2018年07月22日
【長崎・天草】“潜伏キリシタン”に思いをはせる…一人で巡りたい世界遺産12選
世界文化遺産への登録が決定した「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。一人で旅してみたいけど、どこを巡っていいのやら…そんな方のために、エリア別に“世界遺産スポット”を12カ所ご紹介。話題の場所は、九州本土のほか長崎や熊本の島々にも点在しています。そのため、行きたい場所を絞って効率的に巡るのが◎。歴史を学べるのはもちろん、美しい教会やのどかな海山の景色を眺めているだけで癒やされますよ。
2018年6月、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。日本では17世紀から約200年もの間、キリスト教の禁止政策が続きましたが、ひそかに信仰を続けようとした“潜伏キリシタン”がいました。旅好きな女子のみなさん、次のお休みは長崎や熊本に一人で足を運んで、潜伏キリシタンの信仰の歴史を目で見て、肌で感じませんか?
世界文化遺産に登録されたスポットは見所満載。江戸時代の面影を残す集落を散策したり、荘厳なステンドグラスにうっとりしたり、古き良き日本の漁村×教会が織り成す景色に感動したり…。一人でじっくり巡りたい場所がきっと見つかりますよ。
※教会内の見学は事前予約が必要なケースが多いので、行かれる際は公式サイトを確認してください。また、基本的に教会堂内の撮影は禁止されています。十分にご注意ください。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター
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世界文化遺産に登録された12カ所は、九州本土だけでなく五島列島や平戸島など各地に点在しています。都内から各スポットに行くには飛行機が便利。羽田空港から「長崎空港」に向かい、そこから車や電車、フェリーなどを利用して巡るも良し。福岡空港を経由して「天草空港」に向かうも良し。福岡空港OR長崎空港を経由して五島列島の「福江空港」に向かう方法もありますよ。行きたい場所を絞り込んで効率的に巡ってくださいね。それでは早速、世界遺産を巡る旅に出発しましょう。
まずは、大小120余の島々からなる熊本・天草の世界文化遺産をご紹介しましょう。このエリアは海に囲まれていて、九州本土からは“天草五橋”と呼ばれる5つの橋から渡ることができます。話題の歴史スポットはもちろん、温泉、自然、グルメなど見所満載なので一日中楽しめますよ。
漁村の風景と教会が織り成す風景が魅力の「﨑津集落」。この集落では漁村独特の信仰が育まれ、アワビやタイラギの貝殻を“聖母マリア”に見立てて崇敬していたそうです。﨑津教会(写真・左側)の内部は畳敷きという珍しい造り。かつて「絵踏み」が行われていた場所に祭壇が設置されており、生活と信仰の結びつきを肌で感じることができます。のどかな景色を眺めながら、一人気ままにお散歩してくださいね。
熊本県天草観光ガイド
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#津教会の詳細情報
長崎県の南端に位置する島原は、四方を海に囲まれた町。いたるところに歴史の面影が残されています。天草からはフェリーで行けるほか、長崎市内からは車・電車・バスなどでアクセスできます。
原城を主戦場にして、キリシタンや農民らが蜂起した「島原・天草一揆」。一揆の際には約3万7千人が城に立て籠もったと伝えられています。今はお城はありませんが、原城跡からは鉄砲玉で作った“十字架”などが出土しており信仰心の深さが伺えます。
キリシタンによる一揆は江戸幕府に大きな衝撃を与え、その後2世紀を越える海禁体制を確立するとともに、宣教師不在の下で潜伏キリシタンが、自分たち自身で信仰を続けていく契機となりました。出典:世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」その他の構成資産|長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産|世界遺産|長崎市公式観光サイト「 あっ!とながさき」
城の跡地は小高い丘に位置し、目の前には海が広がっています。歴史を感じさせる三体の石像(写真)が見つめている先には、首謀者たちが一揆の計画を練ったという「湯島」があります。周辺を散策しながら、古の時代に思いをはせてくださいね。
原城跡の詳細情報
長崎市内に場所を移すと、日本と西洋の文化が入り混じった街並みをあちこちで見ることができます。この記事では、長崎駅から徒歩や路面電車で行ける「大浦天主堂」のほか、長崎駅から車かバスで行ける長崎市・外海(そとめ)町にある2つの集落をご紹介しましょう。3カ所とも世界文化遺産に登録された話題の場所です。
長崎駅前より路面電車に乗って「大浦天主堂下」で下車後、少し坂を歩くと荘厳な「大浦天主堂」が見えてきます。こちらはキリスト禁教令により殉教した26人のカトリック信者に捧げられた教会。さらに、1865年に浦上の潜伏キリシタンたちが信仰の告白をした“信徒発見”の場所でもあります。教会に入る前から厳かな雰囲気に包まれます。
こちらは優しい表情の「マリア像」。撮影禁止なため写真はないのですが、この教会のステンドグラスは一見の価値があります。改築や原爆投下による修理などで3度変遷しており、同じ色でも微妙に色味が違うとか。時間を忘れて好きなだけ眺めたいですね。
ステンドグラスは色や形が同じでも、製法上同じものは作れず、すべてがこの世で唯一のもの。その一枚一枚に各天主堂の物語が刻まれており、教会独自の空間を醸成しています。また、光の透過によっても色や明るさが違い、朝、昼、夕方と時間ごとの美しさを見ることができます。
大浦天主堂の詳細情報
長崎市・外海町の「出津集落」は多くの“潜伏キリシタン”が存在したエリア。出津教会堂(写真)はこの集落のシンボル的な存在で、白をベースにした清楚なたたずまいです。長崎駅から出津集落にバスで行く場合は「出津文化村」で下車しましょう。
外海の出津集落|長崎エリア|教会めぐり|【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト ながさき旅ネット
