凰堂は、建築はもちろん絵画・彫刻・工芸のどれもが素晴らしく、国宝の集まった空間となっています。また、浄土庭園に残された昔の建築の残存物と池や庭園が相まって、とても美しい歴史的環境を今に伝えています。そんな平等院の、国宝の美術工芸品が見られるのが「平等院ミュージアム鳳翔館」。現代の技術を駆使して収蔵・公開しています。平等院鳳凰堂のイメージを壊すことなく、境内の一部として整備されています。
平等院の詳細情報
平等院
- 住所
- 京都府宇治市宇治蓮華116
- アクセス
- その他 ◆京阪宇治線「宇治」駅下車、徒歩10分◆JR奈良線「宇治」駅下車、徒歩10分
- 料金
- 【料金】600円 庭園+ミュージアム鳳翔館、大人600円、中高生400円、小学生300円
宇治は京都市内から少し離れた場所にあります。それでも平等院は足を延ばしてみる価値のある場所。どの季節に行っても、四季の花々が境内に咲き誇り、鳳凰堂を美しく飾ってくれます。ぜひあなたも、平安時代を感じる旅に出かけてみませんか?