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出津集落よりバスで4分ほど揺られた場所に“大野集落”があります。このエリアにある「大野教会堂(写真)」は出津教会までお祈りに行けない人のための巡回教会として建てられました。外海の伝統的な建築技術をベースにしながらも、西洋技術を取り入れた貴重な建築物です。質素な石壁は趣たっぷりで、教会内部は木造教室のような造り。住民の生活に寄り添った教会をじっくり鑑賞してくださいね。
大野教会の詳細情報
長崎の佐世保市に属する“黒島”にも世界文化遺産があります。長崎駅から行くには、まずは電車で佐世保駅に向かい、バスOR電車に乗り継いで「相浦桟橋」に向かいましょう。そこから出ているフェリーに乗れば黒島港に到着できます。ちなみに、黒島にはバスやタクシーが無いため、ガイドツアー(車あり)やレンタサイクルを利用すると便利ですよ。
黒島へのアクセス | 黒島へ旅する
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黒島は、佐世保の名勝・九十九島の一つであり、禁教令中に多くに“潜伏キリシタン”が移住した場所です。写真は約40万個ものレンガを使った「黒島天主堂」。黒島特産の御影石や有田焼のタイルなども使われています。今でもミサが行われており、ミサの時間は見学ができないので事前に問い合わせて行きましょう。
黒島天主堂の詳細情報
佐世保駅からバスやタクシーを乗り継いで行ける平戸エリアは、日本史でお馴染みのフランシスコ・ザビエルが布教した地。この一帯にはかつては約5000人もの信者がいたそうです。禁教時には多くの信者が改宗しましたが、その中でも信仰を続けた“潜伏キリシタン”がいました。彼らはキリストや聖母マリアの絵を、各家の納戸(なんど:衣類や調度品をしまっておく場所)に隠して祈りを捧げていたと伝えられています。
春日集落は、海×棚田の絶景を楽しめる世界遺産スポット。江戸時代の面影を残した景色を眺めながら、隠れキリシタンたちの暮らしぶりに思いをはせてください。佐世保駅からはバスやタクシーを乗り継いで行けますよ。日程が合えば、ガイド付きの周遊バスツアーもおすすめです。
世界遺産「平戸の聖地と集落」周遊バスツアー|HIRADOじかん情報|募集情報|長崎県 平戸市(ひらどし)ホームページ
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春日集落からは、潜伏キリシタンたちに“聖なる山”としてあがめられていた安満岳を見られます。山頂に行くには、まず佐世保駅から鉄道やタクシーを乗り継いで「安満岳登り口駐車場」に向かいましょう。そこから徒歩1時間ほどで山頂にたどり着けます。アクティブな女子のみなさんは山登りに挑戦しちゃいましょう。
安満岳 | 「おらしょ−こころ旅」(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産)
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長さ400m、幅50mほどの無人島である「中江ノ島」は、聖水を採取する重要な聖地。隠れキリシタンたちの信仰の対象とされ“サンジュワン様”と呼ばれていました。残念ながら上陸はできませんが、年に何回か周遊クルーズが行われています。気になる方はチェックしてみてくださいね。
「中江ノ島」漁船クルーズ | 平戸観光協会 平戸観光交流センター
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中江ノ島の詳細情報
五島列島には、世界文化遺産に登録された集落が4カ所もあります。美しい海山の景色や、おいしいグルメも魅力的。五島列島の各スポットには、長崎港や佐世保港から出ているフェリーで行けます。ただし、何回か乗り換えが必要なケースが多いので、事前に公式サイトを確認してくださいね。そのほか、羽田から福岡空港か長崎空港を経由して「福江空港」に向かうのも一つの手です。
「久賀島の集落」では禁教令によってキリシタンが一旦途絶えたものの、潜伏キリシタンが移り住んだことで再び信者が増加。禁教が解かれた後は、各地に教会が建てられました。和風木造の旧五輪教会(左)と、洋風モダンな五輪教会(右)が立ち並ぶ様子は一見の価値があります。両者を見比べつつ時代の移り変わりを感じてくださいね。
久賀島の詳細情報
旧五輪教会堂の詳細情報
奈留島も潜伏キリシタンが移り住んだ場所です。写真は白×水色の組み合わせがかわいらしい「江上天主堂」。高価なステンドグラスを購入できなかったため、代わりに信者自らガラスに絵を描いて仕上げたそう。献身的な信仰心を垣間見ることができますよ。
江上天主堂の詳細情報
頭ヶ島でもキリシタンは迫害を受け、一時は島民全員が島を離れたこともあったといいます。その後、教会が建てられ、再び信仰が舞い戻ってきました。こちらはドーム屋根の鐘塔が印象的な「頭ヶ島教会(写真)」。撮影禁止のため写真はありませんが、館内には随所に花柄文様があしらわれています。
頭ヶ島天主堂|五島エリア|教会めぐり|【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト ながさき旅ネット
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野崎島は潜伏キリシタンが移り住んだと言われる集落です。かつては650人ほど住んでいたそうですが、現在では簡易宿泊施設の管理者以外は住んでいないそう。写真は、小高い丘にたたずむ「旧野首(きゅうのくび)教会」。
教会からは雄大な海を見渡せます!辺りには野生の鹿がたくさん生息しているのもポイント。かわいらしい姿に癒やされてくださいね。
野崎島の詳細情報
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世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は長崎や熊本の各地に点在しています。かつて激しい戦いが繰り広げられたお城跡に、隠れキリシタンが身を寄せた集落、当時の技術を駆使した教会など、どこも見所が満載です。歴史に思いをはせながら、話題の場所を一人でゆっくり旅しませんか?